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ホームページ集客|手法を増やしても増えない理由と先に確かめる1つのこと

2026 8/23
funnel

ホームページの集客方法を調べると、必ず「◯◯選」という記事に当たります。15選、13選、12選。読み終えたあと、どれから始めればよいのか分からないまま画面を閉じた経験がある方も多いと思います。

この記事では、手法を並べません。手法を増やしても集客が増えない理由を、自社の実測データで示します。そして、増やす前に確かめるべきことを1つだけお伝えします。

目次

結論:手法の数と、集客の量は連動していません

先に、いちばん言いたいことを書きます。

集客できていないサイトに足りないのは、手法の数ではありません。ほとんどの場合、足りないのは「誰かが検索している言葉で書いているか」という確認です。

これを言い切れるのは、自社で失敗したからです。

狙う言葉の選び方だけを変えて、2つのドメインで測りました

合同会社謙虚は、3つのドメインを検証のために並行して運用しています。書いているのは同じ人間で、記事の作り方も、公開の頻度も同じです。変えているのは、狙う言葉の選び方だけです。

片方は、自社が伝えたいことから言葉を決めました。もう片方は、実際に検索されている言葉から決めました。直近28日間の実測がこれです。

直近28日の実測 言いたいことから選んだ側 検索されている言葉から選んだ側
公開している記事 450本 653本
10位以内に入った記事 43本 157本
10位以内1本あたりの表示回数 2.0回 46.2回
クリック率 4.7% 正常な範囲

同じ28日間で、23倍の差が出ました。順位はどちらも取れています。クリック率もどちらも正常です。違ったのは、その順位が何回画面に出たかだけでした。

順位が低かったからではありません

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。

「クリックが少ないのは順位が低いからだろう」と考えるのが自然です。実際に測ってみると、そうではありませんでした。

順位 記事数
1位から10位 43本
11位から20位 15本
21位から50位 14本
51位以下 25本

10位以内に43本入っていました。それでもクリックは5です。

クリック率も測りました。10位以内の43本のクリック率は4.7%で、これは順位から見て正常な範囲です。順位もクリック率も問題ありませんでした。

足りなかったのは、表示回数でした

残った変数は1つだけです。表示回数です。

ドメイン 10位以内の記事 1本あたりの表示(28日) クリック率
このサイト 43本 2.0回 4.7%
自社の別ドメイン(ニュース) 60本 14.5回 4.8%
自社の別ドメイン(AI・副業) 157本 46.2回 2.9%

同じ会社が運営している3つのサイトで、10位以内の記事1本あたりの表示回数が23倍違いました。

1位を取っても、月に2回しか表示されない。これが何を意味するか。誰も検索していない言葉で、1位を取っていたということです。

「集客できない」の正体は、3つのどれかです

ホームページから集客できていない状態を分解すると、詰まっている場所は3つのどれかになります。

詰まっている場所 症状 確かめ方 打ち手
1. 検索需要 順位は取れているが表示が少ない 検索候補の数を見る 狙う言葉を変える
2. 順位 表示はあるが順位が低い 平均順位を見る 記事の中身を厚くする
3. 受け皿 人は来ているが問い合わせがない 訪問数と問い合わせ数を比べる サイトの構成を直す

ここで多くの会社が間違えるのが、順番です。

集客の記事を読むと、2番と3番の話が中心になっています。順位を上げる方法と、コンバージョン率を上げる方法です。どちらも大事なのですが、1番が詰まっている場合、2番と3番をいくら直しても数字は動きません。

言いたいことから選んだ側が、まさにその状態でした。順位も受け皿も正常で、1番だけが詰まっていました。

順番を間違えると、どれだけ無駄になるか

この差を時間に置き換えると、大きさが分かります。記事1本に10時間かかるとすれば、450本で4,500時間です。

同じ4,500時間が、狙う言葉の選び方1つで23倍にも23分の1にもなります。1番の確認を先に入れていれば、同じ時間で別の結果が出ていました。

ここを飛ばして手法を増やすと、増やした手法の全部が同じ理由で空振りします。記事も、広告も、SNSも、狙っている言葉に需要がなければ結果は変わりません。

検索の仕組みそのものについては、SEO対策とは何かを1文で言うとにまとめています。

検索需要は、無料で今すぐ確かめられます

1番の確認方法をお伝えします。専用のツールは要りません。検索窓に言葉を入れて、下に出てくる候補の数を見るだけです。

なぜ候補の数で分かるのか

検索候補は、その言葉が実際に打ち込まれた回数から作られています。候補が出てこない言葉は、誰も打っていないということです。

自社で1位を取っていた記事の言葉を、実際に調べてみました。

狙っていた言葉 検索候補 判定
お客様の声 怪しい 0件 誰も打っていない
企業理念 配置 0件 誰も打っていない
ホームページ 集客 10件 需要がある
問い合わせ 来ない 10件 需要がある

上の2つは、実際に検索で上位を取っていた記事の言葉です。上位を取れた理由は明快でした。誰も狙っていない言葉だったからです。

判定は3段階で見ます

候補の数 判定 どうするか
0件 書かない 誰も打っていない。別の言葉を探す
1件から2件 見出しで拾う 実在するが末端。独立した記事にはしない
3件以上 書く 下に広がりがある

1件から2件の扱いに、少し説明が要ります。

完全に一致する長い言葉を入力すると、候補は自分自身の1件だけになります。これは需要がゼロという意味ではありません。実在はするが、それ単体で記事を立てるほどの量がない、という状態です。

この場合は、候補が3件以上ある言葉で記事を立て、その記事の中の見出しとして回収します。捨てると実在する需要まで失い、独立した記事にすると票が割れます。

語順で結果が変わります

実務で引っかかりやすい点があります。同じ意味でも、語の並べ方で結果が変わります。

入力した言葉 候補
集客できない ホームページ 1件
ホームページ 集客 10件(「集客できない」が候補に出る)

人が実際に打つ順番があります。頭に来る言葉から入れて、候補に何が出るかを見るのが確実です。

この確認にかかる時間は、1語あたり10秒です

10語調べても2分かかりません。記事を1本書く時間が10時間だとすれば、0.3%の手間で、その10時間が無駄になるかどうかが分かります。

この差は、2つを並べて測るまで見えませんでした。片方だけを見ていたら、記事の質や本数を疑っていたはずです。

集客チャネルを、いったん整理します

需要の確認が済んだら、次はどこから人を連れてくるかです。手法を並べる代わりに、性質で分類します。

チャネル 効き始めるまで 止めたとき 向いている状況
検索(記事) 3か月から1年 しばらく残る 中長期で積み上げたい
検索(広告) 即日 即日ゼロ 今すぐ反応が要る
地図検索 数週間 しばらく残る 店舗や地域商圏がある
SNS 数か月 じわじわ減る 顔や世界観で選ばれる
メール 即日 即日ゼロ 既に接点のある相手がいる
紹介 — — 既存顧客が満足している

この表で見ていただきたいのは、真ん中の2列です。効き始めるまでの時間と、止めたときの落ち方は、チャネルごとに大きく違います。

どれから始めるかは、状況で決まります

「まず何から」という問いに、一般的な正解はありません。いつまでに、どれくらいの反応が要るかで変わります。

あなたの状況 先に手を付けるもの 理由
今月の売上が足りない 既存顧客への連絡と広告 記事は今月には効きません
半年後の商談を増やしたい 検索(記事) いま始めれば間に合う
店舗があり地域で選ばれたい 地図検索 効きが早く、費用も小さい
サイトに人は来ているが問い合わせがない 受け皿の改善 集客を増やしても漏れ続けます

最下段が、意外と多くの会社に当てはまります。次の節で詳しく扱います。

記事を選ぶ場合に、覚悟しておくこと

検索から人が来るまでには時間がかかります。早くて3か月、多くの場合は半年から1年です。

ここで多くの会社が止めます。3か月続けて反応がないと、効果がないと判断して手を止めます。止めた時点で、それまでの3か月も無駄になります。

逆に言えば、時間がかかることを最初から織り込んでおけば、途中で止める判断をしなくて済みます。始める前に、いつまで続けるかを決めておくことをお勧めします。

直す順番の決め方は、ホームページ改善をどこから始めるかで扱っています。

法人向けの事業で、問い合わせの質まで含めて見る場合はリード獲得とは何かと、手法を足す前に数える3つにまとめています。

人は来ているのに問い合わせがない場合

先ほどの表の最下段です。訪問はあるのに問い合わせが来ない。この状態は、集客を増やしても解決しません。入口を広げても、受け皿に穴が空いていれば同じ割合で漏れ続けます。

まず、どこで漏れているかを数える

感覚で判断せず、数えます。必要な数字は4つだけです。

数える場所 何が分かるか 目安から外れているとき
サイト全体の訪問数 そもそも人が来ているか 集客の問題。前の節へ戻る
問い合わせページへの到達数 興味を持った人がどれだけいるか 本文で伝わっていない
フォームの送信数 入力途中で諦めた人がどれだけいるか フォームが重い
返信までの時間 送ったあとに冷めていないか 初動が遅い

この4つを並べると、どこで人が落ちているかが1目で分かります。直す場所が決まっていない状態で改善を始めると、効かない箇所ばかり触ることになります。

いちばん多いのは、2番目で落ちている状態

訪問はあるのに、問い合わせページまでたどり着かない。この形が最も多く見られます。

原因は、ほとんどの場合1つです。読み手が「自分のことだ」と思える箇所がないためです。

サイトの文章を読み返してみてください。主語がどちらになっているでしょうか。

よくある書き方 読み手が受け取るもの 書き換えの方向
創業50年の実績があります 会社の自慢 50年で分かった、失敗しやすい点を書く
最新の設備を導入しています 設備の説明 その設備で、何がどう変わるかを書く
お客様第一で対応します どこでも言っている言葉 具体的に何をするかを書く
まずはお気軽にお問い合わせください 何を聞けばよいか分からない 何を聞けるかを具体的に書く

左の列は、どれも嘘ではありません。ただし、読み手にとっては自分の話になっていません。自分の話になっていない文章は、最後まで読まれません。

「お気軽にお問い合わせください」が効かない理由

この一文は、ほとんどのサイトに置かれています。そして、ほとんど押されていません。

理由は単純です。読み手は、何を聞けばよいか分からないためです。気軽にと言われても、何が気軽なのかが示されていません。

ここを具体的にすると、押される数が変わります。「自社のサイトのどこを直せばよいか、30分でお伝えします」のように、何が起きるかまで書きます。

あわせて、押したあと何が起きないかも書きます。「その場で契約のお願いはいたしません」のような一文です。押すのをためらう理由を、先に消しておきます。

フォームで落ちている場合

問い合わせページには来ているのに送信されない場合、フォームそのものを見ます。

確認するのは項目の数です。入力欄が多いほど、途中で諦める人が増えます。会社名、部署名、役職、電話番号、住所、業種、従業員数、予算。ここまで並んでいるフォームは珍しくありません。

最初の接点で必要な情報は、多くの場合2つだけです。名前と、連絡が取れる手段です。残りは、やり取りが始まってから聞けます。

返信の速さは、想像以上に効きます

意外と見落とされるのが、送られたあとの話です。

問い合わせをした人は、多くの場合、同時に他社にも送っています。先に返信した会社が、そのまま話を進めることになります。

返信までの時間を測っていない会社が大半です。まず測ってみてください。翌営業日になっている場合、そこが最大の漏れ口である可能性があります。

中小企業の場合に、どこから手を付けるかは中小企業のホームページで問い合わせが来ない理由で詳しく扱っています。

業種によって、詰まる場所が違います

同じ「集客できない」でも、業種によって原因の出方が変わります。

業種 詰まりやすい場所 先に見るところ
建設・工務店 施工実績を並べるだけになっている 実績の見せ方より、判断材料の有無
士業 資格と経歴の羅列で終わっている 相談前の不安に答えているか
製造業 技術用語のまま説明している 発注側の言葉に翻訳できているか
医療・クリニック 院長の挨拶が最上部にある 症状から探せる導線があるか
小売・飲食 写真が多く情報が少ない 営業時間と地図がすぐ見えるか
教育・学習塾 指導方針の説明が長い 費用と日程が分かるか

6つを並べると、共通点が見えてきます。どの業種も、自分たちが伝えたいことを先に置いています。読み手が知りたいことは、その下か、載っていません。

順番を入れ替えるだけで変わることがあります

新しいページを作る必要はありません。既にあるページの、順番を入れ替えるだけで変わる場合があります。

読み手が最初に知りたいのは、多くの場合この3つです。ここで自分に関係があるかを判断します。

1つ目は、自分の困りごとを扱っているかどうか。2つ目は、費用と期間のおよその感覚。3つ目は、依頼するとどう進むのか。

この3つが最初の画面で分からないサイトは、読み手が判断できないまま離脱します。会社の歴史や理念は、その後で読まれます。

よくある誤解を6つ、外していきます

集客の相談を受けるとき、繰り返し出てくる言い方があります。どれも部分的には正しく、そのぶん判断を狂わせます。

誤解1:記事の本数を増やせば、そのうち当たる

並べて測ったことで、はっきりしました。需要のない言葉で書き続けると、本数に比例して無駄が増えます。

当たる確率が一定なら、本数を増やせば当たります。ところが狙う言葉の選び方が同じであれば、確率は上がりません。450本目も1本目と同じ選び方をしていれば、結果も同じです。

誤解2:上位表示されれば人が来る

順位と流入は、表示回数を挟んで繋がっています。表示がなければ、1位でも人は来ません。

10位以内に43本入っていて、月の表示が1本あたり2回だった、という実測を先に示しました。順位を目標にすると、この状態を成功と誤認します。

誤解3:デザインを新しくすれば問い合わせが増える

見た目を変えても、書いてある内容が同じなら、読み手の判断材料は増えません。変わるのは印象だけです。

実際、サイトを作り直したあとに問い合わせが減る例があります。理由の多くは、以前あった情報が整理の過程で消えているためです。見た目を整える過程で、判断材料が削られます。

誤解4:アクセス数が増えれば売上も増える

連動しません。来ている人が、買う可能性のある人かどうかで決まります。

需要の大きい言葉ほど、検索している人の目的は幅広くなります。調べ物をしているだけの人が大半を占める言葉もあります。数が増えても問い合わせが増えない場合、ここを疑います。

誤解5:競合がやっているから、うちもやるべき

競合が上位にいる言葉は、競合にとって効いている言葉です。自社にとって効くかどうかは、別の話です。

特に、規模の違う会社の真似は機能しません。人手も予算も違えば、同じ手法でも到達点が変わります。

誤解6:SEOは時間がかかるから、広告のほうが確実

広告は即日効きます。止めた翌日にゼロに戻ることも同じくらい確実です。

どちらが優れているという話ではありません。いつまでにいくら必要かで、選ぶものが変わります。今月の売上が足りない状況で記事を書き始めても、今月には間に合いません。逆に、来年も同じ費用を払い続けたくないなら、記事を積む判断になります。

30日で、ここまで進められます

全部を一度にやろうとすると止まります。優先順位をつけた進め方を示します。

時期 やること 時間の目安
1週目 いま検索から何人来ているかを確かめる 30分
1週目 問い合わせページへの到達数と送信数を数える 30分
1週目 どこで漏れているかを1か所に決める —
2週目 狙っている言葉の検索候補を10語分調べる 10分
2週目 候補が0件の言葉を、書く予定から外す —
3週目 問い合わせページまでの導線を1本だけ直す 2時間
3週目 フォームの項目を減らす 1時間
4週目 返信までの時間を測って記録する —
4週目 数字を1週目と比べる 30分

この順番にした理由があります。1週目で漏れている場所を1つに絞らないと、3週目に何を直すかが決まりません。

2週目の10分が、いちばん費用対効果の高い作業です。ここで0件の言葉を外すだけで、その後に書く記事が全部無駄になる事態を防げます。

1週目で数字が取れない場合

計測が入っていないサイトがあります。その場合、1週目は計測を入れる作業になります。

ここで焦らないでください。計測がない状態で改善を始めると、効いたかどうかが永久に分かりません。1週間遅れても、測れる状態を作ってから進めるほうが結果的に速く進みます。

自社でも、問い合わせボタンのクリックを計測していない期間がありました。数字はゼロと表示され続けていましたが、押されていなかったのか、記録されていなかったのかが判別できませんでした。ゼロという数字は、その2つを同じ形で表示します。

検索から人を連れてくる記事は、何を書くのか

記事を選んだ場合、実際に何を書くかです。ここも「◯選」で並べる代わりに、判断の順番で示します。

順番1:需要のある言葉を選ぶ

前述のとおりです。検索候補が3件以上ある言葉から選びます。ここを飛ばすと、後の工程が全部無駄になります。

候補を見るとき、あわせて確認したいことがあります。候補に並んでいる言葉が、自社の顧客の関心かどうかです。

たとえば「問い合わせ 来ない」の候補には、フリマアプリの名前や学習塾が並びます。この言葉を検索している人の多くは、自社の見込み客ではありません。候補の中身まで見て、初めて判断できます。

順番2:既に自社にある記事と重ならないか確かめる

同じテーマで何本も記事があると、検索エンジンからどれを評価すべきか判断できなくなります。結果として、どれも順位が上がりません。

自社では、同じ領域に105本の記事が積み上がっていました。90日間の表示は、105本の合計で65回でした。1本あたり0.6回です。

これは書き手の質の問題として片付けられません。105本が互いに票を割り合っていた状態です。

順番3:その言葉で上位にある記事を、実際に読む

読むのは、真似するためではありません。全社が書いていないことを見つけるためです。

見るところは3つです。何字書かれているか。どんな見出しが並んでいるか。そして、全社に共通して欠けているものは何か。

この記事を書くにあたって上位5本を測ったところ、全社が「集客方法◯選」の形でした。15選、13選、12選、5選。手法を減らす話も、実測データも、1本もありませんでした。そこが空白でした。

順番4:自社にしか書けないことを1つ入れる

ここが最も重要です。一般論だけで構成された記事は、他社の記事と入れ替え可能になります。入れ替え可能な記事は、先に書かれたほうが有利です。

自社にしかないものを探します。実際にやってみた結果、失敗した経験、顧客から言われた言葉、自社サイトの数字。どれか1つで構いません。

この記事で言えば、2つのドメインを並べて測った23倍という差がそれに当たります。片方だけを運用している会社には出せない数字です。

順番5:長さは、上位より長くする

長ければ良いという意味ではありません。上位の記事が扱っている論点を漏らさず、そのうえで自社の視点を足すと、結果として長くなるということです。

先に長さを決めて字数を埋めにいくと、薄い記述が混ざります。論点を並べてから書くと、必要な長さが自然に決まります。

記事以外のチャネルは、どう扱うか

記事だけで完結する会社は多くありません。他のチャネルとの組み合わせを整理します。

地図検索は、店舗があるなら最優先です

実店舗や、地域で商圏が決まっている業種の場合、地図検索は費用に対する効きが最も大きいチャネルです。

理由は2つあります。1つは、探している人の目的がはっきりしていることです。地図で探す人は、行くか頼むかを決める直前にいます。

もう1つは、始めるのに費用がかからないことです。情報を正確に登録し、営業時間を最新にし、写真を入れ、口コミに返信する。これだけで差が出ます。

SNSは、続けられるかどうかで決めます

SNSの相談で最も多いのが、「毎日投稿しているのに問い合わせが増えない」という状態です。

原因は、多くの場合投稿と問い合わせの間に導線がないことです。投稿を見た人が、次にどこへ行けばよいかが示されていません。

もう1つの原因は、そもそも見込み客がその場所にいないことです。取引先が法人で、決裁者が50代以上の場合、その人たちが日常的に見ている場所とは限りません。

始める前に確認してください。自社の見込み客が、その場所を見ているかどうか。見ていない場所で毎日投稿しても、時間だけが減ります。

広告は、測れる状態を作ってから始めます

広告は即日効きます。同時に、止めた翌日にゼロに戻ります。

始める前に必要なのは、問い合わせが何件来たかを数えられる状態です。これがないまま出稿すると、効いているかどうかが判断できず、止めどきも分かりません。

クリック数や表示回数は、広告の管理画面が教えてくれます。そこから先、問い合わせに繋がったかどうかは、自社で計測しないと分かりません。

紹介は、チャネルとして設計できます

紹介を「たまたま起きるもの」として扱っている会社が多くあります。設計すると、頻度が変わります。

設計といっても難しいことはしません。いつ、誰に、何を伝えると紹介が起きているかを記録するだけです。記録が溜まると、再現できる形が見えてきます。

地域名を入れた言葉は、どう扱うか

商圏が決まっている業種では、地域名を入れた言葉が候補に上がります。「地域名+業種」の形です。ここには、見落とされやすい落とし穴があります。

需要の確認は、地域名を入れた形で行います

「工務店」の検索候補が10件あっても、「◯◯市 工務店」の候補が0件ということが起こります。地域名を付けた瞬間に、需要が消える場合があります。

確認するときは、必ず実際に狙う形で入力してください。業種名だけで確かめて安心すると、地域を付けた記事を量産したあとで気づくことになります。

地域ページの量産が失敗する理由

近隣の市区町村名を並べて、地域ページを何十本も作る方法があります。この形は、ほとんどの場合うまくいきません。

理由は2つです。1つは、地域名以外の中身がほぼ同じになるためです。同じ内容のページが何十本もある状態は、検索エンジンから評価されにくくなります。

もう1つは、実際に対応していない地域のページを作ってしまうことです。問い合わせが来ても対応できなければ、断ることになります。断る問い合わせを集めても、時間が減るだけです。

地域名を扱うなら、実際に行った仕事から書きます

機能する形は決まっています。その地域で実際に対応した事例を軸にすることです。

その地域特有の事情、よくある依頼の傾向、実際にかかった期間。これらは、その地域で仕事をした会社にしか書けません。地域名を差し替えただけのページとは、中身がまったく違うものになります。

対応できる地域が3つなら、地域ページも3本で足ります。数を増やすより、1本の中身を厚くするほうが確実です。

競合と同じ言葉で戦うべきか

需要のある言葉を見つけると、次に当たるのが競合の壁です。上位に大手が並んでいる場合、どう判断するか。

まず、上位にいる相手の性質を見ます

上位にいる相手 勝ち目 判断
大手の比較サイト 低い その言葉は避けて、下の階層を狙う
同業の大手企業 低い 同じ土俵を避ける
同規模の同業 あり 中身の厚さで抜ける可能性がある
個人のブログ 高い 正面から狙ってよい
情報が古いページ 高い 最新の情報で置き換えられる

比較サイトが上位を占めている言葉は、避けるのが賢明です。その形式で戦うには、自社を含む何十社かを並べる記事を書くことになります。自社サイトから競合へ人を送ることになり、目的と逆行します。

階層を1つ下げると、景色が変わります

頭の言葉で大手が並んでいても、その下の階層は空いていることがあります。

階層 例 競合の強さ 検索する人の状態
頭の言葉 ホームページ 集客 強い まだ調べ始めたばかり
1つ下 ホームページ 集客 できない 中 困っている
2つ下 ホームページ 集客 できない 原因 弱い 原因を特定しようとしている

下の階層ほど競合が弱く、そして検索している人の状態が具体的になります。数は少なくても、依頼に近い人が来ます。

ただし、下げすぎると需要が消えます。候補が3件以上あるかを、必ず確認してから決めてください。

頭の言葉は、後から取りにいけます

下の階層で記事が増えてくると、サイト全体がそのテーマで評価されるようになります。その状態になってから頭の言葉を狙うと、最初から狙うより届きやすくなります。

順番としては、下から積んで上を取る形です。いきなり頭を狙って届かないまま3か月を使うより、確実に進みます。

BtoBとBtoCで、変わることと変わらないこと

集客の話は、この2つを分けずに語られることがあります。実務では、分けるべき点と分けなくてよい点があります。

変わらないこと

検索需要の確認は同じです。誰も検索していない言葉で書けば、どちらでも結果は同じになります。

受け皿の考え方も同じです。読み手が自分のことだと思える箇所がなければ、最後まで読まれません。

変わること

観点 法人向け 個人向け
決める人 複数人。稟議がある 本人1人
検討にかかる期間 数か月から1年 即日から数週間
サイトに求められるもの 社内を説得する材料 本人が納得する材料
問い合わせのハードル 高い。社名を出すことになる 低い
効くチャネル 検索と紹介 検索と地図と口コミ

法人向けで見落とされやすいのが、1行目です。サイトを見ている人と、最終的に決める人が違います。

法人向けサイトは「持ち帰れるか」で決まります

担当者がサイトを見て良いと思っても、そこで契約は決まりません。その担当者が社内で説明することになります。

このとき、サイトに必要なのは説得の材料です。費用のおよその感覚、期間、進め方、他社との違い。これらが書かれていないと、担当者は社内で説明できません。

「詳しくはお問い合わせください」とだけ書かれたページは、この段階で止まります。問い合わせる前に、社内で通す必要があるためです。

個人向けは、その場で判断できるかが分かれ目です

個人向けの場合、見ているその瞬間に判断します。迷った時点で、多くは離脱します。

必要なのは、判断に要る情報が最初の画面にあることです。何ができるのか、いくらくらいか、いつ来られるか。スクロールしないと分からない場合、そこまで到達しない人が一定数出ます。

1人で回している場合の進め方

社長が1人で、あるいは担当者が兼務で回している会社は多くあります。この前提で、現実的な進め方を書きます。

やらないことを先に決めます

時間が足りない状況で最も効くのは、やることを増やす判断より、やらないことを決める判断です。

記事とSNSと広告と地図検索を、全部3分の1ずつやると、どれも効き始める水準に届きません。1つに絞って、それが効くまで続けるほうが早く結果が出ます。

使える時間 絞る先 理由
週に2時間まで 地図検索と受け皿の改善 短時間で効き、続けやすい
週に5時間 記事を月2本 積み上がる。ただし時間がかかる
週に10時間以上 記事を月4本と受け皿 両輪で進められる
時間が取れない 外注を検討する 中途半端に自社でやるより確実

週に2時間しか取れない場合、記事は現実的ではありません。1本に8時間かかるので、1本仕上げるのに1か月かかります。その速度では積み上がる前に止まります。

止まらない仕組みを、先に作ります

1人で回す場合、いちばんの敵は忙しさです。忙しくなると、真っ先に止まるのが集客の作業です。

止まらないようにするには、作業を小さく分けておくことです。記事1本を1度に書こうとすると、まとまった時間が取れない週は手つかずになります。

構成を作る日、前半を書く日、後半を書く日、確認する日。1回30分で終わる単位に分けておくと、忙しい週でも進みます。

記録を残すと、再開が楽になります

途中で止まったとき、何をどこまでやったかが分からないと、再開に時間がかかります。

狙う言葉、確認した候補の数、上位の記事で気づいたこと。これらを1か所に書いておくだけで、3週間空いても続きから始められます。

止まること自体は避けられません。止まったあとに戻れるかどうかで、続くかが決まります。

何を見て、何を見ないか

集客を始めると、見られる数字が一気に増えます。全部を追うと、判断が鈍ります。見る数字を絞ります。

見なくてよい数字

数字 なぜ見なくてよいか
ページビュー数 増えても問い合わせと連動しません
直帰率 1ページで用が足りた場合も高くなります
平均滞在時間 迷って長くなっている場合と区別がつきません
SNSのフォロワー数 見込み客かどうかが分かりません
検索順位そのもの 表示回数を伴わない順位に意味はありません

最下段は、この記事の核心です。順位は目標にすると危険な数字です。自社は10位以内を43本取っていて、それでも月の表示は1本あたり2回でした。

見るべき数字

数字 何が分かるか どこで見るか
検索での表示回数 そもそも人の前に出ているか Search Console
検索でのクリック数 選ばれているか Search Console
問い合わせページへの到達数 興味を持った人の数 アクセス解析
問い合わせの件数 最終的な成果 受信箱、または計測

4つだけです。この4つが、上から順に繋がっています。どこで数が急に減るかを見れば、詰まっている場所が分かります。

数字がゼロのときに、先に疑うこと

ここに落とし穴があります。ゼロという数字は、2つのまったく違う状態を同じ形で表示します。

1つは、本当に起きていない状態。もう1つは、起きているが記録されていない状態です。

自社で実際にありました。問い合わせボタンのクリック数が、毎日ゼロと表示され続けていました。押されていないのだと解釈して、ボタンの文言や位置を何度も直しました。

後で調べたところ、ボタンにクリックを記録する仕組みが入っていませんでした。押されていたかどうかは、いまも分かりません。その期間のデータは残っていないためです。

数字がゼロで止まっているときは、直す前に計測が入っているかを確かめてください。これを飛ばすと、記録されていないものを増やそうとして時間を使います。

比べるときは、同じ長さの期間で

数字を比べるとき、期間の長さを揃えます。今週と先週、今月と先月です。

もう1つ、検索の数字には遅れがあります。Search Consoleのデータは3日から4日遅れて入ります。今日と昨日を比べると、昨日のほうが少なく見えます。

比べる2つの期間を、どちらも同じだけ後ろへずらしてください。ここを揃えないと、伸びているのに落ちているように見えます。

どのくらいの頻度で見るか

毎日見る必要はありません。検索の数字は、日々の上下が大きく、短期間では判断できません。

週に1度、同じ曜日に見る形をお勧めします。月に1度だと、悪化に気づくのが遅れます。毎日だと、上下に振り回されて判断がぶれます。

見る数字を4つに絞り、週に1度、10分だけ。これで判断に必要な材料は揃います。

制作会社や代行に頼む場合、何を確認するか

時間が取れない場合、外注は妥当な判断です。ただし、頼み方によって結果が大きく変わります。

発注前に聞く3つの質問

1つ目は、どの言葉を狙うのかです。ここに答えられない相手は、狙いが定まっていません。「SEO対策をします」という説明だけでは、何が起きるか分かりません。

2つ目は、その言葉の検索需要をどう確かめたかです。専用のツールを使っている場合は数値を、使っていない場合は何を根拠にしたかを聞きます。ここが空白のまま進むと、この記事で書いた失敗をそのままなぞります。

3つ目は、いつ頃どのくらいを見込んでいるかです。断言する相手は避けたほうがよいと考えています。検索の結果は約束できるものではありません。ただし、見込みと根拠を説明できるかどうかは別の話です。

発注後に、自社に残る工程

先に書いたとおり、外注しても自社の工数はゼロになりません。残る工程を、最初にどちらがやるか決めておきます。

工程 どちらがやるか 決めていないと
狙う言葉を決める 相談して決める 見当違いの言葉で書かれる
自社の事情を伝える 自社 一般論の記事になる
公開前の確認 決めておく どちらもやらない状態になる
公開の操作 決めておく 公開が滞る
数字の確認 自社 効いているか分からない

3行目が最も揉めます。「相手がやっているだろう」と双方が思っている状態が、いちばん危険です。

成果が見えないときに確認すること

数か月続けても数字が動かない場合、感情的になる前に3つ確認します。

1つ目は、まだ効き始める時期に達していないかです。検索は3か月から1年かかります。3か月で判断するのは早すぎます。

2つ目は、表示回数が出ているかです。表示が増えているなら、方向は合っています。順位が上がる途中です。

3つ目は、表示がまったく出ていないかです。この場合、狙っている言葉に需要がない可能性があります。ここを確かめずに続けると、時間だけが過ぎます。

3つ目に当たっていた場合、責める前に狙いを変える相談をしてください。需要の確認が抜けていたのは、業界全体でよくあることです。自社も、2つを並べて測るまで気づきませんでした。

費用対効果を、時間で考える

集客の話は費用で語られがちです。ここでは時間で見ます。中小企業にとって、実際に足りないのは時間だからです。

記事1本にかかる時間を数える

記事を自社で書く場合、1本にかかる時間を分解します。

工程 時間の目安 省くとどうなるか
狙う言葉を決める 10分 ここを省くと全部が無駄になります
上位の記事を読む 1時間 他社と同じ内容になる
構成を作る 1時間 書きながら迷い、時間が伸びる
本文を書く 5時間から8時間 —
公開前の確認 30分 誤りが残ったまま公開される

合計すると、1本あたり8時間から11時間です。月に4本書くなら、40時間前後が消えます。社長が1人で書いている会社では、週に1日分の時間がここに使われている計算になります。

外注した場合に、実際に残る時間

外注すれば書く時間はなくなります。ただし、ゼロにはなりません。

残るのは、狙う言葉を決める工程と、公開前の確認です。あわせて1本あたり40分前後。月4本なら3時間ほどが自社に残ります。

ここを「ゼロになる」と見積もっていると、実際に始めてから差に驚きます。外注の効果を正しく見積もるなら、4分の1程度に減ると考えるのが実態に近いと思います。

効果が出るまでの時間も、費用のうちです

記事を選んだ場合、検索から人が来るまでに3か月から1年かかります。この期間は、費用が出ていく一方で成果が見えません。

ここで多くの会社が止めます。止めた時点で、それまでに投じた時間も戻らなくなります。

始める前に、いつまで続けるかを決めておいてください。3か月で判断すると、ほぼ確実に「効かなかった」という結論になります。効き始める前だからです。

よくある質問

Q. 何本くらい書けば結果が出ますか

本数より、当たる確率のほうが効きます。需要のない言葉で100本書いても、需要のある言葉で10本書いたほうが人は来ます。

実測で言えば、言いたいことから選んだ側は、10位以内に入った記事でも1本あたり月に2.0回しか表示されていませんでした。順位を取っても、画面に出ていませんでした。この状態のまま本数を増やしても、届く量は知れています。

先に確率を上げてください。狙う言葉の選び方を変えるだけで、確率は大きく動きます。

Q. 古い記事は消したほうがよいですか

消す前に、その記事が検索に出ているかを確かめてください。出ていない記事を消しても、失うものはほぼありません。ただし得るものもありません。

消す効果があるのは、同じテーマの記事が何本もあって、互いに票を割っている場合です。この場合は、消すというより1本に統合して、残りをそこへ繋ぐ形が有効です。

Q. 記事とSNSと広告、同時にやってよいですか

人手が足りているなら構いません。足りていない場合、全部が中途半端になります。

1人で回している場合は、1つに絞ることをお勧めします。3つを3分の1ずつやると、どれも効き始める水準に届きません。

Q. 業者に頼んでいますが、成果が見えません

3つ確認してください。1つ目は、どの言葉を狙っているか。2つ目は、その言葉の検索候補が何件あるか。3つ目は、問い合わせが何件来ているか。

1つ目に答えられない場合、そもそも狙いが定まっていません。2つ目で0件が並ぶ場合、この記事で書いた失敗と同じことが起きています。

Q. ホームページを作り直すべきでしょうか

先に、いまのサイトのどこで人が落ちているかを数えてください。落ちている場所が分からないまま作り直すと、同じ場所でまた落ちます。

実際、作り直したあとに問い合わせが減る例があります。以前あった情報が、整理の過程で消えているためです。

今日からできる点検

点検すること 確かめ方 時間 危ない状態
検索から何人来ているか Search Consoleを開く 10分 そもそも計測が入っていない
狙っている言葉の候補の数 検索窓に入れて下を見る 10分 0件の言葉が並んでいる
同じテーマの記事が何本あるか サイト内を検索する 15分 10本以上ある
問い合わせページへの到達数 アクセス解析を見る 10分 訪問数に対して極端に少ない
フォームの入力欄の数 自分で入力してみる 5分 5つ以上ある
返信までにかかっている時間 過去のやり取りを見る 10分 翌営業日になっている

6つで1時間です。直す前に、まず現状を数えてください。数えていない状態で改善を始めると、効いたかどうかが分かりません。

まとめ

この記事でお伝えしたことを、もう一度整理します。

集客できていないサイトに足りないのは、手法の数ではありません。ほとんどの場合、狙っている言葉に検索需要があるかどうかの確認です。

自社は3つのドメインを並行して運用し、狙う言葉の選び方だけを変えて測りました。10位以内1本あたりの表示回数は、2.0回と46.2回で23倍の差が出ました。順位もクリック率もどちらも正常です。足りなかったのは表示回数だけでした。誰も検索していない言葉で、1位を取っていたということです。

この確認にかかる時間は、1語あたり10秒です。記事1本に10時間かけるなら、その0.3%の手間で、10時間が無駄になるかどうかが分かります。

そして、人が来ているのに問い合わせがない場合は、集客を増やしても解決しません。入口を広げても、受け皿に穴が空いていれば同じ割合で漏れ続けます。どこで落ちているかを先に1か所に絞ってください。

手法を増やす前に、1つだけ

この記事に手法の一覧を載せなかったのは、意図的です。並べられた手法から選ぶより、いま詰まっている場所を1つ見つけるほうが、確実に前へ進むためです。

自社サイトが、いま何人を連れてきていて、そのうち何人が問い合わせページまで来ていて、何人が送信しているか。この3つの数字を出すところから始めてみてください。1時間で出ます。

数字が出たら、直す場所は自然に1つに決まります。

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