Cloudflareを使っているのに、AIクローラーの設定がいまどうなっているのか、誰も把握していない。そんなサイトは少なくありません。
ChatGPTやPerplexityの回答にサイトを紹介してほしいのに、知らないうちにAIの入口を閉じていないか。この不安に、画面を見ながら答えられるようにまとめました。
AIクローラーとは、AIサービスがWebページを読み取るために巡回する自動プログラムです。Cloudflareは、サイトの手前で通信を中継し、高速化や攻撃防御を行うサービスです。
2026年9月15日に、Cloudflareの設定の意味が変わりました。学習を断るつもりで選んだ設定が、Googleの検索用クローラーまで止める場合があります。
この記事では、設定画面の場所、3つの分類、確認の手順、robots.txtとの関係を順に説明します。内容は、2026年10月18日にCloudflareの公式文書と公式ブログを開いて確かめました。
先に結論 学習だけ断るならDisallow AI Trainingを選ぶ
結論を、確認できたことと筆者の判断に分けて並べます。
| 論点 | 確認できたこと | 筆者の判断 |
|---|---|---|
| Search | 検索の索引を作る用途として分類されている | AIに引用されたいなら、許可のままにする |
| Agent | 利用者の依頼で、その場にページを取りに来る用途とされている | 引用されたいページでは、止めない |
| Training | 9月15日からBlockの対象に、Googlebotなどの複合用途も加わった | 学習だけ断るなら、Disallow AI Trainingを選ぶ |
| 新規ドメイン | 広告で収益を得るかどうかで、推奨設定が2種類ある | ドメインを追加した直後に、画面で値を確かめる |
| robots.txt | 守るかどうかはクローラー次第と明記されている | 強制したいときは、AI Crawl Controlも使う |
AIに引用されたいなら、SearchとAgentは止めない
引用の入口になるのは、検索用のクローラーと、利用者の依頼で動くボットです。Cloudflareの分類では、前者がSearch、後者がAgentにあたります。
この2つをBlockにすると、引用される機会そのものを自分で減らすことになります。
学習だけ断るなら、Blockは選ばない
9月15日以降、TrainingのBlockは、検索と学習の両方を担うクローラーにも効きます。公式ブログは、Applebot、Bingbot、Googlebotが止まり、検索にも影響すると説明しています。
学習だけを断る設定は、Disallow AI Trainingという名前で用意されました。
設定を変えたら、確認の手順を見直す
Cloudflareは、短い間隔で仕様を変えています。2026年7月、8月、9月の3回に分けて、公式ブログが新しい設定を発表しました。
古い解説記事の画面説明が、いまの画面と合わない場合があります。この記事の確認手順は、設定を変えるたびに使えます。
Cloudflareの機能は名前が似ているので整理する
AIクローラーに関わる機能は、複数あります。名前が似ていて混同しやすいので、先に表で並べます。
| 機能 | 何をするか | 提供プラン |
|---|---|---|
| AIボット方針 | Search、Agent、Trainingの3分類ごとに、ブロックや許可を選ぶ | Freeを含む全顧客 |
| Bot Preference Sync | AIボット方針を、robots.txtに自動で書き込む | FreeからEnterpriseまで |
| AI Crawl Control | 来ているAIクローラーを一覧し、クローラーごとに許可かブロックを選ぶ | 全プラン |
| WAFカスタムルール | 条件に合う通信を止めたり通したりする。AI Crawl Controlのブロックもこの仕組みで動く | プランごとに作れる数に上限がある |
| Pay per crawl | AIクローラーにクロールの対価を請求する | クローズドベータ |
AIボット方針
2026年7月1日から、Freeを含む全顧客が、AIボットを用途別に設定できるようになりました。設定の場所は、Securityの設定ページです。
Bot Preference Sync
旧Managed robots.txtの後継です。AIボット方針の内容を、robots.txtに書き込みます。
公式ブログによると、新しく始める顧客では、初期状態で有効になります。
AI Crawl Control
どのAIクローラーが来ているかを見て、クローラーごとに許可かブロックを選ぶ機能です。公式文書によると、無料プランでは、名乗っているユーザーエージェントをもとに識別します。
ユーザーエージェントは、ボットが自分の名前を伝えるための文字列です。
WAFカスタムルール
WAFは、条件に合う通信を止める仕組みです。AI Crawl Controlでクローラーをブロックすると、Cloudflareが「AI Crawl Control」という名前のカスタムルールを作ります。
この仕組みが、のちの確認手順で重要になります。
Search、Agent、Training 3つの分類を押さえる
2026年7月以降のCloudflareは、AIボットを「どの会社のボットか」で分けません。「サイトに来て何をするのか」という振る舞いで分けています。
公式ブログと公式文書の定義を、表にまとめます。
| 分類 | 公式の説明 | AIに引用されたい会社での位置づけ(筆者の判断) |
|---|---|---|
| Search | 後から質問に答えるために、内容を集めて索引を作る | 止めると、紹介される機会が減る。許可が基本 |
| Agent | 利用者に代わって、その場でページを訪れる。チャットのページ取得や、ブラウザを操作するエージェントなど | 止めると、利用者がAIにページを読むよう頼んでも読めない。許可が基本 |
| Training | モデルの学習や追加学習のために、内容を集める | 経営の方針で決める。引用とは別の問題 |
Search 索引を作るクローラー
公式ブログは、Searchを、紹介の流入や相応の見返りが期待できる用途だと説明しています。サイトにとって、最も利益に近い用途です。
同じ公式ブログは、Searchをブロックしているサイトは、1%に満たないと紹介しています。
Agent 利用者の依頼で動くボット
公式ブログは、Agentの例として、ChatGPT-Userのようなチャットのページ取得ボットを挙げています。人が待っている場面で動くのが特徴です。
OpenAIの文書も、ChatGPT-Userは、利用者の質問に応じてページを訪れると説明しています。
Training 学習のためのクローラー
公式文書では、Trainingに、検索と学習の両方に使われる複合用途のクローラーも含まれます。ここが、今回の変更の中心です。
複合用途クローラーとは
1つのクローラーが、検索と学習の両方に関わるものを、Cloudflareは複合用途と呼んでいます。Googlebot、Bingbot、Applebotが代表です。
一方で、OpenAI、Anthropic、Amazon、Metaは、検索用と学習用のクローラーを分けていると、公式ブログは説明しています。分かれているので、学習用だけを止めても、検索には影響しません。
分類の土台はVerified bots
公式文書によると、Cloudflareが「Verified bots」として扱うボットは、2つの条件を満たします。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 正直に名乗っている | 暗号署名、公開IPアドレスの一覧と固定のユーザーエージェント、逆引きDNSのどれかで身元を示せる |
| 行儀がよい | robots.txtを守り、アクセス頻度が常識的で、サイトの意向を避けた形跡がない |
ブロックの対象は、検証済みのボットだけに限りません。公式文書は、同じ振る舞いをする未検証のボットも含むと書いています。
名乗りを偽るアクセスの見分け方は、AIクローラーのなりすましの確認で説明しています。
2026年9月15日に変わったこと
2025年から2026年にかけての主な流れを、先に表にします。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年8月27日 | AI Auditが、AI Crawl Controlという名前になり、一般提供が始まった |
| 2026年7月1日 | Freeを含む全顧客が、Search、Agent、Trainingを用途別に設定できるようになった |
| 2026年8月21日 | Bot Preference Syncが発表された |
| 2026年9月15日 | Blockの意味が変わり、Disallow AI Trainingが加わった。旧Block AI botsは非推奨に |
| 2026年9月30日 | AIの利用量に応じて支払う、Pay Per Useのベータが発表された |
Blockの意味が変わった
公式ブログによると、BlockとBlock on pages with adsは、以前は複合用途のクローラーに効きませんでした。9月15日からは、すべてのTrainingクローラーに効きます。
つまり、TrainingをBlockにすると、Applebot、Bingbot、Googlebotも止まります。検索の流入まで失う設定になる点が、最大の注意点です。
Disallow AI Trainingという選択肢
学習だけを断る設定として、Trainingに、Disallow AI Trainingが加わりました。名前は、robots.txtに書き込むDisallow行から付けられています。
選べる設定を、整理します。
| 設定 | 動き | 選べる分類 |
|---|---|---|
| Allow | 他の設定やWAFルールで止められない限り、すべて許可する | 3分類すべて |
| Disallow AI Training | 学習を断る意思をrobots.txtに書く。説明責任を果たす複合用途のクローラーは、検索のために許可する。ほかの学習用クローラーはブロックする | Trainingだけ |
| Block on pages with ads | 広告を表示すると判定されたページだけでブロックする | 3分類すべて |
| Block | 複合用途も含めて、すべてブロックする | 3分類すべて |
広告のあるページだけを対象にするDisallowは、ありません。公式ブログは、広告のあるページの一覧が大きく、頻繁に変わるため、robots.txtに書き切れないことを理由にしています。
既存の設定は自動で引き継がれた
公式ブログによると、ほとんどの場合、利用者が何かをする必要はありません。現在の設定は、新しい設定に自動で移されました。
用途別の設定をすでに選んでいたドメインでは、TrainingのBlockとBlock on pages with adsが、Disallow AI Trainingに移されました。
SearchとAgentの設定は、そのままです。
新規ドメインの推奨設定
9月15日以降にドメインを追加すると、広告で収益を得ているかどうかで、2種類の推奨設定が示されます。公式ブログの表を、日本語にまとめ直しました。
| 設定項目 | 広告で収益を得ていないサイト | 広告で収益を得ているサイト |
|---|---|---|
| Bot Preference Sync | 有効 | 有効 |
| Search | Allow | Allow |
| Training | Allow | Disallow AI Training |
| Agent | Allow | Block on pages with ads |
公式の発表は、時期によって説明が変わっています。2026年7月1日のブログと文書には、新規ドメインで広告のあるページのTrainingとAgentを、既定でブロックすると書かれていました。
10月18日に開いた時点で、その文書の更新日は7月1日のままでした。9月15日のブログが最新ですが、ドメインを追加したら、画面の値を必ず確かめてください。
設定画面の場所と手順
ここからは、公式文書に載っている手順です。画面の文言は、英語表示のまま書きます。
AIボット方針を開く
次の順に進みます。
- Cloudflareのダッシュボードにログインし、対象のドメインを選ぶ
- Securityの設定ページ(Settings)を開く
- 絞り込みで、Bot trafficを選ぶ
- Configure AI bot policiesを選ぶ
Search、Agent、Trainingのそれぞれについて、いまの設定が表示されます。変更したら、Saveで保存します。
学習だけを断る手順
公式文書では、学習を断るための手順が、次のように案内されています。
- 上と同じ手順で、Configure AI bot policiesを開く
- Trainingで、Disallowを選ぶ
- Enable Bot Preference Syncをオンにする
- Saveを選ぶ
画面の表記は、公式文書ではDisallow、公式ブログではDisallow AI Trainingです。この記事では、後者の呼び名で書いています。
公式文書によると、この設定で、管理された記述がrobots.txtに追加され、学習用のAIクローラーを通信の入口で止める設定も有効になります。複合用途のクローラーは、この遮断から外れます。
robots.txtに書き込まれる内容
すでにrobots.txtがあるサイトでは、Cloudflareの記述が、既存の内容の前に追加されます。既存のDisallow行は、そのまま残ります。
公式文書の例を、短くした形です。
User-Agent: *
Content-signal: search=yes, ai-train=no, use=reference
Allow: /
User-agent: GPTBot
Disallow: /
1行目から3行目が、コンテンツの使い道を伝える部分です。4行目以降が、学習用のクローラーごとの拒否です。
書き込まれるクローラーの一覧は、Cloudflareが定期的に更新します。表示される中身は、時期によって変わります。
Bingへの伝わり方に注意する
公式ブログによると、Microsoftは、robots.txtで学習を断る仕組みを、2027年初めを目標に準備しています。それまでは、Disallow AI Trainingを選んでも、robots.txtを通じてBingには学習拒否が伝わりません。
この動きは、従来のTrainingのBlockと同じです。BingbotはBlockの対象ではなかったからです。
Bingで学習を断りたい場合、公式ブログは、NOARCHIVEタグや、BingのBlock URLsとContent Removalのツールの利用を案内しています。
Googleの学習だけを断る別の方法
Googleには、Google-Extendedという名前があります。Googleの文書によると、Gemini関連の学習に使われるかを管理するための名前で、Google検索への掲載や順位の判断には使われません。
Cloudflareの設定を使わずに、robots.txtにGoogle-ExtendedのDisallowを書く方法もあります。
AIに引用されたい会社の判断基準
自社の情報を、ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexityなどの回答に取り上げてほしい会社の目安を、表にします。公式の説明をもとにした、筆者の判断です。
| 分類 | 広告で収益を得ていない場合 | 広告で収益を得ている場合 |
|---|---|---|
| Search | Allow | Allow |
| Agent | Allow | 広告のあるページを止めるか、事業の方針で決める |
| Training | Allow、または学習を断るならDisallow AI Training | Disallow AI Training |
どの欄でも、Blockは検索に影響するので、選ぶ理由が明確なときに限ります。
広告を出しているサイトで起きること
Cloudflareは、広告を出すページの推奨を、Agentを広告のあるページでブロックする形にしています。公式ブログは、広告収益が、人が実際にページを見ることで成り立つためと説明しています。
この設定にすると、広告のあるページでは、AIに頼まれてその場にページを取りに来るボットも止まります。広告収益とAIからの引用のどちらを重く見るかで、決めてください。
Trainingを断っても、引用への影響は小さいと考えられる
OpenAIの文書によると、検索用のOAI-SearchBotと、学習用のGPTBotは、それぞれ独立して設定できます。検索結果に出たいが学習は断りたい場合の例として、OAI-SearchBotを許可し、GPTBotを断る設定が示されています。
OpenAIの文書は、OAI-SearchBotを止めたサイトは、ChatGPTの検索の回答に表示されないとも説明しています。
他社のAIサービスは、各社の文書で確かめる
各AIサービスが、どのクローラーの情報を回答に使うかは、各社の仕様で決まります。Cloudflareの分類だけで、引用への影響がゼロと言い切ることはできません。
AIサービスごとのクローラーの名前と役割は、各社の公式文書で確かめてください。
検索用まで止めていないかを確かめる6つのチェック
ここからが、この記事の中心です。上から順に、画面を見ながら確かめてください。
6つのチェックを、先に表にします。
| チェック | 見る場所 | 問題の例 |
|---|---|---|
| 1 | AIボット方針のTraining | BlockやBlock on pages with adsになっている |
| 2 | AIボット方針のSearchとAgent | Searchが止まっている。広告のあるページでAgentが止まっている |
| 3 | AI Crawl ControlのCrawlers | 用途の分からないクローラーがBlockになっている |
| 4 | Security rulesのCustom rules | 古い独自ルールが、検索のクローラーを止めている |
| 5 | 公開中のrobots.txt | GooglebotやBingbotにDisallow: /が書かれている |
| 6 | AI Crawl ControlのDirectivesとMetrics | robots.txtが読めていない。ブロックの件数が急に増えている |
チェック1 Trainingが、Block系になっていないか
Configure AI bot policiesを開き、Trainingを確認します。BlockかBlock on pages with adsなら、Googlebot、Bingbot、Applebotも止まっています。
検索の流入を守りたいなら、Disallow AI TrainingかAllowに変えます。
9月15日に移行された設定は、Disallow AI Trainingになっているはずです。移行のあとで、誰かが改めてBlockを選んでいないかを確かめます。
チェック2 SearchとAgentが止まっていないか
同じ画面で、SearchとAgentを確認します。Searchがブロックになっていれば、通常の検索にも影響が出る可能性があります。
広告で収益を得ているサイトの推奨設定は、Agentが、広告のあるページでのブロックです。意図した設定かどうかを、確かめてください。
チェック3 AI Crawl Controlのクローラー一覧
AI Crawl Controlを開き、Crawlersタブを表示します。Actionの列で、Blockになっているクローラーを洗い出します。
用途の分からない名前は、各社の公式文書で調べてから判断します。Requestsの列の失敗数は、AI Crawl Controlのブロック以外の原因でも増えると、公式文書に書かれています。
チェック4 WAFのカスタムルールを見直す
Securityの中のSecurity rulesを開き、Custom rulesで絞り込みます。見るのは、次の3種類です。
- 「AI Crawl Control」という名前のルールの中身
- 過去に自社や制作会社が作った、特定のボットを止めるルール
- 既知のボット以外に確認画面を出すような、広い条件のルール
古い独自ルールが残っていると、AIボット方針を直しても、検索のクローラーが止まり続けることがあります。
チェック5 公開中のrobots.txtを開く
ブラウザで、自社ドメインのrobots.txtを開きます。Bot Preference Syncを使っていれば、Cloudflareの記述が先頭にあります。
見るのは、次の3点です。
- GooglebotやBingbotに、Disallow: /が書かれていない
- 自社で書いた既存の指定と、Cloudflareの記述が矛盾していない
- Content-signalの行があれば、意図した値になっている
Google Search Consoleが、Content-signalの行を「Syntax not understood」と報告する場合があります。Cloudflareの公式文書は、これによるクロールやSEOへの影響は観測していないと書いています。
チェック6 DirectivesとMetricsで裏付けを取る
AI Crawl Controlには、Directivesというタブがあります。2025年10月の追加時は、Robots.txtという名前でした。
公式文書によると、このタブでは、次の2つの表が見られます。
| 表 | 分かること |
|---|---|
| Robots.txt availability | ホスト名ごとのrobots.txtの取得状況。404なら作成が必要。ファイルがあるのに失敗が多いなら、前段のWAFルールを疑う |
| Robots.txt violations | robots.txtで禁止したパスに来たクローラー |
Violationsは、いまのrobots.txtと過去のアクセスを照らして計算されます。新しくDisallowを足すと、過去のアクセスも違反として表示されます。
Metricsタブでは、日付やクローラーごとの内訳が見られます。無料プランでは、直近24時間分だけです。
AI Crawl ControlとWAFルールの関係
AI Crawl Controlでブロックしたはずなのに通る場合と、許可にしたはずなのに止まる場合があります。どちらも、WAFルールの順序で起きます。
処理の順序
公式文書によると、通信は、次の順に処理されます。
| 順 | 処理 |
|---|---|
| 1 | WAFのカスタムルール(AI Crawl Controlのブロックを含む) |
| 2 | Cloudflareのボット対策 |
| 3 | AI Crawl Controlのpay per crawl |
AI Crawl Controlで1つでもブロックを選ぶと、1つのカスタムルールで実行されます。すべて許可にしている間は、カスタムルールを使いません。
許可にしたのに止まるとき
AI Crawl Controlのルールには、ブロックするクローラーしか入っていません。許可にしたクローラーも、手前にある別のルールで止まることがあります。
その場合は、AI Crawl Controlの分析には現れません。WAFのカスタムルールを見直して、意図しないルールを直します。
ブロックにしたのに通るとき
AI Crawl Controlのルールは、既存のカスタムルールの最後に追加されます。公式文書は、手前にある次のルールが、ブロックを素通りさせる場合があると説明しています。
| 手前にあるルール | 起きること |
|---|---|
| スキップルール | WAFのカスタムルールを飛ばす |
| リダイレクトルール | リクエストのパスを変える |
| 変換ルール | リクエストの中身を書き換える |
対処は、AI Crawl Controlのルールを、カスタムルールの先頭に移すことです。
ルールを直接編集するときの注意
パスごとの例外を足すなど、WAF側でルールを拡張することは、公式文書で案内されています。追加した内容は、あとでAI Crawl Controlの設定を変えても、保たれます。
ただし、WAFで直接変えた内容は、AI Crawl Controlの画面には反映されません。公式文書は、通常はCrawlersタブを使い、直接の編集は、画面で足りない場合に限るよう勧めています。
robots.txtとの関係
robots.txtは意思表示、ブロックは遮断
Cloudflareの公式文書は、robots.txtを守るかどうかはクローラー側の任意で、技術的にアクセスを防ぐものではないと明記しています。守らないクローラーもいます。
一方で、AIボット方針のBlockや、AI Crawl Controlのブロックは、Cloudflareの側で通信を止めます。意思を伝える手段と、守らない相手も止める手段は、役割が違います。
Content Signalsとは
Content Signalsは、robots.txtに書く、コンテンツの使い道の宣言です。公式文書には、3つの区分が定義されています。
| シグナル | 意味 |
|---|---|
| search | 検索の索引を作り、検索結果を返すこと。AIが作る要約は含まない |
| ai-input | AIのモデルに内容を入力すること。回答を作るための、リアルタイムの取得など |
| ai-train | AIモデルの学習や追加学習 |
書き方の例は、Content-signal: search=yes, ai-train=noです。公式文書によると、Bot Preference Syncが管理する記述を追加するときは、この方針の説明文も一緒に入ります。
Cloudflareは、use=referenceという第4の項目も試験中です。保存と再利用の範囲を伝える項目で、現在の管理された記述には、use=referenceが入っています。
Bot Preference Syncの動き
公式文書によると、Search、Agent、Trainingのどれかがブロック系のとき、またはTrainingがDisallowのときに、管理された記述が追加されます。
公式ブログは、同期が個別のカスタムルールの細かい条件までは読まないと説明しています。例外を設けたい場合は、同期を切って、robots.txtを自分で整える道もあります。
よくある失敗
失敗1 学習を止めたくてTrainingをBlockにする
9月15日以降、TrainingのBlockは、Googlebot、Bingbot、Applebotも止めます。学習だけ断りたいなら、Disallow AI Trainingを選んでください。
失敗2 古い解説のとおりにBlock AI botsを探す
旧Block AI botsは、2026年9月15日で非推奨になりました。古い記事の画面説明を、そのまま信じないようにします。
失敗3 ドメインを追加したときの推奨設定を見落とす
9月15日以降に追加したドメインには、広告収益の有無で選ばれた推奨設定が入ります。追加した直後に、AIボット方針を開いて確かめてください。
失敗4 robots.txtだけで止めた気になる
robots.txtに強制力はありません。守らないクローラーには、AI Crawl Controlのブロックを併用します。
失敗5 Bingにも学習拒否が伝わると思い込む
Disallow AI Trainingを選んでも、2027年初めの対応までは、Bingへ学習拒否はrobots.txt経由で伝わりません。BingのNOARCHIVEタグなどの手段も、あわせて確かめてください。
Pay per crawlとPay Per Use
Pay per crawlは、AIクローラーにクロールの対価を請求する仕組みです。公式文書によると、支払う意思を示したクローラーにはページを返し、そうでなければ、価格つきの402 Payment Requiredを返します。
2026年10月時点で、クローズドベータです。課金できるプランは、Bot Managementを契約したEnterpriseと案内されています。
2026年9月30日には、AIの利用量に応じて支払う、Pay Per Useのベータが発表されました。買い手が申し出た条件を、サイトの側が受けるかどうかを選びます。
どちらも、引用されることを目的にした設定とは方向が違います。多くの中小企業は、動向を見守る段階でよいと筆者は考えます。
よくある質問
Q1. Freeプランでも、AIボットの設定はできますか。
できます。2026年7月1日から、Freeを含む全顧客が、Search、Agent、Trainingを設定できます。
AI Crawl Controlも全プランで使えます。無料プランでは、ユーザーエージェントをもとに識別し、Metricsは直近24時間分です。
Q2. 9月15日より前に追加したドメインも、新しい推奨設定に変わりましたか。
公式の発表で、新しい推奨設定の対象とされているのは、新規ドメインです。既存のドメインは、設定が新しい分類へ自動で移されました。
いずれの場合も、いまの設定は、画面で確かめてください。
Q3. Disallow AI Trainingにすると、AI検索に引用されなくなりますか。
Cloudflareの分類では、索引作りはSearch、その場での取得はAgentにあたり、Trainingを断っても引用の経路は残ります。OpenAIの文書も、検索用のOAI-SearchBotと学習用のGPTBotを、別々に設定できると説明しています。
ただし、各社の仕様次第なので、影響がゼロとは言い切れません。
Q4. 自分で書いたrobots.txtは、Bot Preference Syncで上書きされますか。
上書きはされません。公式文書によると、サイトのrobots.txtが取得できる場合、Cloudflareの記述は、既存の内容の前に追加されます。
robots.txtが存在しない場合は、Cloudflareが新しく作って返します。
Q5. robots.txtを守らないクローラーには、どう対応しますか。
AI Crawl Controlで、該当のクローラーをBlockにします。名乗りが偽物の疑いがあれば、先に身元を確かめてください。
方法は、AIクローラーのなりすましの確認で説明しています。
まとめ
CloudflareのAIクローラー設定は、次の順に確かめます。
- Configure AI bot policiesで、Trainingが、Block系になっていないか見る
- SearchとAgentが、意図せず止まっていないか見る
- AI Crawl ControlのCrawlersで、Blockのクローラーを洗い出す
- WAFのカスタムルールに、古い独自ルールが残っていないか見る
- 公開中のrobots.txtを開き、GooglebotやBingbotを禁止していないか見る
- DirectivesとMetricsで、robots.txtの取得状況とブロックの件数を見る
引用されたいなら、SearchとAgentは止めません。学習だけ断るなら、Disallow AI Trainingを選びます。
Blockは、検索のクローラーまで止めます。
参照した公式文書
2026年10月18日に確認しました。
- Cloudflare Docs、Block AI Bots(developers.cloudflare.com/bots/additional-configurations/block-ai-bots/)
- Cloudflare Docs、robots.txt setting(developers.cloudflare.com/bots/additional-configurations/managed-robots-txt/)
- Cloudflare Docs、Verified bots(developers.cloudflare.com/bots/concepts/bot/verified-bots/)
- Cloudflare Docs、AI Crawl Controlの始め方、クローラーの管理、WAFとの関係、Directives、Pay per crawl
- Cloudflare Changelog、2025年8月27日と2025年10月21日の投稿
- Cloudflare Blog、2026年7月1日、8月21日、9月15日、9月30日の投稿
- Google検索セントラル、Googleの一般的なクローラー(Google-Extended)
- OpenAI、クローラーの文書(developers.openai.com/api/docs/bots)
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