ベンチマーク企業とは、自社が手本にして、やり方を学ぶ相手の会社のことです。
ただ、中小企業がこの言葉どおりに「業界でいちばんの会社」を選ぶと、ほとんどの場合うまくいきません。
この記事では、ベンチマーク企業の意味と選び方を説明したうえで、手本の会社から学んだことを自社のホームページのどこに移すかまでを順に書きます。
読み終えたときに、手本にする会社が1社決まり、自社サイトで直す場所が1箇所決まっている状態を目指します。
ベンチマーク企業とは 自社の手本にする会社のこと
ベンチマークはもともと測量の言葉で、高さを測るときの基準点を指していました。
そこから転じて、ビジネスでは「比べるときの物差し」や「手本」の意味で使われています。
ベンチマーク企業は、その物差しを会社に当てはめたものです。
売上や仕組み、お客様への接し方などで自社より先を行く会社を1社決め、その会社と自社を比べて差を埋めていきます。
言葉の意味を3つに分けて整理する
「ベンチマーク」という言葉は、場面によって指すものが変わります。
パソコンやスマホの性能を測る数値もベンチマークと呼ばれるため、検索すると話がまざりやすい言葉です。
この記事で扱うのは、経営やマーケティングで使う意味だけです。
| 使われる場面 | ベンチマークが指すもの | この記事との関係 |
|---|---|---|
| パソコン・スマホ | 処理速度などを測る試験とその点数 | 扱わない |
| 投資・金融 | 運用成績を比べる基準の指数 | 扱わない |
| 経営・マーケティング | 手本にする会社や、比べる基準になる数字 | この記事で扱う |
| ホームページ運営 | 手本にするサイトと、その仕組み | この記事の中心 |
目標やKPIとの違い
目標やKPIは「自社がどこまで行きたいか」を決める数字です。
ベンチマークは「すでにそこへ行けている会社は、何をしているか」を見るための相手です。
KPIだけを決めても、届かなかったときに何を変えればよいかは分かりません。
手本の会社が決まっていると、差がどこにあるのかを具体的に指させるようになります。
KPIで「どれだけ」を決め、ベンチマークで「どうやって」を学ぶ、という分担で考えると混ざりません。
| 言葉 | 答える問い | 中小企業での使い方の例 |
|---|---|---|
| KGI | 最後にどこへ行きたいか | 年間の受注件数を決める |
| KPI | 途中で何を見ればよいか | 月の問い合わせ件数を決める |
| ベンチマーク企業 | 先に行けている会社は何をしているか | 問い合わせが多い会社のサイトを1社決めて見る |
| 競合調査 | 同じお客様を取り合う相手はどう動いているか | 同じ地域の同業のサイトを並べて見る |
中小企業がベンチマーク企業選びでつまずく場面
ベンチマークの解説記事の多くは、手順を「情報を集める、基準を決める、分析する」と書いて終わります。
手順そのものは正しいのですが、中小企業の現場では、その手前でつまずくことがほとんどです。
よく見かけるつまずき方を先に挙げておきます。
業界でいちばん大きな会社を選んでしまう
手本と聞くと、業界の最大手を思い浮かべる方が多いと思います。
ところが大手のホームページは、広告費や知名度、何十人もいる担当部署があって初めて成り立つ作りになっています。
社名だけで信用される会社のサイトと、社名を知られていない会社のサイトでは、最初の画面で伝えるべきことがまるで違います。
大手の見た目を真似すると、知名度という土台が抜けたまま形だけが残ります。
たとえば大手のトップページには、企業理念や大きな写真だけが並び、問い合わせボタンが目立たないことがよくあります。
社名で検索して来る人が多い会社なら、それでも困りません。
初めて社名を知る人が大半の中小企業が同じ作りにすると、何の会社なのかが伝わらないまま閉じられてしまいます。
同じ業界の会社だけを見てしまう
同業のサイトばかりを見ていると、業界の「当たり前」から抜け出せません。
同じ業界の会社は、同じ言葉を使い、同じ順番で情報を並べ、同じような写真を載せています。
そこから学んだものをいくら足しても、お客様から見た違いは生まれにくいのです。
同じ地域の同業のサイトを5つ並べて、社名を隠してみてください。
どれがどの会社か当てられなければ、業界全体が同じ型にはまっている合図です。
見て終わってしまう
手本のサイトを眺めて「さすがだな」と感心したところで手が止まる、というのがいちばん多いつまずき方です。
見たことを自社のどこに移すのかを決めないまま、次の会議の議題に流れていきます。
この記事の後半で、見たものを1箇所に移す手順を書いているのはそのためです。
| いまの選び方 | 起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 業界の最大手を選んだ | 知名度が前提の作りを、土台なしで真似している | 社員数や地域が近い会社に選び直す |
| 同業だけを並べた | 業界の当たり前の中で細かい差を探している | お客様が代わりに選んでいる先を1社足す |
| 何社も選んだ | 見るだけで時間が終わり、何も変わらない | 1社に絞り、残りは控えに回す |
| 見て感心して終わった | 学んだことの置き場所が決まっていない | 自社サイトで直す場所を1箇所だけ書き出す |
| デザインだけを見た | 色や写真を真似しても問い合わせの数は動かない | 問い合わせまでの道筋を見る |
選ぶ前に決めること 何を良くしたいのか
ベンチマーク企業は、良くしたいものが決まって初めて選べます。
「なんとなく良い会社」を手本にすると、何を見ればよいかが定まらず、全部を少しずつ真似することになります。
良くしたい数字を1つに絞る
ホームページで言えば、良くしたい数字はおおむね次のどれかです。
サイトに来る人の数、問い合わせの数、問い合わせから成約に進む割合、採用の応募数のいずれかです。
このうち1つを選びます。
2つ以上を同時に追うと、手本の会社のどこを見るべきかがぼやけます。
迷ったら、今月いちばん困っている数字を選んでください。
ホームページの役割を1行で書く
次に、自社のホームページが何のためにあるのかを1行で書きます。
「地元で外壁塗装を考えている人から相談を受けるため」のように、誰から何を受け取るのかまで書くのがこつです。
この1行があると、手本の会社のサイトを見るときに「この部分はうちの役割と関係があるか」で取捨選択できます。
役割が書けないときは、直近の問い合わせを3件読み返し、誰が何を求めて連絡してきたのかを確かめてください。
| 良くしたい数字 | 手本の会社で見る場所 | 次にすること |
|---|---|---|
| サイトに来る人の数 | どんな記事やページで検索から人を集めているか | 手本の会社の記事の題名を10本書き出す |
| 問い合わせの数 | 最初の画面と、問い合わせボタンまでの道筋 | トップから問い合わせまで何回押すかを数える |
| 成約に進む割合 | 料金・実績・流れの見せ方 | 問い合わせの後に何が起きるかの説明を読む |
| 採用の応募数 | 働く人の顔と、1日の流れの見せ方 | 採用ページの見出しを書き出す |
ベンチマーク企業の探し方 お客様が素通りして向かう先を見る
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
手本の会社を探すとき、まず見てほしいのは同業他社の一覧よりも、お客様が自社を素通りして、代わりにお金を払っている先です。
マーケティングの世界でよく語られる話があります。
大手の進出で客足が遠のいた地方の銀行の頭取が窓の外を見ると、通りを歩く人たちは銀行を素通りして、向かいのコーヒー店に入っていきました。
頭取は同業の銀行を手本にするのをやめ、そのコーヒー店を手本に店づくりを考え直した、という話です。
お客様は、業界の線引きを気にしていません。
困りごとを解決してくれるなら、どの業界の会社でもかまわないのです。
お客様が代わりに選んでいる先を書き出す
自社に頼まなかったお客様は、何で用を済ませたのかを考えます。
税理士事務所なら、会計ソフトを自分で使う道を選んだ人がいるかもしれません。
町の工務店なら、ホームセンターのリフォーム窓口に行った人がいるはずです。
この「代わりの選択肢」を提供している会社が、ベンチマーク企業の有力な候補になります。
学習塾なら、通信教育や動画授業のサービスがそれに当たります。
印刷会社なら、ネットで注文できる印刷サービスや、社内のプリンターで済ませるという選択肢もあります。
お客様がその会社を選んだ理由の中に、自社のサイトに足りないものが入っているからです。
失注したお客様の言葉から探す
見積もりまで進んだのに決まらなかったお客様に、どこに決めたのかを聞けた記録があれば、それがいちばん確かな手がかりです。
「もう少し気軽に相談できそうだったので」「料金が最初から分かったので」といった理由が出てきたら、その会社のサイトのどこでそう感じたのかを見に行きます。
営業担当の頭の中にしかない情報なので、一度だけ時間を取って書き出してもらうのが近道です。
直近の半年分で5件ほど集まれば、同じ会社の名前や同じ理由が繰り返し出てくることがあります。
2回以上名前が出た会社は、実際にお客様を取られている相手なので、最優先の候補にしてください。
検索結果で自社より上に出る会社から探す
自社のお客様が打ちそうな言葉で検索し、上位に出てくる会社を見る方法もあります。
ここで出てくる会社は、検索という同じ入口でお客様を取り合っている相手です。
地域名と業種名を組み合わせた言葉で3つほど検索し、毎回上に出てくる会社を候補にします。
| 探し方 | 見つかる相手 | 次にすること |
|---|---|---|
| お客様が代わりに選んでいる先 | 別の業界でも同じ困りごとを解決している会社 | 代わりの選択肢を3つ書き出す |
| 失注したお客様の言葉 | 実際にお客様を取られた相手 | 営業担当に直近の失注先を聞く |
| 検索結果の上位 | 同じ入口でお客様を取り合う相手 | 地域名と業種名で3回検索する |
| 紹介で名前が出る会社 | 口コミで選ばれている相手 | 紹介元に比べられた会社を聞く |
| 自社の既存のお客様 | お客様が他に使っているサービス | 次の打ち合わせで1社だけ聞いてみる |
ベンチマーク企業の選び方 4つの基準
候補が何社か挙がったら、次の4つの基準で1社に絞ります。
全部を満たす会社はまれなので、多く当てはまる会社を選んでください。
1つ目 会社の大きさが近い
社員数や扱う地域が自社と近い会社ほど、やっていることをそのまま試しやすくなります。
目安は、社員数が自社の10倍を超えないことです。
それを超えると、仕組みの前提になっている人手や予算が違いすぎて、真似できる部分が少なくなります。
2つ目 お客様が重なっている
業界が違っても、お客様が同じ人なら学べることは多くあります。
地元の子育て世帯を相手にしている工務店なら、同じ地域で子育て世帯に選ばれている学習塾や歯科医院のサイトが参考になります。
お客様が重なっていれば、その人たちが安心する言葉や、知りたがっている情報の順番も似ているからです。
3つ目 外から中身が見える
ホームページや記事、お客様の声などが公開されていて、外から仕組みを読み取れる会社を選びます。
どれだけ優れた会社でも、サイトに名前と住所しか載っていなければ、ホームページの手本にはなりません。
4つ目 結果が出ていると分かる
手本にする以上、その会社のやり方が実際にうまくいっていると確かめられる必要があります。
検索で上位に出ている、口コミの件数が多い、求人を出し続けている、店舗を増やしている、といった外から見える事実で判断します。
見た目がきれいなだけのサイトは、成果が出ているかどうかが分かりません。
| 基準 | 当てはまらないと起きること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 会社の大きさが近い | 人手や予算が足りず真似できない | 会社概要で社員数と拠点を見る |
| お客様が重なっている | 響く言葉が違い、移しても反応が無い | サイトの写真と事例に出てくる人を見る |
| 外から中身が見える | 何を学べばよいかが分からない | 記事・事例・料金のページがあるかを見る |
| 結果が出ていると分かる | うまくいっていないやり方を真似する | 検索順位・口コミ件数・求人の有無を見る |
同業と異業種をどう組み合わせるか
手本は1社に絞るのが基本ですが、慣れてきたら同業から1社、異業種から1社の2社にすると学べる幅が広がります。
それぞれから学べることが違うからです。
同業から学べること
同業の会社からは、お客様がその業界のサイトで最低限確かめたいことを学べます。
料金の目安、対応できる地域、資格や許可、作業の流れなどです。
これらが抜けているサイトは、ほかがどれだけ良くても候補から外されます。
同業を見るのは、差をつけるためより、抜けを無くすためと考えると分かりやすいです。
異業種から学べること
異業種の会社からは、業界の中では誰も思いつかない伝え方を学べます。
予約までの手間の少なさ、初めての人への説明の丁寧さ、料金の見せ方などは、業界を越えて持ち込めることが多い部分です。
たとえば士業の事務所が、美容院の予約ページの「初めての方へ」の作りを参考にすると、相談のハードルを下げる書き方が見つかることがあります。
異業種の手本は、業界の外にあるぶん、社内で「うちの業界では無理だ」という反対が出やすいものです。
そのときは見た目の話をせず、「初めての人が迷わない」という理由の部分だけを持ち帰ると、話が通りやすくなります。
| 手本の種類 | 学べること | 次にすること |
|---|---|---|
| 同じ地域の同業 | お客様が最低限確かめたい情報 | 自社サイトに無い項目を書き出す |
| 別の地域の同業 | 地域で競合しないので深く真似できる仕組み | 記事やお知らせの出し方を見る |
| お客様が重なる異業種 | 同じ人に響く言葉と写真 | 最初の画面の見出しを書き写して比べる |
| 手続きが似ている異業種 | 予約や申し込みの手間を減らす工夫 | 申し込みまでの入力項目の数を数える |
手本の会社のホームページはどこを見るか
ベンチマーク企業が決まったら、その会社のホームページを見ます。
ただし、隅から隅まで眺めても時間が過ぎるだけなので、見る場所を3つに決めておきます。
最初の画面で何を言い切っているか
トップページを開いて、下に動かす前に見える範囲だけを読みます。
そこに「誰の」「どんな困りごとを」「どう解決するか」が書かれているかを確かめます。
うまくいっている会社ほど、この範囲で自社の名前より先にお客様の困りごとを書いている傾向があります。
見出しの1文は、そのまま紙に書き写してください。
隣に自社の見出しを書いて並べると、どちらが「自分のことだ」と感じやすいかが、驚くほどはっきり分かります。
問い合わせまでの道筋
トップページから問い合わせフォームの送信まで、実際に進んでみます。
何回押したか、どこで迷ったか、フォームの入力項目はいくつあったかを記録します。
自社のサイトでも同じことをやり、回数と項目数を並べると差がはっきり見えます。
料金と実績の見せ方
料金をどこまで書いているか、事例をどんな形で載せているかを見ます。
料金の目安を書いている会社と書いていない会社では、問い合わせてくるお客様の温度が変わります。
手本の会社がどちらを選んでいるかを見て、自社の考えと照らし合わせてください。
| 見る場所 | 記録すること | 自社サイトとの比べ方 |
|---|---|---|
| 最初の画面 | 見出しの1文と、その下の説明 | 自社の見出しと並べて書き写す |
| 問い合わせまでの道筋 | 押した回数と入力項目の数 | 同じ操作を自社サイトでして数を比べる |
| 料金の見せ方 | 目安を書いているか、どこに書いているか | 自社が料金で問い合わせを逃していないか考える |
| 実績・事例の見せ方 | 件数、写真、お客様の言葉の有無 | 自社の事例ページの形と比べる |
| 記事・お知らせ | 更新の間隔と題名の付け方 | 自社の最後の更新日を確かめる |
見たものを自社サイトに移す手順
ここまでで手本の会社を見る準備はできました。
あとは見たものを自社のサイトに移すだけですが、ここで「全部取り入れよう」とすると、また何も変わらないまま終わります。
移すのは1回につき1箇所です。
うまくいっている理由を1文にする
手本のサイトで気になった部分について、「なぜうまくいっているのか」を1文で書きます。
「最初の画面で料金の目安が分かるので、問い合わせる前の不安が減っている」のように、理由とお客様の気持ちをつなげて書くのがこつです。
理由が書けない部分は、見た目に惹かれているだけのことが多いので、移す対象から外します。
自社の言葉に置き換える
書いた1文を、自社の商品とお客様に当てはめて書き直します。
手本の会社の文章や写真をそのまま持ってくるのは、この後で書くとおり、法律の面でも検索の面でも問題があります。
持ってくるのは理由だけで、言葉と見た目は自社で作ります。
1箇所だけ直して数字を見る
自社サイトの1箇所だけを書き換え、最初に決めた数字を4週間ほど追います。
同時に何箇所も変えると、数字が動いたときにどの変更が効いたのか分からなくなります。
動かなければ元に戻し、次の理由を試します。
数字はGoogleアナリティクスやSearch Consoleで、直す前の4週間と直した後の4週間を比べるだけで足ります。
季節で問い合わせが増減する業種なら、前の年の同じ時期とも比べておくと、思い込みで判断せずに済みます。
直した日付と直した場所は、必ず1行メモに残しておきます。
あとで数字が動いたときに、何が効いたのかをたどれなくなるからです。
この繰り返しが、ベンチマークを「見て終わり」にしないための唯一の型です。
真似してよい範囲と越えてはいけない線
手本にする以上、どこまで真似してよいのかは気になるところだと思います。
結論から書くと、考え方や仕組みは学んでかまいません。
文章や写真、デザインをそのまま写すのは避けてください。
著作権法が守っているもの
著作権法の第2条によると、著作物は次のように定められています。
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」
守られているのは「表現」のほうで、表現の手前にある考え方や仕組みそのものは、この定義に入っていません。
「最初の画面に料金の目安を書く」という発想は自由に使えますが、手本の会社がそれを書いた文章を写すと、表現をそのまま使うことになります。
個別の判断が必要な場面では、弁護士などの専門家に確かめてください。
Googleが評価しないコピー
検索の面でも、写したページは評価されません。
Google検索セントラルのスパムに関するポリシーによると、問題のある例の1つが「他のサイトのコンテンツを、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載する」ことです。
同じくGoogle検索セントラルの、役に立つコンテンツを作るための手引きには、自分のページを点検する問いとして「コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供していますか。」とあります。
手本の会社のページを言い換えただけでは、この問いに「はい」と答えられません。
語句を類義語に置き換えただけの転載も、同じポリシーの中で問題のある例として挙げられています。
自社にしか書けない事例や数字を足して初めて、学んだ仕組みが自社のページになります。
| 手本から持ってくるもの | 扱い | 次にすること |
|---|---|---|
| 情報を並べる順番 | 学んでよい | 自社の情報で同じ順番に並べ直す |
| 載せている項目の種類 | 学んでよい | 自社に無い項目を自社の内容で書く |
| 文章そのもの | 写さない | 理由だけを取り出して自社の言葉で書く |
| 写真・イラスト | 写さない | 自社で撮るか、使ってよい素材を使う |
| ロゴや配色の組み合わせ | 写さない | 自社の色を決めてから組み立てる |
ベンチマーク企業の例 業種ごとの組み合わせ
ここでは、業種ごとにどんな会社を手本にすると学びが大きいかの組み合わせを挙げます。
挙げるのは実在の会社名を伏せた選び方の型です。自社の地域に置き換えて読んでください。
町の工務店の場合
同業からは、同じ規模で別の地域にある工務店を選ぶと、地域で競合しないぶん深く仕組みを真似できます。
異業種からは、同じ地域で子育て世帯に選ばれている歯科医院や学習塾がよい手本になります。
初めての人への説明や、予約までの手間の少なさは、住まいの相談にもそのまま持ち込めます。
士業の事務所の場合
士業のサイトは、資格と業務の一覧が並ぶだけになりがちです。
異業種の手本には、料金と流れを最初に見せている整骨院や美容院の予約ページが向いています。
「何を持って行けばいいか」「どのくらい時間がかかるか」が分かるだけで、相談の敷居は下がります。
BtoBの製造業の場合
製造業のサイトは、設備の一覧と会社沿革が中心になりやすい作りです。
手本には、同じように法人向けで、技術を事例の形で見せているソフトウェア会社や設計事務所が向いています。
「どんな課題を持った会社が、どう解決したか」という事例の書き方は、業界を越えて使えます。
| 自社の業種 | 同業の手本 | 異業種の手本 | 次にすること |
|---|---|---|---|
| 町の工務店 | 別の地域にある同じ規模の工務店 | 同じ地域の歯科医院・学習塾 | 初めての方向けの説明を読み比べる |
| 士業の事務所 | 相談件数の多い同じ士業の事務所 | 整骨院・美容院の予約ページ | 相談の流れを図にしているか見る |
| BtoBの製造業 | 同じ加工を得意とする別の地域の会社 | 法人向けのソフトウェア会社 | 事例ページの見出しを書き写す |
| 飲食店 | 別の地域で予約が埋まっている店 | 同じ地域で口コミの多い美容院 | 予約までの押す回数を数える |
| 教室・スクール | 体験申し込みの多い同じ分野の教室 | 無料体験の見せ方がうまいスポーツジム | 体験の申し込みフォームの項目数を比べる |
ベンチマークを続ける仕組み
手本の会社も、サイトを少しずつ変えていきます。
一度見て終わりにせず、決まった間隔で見直す仕組みを作っておくと、学びが積み上がります。
見る間隔は3か月に1回で足りる
毎週見る必要はありません。
中小企業の場合、3か月に1回、30分だけ時間を取って手本のサイトを開けば十分です。
前回から変わった場所があれば、そこに相手が手応えを感じている理由があるかもしれません。
反対に、半年以上まったく変わっていない場所は、相手にとってうまくいっている部分だと読めます。
変わった場所と変わらない場所の両方を記録しておくと、次に何を学ぶかが選びやすくなります。
見たことを1枚に残す
見た日付、変わった場所、自社に移せそうな理由、実際に移したかどうかを1枚の表に残します。
担当者が替わっても続けられるように、共有のフォルダに置いておくのがおすすめです。
表が4回分たまると、1年間で自社サイトの何が変わったかを振り返れるようになります。
移した理由と、その後の数字の動きが並んでいれば、自社のお客様に効く伝え方の傾向も見えてきます。
ローカルベンチマークとの違い
「ベンチマーク 企業」で調べると、「ローカルベンチマーク」という言葉が出てくることがあります。
これは経済産業省が用意している、企業の経営状態を財務と非財務の両面から把握するための道具です。
金融機関や支援機関との対話で使われるもので、手本にする会社を選ぶ話とは目的が違います。
自社の経営の健康診断をしたいときはローカルベンチマーク、ホームページや売り方の手本を探したいときはこの記事のやり方、と使い分けてください。
よくある質問
ベンチマーク企業は何社選べばよいですか
最初は1社で十分です。
何社も選ぶと見るだけで時間が終わります。
1社から1箇所を移す流れに慣れてから、同業と異業種の2社に広げてください。
手本にしている会社に知られても問題はありませんか
公開されているホームページを見て、考え方を学ぶこと自体に問題はありません。
問題になるのは、文章や写真をそのまま写すことです。
自社の言葉と素材で作っていれば、相手に知られて困ることはありません。
同じ業界に手本になる会社が見つかりません
業界全体のサイトが古いなら、それは異業種から学ぶ好機です。
お客様が重なる業種か、手続きが似ている業種から探してください。
業界の中で最初にその伝え方を取り入れた会社になれます。
同業がまだやっていない伝え方は、お客様から見るとそれだけで印象に残る違いになります。
手本の会社をそのまま真似したのに問い合わせが増えません
見た目を真似して、うまくいっている理由を移せていない可能性があります。
移した部分について「なぜうまくいっているのか」を1文で書けるかを確かめてください。
書けなければ、その部分は元に戻して別の理由を探します。
ベンチマークと競合調査は何が違いますか
競合調査は、同じお客様を取り合っている相手の動きを知るためのものです。
ベンチマークは、自社より先を行っている相手から学ぶためのもので、相手は競合とは限りません。
競合調査で抜けを見つけ、ベンチマークで伸ばし方を学ぶ、という順番で使うと両方が生きます。
まとめ
ベンチマーク企業は、自社が手本にしてやり方を学ぶ相手の会社です。
中小企業が選ぶときは、業界の最大手より、会社の大きさが近く、お客様が重なっていて、外から中身が見える会社を選びます。
探すときは同業の一覧だけを見ず、お客様が自社を素通りして代わりにお金を払っている先を見てください。
手本の会社から持ってくるのは「うまくいっている理由」だけで、文章や写真は持ち込みません。
そして、移すのは1回につき1箇所です。
4週間ほど数字を見て、動けば残し、動かなければ戻して次を試します。
今日できる点検
最後に、この記事を読み終えた今日のうちにできる点検を表にまとめます。
上から順に進めると、終わったときには手本の会社が1社と、自社サイトで直す場所が1箇所決まっているはずです。
| 点検すること | かかる時間の目安 | 終わったときに手元にあるもの |
|---|---|---|
| 良くしたい数字を1つ選ぶ | 5分 | 追いかける数字の名前 |
| お客様が代わりに選んでいる先を3つ書く | 10分 | ベンチマーク企業の候補 |
| 4つの基準で候補を1社に絞る | 10分 | 手本にする会社の名前 |
| 手本のサイトで最初の画面と問い合わせまでの道筋を見る | 15分 | 押した回数と見出しの書き写し |
| うまくいっている理由を1文で書く | 10分 | 自社に移す理由の1文 |
| 自社サイトで直す場所を1箇所決める | 5分 | 来週直すページの名前 |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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