顧客はあなたの「創業秘話」に興味がない
多くの企業は、自社のウェブサイトやパンフレットで「自分が何者であるか」を一生懸命に伝えようとします。「私たちのミッション」「社会へのインパクト」「創業からの苦労話」……。
これらを語ることが、顧客との信頼関係を築き、ブランドの価値を高めると信じているからです。
しかし、非常に残念なお知らせがあります。顧客は、あなたの会社がどんな素晴らしい歴史を持っているかについて、考える時間を1秒たりとも使っていません。
彼らが知りたいのは、たった1つの非常にシンプルな問いの答えだけです。「あなたは、私の抱えている問題を解決できるのか?」
ということです。
最大のマーケティングのミスは「自社を主役にする」こと
売り手が犯しやすい失敗の筆頭は、自社のストーリーから語り始めることです。会社案内の1ページ目が沿革で埋まっているサイト、トップページの最初の見出しが「私たちの想い」になっているサイト。
どちらも書き手には自然でも、読み手にとっては自分と無関係な話から始まっています。
自社を「主人公(ヒーロー)」に設定してメッセージを組み立てると、顧客の心は一瞬で離れます。顧客自身が自分の人生における主人公であり、彼らが探しているのは「自分を助けてくれる優秀なガイド(導き手)」だからです。
主人公である顧客の前に、別の主人公が出てきて武勇伝を語り始めれば、読む理由が消えます。
ここで気をつけたいのは、実績や沿革そのものが悪いわけではないという点です。問題は順番です。
顧客の問題に触れる前に自社の話を置くと、読み手は「自分宛ての文章ではない」と判断します。同じ実績でも、顧客の悩みを言い当てた後に置けば、その悩みを解決できる根拠として働きます。
顧客を「ヒーロー」にした瞬間に、反応が変わる
では、どうすれば顧客にメッセージが届くのでしょうか。答えはシンプルです。
物語の「主人公」の座を顧客に譲り渡し、あなたの会社は彼らを成功へと導く「ガイド」の役割に徹することです。
顧客が抱えている深い悩みに共感し、それを解決するための明確な計画を提示する。つまり、顧客をヒーローにするメッセージを最初に伝え、自社の実績や信頼性は後から添えるのです。
この「語る順番」を変えるだけで、ウェブサイトやメール、営業トークに対する顧客の反応は変わります。
やり方は単純です。トップページの最初の見出しを、いま一度声に出して読んでみてください。
主語が「私たち」で始まっていたら、それを「あなた」で始まる文に書き換える。それだけで、読み手が自分の話として受け取る確率は上がります。
実績や沿革は消さず、その下へ移すだけで構いません。
「私たちの強み」を語るのをやめ、「あなたの問題解決」を主語にして語り直す。順番を入れ替えるだけの作業ですが、サイトの読まれ方はここで決まります。
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