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  3. BtoBサイトの導線設計 問い合わせが来ないときにページ別の案内を整える手順【2026年10月版】

BtoBサイトの導線設計 問い合わせが来ないときにページ別の案内を整える手順【2026年10月版】

2026 10/17
2026年10月17日
中野輝規
BtoBサイトの導線設計 問い合わせが来ないときにページ別の案内を整える手順【2026年10月版】

ホームページはあるのに、問い合わせがほとんど来ない。

BtoBの中小企業で、よく聞く悩みです。フォームの使いにくさやデザインが疑われがちですが、問い合わせにたどり着く道筋が、サイトのどこにも用意されていないことも少なくありません。

この記事は、サイトの導線を整えるための手順書です。導線とは、訪れた人が次に進むための道筋のことです。

ページの種類ごとに置く案内、ブログ記事からのつなぎ方、電話番号のタップ発信、GA4での確かめ方、改善の優先順位までを順に説明します。

公式のヘルプは、2026年10月17日に開いて確かめました。画面の名前や手順は変わることがあるため、実際の操作の前に最新のヘルプを見てください。

目次

先に結論 導線は全ページの末尾に「次の一歩」を置くこと

最初に、この記事の結論を表にまとめます。

決めること 結論 理由
最初にやること 次に進む案内がないページ(行き止まり)をなくす 読み終えた人が、行き先に迷って閉じるのを防ぐ
置く案内 次に読むページへのリンクと、その段階に合った行動の入口 検討の段階は人によって違う
行動の入口 問い合わせのほかに、資料、相談、電話を用意する 情報を集めている段階では、問い合わせが重い
ブログ記事 本文中のリンクと、末尾の案内を型にする 読まれている記事を入口として使える
確かめ方 GA4のランディングページレポートと経路データ探索 入口と、その先の動きが分かる

どれも、大きな費用は要りません。既存のページに案内を足すところから始められます。

先に直すのはフォームではない

入力項目を減らすなど、フォーム自体の改善は、導線を整えたあとに取り組むほうが効果を確かめやすくなります。

フォームにたどり着く人が少ないままでは、フォームを直しても結果が見えにくいためです。

この記事で扱わないこと

広告用のランディングページの改善と、フォーム自体の改善は扱いません。

扱うのは、自社サイトの中で、訪れた人が問い合わせまで進む道筋の整え方です。

導線設計とは次の一歩を全ページに用意すること

導線設計を、難しく考える必要はありません。

サイトのページを、訪れた人の気持ちの段階に合わせて、3つの役割に分けて考えます。

サイトの導線の3つの役割流入ページブログ・トップ次に比較検討ページサービス・事例・料金次に行動ページ資料・相談・電話

サイト全体を3つの役割で考える

役割 訪れた人の気持ち 代表的なページ
流入ページ 困りごとを解決する方法を知りたい ブログ記事、トップページ
比較検討ページ この会社に頼んで大丈夫か確かめたい サービス、事例、料金の考え方、会社概要、FAQ
行動ページ 話を聞きたい、資料がほしい 問い合わせ、資料ダウンロード、無料相談、見積もり依頼

BtoBの商談は、検討期間が長くなりがちです。初めて訪れた人が、その場で相談を申し込むことは多くありません。

情報を集め、比べ、社内で相談してから、行動に移ります。

3つがつながっていないサイト

問い合わせが来ないサイトの多くは、この3つがつながっていません。

たとえば、ブログ記事はよく読まれているのに、記事の中にサービスページへのリンクがない状態です。サービスページには説明だけがあって、事例や料金の考え方へのリンクがない状態も、よくある例です。

問い合わせのボタンが、上部メニューの端に小さく置かれているだけ、ということもあります。

行き止まりのページをなくす

導線設計で、最初に取り組みたいのは、次に進む案内が何もないページをなくすことです。

読み終えた人は、次にどこへ行けばよいか分からなければ、ブラウザを閉じてしまいます。

各ページの末尾に置く2つ

各ページの末尾には、少なくとも次の2つを置くことを基本にします。

置くもの 内容
次に読むページへのリンク 比較検討を進めるための案内
行動の入口 その段階に合った、資料や相談の入口

この2つが、すべてのページにそろっているかを、まず点検します。

ページの種類ごとの役割と置く案内

ここからは、ページの種類ごとに、役割と置く案内を説明します。

先に一覧表で全体を見て、続けて各ページの内容を確認します。

一覧表 ページごとの役割と案内

ページ 役割 置く案内
トップページ 誰のどんな困りごとを解決する会社かを伝え、振り分ける 困りごと別のサービスへのリンク、事例の入口、問い合わせの入口
サービスページ 自社の課題に合うかを判断してもらう 関連事例、料金の考え方、FAQ、資料と相談の入口
事例ページ 同じような会社が使っているかを確かめてもらう 使ったサービスへのリンク、相談の入口
料金の考え方のページ 費用感の不安を減らす 見積もり依頼、無料相談の入口
会社概要ページ 取引先として確かめてもらう サービス一覧、問い合わせへのリンク
FAQ 問い合わせ前の不安を減らす 関連ページへのリンク、問い合わせの入口

トップページ

トップページの役割は、何の会社で、誰のどんな困りごとを解決できるのかを、数秒で伝えることです。

そのうえで、該当するサービスへ振り分けます。

最初の画面には、提供価値を一文で書きます。たとえば「○○業の△△業務を、□□に切り替える支援をしています」という形です。

困りごと別のサービスへのリンクと、問い合わせの入口も、最初の画面の近くに置きます。

サービスページ

サービスページは、比較検討の中心になるページです。

訪れた人は、自社の課題に合うか、どう進むのか、費用と期間はどのくらいかを知りたがっています。

置く内容 例
対象 こんな会社に向いています
提供内容と進め方 初回の相談から納品、運用までの流れ
関連する事例 同じ種類の課題を扱った事例へのリンク
料金の考え方とFAQ それぞれのページへのリンク
行動の入口 ページの途中と末尾に、資料と相談の入口

事例ページ

BtoBでは、同じような会社が実際に使っているかが、判断の材料になります。

事例は、比較検討を後押しする大切なページです。

事例は、業種、規模、課題、取り組み、結果を、同じ型で書きます。末尾には、使ったサービスへのリンクと、相談の入口を置きます。

事例が手元にない場合は、無理に作りません。お客様の許可を得た実際の内容だけを載せてください。

料金の考え方のページ

金額を公開できない場合でも、料金がどう決まるのかは書けます。

費用感がまったく分からないことは、問い合わせをためらう大きな理由になります。

書ける内容 例
料金を決める要素 対象の範囲、件数、期間、オプション
契約の形 初期費用と月額、一括、都度
見積もりの流れ 見積もりに必要な情報、返事までの目安

置く案内は、見積もり依頼と無料相談の入口です。「概算を知りたい方はこちら」のように、気軽さが伝わる文言が向いています。

会社概要ページ

BtoBでは、社内で決裁を取る前に、担当者が会社概要を確認することがよくあります。

所在地、設立年、事業内容、代表者、連絡先などの基本情報を載せます。

会社概要は、行き止まりになりやすいページの代表です。基本情報で終わらせず、サービス一覧と問い合わせへのリンクを、末尾に置きます。

FAQ

FAQは、問い合わせ前の不安を減らすページです。

最低の契約期間、対応できる地域、相談だけでも費用がかかるかなど、営業の場で実際に聞かれる質問から作ります。

回答の中で、関連するサービスページや料金の考え方へリンクします。末尾には、ここにない質問を受け付ける問い合わせの入口を置きます。

行動の選択肢を段階に分けて用意する

行動の入口が、問い合わせ1つだけのサイトも多くあります。

情報を集めている段階の人にとって、問い合わせは心理的なハードルが高い行動です。

段階ごとの選択肢

検討の段階に合わせて、複数の選択肢を用意します。

段階 行動の選択肢 向いている人 置く場所の例
情報収集 メールマガジンの登録 具体的な予定はないが、関心がある ブログ記事の末尾
情報収集から比較 資料のダウンロード 社内で共有して検討したい ブログ記事の末尾、サービスページ
比較検討 セミナーや勉強会 詳しく知りたい ブログ記事、事例ページ
比較検討から決定 無料相談 自社の場合を聞きたい サービス、事例、FAQ
決定 見積もり依頼 予算の検討に金額が必要 料金の考え方、サービス
急ぎ 電話 すぐに話したい ヘッダー、フッター、問い合わせページ

最初は3つから始める

すべてを最初から用意する必要はありません。

中小企業なら、まず資料のダウンロード、無料相談、電話の3つから始めると取り組みやすくなります。

資料は、サービスページの内容を整理した、数ページのPDFでも足ります。

押したあとに何が起きるかを書く

それぞれの入口には、押したあとに何が起きるかを書き添えます。

入口 書き添える内容の例
資料ダウンロード 会社名とメールアドレスの入力のみ。すぐに読めます
無料相談 オンライン○分。営業目的の連絡はしません

約束できないことは書きません。書いた内容と実際の対応が違うと、かえって信頼を失います。

「営業目的の連絡はしません」のような約束は、実際の運用に合わせて書いてください。

ブログ記事から問い合わせへのつなぎ方

ブログ記事は読まれているのに、問い合わせにつながっていないサイトはよくあります。

記事を入口として使うために、本文中のリンクと、末尾の案内を整えます。

本文に関連サービスへのリンクを置く

内部リンクとは、自社サイトの中の別のページへのリンクのことです。

記事の中で、自社のサービスに関係する話題が出てきたところに、自然な形でサービスページへのリンクを置きます。

リンクの文字は行き先が分かるものにする

Googleの公式ヘルプは、リンクの文字(アンカーテキスト)を、内容が具体的で、適度に簡潔なものにするよう案内しています。

「こちら」「詳細」のような表現は、大雑把すぎる例として挙げられています。

書き方 例
悪い例 受発注システムの導入については、こちらをご覧ください
良い例 ○○業向けの、受発注業務の見直し支援サービスをご覧ください

公式ヘルプは、文脈を無視してリンクの文字だけを読み、意味が通じるかを試すことも勧めています。

リンクの数と置き方

リンクの数に、公式の決まりはありません。

1記事の本文中に、1〜3か所ほどを目安にすると、読む流れを妨げにくくなります。これは書き手の見立てです。

技術面の条件

Googleの公式ヘルプによると、Googleがリンクをたどれるのは、通常、href属性を持つa要素の場合です。

ボタンの見た目をしていても、スクリプトだけで動く部品は、リンクとして読まれないことがあります。

また、同じヘルプは、関心のあるすべてのページに、同じサイト上の別のページから、少なくとも1つのリンクがあることを推奨しています。

記事末尾の案内を型にする

記事の最後は、読者が次にどうするかを考えるタイミングです。

全記事に同じ型の案内を置けるよう、テンプレートを用意しておきます。

欄 書く内容
関連するサービス サービス名と、誰のどんな課題をどう解決するかの一文
関連する事例 業種と規模、取り組みの一文
情報を集めたい方へ 資料のダウンロード
自社の場合を相談したい方へ 無料相談の申し込み

記事の内容に合わせて強さを変える

記事のテーマとサービスが離れている場合は、無理に売り込みません。資料のダウンロードやメールマガジンなど、軽い行動を中心にします。

記事のテーマがサービスに直結している場合は、無料相談を目立たせます。

ナビゲーションとフッターを整える

全ページに共通する部分を整えると、一度の作業で、すべてのページの導線が変わります。

上部のメニュー

全ページ共通の上部メニューは、訪れた人がサイト内で迷ったときの道しるべです。

BtoBの中小企業のサイトなら、次の程度に絞ると分かりやすくなります。

項目 備考
サービス 一覧のページ
導入事例 事例がある場合
料金の考え方 またはご利用の流れ
会社概要 基本情報
お役立ち情報 ブログ
問い合わせ ボタンの形にして、他と区別する

項目が多すぎると、迷わせてしまいます。

スマートフォンでは、メニューを開かなくても、問い合わせや電話の入口が見えるようにしておくと親切です。

フッター

フッターは、ページを最後まで読んだ人が、次の行き先を探す場所です。

置くもの 内容
サービス一覧 各サービスへのリンク
信頼の材料 事例、FAQ、会社概要、プライバシーポリシー
連絡先 電話番号と受付時間、問い合わせへのリンク
行動の入口 資料のダウンロード

フッターは全ページに表示されます。ここを整えるだけで、行き止まりのページを大きく減らせます。

電話番号はタップで発信できるようにする

BtoBでも、急ぎの相談や、文章では説明しにくい内容は、電話で問い合わせる人がいます。

スマートフォンでサイトを見ている人のために、電話番号をタップするだけで発信できるようにしておきます。

telリンクの書き方

HTMLのリンク(a要素)で、hrefにtel:で始まる値を書くと、電話番号へのリンクになります。

MDN Web Docsのa要素の解説には、国番号から始まる記述例が載っています。リンクの文字として表示するのは、電話番号の見える形です。

部分 MDNの記述例
hrefの値 tel:+1(800)555-0123
画面に見える文字 (800) 555-0123

リンクを押したときの動き

MDNによると、tel:のリンクは、端末の能力によって動作が変わります。

携帯電話ではその番号に自動でダイヤルします。

多くのパソコンでは、通話用のプログラムが起動することがあります。連絡先の保存など、別の動作になる場合もあります。

詳しい書式は、RFC 3966を参照するよう案内されています。

日本の番号を書くとき

MDNの記述例は、どちらも国番号から始まる形です。

日本の番号を同じ形で書く場合は、国番号の+81を付け、先頭の0を除きます。これは国際電話の表記に沿った書き方で、MDNの解説に書かれた内容ではありません。

画面に表示する文字は、普段どおりの表記で構いません。

部分 書き方の例(番号は架空のものです)
hrefの値 tel:+81312345678
画面に見える文字 03-1234-5678

電話番号を載せるときの注意

注意点 理由
受付時間を併記する 時間外にかかってきても対応できないと、印象が悪くなる
画像にしない 画像の番号は、タップ発信もコピーもできない
計測する 電話のタップが、どのページから多いかを確かめられる

計測の方法は、GA4とGoogle Tag Managerの章で説明します。

GA4で導線を確かめる準備 キーイベントを設定する

導線を整えたら、訪れた人が実際にどう動いているかを、GA4で確かめます。

最初に、問い合わせなど重要な行動を、数えられる状態にします。

キーイベントとは

GA4では、サイトにとって重要な行動を、キーイベントとして設定します。

公式ヘルプによると、重要な行動を測るイベントを作成または特定し、そのイベントにキーイベントとしてマークを付ける必要があります。

設定の手順

既存のイベントをキーイベントにする手順は、公式ヘルプでは次のとおりです。

順番 作業
1 管理画面の「データの表示」で「イベント」を開く
2 「最近のイベント」のタブで、対象のイベントを探す
3 イベント名の横にあるスターのアイコンを押す

既存のイベントへのマークは、編集者以上の権限が必要です。新しいイベントを作ってマークを付ける場合は、マーケティング担当者以上の権限が必要と、公式ヘルプに書かれています。

反映のしかたと上限

公式ヘルプによると、キーイベントとしてマークしたあとの扱いは、次のとおりです。

項目 内容
反映される範囲 作成した時点以降のレポート。過去のデータは変わらない
標準レポートへの表示 最大24時間かかることがある
上限 標準のプロパティで最大30個、GA4 360のプロパティで最大50個

導線の改善前後を比べたい場合は、マークを付けた日をメモしておきます。

フォームの送信と資料のダウンロード

Googleは、問い合わせのためにフォームやリクエストを送信したときのイベントとして、generate_leadを用意しています。

GA4の拡張計測機能を有効にしていると、ファイルへのリンクがクリックされたとき、file_downloadというイベントが記録されます。

資料のダウンロードが、PDFなどへの直接のリンクなら、これを手がかりにできます。

拡張計測機能の設定場所

拡張計測機能は、管理画面の「データの収集と修正」から「データストリーム」を開き、対象のストリームで設定します。

スイッチをオンにすると、すべてのオプションが有効になります。個々のオプションを編集することもできます。

ランディングページレポートで入口を確かめる

ランディングページとは、訪れた人が、その訪問で最初に見たページのことです。

公式ヘルプによると、このレポートは、ウェブサイトを訪れた人が最初にアクセスしたページと、各ページにアクセスした人の数を確認できる、用意されたレポートです。

開き方と主な指標

左側のメニューから、「エンゲージメント」の中の「ランディングページ」を開きます。レポートが見つからない場合は、削除されているか、既定の表示に含まれていない可能性があると、公式ヘルプに書かれています。

指標 内容
セッション サイトで開始された訪問の数
アクティブユーザー数 訪れた個別の人の数
新規ユーザー数 初めて訪れた人の数
セッションあたりの平均エンゲージメント時間 ページを開いていた平均の時間
キーイベント キーイベントが発生した回数

キーイベントの列に数字が入るのは、キーイベントを設定してからです。

見るポイント

このレポートでは、次の3つを確かめます。

見るポイント 読み取れること
訪問が多く、キーイベントが少ないページ 入口としては働いているが、次につながっていない可能性
そのページがブログ記事の場合 本文のリンクと末尾の案内があるか
平均エンゲージメント時間が極端に短いページ 内容が、訪れた人の期待とずれている可能性

数字が示すのは、原因そのものよりも、確かめる場所です。見立てを立てたうえで、ページを実際に開いて確認します。

エンゲージメント率の扱い

公式ヘルプによると、エンゲージメントのあったセッションとは、10秒以上続いたか、キーイベントが発生したか、ページビューが2回以上発生したセッションです。

エンゲージメント率は、ほとんどのレポートでは、初期の状態で含まれていません。見たい場合は、レポートをカスタマイズして追加します。

経路データ探索で入口のあとと問い合わせの前を見る

ランディングページのあとに、訪れた人がどこへ進んだかは、経路データ探索で確かめます。

公式ヘルプでも、ランディングページを開始のポイントにして、ランディング後の行動を見る方法が案内されています。

仕様の要点

公式ヘルプで確かめられる、主な仕様は次のとおりです。

項目 内容
始点と終点 どちらか一方だけを指定する。両方は同時に指定できない
始点に選べるもの イベント名、ページのタイトル、ページパスなど
表示される数 各ステップで上位5つ。ステップごとに最大20個まで増やせる
上位以外 「その他」にまとめられる
指標 初期の状態では、イベント数

使い方の例1 よく読まれる記事の次を見る

始点を指定して、先へ進む動きを追います。

  1. 探索から、経路データ探索を作ります。
  2. 始点に、よく読まれているのに問い合わせにつながらない記事のページパスを設定します。
  3. 次のステップで、サービスや事例のページに進んだ人がいるかを確かめます。
  4. ほとんどが離れている場合は、記事内のリンクと、末尾の案内を見直します。

使い方の例2 問い合わせの前を見る

終点を指定して、さかのぼる動きを追います。

  1. 終点に、問い合わせ完了のイベントか、完了ページのタイトルを設定します。
  2. その直前と、さらに前に、どのページが見られているかを確かめます。
  3. よく通られているページは、問い合わせを後押ししている可能性があります。そのページへのリンクを、他のページからも増やすことを検討します。

ループの動きに注意する

公式ヘルプは、操作に迷っている可能性を示す、ループの動きを見つける使い方にも触れています。

同じページを行き来している動きが多いときは、次に進む案内が足りない可能性があります。

件数が少ないサイトの見方

問い合わせの件数が少ないサイトでは、数字が安定しません。

1か月単位など、長めの期間で傾向を見るようにします。1件の増減で、結論を変えないでください。

電話番号のタップをGoogle Tag Managerで計測する

電話番号を、タップで発信できるようにしたら、タップの回数も数えておきます。

拡張計測機能では数えられない

GA4の拡張計測機能には、離脱クリックがあります。

公式ヘルプによると、離脱クリックは、現在のドメインから移動するリンクのクリックが対象です。電話番号のリンクが対象になるとは、書かれていません。

このため、電話のタップを数えるには、Google Tag Managerで専用のイベントを作る方法を使います。

設定の流れ

Google Tag Managerのヘルプで確かめられる、クリックのトリガーの設定は次のとおりです。

順番 作業
1 トリガーの種類で、クリックの「リンクのみ」を選ぶ
2 発生場所で「一部のクリック」を選ぶ
3 条件として、Click URLが「tel:」で始まる、または含む、を設定する
4 このトリガーで、GA4のイベントのタグを配信する
5 プレビューで電話番号をタップし、イベントが送られることを確かめてから公開する

ヘルプでは、Click URLは、クリックのトリガーが成立したときに値を取得する組み込み変数と説明されています。使う前に、組み込み変数を有効にしておきます。

画面の項目名は変わることがあります。細かな表記は、実際の画面とヘルプで確認してください。

数えられるのはタップの回数

Google 広告のヘルプには、電話番号のリンクのクリックを測る機能について、計測できるのはリンクのクリックのみで、実際の通話は数えられない、と書かれています。

GA4とGoogle Tag Managerで数える場合も、同じ考え方で読みます。

数字 意味
タップの回数 番号のリンクが押された回数
通話の件数 実際につながった通話。この方法では分からない

通話の件数を知りたい場合は、電話を受けた側で、件数を記録します。

改善の優先順位の付け方

すべてを一度に直す必要はありません。

次の4つの基準で、順番を決めます。

優先順位の基準

順番 基準 理由
1 訪問が多いページから 影響を受ける人が多い
2 行き止まりの解消から 新しいページを作るより手間が少ない
3 全ページ共通の部分から 上部のメニューとフッターは、一度で全ページに効く
4 問い合わせ直前のページから 後押ししているページは、内容を充実させる価値がある

3か月の進め方の例

時期 取り組み
1か月目 問い合わせ完了、資料のダウンロード、電話のタップを計測する。上部のメニューとフッターを整える。電話番号をtelリンクにする
2か月目 ランディングページの上位10ページに、関連ページへのリンクと行動の入口を足す。記事末尾の案内の型を、全記事に入れる
3か月目 経路データ探索で変化を確かめる。料金の考え方、FAQ、事例など、足りない比較検討のページを足す

変更の記録を残す

変更した日付と内容は、必ず記録しておきます。

あとから数字が動いたときに、何が原因かを振り返る材料になります。

導線の改善が止まる原因と対策

導線は、一度作って終わりではありません。

続かなくなる典型的な原因を、先に知っておきます。

よくある失敗

失敗 起きること 対策
新しいページばかり作る 既存のページの行き止まりが残る 既存ページの末尾への追記を先にする
入口を問い合わせ1つにする 情報収集の段階の人が離れる 資料と相談を足す
計測を設定しない 改善の効果が見えない キーイベントを先に設定する
約束を守れない 信頼を失う 書いた内容を、実際の運用に合わせる
変更を記録しない 原因が分からなくなる 日付と内容を残す

特に、計測がない状態での改善は、効果が見えず、続けにくくなります。

月に1回の見直し

月に1回、ランディングページレポートを開いて、訪問の多いページを確かめます。

行き止まりのページがないか、末尾の案内が古くなっていないかを点検します。

売れるサイトはみな謙虚 導線は足さずに引く

ここまで、案内を置く話を続けてきました。最後に、足すだけでは足りない理由を、1つ説明します。

「売れるサイトはみな謙虚」という考え方があります。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。

導線設計にも、そのまま当てはまります。

導線から引くもの

引くもの 引いたあとの状態
上部のメニューの項目 道しるべが少なくなり、迷わない
ページ末尾の、似た内容のボタン 押す先が1つに絞られる
行き先の分からないリンクの文字 押す前に、行き先が分かる
約束できない文言 書いた内容と実際の対応が一致する

案内を足す作業は、数が増えるほど、かえって迷わせる原因になります。

ページごとに、置く案内を絞ることが大切です。

引いても残すもの

引いても、導線に必要なものは残します。

次に読むページへのリンク、その段階に合った行動の入口、電話番号と受付時間、そして計測の設定です。

この4つがそろっていれば、小さなサイトでも、道筋は成り立ちます。

よくある質問

Q1. 問い合わせが来ないとき、フォームを先に直すべきですか

導線を整えてからのほうが、効果を確かめやすくなります。

フォームにたどり着く人が少ないままでは、フォームを直した結果が見えにくいためです。まず、ランディングページレポートで入口を確かめてください。

Q2. ブログ記事に、サービスへのリンクを何か所置けばよいですか

公式の決まりはありません。

1記事の本文中に、1〜3か所ほどを目安にし、末尾の案内の型と組み合わせると、読む流れを妨げにくくなります。これは書き手の見立てです。

Q3. 事例がない場合は、どうすればよいですか

無理に作る必要はありません。

お客様の許可を得た実際の内容だけを載せます。事例がない間は、料金の考え方やFAQなど、他の比較検討ページを先に整えてください。

Q4. 電話のタップを数えれば、通話の件数が分かりますか

分かりません。

Google 広告のヘルプにも、計測できるのは電話番号のリンクのクリックのみで、実際の通話は数えられないと書かれています。通話の件数は、電話を受けた側で記録してください。

Q5. 専任のWeb担当者がいなくても、GA4で確かめられますか

ランディングページレポートは、左のメニューから開くだけで見られます。

経路データ探索は、画面の操作に慣れが要ります。まずランディングページレポートを月に1回見ることから始めて、慣れてきたら探索を使ってください。

今日できる点検

今日の作業時間が10分あれば、次の点検表で現状を確かめられます。

区分 確認する項目 状態
全体 すべてのページの末尾に、次に読むページと行動の入口がある □
上部のメニュー 項目が絞られ、問い合わせが見た目で区別されている □
スマートフォン メニューを開かなくても、問い合わせか電話の入口が見える □
フッター サービス一覧、事例、FAQ、会社概要、問い合わせがある □
行動の入口 問い合わせのほかに、資料か相談の入口がある □
入口の説明 各入口に、押したあとに何が起きるかが書かれている □
ブログ記事 本文に、行き先の分かる文字でサービスへのリンクがある □
ブログ記事 末尾に、案内の型が入っている □
電話 電話番号が文字で書かれ、telリンクになり、受付時間がある □
計測 問い合わせ完了をキーイベントに設定している □
計測 ランディングページレポートを、月に1回確認している □

全部にチェックが入らなくても、問題ではありません。チェックの入らない行が、次にやることです。

まとめ

BtoBサイトで問い合わせが来ないとき、まず見直したいのは、訪れた人が流入、比較検討、行動の順に進める道筋があるかどうかです。

項目 要点
行き止まり すべてのページに、次に読むページと行動の入口を置く
行動の入口 問い合わせのほかに、資料、相談、電話を段階に合わせて用意する
ブログ記事 本文のリンクの文字を具体的にし、末尾の案内を型にする
共通部分 上部のメニューとフッターを整え、電話はtelリンクにする
計測 キーイベントを設定し、ランディングページレポートと経路データ探索で確かめる
優先順位 訪問の多いページと、行き止まりの解消から始める
記録 変更の日付と内容を残す

最初の1回は、今日できる点検の表を埋めるところから始められます。

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この記事を書いた人

中野輝規のアバター 中野輝規

合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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