広告代理店の手数料が妥当かどうかは、料率の大小では決まりません。見積もり、広告アカウント、契約書、レポートの4か所で、何に対していくら払っているかを自社が説明できるかどうかで決まります。
見積もりでは費用の内訳を、広告アカウントでは誰が持ち主で誰が操作できるかを、契約書では業務範囲と費用の決め方を、レポートでは広告費と手数料が分かれて出ているかを確かめます。
広告アカウントとは、Google 広告などの媒体に開設する、配信設定と運用履歴を保管する管理単位です。
根拠にしたのは、Google と Microsoft の公式ヘルプ、公正取引委員会の報告書と中小受託取引適正化法(取適法)の条文、民法の条文です。
どの資料にも手数料の標準的な率は書かれていなかったため、率、金額、相場はこの記事に載せません。
目的は、中身が見えないまま払い続ける状態をなくすことです。納得して払える形にそろえる手順を、4か所の順に並べます。
最初に、見積書やヘルプに出てくる言葉を表にそろえます。
先に読む用語表
以降の節で使う言葉の意味を、先に並べます。
呼び名の使い方は会社ごとに差があるため、見積書では定義を文面で確かめます。
| 用語 | 意味 | 主に使う節 |
|---|---|---|
| 型 | 手数料の決め方の分類。この記事では、媒体費に対する率、固定、成果の3つに分ける(弊社の整理) | 型、見積もり |
| 媒体費(ネット) | Google などの媒体に支払う、広告掲載の費用そのもの。代理店の手数料を含まない額 | 式、見積もり、レポート |
| 手数料(マージン) | 代理店に支払う運用や管理の対価。呼び方は会社によって違う | 全体 |
| グロス | 媒体費に手数料などを足した、広告主が支払う総額 | 式 |
| 外掛け | 媒体費に手数料を上乗せして請求する形。請求総額=媒体費×(1+率) | 式 |
| 内掛け | 請求総額の中に手数料が含まれ、残りが媒体費になる形。請求総額=媒体費÷(1-率) | 式 |
| 広告アカウント | 媒体に開設する、配信設定・運用履歴・請求先などを保管する管理単位 | 広告アカウント |
| サードパーティ | Google の用語で、広告主に代わって広告の購入や管理をする事業者。代理店はこれに当たることが多い | 見積もり、レポート |
| クライアント センター(MCC)アカウント | 複数の広告アカウントをまとめて管理するための Google 広告のアカウント。代理店が使うことが多い | 広告アカウント |
| 所有者(オーナー) | Google 広告で、クライアント アカウントに対するオーナー権限を持つ側 | 広告アカウント |
| 管理者 | ユーザーの追加や削除、設定の変更ができる権限を持つユーザー | 広告アカウント |
| お支払い元アカウント | 毎月の請求書をまとめて受け取る支払い方法(統合請求)で、請求書の宛先になるアカウント | 広告アカウント、乗り換え |
| 統合請求 | 複数の広告アカウントの毎月の請求書を、1つにまとめて受け取る支払い方法 | 広告アカウント、乗り換え |
| リンク、リンク解除 | 広告アカウントを MCC アカウントにひも付けること、そのひも付けを外すこと | 広告アカウント、乗り換え |
| キャンペーン | Google 広告で、予算や配信の設定をまとめる単位 | レポート |
| コンバージョン | 問い合わせや購入など、広告の成果として数える行動 | 広告アカウント、成果の見方 |
| リマーケティング リスト | 一度サイトを訪れた人を、広告の配信対象にするためのリスト | 広告アカウント |
| 品質スコア | Google 広告で、広告の品質を示す指標 | 広告アカウント |
| ランディングページ | 広告をクリックしたあとに、最初に表示されるページ | 見積もり |
| 変更履歴 | Google 広告で、キャンペーンに加えた変更を確認できる機能 | レポート |
| 準委任 | 民法第656条で、法律行為でない事務の委託に委任の規定を準用するとされている契約の形 | 契約書 |
| ROAS | 広告費に対する売上の比率。売上÷広告費 | 成果の見方 |
| CPA | 成果1件を得るためにかかった広告費。広告費÷成果の件数 | 成果の見方 |
| 粗利率 | 売上のうち、原価を引いた粗利が占める割合 | 成果の見方 |
結論:広告代理店の手数料が妥当かどうかは4か所で説明できるかで決まる
手数料だけを取り出して高い安いを論じても、判断の材料にはなりません。
何の対価として請求されているかが分かって初めて、他社との比較も、契約の見直しの相談もできます。
公正取引委員会は令和3年2月の報告書(デジタル広告分野の取引実態)で、広告代理店の請求の形を次のように書いています。
「広告代理店は,広告主からデジタル広告以外を含め広告・宣伝業務を請け負い,広告媒体費や広告制作費を含めた包括的な料金を広告主に請求することが一般的である。」
引用にある料金は、複数の費用をひとまとめにした1本の請求を指します。
1本にまとまった請求は、内訳を聞かない限り中身が見えません。内訳を確かめる場所を、次の4か所に整理しました。
| 順番 | 確かめる場所 | 確かめること | 見えないと起きること | 詳しい節 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 見積もり | 手数料の型と、媒体費・手数料・その他の費用が別の行になっているか | 総額が何の対価か説明できず、他社の見積もりと比べられない | 見積もりで確かめる |
| 2 | 広告アカウント | 自社の担当者が管理者として入っているか、誰が所有者か | 代理店を替えるとき、履歴や設定の扱いを相手の対応に頼ることになる | 広告アカウントの持ち主を自社にしておく |
| 3 | 契約書 | 業務範囲、費用の決め方、報告、解約の書き方 | 追加作業の請求や解約時の扱いで食い違う | 契約書に書いておくこと |
| 4 | レポート | 媒体費と手数料が別の行で出ているか、変更履歴 | 成果の良し悪しを判断する根拠がない | レポートで出してもらうもの |
この順番は、本文、まとめ、最後の点検表まで同じです。
根拠にした資料と、金額を書かない理由
各ページは、2026年10月26日に開いて内容を確かめました。Google のヘルプには更新日の表示が見当たらないため、確認した日を記載しています。
| 資料 | 発行元 | この記事で使った内容 |
|---|---|---|
| 変更履歴と統合請求の請求書に関するヘルプ | Google 広告ヘルプ | 変更履歴で見られる期間、統合請求の請求書の中身と確認の手順 |
| 広告アカウントの所有者とリンク解除に関するヘルプ | Google 広告ヘルプ | オーナー権限、管理者権限、リンク解除の影響 |
| サードパーティの透明性要件 | Google 広告ポリシー | 手数料の通知、費用の報告、アカウントの分け方 |
| 広告主様向けガイド | 合計費用の把握、契約書の写し、報告を受ける権利 | |
| ユーザー ロールのヘルプ | Microsoft 広告 | スーパー管理と標準ユーザーの権限 |
| デジタル広告分野の取引実態の報告書(令和3年2月) | 公正取引委員会 | 代理店の請求の形、中小規模の広告主の運用体制 |
| 取適法の案内ページと条文 | 公正取引委員会、法令検索 | 名称変更、施行日、用語、協議に関する条文 |
| 民法 | 法令検索 | 委任、準委任、報酬、報告、解除 |
率や金額を書かない理由
手数料の標準的な率を示した公的な資料は、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。
一次資料にたどれない数字は、定義も調べた対象も確かめられないため、この記事には載せません。
率の数字を知っても、見積書の中身を説明できなければ判断はできません。この記事は、中身を確かめる手順に絞ります。
日本語版と英語版の違いの扱い
Google 広告のポリシーの日本語版には、次の注記があります。
「ポリシーに基づく措置は、公式言語である英語版の記述に沿って実施されます。」
日本語版と英語版で文言が違う箇所は、該当する節で「英語版は」と書き分けます。英語版を訳した部分には「英語版の訳」と付けます。
また、弊社の整理や提案は、公式の手順と混ざらないよう、そのつど「弊社の整理」「弊社の提案」と書きます。
広告代理店の手数料の仕組みは3つの型で見分ける
手数料の決め方は、媒体費に対する率、固定、成果の3つの型に分けると見分けやすくなります。
この3分類は弊社の整理です。Google や公正取引委員会の資料に、手数料の型の公式な分類はありません。
時間数に単価を掛けて請求する形は、媒体費と関係なく額が決まる点で、固定に近い形として扱います。月ごとに額が変わるため、時間数の記録を毎月もらいます。
| 型 | 請求の決まり方 | 起きやすいこと | 見積もりで確かめる問い |
|---|---|---|---|
| 型1 媒体費に対する率 | 媒体費に率を掛けて手数料額が決まる | 広告費を増やすと手数料も増える。作業量が同じでも請求は増える | 率は何の金額に掛かるのか。広告費を変える場合の話し合いの場はあるか |
| 型2 固定 | 毎月決まった額。広告費が増減しても同じ | 月額に含まれる範囲の作業なら、増えても請求は同じ。範囲外の依頼は追加請求になる | 月額に含まれる作業は何か。追加請求になる作業は何か |
| 型3 成果 | 問い合わせなどの成果の件数に応じて額が決まる | 成果の数え方で請求額が変わる | 成果の定義は何か。計測データを自社が見られるか |
| 組み合わせ | 固定と率の併用、率に最低額を付けるなど | 最低額があると、媒体費が小さい月は負担割合が大きくなる | 最低額の条件は何か。見直す時期はいつか |
型1:媒体費に対する率
請求額が媒体費に比例するため、計算が簡単で、見積書も読みやすい型です。
一方で、広告費を増やした月は、手数料も同じ割合で増えます。
運用の作業量が増えていないときは、増えた手数料が何の対価かを説明できる状態にしておくと、予算の増減を相談しやすくなります。
確かめる点は、率が掛かる金額の範囲です。媒体費だけに掛かるのか、制作費やツールの費用にも掛かるのかを、見積書の1行ずつで確かめます。
型2:固定
毎月の額が決まっているため、予算を組みやすい型です。
広告費を増やしても請求額が変わらない一方で、月額に含まれる作業の範囲が曖昧だと、範囲外の依頼が追加請求になります。
会議の回数、レポートの頻度、広告文やバナーの制作、ランディングページの修正が月額に入っているかを、先に文面にしておきます。
媒体費が小さい月ほど、固定額が媒体費に占める割合は大きくなります。この割合は、手数料額÷媒体費で自社でも計算できます。
型3:成果
成果の件数に応じて請求が決まる型で、成果が出なかった月の負担を抑えやすい設計です。
請求額が成果の数え方で決まるため、見積もりの段階で数え方を文面にします。
電話、フォーム、重複した問い合わせ、受注に至らなかった問い合わせのうち、どれを1件と数えるか。誰が、どのデータで数えるか。この2点を決めておきます。
自社が広告アカウントの計測データを自分で見られなければ、請求の件数を確かめる手段がありません。この点は、2か所目の広告アカウントの節につながります。
短期で数えやすい成果に施策が偏る可能性もあります。これは弊社の見方で、公的資料の記述ではありません。
組み合わせと最低額
固定と率を併用したり、率に最低額を設けたりする見積書があります。
最低額がある場合は、月ごとに手数料額÷媒体費を計算し、媒体費が小さい月の実質の負担割合を確かめます。
契約期間の途中で媒体費を大きく増減させる予定があるなら、最低額や固定額の見直し条件を契約に書いておくと、後で食い違いません。
見積書の文言から型を見分ける
次の表は、見積書の書き方から型を推定する対応表です。
推定が外れていることもあるため、最後は担当者に確認します。
| 見積書の書き方 | 考えられる型 | 確認すること |
|---|---|---|
| 運用手数料(広告費連動) | 型1 | 率が掛かる金額の範囲 |
| 運用管理費(月額) | 型2 | 月額に含まれる作業の範囲 |
| 成果報酬、成約1件あたり | 型3 | 成果の定義と、計測データの出どころ |
| 最低手数料、下限あり | 組み合わせ | 最低額の条件と見直しの時期 |
| コンサルティング費、初期設定費だけが並ぶ | 型が読み取れない | 運用手数料が別にあるか。あるなら範囲 |
| 広告費込み、一式 | 内訳が見えない | 媒体費と手数料を別の行に分けた見積書 |
媒体費と手数料の関係は式で押さえる
グロス・ネット・マージン
媒体費をネット、広告主が支払う総額をグロス、その差を手数料(マージン)と呼ぶ会社があります。
式にすると、グロス=ネット+手数料額です。手数料額を知りたいときは、グロスからネットを引きます。
見積書にグロスしか書かれていない場合は、ネットの額を別の行に書いてもらいます。ネットは、媒体側の管理画面や請求書の数字と照らして確かめられます。
外掛けと内掛け
手数料率の掛け方には、外掛けと内掛けがあります。
外掛けでは、媒体費に手数料を上乗せして請求します。請求総額=媒体費×(1+率)です。
内掛けでは、請求総額の中に手数料が含まれます。請求総額=媒体費÷(1-率)で、手数料額は請求総額×率になります。
同じ率の数字でも、内掛けのほうが、媒体費に対する実質の負担割合は大きくなります。内掛けの実質の負担割合は、率÷(1-率)です。
図は、媒体費を同じ長さにそろえたときの、手数料の長さの違いを示しています。長さは模式で、特定の率を表すものではありません。
| 知りたいもの | 外掛け | 内掛け |
|---|---|---|
| 請求総額 | 媒体費×(1+率) | 媒体費÷(1-率) |
| 媒体費 | 請求総額÷(1+率) | 請求総額×(1-率) |
| 手数料額 | 媒体費×率 | 請求総額×率 |
| 媒体費に対する実質の負担割合 | 率 | 率÷(1-率) |
表の「率」は、見積書に書かれた手数料率です。
見積もりで揃える3点
見積書に次の3点が書かれていれば、手数料を式で再現できます。
1点目は、率が掛かる範囲です。媒体費だけに掛かるのか、制作費やツールの費用にも掛かるのかを確かめます。
2点目は、外掛けか内掛けかです。同じ率の数字でも、請求総額が変わります。
3点目は、請求総額と媒体費の両方の額です。片方しか書かれていなければ、もう片方を書いてもらいます。
見積もりで確かめる(1か所目)
手数料は事前に文面で伝えるルールがある
Google 広告のポリシーは、広告主に代わって広告を購入・管理する事業者(サードパーティ)に、手数料の通知を求めています。
日本語版は、次のように書いています。
「新規のクライアントに対しては、初回の営業活動を始める前に少なくとも管理費用について文面で伝え、明細書に当該費用を明記します。」
英語版は、同じ箇所を「新規の顧客には最初の購入の前に書面で知らせ、すべての顧客の請求書に手数料を記載する」という趣旨で書いています(英語版の訳)。
日本語版は「初回の営業活動を始める前」と「明細書」と書き、英語版(訳)は最初の購入の前とすべての請求書と書いていて、時点と書類の言い方が違います。
どちらの版でも共通するのは、手数料を最初の取引より前に文面で伝え、請求の書類にも載せるという点です。見積書は、その最初の文面にあたります。
同じポリシーには、費用の説明について次の記述もあります。
「会社情報、サービス内容とその関連費用、期待できる成果について偽りなく誠実に伝える必要があります。」
見積書の行を分ける
手数料の行だけでなく、費用の行を1つずつ分けてもらいます。
次の表は、見積書で確認しておきたい項目の例です。弊社の整理で、公式の一覧ではありません。
| 見積書の行 | 確認する中身 | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 媒体費(予定) | 媒体に支払う額の予定と、月ごとの上限 | 媒体費は月ごとに上限を決められますか |
| 運用手数料 | 型、率が掛かる範囲、最低額 | この手数料は何に掛かりますか |
| 初期設定費 | 初回だけの費用か。アカウント開設や計測設定を含むか | 初期設定に含まれる作業を文面にしてください |
| 制作費 | 広告文、バナー、ランディングページの制作と修正。修正回数の上限 | 修正は何回までが範囲ですか |
| 計測・レポートの費用 | 計測タグの設定とレポート作成が手数料に含まれるか | レポートは手数料に含まれますか |
| ツール利用料 | 管理ツールの費用を別に請求するか | ツール費は誰が負担しますか |
| 契約期間と最低期間 | 最低利用期間と、途中解約の扱い | 最低期間はありますか。途中で解約するとどうなりますか |
合計費用で考える
Google の広告主様向けガイドは、サポート料を含めた合計費用を把握するよう勧めています。
「サポート料も含めた広告掲載の合計費用を把握することが重要です。」
続けて、合計費用の使い道も書いています。「こうした合計費用を使用すれば、正しい投資収益率を計算することができます。」
合計費用とは、媒体費に手数料などの支払いを足した額です。用語表のグロスと同じ額で、後の節の「手数料込みの広告費」も同じものを指します。ROAS や CPA を計算するときの広告費も、この合計費用で考えるのが筋だと弊社は見ています。
広告アカウントの持ち主を自社にしておく(2か所目)
見積書の中身を確かめても、広告アカウントの所有者と管理者の権限が代理店側だけにあると、自社で設定を見たり、運用会社を替えたりするときに、相手の対応を待つことになります。
この節は、Google 広告と Microsoft 広告の公式ヘルプに書かれた範囲で、持ち主の決まり方を整理します。
Google 広告の所有者と管理者
Google 広告では、複数の広告アカウントをまとめて管理するために、クライアント センター(MCC)アカウントを使います。代理店が使うことの多いアカウントです。
MCC をリンクしたときの権限について、公式ヘルプは次のように書いています。
「MCC アカウントをリンクしても、管理者権限が自動で付与されるわけではありません。」
リンクしただけでは、クライアント アカウントの管理者としての権限は付かないという意味です。
毎月の請求書発行の設定には、管理者の権限が要ります。自社に管理者のユーザーがいなければ、請求まわりの設定を自社で触れません。
広告主ごとのアカウントについては、Google 広告のポリシーが次のように定めています。
「Google 広告の品質スコアの一貫性を保つために、最終広告主様ごとに個別のアカウントを持つ必要があります。」
広告主様向けガイドにも、「サードパーティの代理店は、公正な代理人として広告主様に個別の Google 広告アカウントを設定する必要があります。」とあります。
代理店が新規に作ったアカウントと、既存アカウントのリンク
所有者の決まり方について、公式ヘルプは次のように書いています。
「管理者が新しいアカウントを作成すると、自動的にそのアカウントの所有者になります。ただし、管理者が既存のアカウントをリンクした場合、デフォルトではその新たにリンクされたクライアント アカウントのオーナー権限は付与されません。」
同じページの流れでは、この管理者は MCC アカウントを使う側を指していると読めます。これは弊社の読みです。
その読みに沿うと、代理店の MCC が新規に作ったアカウントは、その MCC が所有者になります。
自社が持っているアカウントを代理店の MCC にリンクした場合は、デフォルトでは MCC に所有者の権限が付きません。
同じページには、所有者になった側の権限についても書かれています。
「データは引き続きクライアント アカウントが所有し、リンクを解除することでデータへのアクセス権を削除できます。」
弊社は、この一文を、所有者である MCC の権限はリンクの解除で外す仕組みだと読んでいます。
弊社の提案として、契約や申し込みの段階で、広告アカウントを自社の名義で開設すること、または自社の担当者を管理者として招待してもらうことを条件にします。
リンクを解除すると何が起きるか
管理を止めるときの手順について、公式ヘルプは次のように書いています。
「特定のアカウントの管理を停止する場合は、MCC アカウントまたはクライアント アカウントへの管理者権限を持つユーザーがアカウントのリンクを解除できます。」
自社に管理者のユーザーがいれば、自社の操作でリンクを解除できます。
解除したあとの履歴について、ヘルプは次のとおり書いています。
「リンクを解除しても、その Google 広告アカウントの履歴が失われることはありません。」
請求については条件付きの注意があります。毎月の請求書発行を設定していて、解除する MCC がお支払い元アカウントの場合です。
「リンク解除後はそのアカウントからの広告掲載が停止されます。」
「広告掲載を継続するためには、リンク解除の前にお支払い情報の設定を変更する必要があります。」
このほか、共有リマーケティング リストを使っていたアカウントでは、解除後にリストへデータが追加されなくなり、そのリストを対象にした広告の掲載が止まります。
クロスアカウント コンバージョン トラッキング タグを使っていたアカウントでは、解除後のクリックによるコンバージョンが追跡されなくなります。
これらは、乗り換えの順番を決めるときに先に洗い出す項目です。
Microsoft 広告のスーパー管理
Microsoft 広告のヘルプには、最初のユーザーの役割が書かれています。
「アカウントにサインアップしたユーザーにはスーパー管理の役割が与えられ、他のユーザーの招待や削除などの完全なアクセス許可が付与されます。」
標準ユーザーの権限には制限があります。
「このロールでは、お支払い方法の追加、編集、削除、アカウントの作成または削除、クライアントへのリンクまたはクライアントからのリンク解除はできません。」
自社の担当者がスーパー管理であれば、代理店を標準ユーザーとして招待する運用が取れます。ヘルプにも、代理店が顧客のアカウントの標準ユーザーとして広告掲載オーダーを代行できる旨の記載があります。
| 状態 | 起きること | 確かめること |
|---|---|---|
| 自社の担当者が管理者として入っている | 自社の操作で、ユーザーの追加やリンクの解除ができる | 管理者のメールアドレスが、担当者が替わっても使える宛先か |
| 代理店の MCC が新規に作ったアカウント | 作成した MCC が所有者になる(弊社の読み) | 自社の管理者ユーザーが入っているか。解約時にリンクを解除してもらえるか |
| 自社のアカウントを代理店の MCC にリンク | デフォルトでは MCC に所有者の権限は付かない | 管理のアクセスとセキュリティにある MCC のタブで、オーナーの列がどうなっているか |
| 統合請求で、代理店の MCC がお支払い元 | 解除すると、設定によっては配信が止まる | 解除の前に、支払い情報を自社の設定へ変更する順番 |
| Microsoft 広告で代理店が標準ユーザー | お支払い方法の変更やリンク解除はできない | 自社の担当者にスーパー管理の役割があるか |
契約書に書いておくこと(3か所目)
契約書は、見積もりと広告アカウントで確かめた内容と、次の節で扱うレポートの取り決めを、後から参照できる形で残す場所です。
Google の広告主様向けガイドは、契約書の写しの保管を勧めています。
「契約書の正式な写しを保管するようにしてください。」
民法の既定:委任と準委任
民法は、委任をこう定めています。
「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」
法律行為でない事務の委託には、第656条が委任の規定を準用します。
「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。」
広告運用の委託がこれに当たるかは、契約の中身で決まります。当てはまりの判断は、弁護士などの専門家に確認します。以下の条文は、準委任に当たる場合の既定として読みます。
委任を受けた側の義務について、民法第644条は次のように定めています。
「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」
費用:報酬は特約で決まる
報酬について、民法第648条第1項は次のように定めています。
「受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。」
この条文は、報酬を特約で決めることを前提にしています。契約書に型と計算方法を書いておく理由として、弊社はこの条文を挙げます。
書く項目は、手数料の型、率が掛かる範囲、外掛けか内掛けか、最低額、支払時期です。
報告
報告について、民法第645条は次のように定めています。
「受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。」
契約書には、定例の報告の頻度と項目を書いておきます。準委任に当たる場合は、請求があれば報告を受けられる点が、民法の規定から読み取れます。
解約
解除について、民法第651条第1項は次のように定めています。
「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」
第2項は、解除した者が相手方の損害を賠償する場合として、次の場合を挙げています。
「相手方に不利な時期に委任を解除したとき。」
最低契約期間や予告期間の定めが、これらの規定とどう関係するかは、契約の中身で変わります。解約条項を入れる前に、専門家へ確認します。
| 契約書の項目 | 書く内容の案 | 根拠 |
|---|---|---|
| 業務範囲 | 運用、レポート、制作、会議の範囲。範囲外の依頼の扱い | 弊社の提案 |
| 費用の決め方 | 手数料の型、率が掛かる範囲、外掛けか内掛けか、最低額、支払時期 | 民法第648条第1項、弊社の提案 |
| 追加費用 | 追加作業の見積もりを事前に出す手順 | 弊社の提案 |
| 報告 | 報告の頻度と項目。媒体費と手数料を分けて載せること | 民法第645条、Google の費用報告のルール(次の節) |
| 広告アカウント | 開設の名義、所有者、自社の管理者ユーザー、解約時のリンク解除 | Google 広告ヘルプ、弊社の提案 |
| 費用の見直し | 媒体費を大きく変えるときに、手数料を話し合う場 | 弊社の提案 |
| 解約 | 予告期間、最低期間、解約時の引き継ぎ | 民法第651条、弊社の提案 |
| 契約書の写し | 双方が署名した写しを保管 | 広告主様向けガイド |
レポートで出してもらうもの(4か所目)
Google が求める最低線
広告主様向けガイドは、広告主が受け取れる情報の最低線を次のように書いています。
「広告主様には、少なくとも Google 広告で掲載した広告のクリック数、表示回数、費用を知る権利があります。」
サードパーティ向けのポリシーには、月別のレポートについての定めがあります。
「お客様と Google との間の該当する広告掲載に関する利用規約によって、月別のパフォーマンス レポートを広告主様に提供するように定められている場合は、Google 広告サービスのアカウントごとに費用、クリック数、インプレッション数に関するデータをレポートに含める必要があります。」
条件付きの文であるため、すべての契約に月別レポートが義務づけられるという意味ではありません。
続く文は、費用の載せ方を定めています。
「Google 広告費に関するデータを広告主様に開示する際は、Google からの請求額を正確に報告し、サードパーティが請求する料金はこれに一切含めないでください。」
レポートの媒体費の行は、手数料を含まない額で出すべきものです。手数料は別の行になるのが、Google のルールに沿った形です。
自分でログインして見る
レポートの渡し方について、ポリシーは次のように書いています。
「広告主様が自身の Google 広告サービスのアカウントに直接ログインして費用とパフォーマンスに関するデータを確認できるようにすることも可能です。」
自社の担当者が管理者として入っていれば、代理店のレポートと管理画面の数字を、自分で見比べられます。
変更履歴で何が変わったかを見る
Google 広告の変更履歴は、運用の中身を確かめる手段です。
「変更履歴では、過去 2 年間にキャンペーンに加えた変更を確認できます。」
「過去 30 日間に行われたものであれば、ほとんどのタイプの変更を元に戻すことができます。」
月次の会議では、レポートの数字と合わせて、その月に行った変更の一覧を出してもらうと、手数料の対価として何が行われたかが見えます。
請求書の写しを求める
統合請求は、複数の広告アカウントの請求書を1つにまとめる支払い方法です。公式ヘルプは次のように書いています。
「請求書には、各 Google 広告アカウントの費用、注文書番号、合計お支払い額が表示されます。」
毎月の請求書発行の場合、ヘルプが示す請求書の確認手順は、お支払い元アカウントか、その上位の MCC アカウントで操作するものです。
自社のアカウントが代理店のお支払い元アカウントの配下にある場合、自社の画面で同じ請求書を確認できるかは、ヘルプからは読み取れません。
確認できない場合は、請求書の写しを毎月もらう取り決めにします。これは弊社の提案です。
| レポートの項目 | 見る理由 | 出どころ |
|---|---|---|
| 媒体費 | 手数料を含まない額で、媒体の請求と一致するか | Google 広告の管理画面、請求書 |
| 手数料 | 見積書の型と計算が合っているか | 代理店の請求書 |
| クリック数、表示回数 | 広告主が知る権利のある基本の数字 | Google 広告の管理画面 |
| 成果の件数 | 見積書で決めた定義どおりに数えているか | 計測ツール、Google 広告の管理画面 |
| 変更履歴 | 手数料の対価として何を行ったか | Google 広告の変更履歴 |
| 次の月の施策 | 次に何をするかを、会議の前に見られるか | 代理店のレポート |
成果の見方は手数料込みの広告費で測る
4か所で手数料の中身を説明できるようになったら、最後に、手数料込みの広告費で利益が出ているかを確かめます。4か所の点検とは別の、採算の確認です。
前に引いたとおり、Google のガイドは、合計費用を使えば正しい投資収益率を計算できるとしています。
この節の式は、すべて記号のままです。数字は自社の数字を入れます。
| 指標 | 式 | 手数料の入れ方 |
|---|---|---|
| 損益分岐のROAS | 1÷粗利率(粗利率は小数で表す) | 広告費に手数料を入れて計算するなら、ROASの分母も媒体費+手数料 |
| ROAS | 売上÷広告費 | 広告費に手数料を含める。媒体費だけで出した値と並べるときは、どちらの定義かを書き添える |
| 許容CPA | 成果1件あたりの粗利 | CPAの広告費に、手数料を含める |
| 手数料込みのCPA | (媒体費+手数料額)÷成果の件数 | 手数料額は請求書の額を使う |
ROASの分母を決める
ROASは、広告費に何を入れるかで値が変わります。媒体費だけを分母にすると、手数料の分だけ見かけのROASが高くなります。
損益分岐のROASは、粗利率の逆数です。粗利率が小さい商品ほど、損益分岐のROASは大きくなります。
手数料を含めた広告費で損益分岐を超えているかを見れば、手数料が事業の採算に収まっているかが分かります。
CPAで見るとき
成果が問い合わせや資料請求の場合は、CPAで見ます。
許容CPAは、成果1件から得られる粗利を上限にします。この上限と、手数料込みのCPAを比べます。
ROASやCPAの計算と、悪いときの直し方は、広告の費用対効果の計算と測り方の記事に整理しています。
成果が出ないときに広告費を足す前に確かめる順番は、着地ページを疑う理由と測る順番にあります。
内製化と比べるときの見方
公正取引委員会の報告書は、広告の運用体制を次のように書いています。
「広告代理店に運用を委託しない中小規模の広告主は,広告の運用だけでなく,広告制作を含めて自らで行うことがある。」
内製化との比較は、手数料だけでは決まりません。社内の人件費、立ち上げの期間、制作の体制まで含めて比べます。
| 比べる項目 | 代理店に委託 | 自社で運用 | 自社で入れる数字 |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 見積書の手数料額 | なし | 月の手数料額 |
| 人件費 | 窓口担当者の時間 | 運用担当者の時間 | 稼働時間×時間あたりの人件費 |
| ツール費 | 手数料に含まれるか、別請求かを見積書で確認 | 自社で契約 | 月のツール費 |
| 制作費 | 見積書の制作費 | 社内制作か外注 | 月の制作費 |
| 立ち上げの期間 | 代理店の設定を待つ | 学習と設定に時間 | 成果が出るまでの月数 |
| 引き継ぎのしやすさ | 広告アカウントの権限と契約次第 | 社内に履歴が残る | 担当者が替わったときの引き継ぎ手順 |
内製化に切り替える前の判断基準は、内製化で失敗しないための判断基準の記事に書いています。
比べるときは、表の最終列に自社の数字を入れます。手数料、人件費、ツール費、制作費の4行は金額なので、委託と内製それぞれの月の合計を出し、立ち上げの期間と引き継ぎは合計と別に並べます。
取適法の名称変更と、広告運用の契約への当てはまり
名称と施行日
下請代金支払遅延等防止法は、名称と内容が改められました。公正取引委員会の取適法のページは、次のように書いています。
「本改正により、法律名の「下請代金支払遅延等防止法」は、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)となります。(施行期日:令和8年1月1日)」
令和8年1月1日以降は、取適法の名称と条文で読みます。旧法の用語や基準で説明している資料は、現行の条文で読み直します。
条文にある用語
取適法の第2条第4項は、役務提供委託を次のように定めています。
「事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること」
委託事業者と中小受託事業者は、第2条第8項と第9項が、資本金の額又は出資の総額と、常時使用する従業員の数で定めています。
具体的な基準は、条文と公正取引委員会の案内で確かめます。この記事では数字を載せません。
広告運用の契約に当てはまるか
第1条は、この法律の目的をこう書いています。
「中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等を防止することによつて、委託事業者の中小受託事業者に対する取引を公正にするとともに、中小受託事業者の利益を保護し」
条文が守る相手は、委託を受ける側の中小受託事業者です。仮に広告運用の契約が役務提供委託に当たるなら、依頼する広告主が委託事業者、受ける代理店が受託側になります。
条文の定義は、事業者が業として行う役務の提供の一部を他の事業者に委託する場合を指しています。広告主が自社の広告運用を代理店に任せる契約がこれに当たるかは、条文だけでは判断できません。
迷うときは、公正取引委員会の相談窓口に確認します。当たる場合、発注の内容や代金を明示する義務などを負うのは、依頼する側の広告主です。契約書に業務範囲と費用の決め方を書いておくこと(3か所目)は、その備えにもなります。
| 条文 | 原文の言い回し | この記事での読み方 |
|---|---|---|
| 第4条 | 「書面又は電磁的方法」により「明示しなければならない」 | 委託事業者が、給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法などを明示する義務 |
| 第5条第2項第4号 | 「協議を求めたにもかかわらず、当該協議に応じず」 | 費用の変動があったとき、一方的に代金を決めない定め |
| 第2条第4項 | 「役務の提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること」 | 役務提供委託の定義。自社の広告運用の委託が当たるかは別に確認 |
弊社の提案として、第5条第2項第4号の言い回しは、費用の見直し条項を契約に入れるときの参考になります。立場にかかわらず、費用が変わるときに協議の場を設けておく考え方です。
代理店を替えるときに配信を止めない順番
公式ヘルプが、リンク解除で配信や計測が止まる条件として挙げているのは、支払い設定、共有リマーケティング リスト、計測タグです。
次の表は、Google 広告の公式ヘルプのリンク解除と請求の項を、弊社が5つの順番に並べ直したものです。
| 順番 | やること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 自社の担当者が管理者として入っているかを確かめる | 管理者権限を持つユーザーがリンクを解除できる(リンク解除のヘルプ) |
| 2 | 統合請求で、解除する MCC がお支払い元アカウントかを確かめる | 該当する場合、解除後に配信が止まる(同ヘルプ) |
| 3 | 該当する場合、解除の前に、支払い情報を自社の設定へ変更する | 解除の前に変更が必要(同ヘルプ) |
| 4 | 共有リマーケティング リストと計測タグの使用を洗い出し、解除後の代わりを決める。変更履歴、レポート、請求書の写しを受け取る | 履歴は残る(リンク解除のヘルプ)。請求書の確認手順はお支払い元アカウントでの操作(統合請求のヘルプ) |
| 5 | リンクを解除し、新しい運用会社を招待して、権限を確かめる | 共有リストや計測タグは解除後に止まる(リンク解除のヘルプ) |
順番は弊社の整理です。公式の手順そのものではありません。実際の操作は、公式ヘルプの最新の画面で確かめながら進めます。
手順の全体と、データを失わないための準備は、リスティング広告の代理店変更マニュアルの記事でも扱っています。
よくある質問
手数料は交渉できますか
交渉できるかどうかは、契約と相手次第で、公的な資料に決まりはありません。
交渉の材料になるのは、型の組み替え、業務範囲の見直し、最低額の条件です。
手数料の率の数字だけを下げる話にすると、範囲が減ったり、報告が薄くなったりすることがあるため、範囲とセットで話します。これは弊社の見方です。
広告アカウントが代理店名義のままでも問題ありませんか
名義を直接禁じる決まりは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。
Google 広告のヘルプを弊社が読んだ範囲では、代理店の MCC が新規に作ったアカウントは、その MCC が所有者になります。
自社の管理者ユーザーが入っていて、解約時にリンクを解除できる状態なら、運用上の支障は小さくなります。契約に書いておくと確実です。
レポートが月1回で足りるかどうか分かりません
月別のレポートを出すかどうかは、Google との利用規約と、代理店との契約で決まります。
Google の広告主様向けガイドは、「投資した費用とその効果を毎月分析することをおすすめします。」と書いています。
月1回でも、媒体費と手数料が別の行で、変更履歴が付いていれば、確かめる材料はそろいます。
複数の代理店に同時に頼んでよいですか
日本語版の広告主様向けガイドは、避けるよう書いています。
「同時に複数のパートナー事業者に依頼することは避けます。比較したい場合は、順番に利用して成果を比べてください。」
英語版は、同じ箇所をこう書いています(英語版の訳)。「予算を複数のサードパーティに分けて、どこが最も成果を出すかを試したくなるかもしれません。それは自由ですが、1社ずつ試すことをおすすめします。」
日本語版は「避けます」と書き、英語版(訳)は自由だが1社ずつを勧める書き方で、日本語版のほうが強い言い方です。
成果報酬型にすれば安心ですか
成果報酬型は、成果が出なかった月の負担を抑えやすい型です。
一方で、成果の定義と計測データの出どころが決まっていないと、請求額を確かめられません。
成果の数え方を文面にして、自社が計測データを見られる状態にしてから、型を選びます。
まとめ
手数料の妥当性は、見積もり、広告アカウント、契約書、レポートの4か所で、自社が説明できるかで確かめます。
見積もりでは、手数料の型、率が掛かる範囲、外掛けか内掛けか、請求総額と媒体費の両方の額を確かめます。
広告アカウントでは、自社の担当者が管理者として入っているか、所有者は誰か、解除したときに何が起きるかを確かめます。
契約書には、業務範囲、費用の決め方、報告、解約を書きます。
レポートでは、媒体費と手数料を別の行にして、変更履歴と請求書の写しを毎月もらいます。
今日できる点検
次の表は、4か所を同じ順番で、今日の作業にした点検です。
| 順番 | 確かめる場所 | 今日やること | 終わったとき |
|---|---|---|---|
| 1 | 見積もり | 直近の見積書か請求書を開き、手数料の型と、率が掛かる範囲に線を引く | 媒体費と手数料の額を、別々に言える |
| 2 | 広告アカウント | Google 広告の「アクセスとセキュリティ」で、自社の担当者が管理者になっているかを見る | 自社の担当者が、管理者のユーザーとして1人以上いる |
| 3 | 契約書 | 契約書を開き、業務範囲、費用の決め方、解約の条項の有無を確かめる | 無い項目の一覧が手元にある |
| 4 | レポート | 直近のレポートで、媒体費と手数料が別の行になっているかを見る | 次の月のレポートで出してもらう項目を、担当者へ伝えた |
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