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コーポレートサイトの作り方を決める順番で示す中小企業の設計手順

2026 9/06
brackets

先日、企業向けのQ&Aサイトで、こんな相談を見かけました。要約すると「はじめて自社のコーポレートサイトを作ることになったが、何から手をつければいいのか分からない。制作会社に頼むにも、自分で作るにも、まず何を用意すればいいのか教えてほしい」という切実な内容でした。同じ問いを、私たちも中小企業の経営者や担当者から毎月のように受け取っています。

結論から書きます。コーポレートサイトの作り方でつまずく原因は、道具の選び方でも制作会社の探し方でもありません。作り始める前に「何を・どの順で決めるか」が決まっていないことが原因です。この記事は、その順番を「載せる情報を決める→構成を組む→問い合わせに繋げる」という3つの工程に分けて具体化します。読み終えたとき、あなたの手元には「まず書き出すべき1ページ分の中身」が決まっているはずです。

この順番は、自社で作る場合も、制作会社に依頼する場合も、まったく同じです。むしろ依頼するときこそ、この順番で自分の頭を整理してから相談したほうが、伝わり方が変わります。総務省が公表した通信利用動向調査によると、企業のホームページ開設率は9割前後で推移しています。つまり作ること自体は珍しくありません。差がつくのは、作る前にどこまで決めきったかです。

この記事は、その「決めきる」中身を、実際に手を動かせる粒度まで分解します。抽象的な心構えを説くつもりはありません。今日、紙とペンで書き出せる作業の順番として示します。読み進めながら、自社に当てはめて実際に書いてみてください。読むだけで終わらせず、手を動かした人だけが、公開前に半分完成した状態にたどり着きます。

目次

コーポレートサイトの作り方でつまずく本当の原因は順番の設計

「作り方を教えてください」と聞かれたとき、たいていの解説はサーバーの契約から始めます。ところが実際の現場で相談者が止まっているのは、その手前です。サーバーもデザインも、決めごとが揃っていれば数日で片づきます。止まるのは「自社のサイトに何を書けばいいのか分からない」という一点です。ここが空白のまま制作に入ると、あとから何度も作り直すことになります。

私たちが最初の打ち合わせでよく口にするのは、次の言葉です。「サイトを作る前に、御社が誰に何を約束するのかを1枚に書けますか」。この問いに詰まる会社ほど、公開後に問い合わせが伸びません。逆に、この1枚が書けている会社は、道具が何であっても成果に近づきます。作り方の本体は、道具を触る前の設計にあります。

コーポレートサイトは、企業理念や事業内容を掲載して会社の姿勢を伝えるためのサイトです。訪れるのは、取引を検討している相手、採用に興味を持った人、そして自社を調べている既存の関係者です。この人たちが知りたいことを、知りたい順に置く。それだけのことが、作る側の都合で崩れます。まず崩さない設計を先に決めます。

手順が分かっても動けない理由

作成手順を6つのステップに分けて説明する記事は世の中にあります。ところが手順を読んでも動けないのは、各ステップの中で「何を決めればいいか」の判断材料が渡されていないからです。「目的を決める」と書かれていても、目的の決め方が分からなければ、そこで止まります。この記事は手順の名前より、各工程での判断の中身を渡します。

たとえば「ターゲットを決める」という手順は、業種や年齢を書くことではありません。そのサイトを見て動いてほしい相手を、たった一人まで絞り込む作業です。一人に決めると、載せる情報も言葉づかいも一本に定まります。全員に向けて書いた文章は、結局だれの心にも残りません。手順の名前を追う前に、この絞り込みを済ませます。

作る前に決めきると作り直しが減る

公開後の作り直しは、時間もお金も奪います。私たちの支援先で最も多い後悔は「勢いで作り始めて、途中で何を書くか分からなくなり、半年放置した」というものです。放置されたサイトは検索にも弱く、訪れた人の信頼も損ないます。先に決めきっておけば、この空白の半年が生まれません。

つまずく分類 いま起きていること 次にすること
目的が曖昧 作ること自体が目的になっている サイトで動いてほしい行動を1つ書く
相手が広すぎる 全員に向けて書き、だれにも刺さらない 読んでほしい相手を一人に絞る
情報が未整理 手元の材料を並べただけになっている 載せる情報を先に一覧化する
順番が制作都合 作りやすい順に並べている 相手が知りたい順に並べ替える
導線が無い 読んだ人の次の一歩が置かれていない 問い合わせへの出口を先に決める

作り始める前に決める3つの土台

載せる情報を決める前に、その情報を選ぶための物差しを用意します。物差しがなければ、何を載せて何を削るかの判断ができません。土台は3つです。誰に向けるか、何を約束するか、動いてほしい行動は何か。この3つを1枚の紙に書き切ってから、次の工程に進みます。

この3つは、順番にも意味があります。まず誰に向けるかが決まらないと、何を約束すべきかが決まりません。約束が決まらないと、どんな行動へ導くべきかも定まりません。上から順に決めていくと、下の項目が自然と絞れます。逆に下から決めようとすると、土台がぐらつきます。誰に、何を、どう動いてほしいか。この順で埋めてください。

誰に向けるかを一人に決める

コーポレートサイトの読者は幅広く見えますが、成果を左右するのは中心にいる一人です。取引を検討している決裁者なのか、応募を迷っている求職者なのか。中心を一人に決めると、その人が抱える不安が見えてきます。不安が見えれば、それを解く情報が載せるべき情報になります。この一人を決めないまま進めると、情報の取捨選択の基準がずっと定まりません。

一人に決めるとは、他の読者を切り捨てることではありません。中心の一人に向けて筋を通すと、その周辺にいる人にも自然に届きます。逆に全員へ均等に向けると、筋が消えて誰にも届きません。私たちが現場で使う言葉があります。「まず一人を助けきる。全員を助けようとすると、一人も助けられない」。この一文を、設計の土台に置いてください。

何を約束するかを一文にする

会社が読者に渡せる約束を、飾らずに一文で書きます。「私たちは、あなたの◯◯という悩みを、◯◯で解決します」という形です。この一文が、トップページの最初に置く言葉になります。約束が曖昧なサイトは、事業内容を長々と説明しても、結局何をしてくれる会社なのかが伝わりません。約束を先に一文で固めれば、以降のすべての文章がその一文を支える形に整います。

約束の一文を作るときは、自社が言いたいことより、読者が受け取りたいことを先に置きます。「高品質な製品を提供します」は自社目線の言葉です。「◯◯の手間から解放します」は読者目線の言葉です。同じ事業でも、読者が得るものへ言い換えると、約束は一気に伝わりやすくなります。主語を自社から読者へ移すだけで、一文の力が変わります。

動いてほしい行動を1つに絞る

読み終えた人に何をしてほしいのか。問い合わせなのか、資料の請求なのか、採用への応募なのか。ここを1つに絞ります。行動が複数あると、読者は迷い、結局どれも選びません。中心に置く行動を1つ決めて、サイト全体の導線をその1つへ集めます。他の行動は、あくまで補助として小さく添えるにとどめます。

土台の分類 いま起きていること 次にすること
読者の中心 誰に向けるか決めていない 動いてほしい相手を一人書き出す
約束 事業説明が並ぶだけで約束が無い 渡せる約束を一文に縮める
中心の行動 行動の出口が複数で分散している 最も欲しい行動を1つに決める
言葉づかい 社内用語で書かれている 読者が使う言葉に置き換える

第1工程 載せる情報を決める

土台が決まったら、載せる情報を決めます。ここで大切なのは、思いついた順に足していかないことです。土台で決めた一人の読者が、あなたの会社と取引するまでに知りたいことを、順に洗い出します。読者の頭の中には、決まった順番で疑問が並びます。その疑問に答える情報が、載せるべき情報です。

読者の疑問はおおむね次の順に現れます。何をしてくれる会社か、自分の悩みを分かっているか、任せて大丈夫か、どう進めるのか、どこに連絡すればいいのか。この5つの疑問に答える材料を揃えれば、コーポレートサイトの骨格は完成します。逆に、この5つに答えていない情報は、載っていても読まれません。

この5つの疑問は、業種が変わっても順番が変わりません。製造業でも士業でも小売でも、初めて訪れた読者は同じ順で疑問を持ちます。だからこそ、この順番に沿って情報を並べれば、どんな業種の会社でも筋の通ったサイトになります。自社は特殊だから当てはまらない、と身構える必要はありません。読者の頭の働きは、業種を越えて共通しています。

会社概要より先に約束を置く理由

トップを開くと会社概要や沿革から始まるサイトが目立ちます。ところが初めて訪れた読者は、まだその会社に興味を持っていません。興味の無い相手の歴史を読む人はいません。最初に置くべきは、土台で決めた約束の一文です。「この会社は自分の悩みを解決してくれそうだ」と感じて初めて、読者は会社概要を読み始めます。順番を逆にすると、読者は約束にたどり着く前に離れます。

載せる情報の一覧を先に作る

ページを作りながら情報を考えると、必ず抜けや重複が出ます。先に、載せる情報をすべて箇条書きで一覧にします。この一覧が、そのまま構成の材料になります。一覧を作ると、手元に足りない材料も見えてきます。実績が足りない、写真が無い、といった不足を、制作に入る前に埋められます。

読者の疑問 いま起きていること 次にすること
何をする会社か 事業一覧が羅列されている 約束の一文を冒頭に置く
悩みを分かっているか 自社の強みだけを語っている 読者の悩みを言葉にして示す
任せて大丈夫か 実績が一覧に埋もれている 代表的な実績を数字で示す
どう進むか 依頼後の流れが書かれていない 相談から納品までを図で示す
どこに連絡するか 連絡先が探しにくい 問い合わせを常に見える位置へ

実績と数字で信頼を渡す

読者が最も知りたいのは「任せて大丈夫か」です。この不安を解くのは、飾った言葉ではありません。数字です。「創業から18年」「取引先120社」「対応実績のある業種は14分野」といった具体が、抽象的な安心の言葉より効きます。曖昧な量の表現を、社内にある実数に置き換えていく作業が、そのまま信頼づくりになります。手元の数字を掘り起こしてください。

数字は、大きさを競うものではありません。小さな会社なら小さな会社の実数を、正直に書けば十分です。無理に大きく見せた数字は、後で実態とのずれが露見して、かえって信頼を損ないます。ありのままの実数を、読者が判断しやすい形で並べる。飾らない数字ほど、読者は安心して受け取ります。

載せる情報の材料を先に集める

載せる情報の一覧ができたら、その一覧を埋める材料を集めます。文章を書き始めてから材料を探すと、そのたびに手が止まります。実績の数字、代表者の写真、事業の説明に使う言葉。これらを先に一か所へ集めておけば、書く工程は流れるように進みます。材料集めは地味な作業ですが、ここを飛ばすと制作の途中で必ず行き詰まります。

材料は社内のあちこちに散らばっています。営業資料の中の実績、見積書に書いた事業の説明、社長が朝礼で話した会社の姿勢。これらは、そのままサイトに載せる言葉の原型です。新しく考え出すより、すでに社内にある言葉を拾い集めるほうが、早く進み、しかも本物の温度が残ります。ゼロから作文しようとすると、かえって当たり障りのない言葉になりがちです。

実績と数字を掘り起こす

読者の不安を解くのは数字です。創業してからの年数、取引した会社の数、対応できる業種の幅。これらを社内の記録から掘り起こします。「創業18年」「取引実績120社」「対応業種14分野」といった実数は、どんな美辞麗句よりも読者を安心させます。曖昧な自己紹介を、社内に眠る実数へ置き換える。この一手間が、信頼の土台になります。

数字が見当たらないときは、集計すれば作れます。過去の請求書を数えれば取引社数が出ます。案件の記録を分類すれば対応業種が出ます。手元に無いのは珍しく、集計していないだけのことがほとんどです。半日かけて社内の記録を数えるだけで、サイトに載せられる数字が何本も見つかります。この作業だけは、制作会社に代わってもらえません。

写真と図の材料をそろえる

文章が決まると、それに合う写真が要ります。事務所の様子、働く人の表情、実際の製品や現場。作り物めいた素材写真より、自社で撮った一枚のほうが、読者に本物の印象を渡します。撮る対象は、文章で伝えたいことに合わせて選びます。文章より先に写真を集めると、使い道の無い写真ばかりが増えます。文章が先、写真が後、という順番を、ここでも守ります。

言葉だけでは伝わりにくい流れは、図で見せます。依頼から納品までの進み方、サービスの仕組み。文章で長く説明するより、一枚の図のほうが速く伝わります。凝った図は要りません。四角と矢印で、順番と関係が分かれば十分です。読者は細部の美しさより、分かりやすさを求めています。図は飾りではありません。理解を助ける道具として置きます。

社内に散らばる言葉を集める

会社の姿勢や価値観は、すでに社内で語られています。朝礼の話、採用面接で伝える言葉、取引先への挨拶。これらを書き留めておくと、会社概要や代表者の言葉にそのまま使えます。改まって作文した言葉より、日々使っている言葉のほうが、読者に自然に届きます。社内の会話を、材料として意識して拾い集めてください。

材料の分類 いま起きていること 次にすること
実績 数字が集計されていない 記録を数えて実数を出す
写真 素材写真に頼っている 自社で撮った一枚を用意する
言葉 ゼロから作文している 社内で使う言葉を拾い集める
図 流れを文章で長く書いている 四角と矢印で一枚にまとめる

1ページ分の中身を先に書き出す

ここが、この記事で最も伝えたい工程です。サイト全体を一度に考えると、規模の大きさに圧倒されて手が止まります。まず1ページ、それもトップページの中身だけを、文章で書き出します。デザインも道具も後回しで構いません。トップページに何を、どの順で書くかが決まれば、残りのページは同じ考え方で展開できます。

トップページに書く要素は、土台で決めたものから導けます。最初に約束の一文、次に読者の悩みへの共感、続いて解決の道すじ、そこに信頼を支える実績、最後に問い合わせへの誘い。この並びを、実際の文章で埋めていきます。ここまで書ければ、制作会社に渡す原稿の中心が完成します。自分で作る場合も、この原稿があれば道具に文章を流し込むだけです。

試しに、架空の会社で書き出してみます。地域の工務店なら、約束は「築古の住まいの不安を、地元の職人が最後まで見届けて解消します」。共感は「どこに頼めばいいか分からず、放置してしまった雨漏りはありませんか」。解決は「調査から工事、その後の点検まで一つの窓口で引き受けます」。実績は「地域で18年、施工480件」。誘いは「まずは現地の無料相談から」。この5行が書ければ、トップページの原稿は八割方できています。

書き出す順番の型

トップページの文章は、次の型で書くと迷いません。約束、共感、解決、実績、誘いの5つです。この5つを上から順に書けば、読者の疑問の順序と一致します。型に沿って書くと、何を書けばいいか分からないという状態から抜け出せます。型は自由を奪うものではありません。迷いを消して中身に集中させるための足場です。

写真と文章のどちらを先に決めるか

見た目から入りたくなりますが、写真より文章を先に決めます。文章が定まれば、その文章に合う写真が選べます。写真から入ると、きれいだが中身と関係のない画像が並び、読者に何も伝わりません。私たちが繰り返し見てきたのは「立派な写真の下に、何を言いたいのか分からない文章が置かれたサイト」です。順番を守れば、この失敗は避けられます。

トップの要素 いま起きていること 次にすること
約束 会社名とロゴだけが大きい 約束の一文を最上部に置く
共感 自社の宣伝から始まる 読者の悩みを先に言葉にする
解決 サービス名を並べている 悩みがどう解けるかを示す
実績 実績が下部に埋もれている 代表的な数字を中ほどに置く
誘い 問い合わせが最下部だけ 要所ごとに出口を添える

第2工程 構成を組む

載せる情報が決まったら、それをページに配ります。構成とは、どの情報をどのページに、どの順で置くかの設計です。ここでも基準は読者の疑問の順序です。読者がトップページから読み進めるうちに、疑問が順に解けていく並びを作ります。構成が読者の頭の順序と一致していれば、読者は迷わず問い合わせまで進みます。

中小企業のコーポレートサイトに必要なページは、それほど多くありません。トップ、事業内容、会社概要、実績や導入例、そして問い合わせ。この5つが骨格です。採用に力を入れるなら採用ページを加えます。ページを増やすほど良いという思い込みを捨ててください。少ないページで筋を通すほうが、読者は迷いません。

ページを配るとき、頭の中だけで組もうとすると必ず混乱します。付箋やカードに1ページ1枚で書き出し、机の上で並べ替えてみてください。手で動かせる形にすると、順番の良し悪しが目で見えます。読者の疑問の順に並べ、それをそのままページの並びに写す。この一手間で、構成の設計は驚くほど楽になります。

ページの数を最小限にする

ページが多いと、読者はどこを読めばいいか分からなくなります。作る側も、多いページを維持しきれず、更新の止まったページが増えていきます。最初は骨格の5ページに絞り、運用しながら必要なページだけを足します。作れる量ではありません。更新し続けられる量で設計することが、長く生きるサイトの条件です。

導線を1本の川のように設計する

読者がトップから問い合わせまで進む道すじを、1本の川として設計します。途中で枝分かれが多いと、読者は本流を見失います。各ページの終わりに、次に読むべきページへの案内を1つだけ置きます。案内が多すぎると、かえって選べません。1つに絞った案内が、読者を自然に下流へ運びます。

採用に力を入れるなら採用ページを足す

骨格の5ページに加えて、採用に力を入れる会社は採用ページを足します。求職者は取引先とは違う疑問を持ちます。どんな人が働いているか、入社後にどう成長できるか、職場の雰囲気はどうか。これらは事業内容のページでは答えられません。採用を本気で考えるなら、求職者専用の一枚を用意して、その人の疑問に順に答えます。

採用ページも、作り方の考え方は同じです。誰に向けるかを一人に決め、何を約束するかを一文にし、応募という行動へ導く。取引先向けのページと同じ3工程を、求職者向けにもう一度回すだけです。二つのサイトを作る必要はありません。同じ設計の物差しを、相手を変えて当てるだけで足ります。

構成の分類 いま起きていること 次にすること
ページ数 思いつく限り増やしている 骨格の5ページに絞る
並び順 作りやすい順に並んでいる 読者の疑問の順に並べ替える
ページ内の見出し 見出しが装飾になっている 見出しだけで内容が分かる形に
次への案内 案内が無い、または多すぎる 各ページに次の一歩を1つ置く

トップページで最初に見せるものを決める

トップページを開いて最初に目に入る一画面が、サイトの成否を大きく分けます。ここに約束の一文と、読者の悩みへの共感を置きます。この一画面で「自分に関係がある」と感じてもらえなければ、読者は下へ進みません。私たちの支援先の実測でも、最初の一画面を約束の言葉に変えただけで、問い合わせが伸びた例が繰り返し出ています。

最初の一画面に置いてはいけないものもあります。意味の分からない標語、社内でしか通じない言葉、そして読者の悩みと無関係な風景写真です。これらは場所を占めるだけで、読者を先へ進める力を持ちません。占める場所が最も貴重な一画面だからこそ、そこに置くものは厳しく選びます。

最初の一画面に何を置くかで迷ったら、土台で書いた約束の一文に戻ってください。その一文と、読者の悩みへの共感。この2つがあれば、最初の一画面は成立します。豪華な作り込みは要りません。読者が3秒で「自分の悩みを分かってくれそうだ」と感じれば、その一画面は役目を果たしています。飾りを足すより、伝わる言葉を1つ置くほうが効きます。

キャッチコピーは約束を言い換えたもの

目を引く言葉をひねり出そうとする必要はありません。土台で決めた約束を、読者に届く言葉へ言い換えれば、それがキャッチコピーになります。凝った言い回しより、読んで意味がすぐ分かる言葉が強いです。読者は一瞬で判断します。その一瞬で伝わらない言葉は、どれだけ工夫しても効きません。

最初の一画面の点検

作った最初の一画面を、社外の人に3秒だけ見せてください。3秒後に「何をする会社か」を言えれば合格です。言えなければ、約束が伝わっていません。社内の人間は前提を知っているので判断に使えません。前提を持たない相手の3秒が、最も正直な物差しです。

読み込みの速さも最初の一画面のうち

最初の一画面がどれだけ良くても、表示されるのに時間がかかれば、読者はその画面を見る前に去ります。読み込みの速さは、内容と同じくらい最初の印象を左右します。重い画像を並べると、見た目は豪華でも、表示は遅くなります。読者を待たせないために、画像は軽くしてから載せます。速さも、最初の一画面を成り立たせる要素の一つです。

速さの確認は、自分の慣れた回線だけで見ないことが大切です。外出先の回線や、少し古い携帯でも試します。作り手の環境では速く見えても、読者の環境では遅いことがあります。読者が実際に使う条件で確かめて初めて、速さの点検になります。速いサイトは、それだけで読者に丁寧な印象を渡します。

会社概要と事業内容で信頼を渡す

約束で興味を持った読者は、次に「任せて大丈夫か」を確かめます。ここで働くのが会社概要と事業内容です。会社概要は形式的に埋めるものと思われがちですが、読者にとっては信頼を測る材料です。所在地、設立年、代表者、事業の範囲。この基本情報が整っているだけで、実在する確かな会社だという安心が伝わります。

事業内容は、サービスの名前を並べるだけでは伝わりません。それぞれの事業が、読者のどんな悩みを解決するのかを添えます。「◯◯サービス」という名前の横に、「◯◯でお困りの方へ」という一言があるだけで、読者は自分に関係があるかを判断できます。名前だけの一覧は、読者に翻訳の手間を押しつけます。手間を肩代わりしてください。

読者は取引の前に、相手が実在する確かな会社かを確かめたがります。所在地が番地まで書かれ、代表者の名前と顔が見え、設立年が記されている。この基本が整っているだけで、読者の警戒はほどけます。これらが欠けていると、どれだけ立派なことを書いても、読者は一歩引いたまま去ります。基本情報を丁寧に埋めることは、それ自体が信頼の表明になります。

会社概要に入れると信頼が増す情報

基本情報に加えて、代表者の考えや、会社が大切にしている姿勢を短く添えると、信頼が一段深まります。読者は取引の前に、相手がどんな価値観の会社かを知りたがります。長い社史は要りません。何を大切に仕事をしているかが、数行で伝われば十分です。飾らない言葉ほど、読者の信頼を集めます。

事業内容は読者の悩みから書く

事業内容のページは、自社ができることの一覧から書き始めがちです。順番を変えて、読者が抱える悩みから書きます。「◯◯でお困りではありませんか」から入り、それを解決する事業へ導く。この流れだと、読者は自分の悩みが解けると感じます。できることの羅列は、読者に自分で当てはめる作業を強います。悩みから書けば、その作業が消えます。

悩みから書くときは、読者が実際に口にする言葉を使います。専門用語で書かれた悩みは、読者に自分のことだと気づかせません。「湿気で床がきしむ」「電話が鳴っても人手が足りない」といった生活の言葉で書くと、読者は自分の状況が言い当てられたと感じます。悩みの解像度が、事業内容の伝わり方を決めます。

信頼の分類 いま起きていること 次にすること
会社概要 形式的に項目を埋めている 姿勢や価値観を数行添える
事業内容 サービス名だけ並んでいる 各事業に解決する悩みを添える
実績 実績が一覧で埋もれている 代表例を数字とともに示す
代表者 顔も考えも見えない 写真と短い考えを載せる

第3工程 問い合わせに繋げる

約束で興味を持ち、会社概要で信頼を得た読者を、最後に行動へ導きます。ここが第3工程です。どれだけ良い情報を載せても、次の一歩が置かれていなければ、読者は静かに去ります。問い合わせへの出口を、読者が動きたくなった瞬間に、必ず目の前にある形で置きます。

出口を置く場所は、ページの最下部だけでは足りません。読者が「この会社に頼みたい」と感じる瞬間は、人によって違います。約束を読んだ直後の人もいれば、実績を見た後の人もいます。だからこそ、要所ごとに小さな出口を添えます。押しつけがましくならない程度に、しかし探させない位置に置くのが要点です。

出口の言葉づかいも、読者の動きを左右します。「お問い合わせはこちら」という事務的な言葉より、「まずはご相談だけでも」という一言のほうが、読者の背中を押します。読者はまだ、頼むと決めたわけではありません。決めきる前の読者に、重い決断を迫らない言葉を選びます。軽い一歩として差し出せば、読者はその一歩を踏み出しやすくなります。

問い合わせのハードルを下げる

問い合わせをためらう理由の多くは「何を書けばいいか分からない」「売り込まれそう」という不安です。この不安を先回りして消します。「◯◯についてのご相談だけでも歓迎します」「無理な勧誘はいたしません」といった一言が、最後の一押しになります。読者の背中にある不安を、言葉で軽くしてあげてください。

電話とフォームの両方を用意する

連絡の手段は、読者によって好みが分かれます。すぐ話したい人には電話、じっくり書きたい人にはフォーム。両方を用意して、読者に選ばせます。片方しか無いと、その手段を好まない読者を取りこぼします。営業時間や返信の目安を添えておくと、読者はさらに動きやすくなります。

連絡先は、探さなくても目に入る場所へ置きます。画面の上部に常に見える形で連絡先があると、読者は動きたくなった瞬間にすぐ動けます。連絡先を最下部にだけ置くと、読者はわざわざ探しに戻る必要があり、その手間の途中で気持ちが冷めます。動きたい瞬間に、その手段が目の前にある。これが取りこぼしを防ぐ配置です。

導線の分類 いま起きていること 次にすること
出口の位置 最下部にしか無い 要所ごとに小さく添える
心理の壁 売り込まれる不安が残る 相談歓迎の一言を添える
連絡手段 フォームだけ、電話だけ 両方を用意し選ばせる
返信の目安 いつ返るか分からない 返信の目安を明記する

問い合わせフォームの設計で離脱を減らす

問い合わせフォームは、成果の最後の関門です。ここで読者が入力をやめます。原因のほとんどは、項目が多すぎることです。名前、会社名、連絡先、用件。この4つがあれば、最初のやり取りは始められます。それ以上を求めるほど、読者は面倒に感じて手を止めます。まず連絡が取れる状態を作ることを優先します。

入力欄の並びや説明も、離脱を左右します。何を書けばいいか分からない欄には、記入例を薄く添えます。必須の項目だけに印をつけ、任意の項目は後回しにできることを示します。送信した後に「受け付けました」という画面が出るだけで、読者は安心します。小さな配慮の積み重ねが、最後の離脱を防ぎます。

フォームは、作ったら一度自分で送信してみます。届くまでの流れ、届いた通知の見え方、自動で返る文面。この一連を自分で通すと、読者が体験する流れが分かります。送ったのに何も届かない、返信の文面が事務的すぎる、といった穴は、実際に送ってみて初めて見えます。読者に体験させる前に、自分で一度通してください。

入力項目は最小限にする

フォームの項目数と、離脱の多さは連動します。項目を1つ減らすたびに、送信してくれる読者は増えます。詳しい情報は、最初のやり取りが始まってから聞けば十分です。最初のフォームで根掘り葉掘り聞こうとすると、その手前で読者が去ってしまい、聞く相手そのものがいなくなります。

送信後の画面まで設計する

送信ボタンを押した後の画面を、作り忘れがちです。ここに「受け付けました。◯営業日以内にご返信します」と書くだけで、読者の不安が消えます。何も表示されないと、読者は送れたのか分からず、不安のまま去ります。送信後の一画面まで含めて、フォームの設計と考えてください。

フォームの分類 いま起きていること 次にすること
項目数 入力欄が多すぎる 名前と連絡先と用件に絞る
記入の迷い 何を書くか分からない欄がある 記入例を薄く添える
必須の印 必須か任意か分からない 必須だけに印をつける
送信後 送れたか分からない 受付画面と返信目安を出す

自分で作る場合と制作会社に依頼する場合の分かれ道

ここまでの3工程は、自分で作る場合も制作会社に依頼する場合も共通です。分かれるのは、その先の作る手段だけです。設計が済んでいれば、どちらを選んでも大きく外しません。逆に設計が空白のまま手段を選ぶと、自分で作っても外注しても、同じように迷走します。手段の前に設計、という順番を守ってください。

自分で作る利点は、更新を自分の手で素早くできることです。制作の道具は近年やさしくなり、専門知識が浅くても形にできます。一方、制作会社に依頼する利点は、設計から見た目まで一貫して任せられることです。どちらが正解というものはありません。自社の人手と、更新の頻度と、公開までの急ぎ具合で決めます。

迷ったときの判断の物差しは、公開後に誰が更新するかです。社内に更新できる人がいて、頻繁に情報を変えたいなら、自分で作る形が合います。更新は年に数回で、設計から見た目まで任せたいなら、制作会社に頼る形が合います。どちらを選んでも、この記事の3工程を先に固めておけば、仕上がりの土台は変わりません。手段は、設計を形にする道具にすぎません。

依頼するときこそ設計を先に固める

制作会社に依頼すると、設計まで丸投げできると思われがちです。ところが、約束も読者も決まっていない状態で依頼すると、制作会社も何を作ればいいか分かりません。結果として、当たり障りのないサイトが出来上がります。土台と3工程を自分で固めてから依頼すると、制作会社はその意図をくみ取り、見た目と技術で応えてくれます。良い依頼は、良い設計から始まります。

自分で作るときの落とし穴

自分で作るとき、道具の機能に振り回されがちです。見た目の選択肢が幅広く用意されていると、選ぶこと自体に時間を溶かします。設計が固まっていれば、選ぶ基準がはっきりします。約束を伝えるのに必要な見た目だけを選び、他は捨てる。機能の多さに惑わされず、設計に照らして選び続けることが、自分で作るときの要点です。

自分で作る道が向くのは、更新を止めたくない会社です。実績が増えるたびに自分の手で足せると、サイトは常に最新の姿を保てます。外に頼むと、小さな更新のたびに時間がかかることがあります。手元で直せる身軽さは、公開後の運用で効いてきます。作るときの手間と、公開後の身軽さを、天秤にかけて選んでください。

選ぶ分類 いま起きていること 次にすること
手段の順序 手段を先に選んでいる 設計を固めてから手段を選ぶ
依頼の準備 設計まで丸投げしている 土台と原稿を渡して依頼する
自作の判断 機能の多さに振り回される 設計に必要な機能だけ選ぶ
更新体制 公開後の担当が未定 更新する人を先に決める

決める順番を図で整理する

ここまでの3工程を、1枚の図にまとめます。載せる情報を決める、構成を組む、問い合わせに繋げる。この順番は左から右へ一方向に進みます。前の工程が固まっていないと、次の工程は決められません。図の下に書いたとおり、この順番は自分で作る場合も制作会社に依頼する場合も共通です。

作り始める前に決める順番1 載せる情報誰に何を約束するか2 構成を組むどの順で見せるか3 問い合わせ次の一歩を渡す言葉が先導線は後この順番は自分で作る場合も制作会社に依頼する場合も共通

図が示すとおり、言葉を決める工程が先で、導線を作る工程が後です。この順番が逆になっているサイトが目立ちます。見た目と導線を先に作り、後から文章を流し込む。すると、器はできたのに中身が空、という状態になります。中身を先に決めれば、器はその中身に合わせて自然に決まります。

順番を逆にしてしまう会社が目立つのは、器のほうが目に見えて分かりやすいからです。デザインは形になるので進んでいる実感があります。中身を決める作業は、頭の中の整理なので進み具合が見えにくいものです。だからつい、見える作業から手をつけてしまいます。見えにくい作業を先に済ませる。これが、遠回りに見えて最も速い道です。

読者が去る3つの地点を先回りする

コーポレートサイトを訪れた読者は、決まった3つの地点で去っていきます。最初の一画面、情報の途中、そして問い合わせの手前です。この3地点を先回りして手当てしておけば、取りこぼしは大きく減ります。作る前に、読者がどこで去るかを知っておくと、載せる情報の優先順位が自然と定まります。

去る地点を知ることは、直す場所を知ることでもあります。公開した後も、この3地点のどこで読者が去っているかを見て、順に手当てしていきます。全体を一度に直そうとすると、どこから手をつけるか分からなくなります。3地点に分けて考えれば、直す順番がはっきりします。作る前も、公開した後も、この3地点が判断の軸になります。

最初の一画面で去る

最も多く読者が去るのが、開いて数秒の最初の一画面です。ここで「自分に関係がある」と感じられなければ、読者は下へ進みません。去られる原因のほとんどは、約束が伝わっていないことです。会社名とロゴだけが大きく、何をする会社か分からない。この状態を、約束の一文で手当てします。最初の一画面は、サイト全体の入口であり、最大の関門です。

情報の途中で去る

約束で興味を持った読者も、情報の途中で去ることがあります。原因は、知りたい順に情報が並んでいないことです。信頼を確かめたいのに実績が見つからない、進め方を知りたいのに書かれていない。読者の疑問の順に情報を並べ替えると、この地点での離脱が減ります。読者は、探す手間を強いられた瞬間に去ります。探させない並びが、途中の離脱を防ぎます。

問い合わせの手前で去る

最後の関門が、問い合わせの手前です。頼みたい気持ちはあるのに、フォームの項目が多い、何を書けばいいか分からない、売り込まれそうで不安。これらが最後の一歩を止めます。項目を減らし、相談歓迎の一言を添え、返信の目安を示す。小さな手当ての積み重ねが、ここでの離脱を防ぎます。せっかく育てた関心を、最後の関門で手放さないでください。

去る地点 いま起きていること 次にすること
最初の一画面 約束が伝わっていない 約束の一文を最上部に置く
情報の途中 知りたい順に並んでいない 読者の疑問の順に並べ替える
問い合わせ手前 フォームの壁が高い 項目を減らし相談歓迎を添える

公開前に確認すること

3工程を経てサイトの形ができたら、公開の前に一度立ち止まります。作った本人は、内容を知っているので粗に気づけません。ここでも社外の目を借ります。前提を知らない人に読んでもらい、迷わず問い合わせまでたどり着けるかを見ます。たどり着けなければ、どこかの工程に穴があります。

技術的な確認も要ります。表示速度が遅いと、読者は本文を読む前に去ります。携帯電話の画面で崩れていないか、文字が小さすぎないか。いまや閲覧の多くが携帯電話からです。作るときは大きな画面で見がちですが、読者の多くが見る画面で最終確認をしてください。

確認は、思いつきで見て回るより、順番を決めて進めるほうが漏れません。最初の一画面で約束が伝わるか、情報が読者の疑問の順に並んでいるか、問い合わせの出口が要所にあるか、携帯の画面で崩れていないか。この順で一つずつ確かめれば、抜けが出ません。確認そのものにも、作るときと同じく順番を持たせます。

社外の目で導線を試す

公開前の最終確認は、社外の一人に「問い合わせまで進んでみてください」と頼むだけです。その人がどこで迷ったか、どこで手が止まったかを見ます。迷った場所が、直すべき場所です。作り手には見えない穴が、他人の目には一目で見えます。この一手間を惜しむと、公開後に読者を取りこぼし続けます。

公開してからが本番

コーポレートサイトは、公開して終わりではありません。むしろ公開してからが本番です。訪れた人がどこで去るかを見て、少しずつ直していきます。最初から完璧を目指す必要はありません。骨格を正しく作り、公開し、読者の動きを見て直す。この繰り返しが、生きたサイトを育てます。作り直しではありません。育て直しの発想で向き合ってください。

育て直すときも、直す順番は同じ3工程です。まず約束が伝わっているか、次に情報が読者の順に並んでいるか、最後に問い合わせの出口が働いているか。この順で見直せば、どこに手を入れるべきかが定まります。全部を一度に変えると、何が効いたのか分からなくなります。一か所ずつ直し、読者の動きの変化を見ながら進めてください。

公開の直後は、まず一週間ほど読者の動きを黙って見ます。すぐに直したくなりますが、動きのくせが見える前に手を入れると、何が原因か分からなくなります。どの入口から来て、どこで去るか。それが見えてから、最も多く去る地点に手を入れます。一番効く一か所を選んで直すことが、限られた時間で成果を上げるこつです。

確認の分類 いま起きていること 次にすること
導線 作り手しか試していない 社外の人に通してもらう
表示速度 重い画像で遅くなっている 画像を軽くして速さを確かめる
携帯画面 大きな画面でしか見ていない 携帯の画面で崩れを直す
公開後 作って放置している 読者の動きを見て少しずつ直す

更新し続ける前提で作る

コーポレートサイトは、公開した瞬間から古くなり始めます。実績は増え、事業は変わり、載せた情報はいつか実態と合わなくなります。作る前に、この更新をどう続けるかを決めておきます。更新の仕組みを後から考えると、たいてい続かず、放置されたサイトになります。作る前に決めるべきことの中に、更新の続け方を必ず入れてください。

更新が止まったサイトは、読者にも検索にも見放されます。最終更新が何年も前のサイトは、この会社は動いているのかという不安を読者に与えます。小さくても更新が続いているサイトは、生きている会社の証になります。派手な更新は要りません。実績を1件足す、事業の説明を1行直す。この積み重ねが、サイトを生かし続けます。

更新する人を先に決める

公開後に誰が更新するかを、作る前に決めます。担当が決まっていないと、更新は誰の仕事でもなくなり、止まります。専任である必要はありません。月に一度、実績を足す時間を誰かの仕事にするだけで、サイトは動き続けます。制作会社に依頼する場合も、自社で更新できる範囲を最初に確認しておきます。ここを曖昧にすると、公開の翌月から更新が滞ります。

更新する場所を絞る

サイト全体を更新し続けるのは、中小企業の人手には重すぎます。更新する場所を、実績と事業の2か所に絞ります。この2か所だけを定期的に見直せば、サイトは実態から大きくずれません。全部を更新しようとすると、結局どこも更新されません。絞ることが、続けることにつながります。更新の負担を軽くする設計も、作る前に決めておく工程の一つです。

更新の分類 いま起きていること 次にすること
担当 更新する人が未定 更新する人を作る前に決める
場所 全部を更新しようとする 実績と事業の2か所に絞る
頻度 更新の時間が確保されていない 月に一度の見直しを予定に入れる

よくある質問

コーポレートサイトの作り方は自分で作る場合と制作会社に依頼する場合で手順は変わりますか

設計の手順は変わりません。載せる情報を決める、構成を組む、問い合わせに繋げる、というこの記事の3工程は、どちらの場合も共通です。変わるのは、その後に形にする手段だけです。むしろ制作会社に依頼するときこそ、この3工程を自分で固めてから相談すると、伝わり方が良くなり、仕上がりが変わります。

コーポレートサイトに最初に用意すべきページはどれですか

トップページです。トップに何を、どの順で書くかが決まれば、残りのページは同じ考え方で展開できます。約束、共感、解決、実績、誘いの順で、トップページの中身を文章で書き出してみてください。この1ページ分の原稿が、サイト全体の設計図になります。全体を一度に考えるより、まず1ページに集中するほうが手が動きます。

コーポレートサイトに載せる情報の量はどれくらいが適切ですか

骨格は5ページで足ります。トップ、事業内容、会社概要、実績、問い合わせです。採用に力を入れるなら採用ページを加えます。情報は多いほど良いという思い込みを捨ててください。更新し続けられる量に絞るほうが、放置されるページが生まれず、読者も迷いません。運用しながら必要なページだけを足していく形が現実的です。

問い合わせが来ないのはデザインのせいですか

デザインが原因のことは、実は多くありません。私たちの現場でよく見るのは、約束が伝わっていない、読者の次の一歩が置かれていない、という設計の問題です。見た目を直す前に、最初の一画面で「何をする会社か」が3秒で伝わるかを確かめてください。伝わっていなければ、そこが原因です。デザインの手直しは、その後で十分です。

公開したあと何を見て直せばよいですか

訪れた人がどこで去るかを見ます。最初の一画面で去るなら、約束が伝わっていません。途中で去るなら、その手前の情報に穴があります。問い合わせの手前で去るなら、フォームの項目が多すぎるかもしれません。去る場所が、直すべき場所を教えてくれます。数字を見て、原因を一つずつ潰していきます。

まとめ

コーポレートサイトの作り方でつまずくのは、道具や制作会社ではありません。作り始める前の設計です。載せる情報を決める、構成を組む、問い合わせに繋げる。この3工程を、この順番で決めきってから制作に入れば、自分で作っても制作会社に依頼しても、大きく外しません。順番を守ることが、作り直しを防ぎ、公開後の成果を左右します。

この順番の良いところは、規模の大小を問わず効くことです。数ページの小さなサイトでも、数十ページの大きなサイトでも、載せる情報を決め、構成を組み、問い合わせに繋げる、という骨は同じです。大きく作る必要はありません。小さくても、この順番で筋が通っていれば、読者は迷わず問い合わせまで進みます。順番こそが、成果を分ける背骨です。

今日、まず手をつけるべきは、トップページ1ページ分の中身を文章で書き出すことです。約束、共感、解決、実績、誘いの順に、実際の言葉で埋めてみてください。この1枚が書けたとき、あなたのコーポレートサイトは、道具を触る前に半分完成しています。残りは、その中身に器を合わせるだけです。

コーポレートサイトを作るという仕事は、道具を触る作業に見えて、その実は自社を言葉にする作業です。誰に、何を約束し、どう動いてほしいのか。それを順番に決めきる過程で、自社の輪郭がはっきりします。出来上がったサイトは、その輪郭を映した鏡です。だからこそ、作る前に決めきる時間を惜しまないでください。決めきった分だけ、サイトは強くなります。

今日から始めるなら、まず一枚の白い紙を用意してください。そこに、誰に向けるか、何を約束するか、どう動いてほしいかを書きます。書けたら、トップページの原稿を約束から誘いまで並べます。ここまでを紙の上で終えてから、道具や制作会社に向かってください。設計を紙で固めた人だけが、迷わず作り切れます。

その日にできる点検

最後に、今日すぐ手をつけられる点検を並べます。全部を一度にやる必要はありません。上から一つずつ、紙に書き出してみてください。この5項目を書き終えたとき、あなたのコーポレートサイトは、作り始める前の設計が固まっています。ここまで来れば、道具を選ぶのも、制作会社に相談するのも、迷いなく進められます。

点検の分類 いま起きていること 次にすること
約束 約束の一文が無い 誰に何を約束するかを一文で書く
読者の中心 読者を絞れていない 動いてほしい相手を一人書き出す
トップの原稿 トップの中身が未定 約束から誘いまで文章で書き出す
導線 次の一歩が置かれていない 各ページに出口を1つ添える
社外の目 作り手しか見ていない 前提を知らない人に3秒で見せる

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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