新しい商品の感想がほしくて、常連のお客様にモニター募集を案内した。
条件はほぼ無料なのに、誰からも返事が来ない。
こうなると「売り込みだと思われて引かれたのでは」と考えてしまい、次の案内を出すのが怖くなります。
この記事は、モニター募集に反応がなかった中小企業や個人の店のために書きました。
反応が止まった場所を4つに分けて確かめる方法、募集文に入れる項目、自社サイトに募集ページを置くときの作り方、そして2023年10月1日から始まったステマ規制との関係まで、順番に扱います。
読み終えたときに、次の募集で直す場所が1つ決まっている状態を目指します。
モニター募集とは何か 頼む中身で2つに分かれる
モニター募集は、商品やサービスを先に使ってもらい、その感想や意見を受け取るための募集です。
ただ、同じ「モニター」という言葉でも、頼む中身によって性格がかなり変わります。
感想をもらう募集と、投稿を頼む募集
1つ目は、使った感想を事業者に返してもらう募集です。
商品の改良や説明文の書き直しに使うのが主な目的で、感想は事業者の手元に届きます。
2つ目は、使った感想をSNSや口コミサイト、ECモールのレビュー欄に投稿してもらう募集です。
こちらは第三者の目に触れる表示になるため、後で説明する景品表示法のステマ規制が直接かかわります。
案内を出す前に、自分の募集がどちらなのかを決めておくと、募集文も法律の確認も迷わずに済みます。
中小企業がモニターを募る目的
目的がはっきりしないまま募集すると、案内の文章もぼやけます。
よくある目的を、頼む中身と合わせて表にしました。
| 目的 | 頼む中身 | 次にすること |
|---|---|---|
| 新商品の改良点を知りたい | 使った感想を事業者に返す | 質問を3〜5問に絞った回答用紙を用意する |
| 商品ページの説明を直したい | 買う前に迷った点を聞く | 「買う前に気になったこと」を必ず聞く |
| お客様の声を載せたい | 感想と掲載の許可をもらう | 掲載の範囲と名前の出し方を先に決める |
| SNSで知ってもらいたい | 投稿を頼む | 「広告」「PR」の表示を条件に入れる |
| ECモールのレビューを増やしたい | レビュー投稿を頼む | モールの規約とステマ規制を先に読む |
上の3行は感想を受け取る募集、下の2行は投稿を頼む募集です。
下に行くほど、守るべき決まりが増えます。
反応がないとき、最初に分けるのは事実と想像
案内に返事が来ないと、人はその理由を自分で作ってしまいます。
「売り込みが嫌だったんだ」「商品に魅力がないんだ」という理由は、どれも想像です。
分かっているのは「返事がなかった」ことだけ
数人に案内して返事がなかった、という場面で手元にある事実は、返事の数が0だったことだけです。
案内を見たかどうか、読んだかどうか、なぜ応募しなかったのかは、まだ何も分かっていません。
ここで「売り込むと嫌われる」と決めてしまうと、次の商品案内も、広告も、出すのが怖くなります。
本当は別の理由だったとしても、自分から売る機会を減らすことになります。
すでに買ってくれている人がいる、という別の事実
モニター募集に返事がなくても、普段から商品を買ってくれる人がいるなら、それは商品が選ばれているという別の材料です。
1回の募集の結果で、商品や売り方まで全部を否定する必要はありません。
2つの事実を並べたうえで、次に何を試すかを決めるのが順番です。
反応が止まる4つの場所
案内を出してから応募が来るまでには、相手の側で4つの段階があります。
どこで止まったかによって、直す場所がまったく違います。
| 止まった場所 | 相手の頭の中で起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 1. 目に入っていない | 案内そのものを見ていない | 送った場所と時間を変えて、もう一度だけ知らせる |
| 2. 読んでも分からない | 何をすればいいのか、自分に関係あるのかが分からない | 募集文の冒頭に、頼むことを1行で書く |
| 3. 重いと感じた | やることが多そう、時間が取れなさそう | 作業の量と所要時間を数字で書き、減らせるものは減らす |
| 4. 後回しにした | あとで見ようとして忘れた | 締め切りを書き、締め切り前に1回だけ知らせる |
4つのうち、売り込みへの嫌悪がかかわりそうなのは3番目の一部くらいです。
残りは、案内の届け方と書き方の問題として直せます。
4つの段階を、案内から応募までの流れとして図にしました。
返事が来ないときは、4つのどこで止まったかを先に決めてから直します。
案内が目に入っていない場合
最も多いのに、最も見落とされるのがこの段階です。
送った側は「案内した」と思っていても、相手の画面には一度も表示されていないことがあります。
送った場所と、相手が見ている場所がずれている
ECモールのメッセージ機能、普段あまり使われていないSNSアカウント、注文確認メールの末尾などは、受け取った人が開かないことの多い場所です。
相手が普段どこで店からの連絡を受け取っているかを思い出し、その場所で知らせます。
常連のお客様が数人なら、商品を届けるときの同封の手紙で案内する方法もあります。
手紙は商品と一緒に開けてもらえるので、少なくとも「目に入らなかった」という止まり方は起きにくくなります。
店頭や教室があるなら、会計のときに一言添えて紙を手渡すのも、届く確かさでは同じくらい強い方法です。
一度きりの案内は、ほかの連絡に埋もれる
受信箱やタイムラインには、毎日たくさんの連絡が流れてきます。
1回送って返事がないなら、日にちと時間帯を変えて、もう1回だけ知らせるのが自然です。
何度も送ると負担になるので、再案内は締め切りの前に1回までと決めておきます。
平日の昼に送って返事がなかったなら、次は週末の夜に送る、という程度の変え方で十分です。
読んでも中身が分からない場合
目には入ったのに応募が来ないなら、次に疑うのは募集文の分かりやすさです。
頼むことが1行で言えていない
「新作のモニターを募集します」だけでは、何をすればいいのかが伝わりません。
受け取った人が知りたいのは、何が届いて、何をして、いつまでに何を返せばいいのか、という具体的な中身です。
冒頭の1行で「新作のブローチを使って、1週間以内に感想を5問の用紙で返してください」のように言い切ると、読む人は自分にできるかどうかをすぐに判断できます。
読む人が最初に探すのは、自分が何をするのかという1点です。
店の思いや商品へのこだわりは、その1行のあとに置いても遅くありません。
人数と締め切りが書かれていない
募集人数と締め切りがない案内は、急ぐ理由がありません。
「先着5名」「今月20日まで」と書くだけで、あとで見ようと思った人が忘れる前に動くきっかけになります。
人数や期限を偽って急がせるのは、景品表示法で問題になる場合があるので、実際の人数と期限だけを書きます。
自分が対象なのかが分からない
「どなたでも」と書くと、かえって自分ごととして読まれにくくなります。
「普段からこの商品を贈り物に使っている方」のように対象を1行で書くと、当てはまる人は自分のことだと気づきます。
やることが重いと感じられた場合
中身が分かったうえで応募しないなら、相手は手間と見返りを比べて「今は無理」と判断しています。
感想を書く手間は、頼む側が思うより大きい
使った感想を数百字の文章で書くのは、慣れていない人にとって思った以上に時間のかかる作業です。
自由記述を1問にし、残りは選ぶだけで答えられる質問にすると、必要な時間を短くできます。
案内に「回答は5分ほどで終わります」と書けるところまで、質問を削っておくと伝わりやすくなります。
たとえば、使った頻度を選ぶ問い、満足した点を選ぶ問い、気になった点を選ぶ問い、人に贈りたいかを選ぶ問い、そして自由記述1問、という5問の組み方なら、選ぶ4問はすぐに終わります。
自由記述の問いは「使う前に迷ったことは何でしたか」のように、答えが1つに決まる聞き方にすると書きやすくなります。
投稿を条件にすると、応募の壁が一段上がる
SNSやレビュー欄への投稿を条件にすると、自分の名前やアカウントで発信することへのためらいが加わります。
普段投稿をしない人にとって、これは手間とは別の重さです。
感想が目的なら、投稿は条件から外し、事業者に返してもらうだけの募集にすると応募の壁が下がります。
「ほぼ無料」が身構えさせることもある
条件が良すぎる案内は、受け取った人に「何か裏があるのでは」と思わせることがあります。
なぜモニターを募るのか、集めた感想を何に使うのかを1〜2文で正直に書くと、身構える理由が消えます。
「新作の説明文を、使った人の言葉で書き直したいからです」のように、目的をそのまま書けば十分です。
締め切りまでに動いてもらえなかった場合
やる気はあったのに、後回しにして忘れたという人もいます。
締め切りの前に1回だけ知らせる
締め切りの2〜3日前に「残り2名です」「あさってまでです」と短く知らせると、忘れていた人が思い出します。
ここでも、残り人数は実際の数を書きます。
応募の手順を1つ減らす
応募するのに、別のページを開いて、会員登録をして、フォームに10項目を入力する、という流れでは途中で止まります。
返信1通で応募できる、フォームの項目は名前と連絡先と住所だけ、のように手順を減らすと、後回しにされる前に応募が終わります。
モニター募集の文章に入れる項目
ここまでの4つの場所を、募集文の項目に落とし込みます。
次の表の項目が全部入っていれば、受け取った人は迷わずに判断できます。
| 項目 | 書くこと | 書かないと起きること |
|---|---|---|
| 頼むこと | 何を使って、何を返すのかを1行で | 自分にできるか判断できず、読み飛ばされる |
| 対象 | 当てはまる人を具体的に | 自分のことだと気づかれない |
| 作業の量と時間 | 質問の数、所要時間、使う期間 | 重そうだと思われて見送られる |
| 人数と締め切り | 実際の人数と日付 | 後回しにされて忘れられる |
| 目的 | 感想を何に使うのか | 裏があると疑われる |
| 感想の扱い | 公開するか、名前を出すか、投稿を頼むか | 応募後にもめる、ステマ規制にかかる |
募集文の組み立て方
順番は、頼むことの1行、対象、目的、作業の量、人数と締め切り、感想の扱い、応募の方法、の並びにすると読みやすくなります。
読む人は最初の2行で読み続けるかどうかを決めるので、頼むことと対象を先頭に置きます。
感想の扱いは、応募の前に書いておく
感想をサイトに載せるのか、名前やイニシャルを出すのか、写真を使うのかは、応募の前に書いておきます。
応募したあとで「実は掲載させてください」と頼むと、断りにくい空気を作ってしまいます。
掲載の許可は、応募とは別にもらう形にしておくと、載せたくない人も気軽に応募できます。
あとから載せたくなったときは、改めて1人ずつ許可をもらいます。
モニターを募集する場所の選び方
同じ募集文でも、出す場所によって集まる人が変わります。
中小企業や個人の店が使いやすい場所を、向いている目的と合わせて並べました。
| 募集する場所 | 集まりやすい人 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 既存のお客様への直接の連絡 | すでに商品を知っている人 | 改良点を知りたい、率直な感想がほしい |
| 商品に同封する案内 | いま商品を手にした人 | 使った直後の感想を集めたい |
| 自社サイトの募集ページ | 検索やSNSから来た、まだ買っていない人 | 新しいお客様の目線で意見がほしい |
| 自社のSNSアカウント | フォローしている人 | 知ってもらうことも兼ねたい |
| 店頭や教室での声かけ | 来店した人、通っている人 | その場で手渡しして感想を聞きたい |
既存のお客様に頼むとき
すでに買ってくれている人は、商品の良さを知っているぶん、改良点も具体的に教えてくれます。
一方で、普段の買い物と同じ場所に案内が届くため、ほかの連絡に埋もれやすい点に気をつけます。
まだ買っていない人に頼むとき
初めての人の感想は、買う前の迷いを知るのに役立ちます。
ただ、まだ店のことを知らないので、誰が何のために募集しているのかを、既存のお客様向けよりも丁寧に書く必要があります。
自社サイトに募集ページを置くときの作り方
SNSの投稿は流れていきますが、自社サイトの募集ページは残ります。
SNSやメールで案内するときも、詳しい条件はサイトの1ページにまとめ、そこへの道筋を付けておくと、読む人が迷いません。
募集ページに置くもの
| 置く場所 | 置くもの | 確かめること |
|---|---|---|
| ページの最初 | 頼むことの1行と、対象 | スマートフォンで開いて、最初の画面に収まっているか |
| その次 | 目的と、感想の使い道 | なぜ募集しているのかが2文以内で分かるか |
| 中ほど | 作業の量、期間、人数、締め切り | 数字で書かれているか |
| 応募フォームの手前 | 感想の扱いと、投稿を頼むかどうか | 公開の範囲と表示の仕方が書かれているか |
| 応募フォーム | 名前、連絡先、送り先だけ | 応募に不要な項目を聞いていないか |
| 応募フォームの近く | 個人情報の利用目的 | 何に使うかが応募の前に読めるか |
応募フォームの項目は少なく
年齢、職業、家族構成、普段使っている商品など、聞きたいことはたくさんあります。
けれども、応募の時点で必要なのは連絡先と送り先くらいで、残りは当選した人にだけ聞けば足ります。
項目を減らすほど、応募の途中で止まる人が減ります。
個人情報の利用目的は、応募の前に示す
フォームで名前や住所を受け取るときは、個人情報保護法の決まりがかかわります。
個人情報保護法の第21条第2項は、本人から書面や電磁的記録で直接個人情報を受け取る場合について、こう定めています。
「あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。」
応募フォームは電磁的記録にあたるので、「いただいた住所は商品の発送にだけ使います」のように、フォームの近くに使い道を書いておきます。
当選しなかった人の情報をどうするかも、あわせて書いておくと安心してもらえます。
ステマ規制とモニター募集の関係
モニターに投稿を頼む募集では、2023年10月1日から始まったステマ規制を避けて通れません。
ここは誤解が多いので、消費者庁が公表している告示と運用基準の言葉で確かめます。
2023年10月1日から景品表示法の不当表示になった
規制の根拠は、景品表示法第5条第3号にもとづいて内閣府が出した告示です。
2023年3月28日の内閣府告示第19号は、規制する表示をこう定めています。
「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」
つまり、事業者が出している表示なのに、見る人にそれが分からない状態を禁じています。
表示の中身が正しいかどうかは、この規制の成り立ちには関係しません。
運用基準によると、告示の対象になるのは景品表示法でいう「事業者」の表示で、事業者でない人の行為はそもそも対象外です。
モニター募集で責任を負うのは、投稿したモニターの側より、投稿を頼んだ事業者の側だと考えておくと、募集文に何を書くべきかが見えてきます。
投稿を頼むと「事業者の表示」になる
モニターの投稿は、モニター本人の名前で出ます。
それでも、事業者が投稿の中身の決定にかかわっていれば、事業者の表示として扱われます。
消費者庁の運用基準は、事業者の表示になる例として、次の場合を挙げています。
「事業者が第三者に対して当該第三者のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上や口コミサイト上等に自らの商品又は役務に係る表示をさせる場合。」
ECモールのレビューも同じで、購入者に頼んでレビュー欄に投稿してもらう場合が例として挙がっています。
さらに、はっきり頼んでいなくても事業者の表示になる場合があり、運用基準は次の例を示しています。
「事業者が第三者に対してSNSを通じた表示を行うことを依頼しつつ、自らの商品又は役務について表示してもらうことを目的に、当該商品又は役務を無償で提供し、その提供を受けた当該第三者が当該事業者の方針や内容に沿った表示を行うなど」
無償で商品を渡して投稿を頼むモニター募集は、この形にそのまま当てはまります。
運用基準は、事業者が渡す対価について、金銭や物品に限らずイベントへの招待のような経済上の利益も含むと注記しています。
「ほぼ無料」の新作も、次回の割引も、対価として数えられると考えておきます。
投稿してもらうなら「広告」「PR」の表示を条件にする
事業者の表示であることが見る人に分かれば、ステマにはあたりません。
運用基準は、分かりやすい表示の例として「「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」といった文言による表示を行う場合」と、「「A社から商品の提供を受けて投稿している」といったような文章による表示を行う場合」を挙げています。
投稿を頼むモニター募集では、こうした表示を投稿の条件として募集文に書き、投稿されたあとに表示があるかを確かめます。
運用基準は、冒頭に「広告」と書きながら文中で「第三者としての感想です」と書くような、どちらか分からなくなる書き方も不明瞭な例として挙げています。
感想を受け取るだけの募集なら、表示の問題は小さい
感想を事業者に返してもらうだけで、SNSや口コミサイトに投稿してもらわないなら、第三者の目に触れる表示はそもそも生まれません。
受け取った感想を自社サイトに「お客様の声」として載せる場合は、自社サイト全体が事業者の表示であることは明らかです。
ただし運用基準は、評判を上げる意見だけを抜き出したり、良い点と悪い点の片方だけを取り上げたりする載せ方を、恣意的な扱いの例として挙げています。
載せるときは、感想を書き換えず、モニターとして商品を提供した人の感想であることを書き添えます。
| 募集の形 | ステマ規制との関係 | 次にすること |
|---|---|---|
| 感想を事業者に返すだけ | 第三者の表示が生まれないので、表示の問題は小さい | サイトに載せるときに、提供した旨を書き添える |
| 無償で渡し、SNS投稿を頼む | 事業者の表示になる | 「広告」「PR」などの表示を条件にする |
| ECモールのレビュー投稿を頼む | 事業者の表示になる | 表示の条件に加え、モールの規約を確かめる |
| 頼んでいないのに投稿してくれた | 自主的な投稿なら事業者の表示にならない | 投稿の中身に口を出さない |
| Googleマップのクチコミを頼む | 見返りを付けるとGoogleの規約に反する | 見返りなしで頼むか、頼まない |
依頼する側の理解が追いついていない
消費者庁が規制の前に開いた検討会では、現役のインフルエンサー300人にアンケートを取っています。
消費者庁がまとめた報告書の概要によると、広告主からステマを依頼された経験がある人は41.0%で、依頼された123人のうち42.3%は一部を、2.4%は全部を受けていました。
依頼を受けた理由として、約64%が「ステルスマーケティングに対する理解が低かった」と答えています。
頼まれる側の理解が十分でない以上、表示の条件は頼む側が募集文に書いておく必要があります。
Googleのクチコミとモニターの見返り
店舗を持つ事業者がよく迷うのが、Googleマップのクチコミをモニターに頼んでよいかという点です。
見返りと引き換えのクチコミは禁止されている
Googleマップの「禁止または制限されているコンテンツ」のページは、販売者やユーザーに禁止される行為として、次のものを挙げています。
「クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。」
モニターに無料で商品を渡し、その条件としてGoogleマップのクチコミを頼むのは、この「無料の商品やサービス」にそのまま当たります。
モニター募集とクチコミのお願いは分ける
モニターには感想を事業者に返してもらうだけにして、Googleマップのクチコミは見返りを付けずに、普段のお客様にお願いします。
2つを混ぜないことが、規約にも規制にも引っかからない一番簡単な方法です。
店頭のポップや同封の案内でクチコミをお願いする場合も、「投稿してくれた方に割引」のような一文を添えないように気をつけます。
モニター募集の結果を次につなげる数え方
反応がなかったときに想像で理由を作らないためには、段階ごとの数を残しておくのが近道です。
| 数えるもの | 分かること | 少なかったときに直す場所 |
|---|---|---|
| 案内を送った人数 | 母数 | 送る相手を増やす |
| 開いた人数、ページを見た人数 | 目に入ったか | 送る場所と時間 |
| 応募した人数 | 読んで、できそうと思ったか | 冒頭の1行、作業量、対象の書き方 |
| 感想を返した人数 | 約束どおり動けたか | 質問の数、締め切りの知らせ方 |
| 使えた感想の数 | 質問が目的に合っていたか | 質問の中身 |
自社サイトの募集ページなら、見た人数が分かる
メールやメッセージでは開いたかどうかが分からないことも多いですが、自社サイトの募集ページなら、アクセス解析で見た人数を数えられます。
見た人数が少なければ届け方を、見た人数は多いのに応募が少なければ募集文を直す、という切り分けができます。
見た人数と応募の数を並べるだけで、4つの関門のどこが詰まっているかが分かります。
数が少ないうちは、聞いてしまう
案内した相手が数人なら、数字で傾向を見るのは難しいです。
その場合は、次に会ったときや次の注文のときに「この前の案内、届いていましたか」と1つだけ聞くと、どの段階で止まったかがすぐに分かります。
業種ごとの頼み方の違い
同じモニター募集でも、業種によって相手の負担と気をつける点が変わります。
| 業種 | 頼みやすい中身 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ハンドメイドや物販 | 使った感想、贈った相手の反応 | ECモールのレビューを頼むならモールの規約と表示の条件 |
| 飲食店 | 新メニューの試食の感想 | グルメサイトやGoogleマップへの投稿を見返りの条件にしない |
| 美容サロンや整体 | 施術後の感想、続けたいと思ったか | 体験談の書き方は業種ごとの広告の決まりも確かめる |
| 教室やスクール | 体験レッスンの感想、迷った点 | 感想を載せる範囲を先に決める |
| BtoBのサービス | 試用期間中の使い勝手 | 社名や担当者名を出すかを事前に取り決める |
健康や美容にかかわる商品は、別の決まりも確かめる
健康食品や化粧品、施術のように体にかかわるものは、ステマ規制とは別に、効果の書き方そのものに決まりがあります。
モニターの感想に「治った」「痩せた」のような言葉が入っていた場合、そのまま載せると広告の決まりにかかる場合があるので、載せる前に確かめます。
BtoBでは、感想より困りごとを聞く
BtoBのサービスでは、担当者が個人の感想を書くことに慣れていない場合があります。
「導入前に困っていたこと」「試して変わったこと」の2問に絞ると、答えやすく、商品ページにも使いやすい材料が集まります。
よくある質問
モニター募集に反応がないのは、商品に魅力がないからですか
反応がなかったという事実だけでは、理由は分かりません。
案内が目に入っていない、読んでも分からない、重いと感じた、後回しにした、のどこで止まったかを先に確かめると、直す場所が見えます。
モニターに投稿を頼むと、必ずステマになりますか
投稿を頼むと事業者の表示として扱われますが、「広告」「PR」などの表示で事業者の表示だと分かるようにしていれば、ステマにはあたりません。
問題になるのは、事業者の表示であることが見る人に分からない状態です。
モニターに渡した商品の感想を、自社サイトに載せてもいいですか
本人の許可を取ったうえで、書き換えずに載せるなら問題になりにくいです。
モニターとして商品を提供した人の感想であることを書き添え、良い感想だけを選んで載せることは避けます。
Googleマップのクチコミをモニターにお願いしてもいいですか
無料の商品やサービスと引き換えにクチコミを頼むことは、Googleの規約で禁止されています。
モニターには感想を事業者に返してもらうだけにし、クチコミのお願いは見返りなしで別に行います。
何人くらいに声をかければいいですか
決まった数はありませんが、感想を何に使うかで必要な数が決まります。
商品ページの説明を直すのが目的なら、迷った点が重なって見えてくるまで、少人数から始めて足していく方法が無理がありません。
まとめ
モニター募集に反応がないとき、手元にある事実は「返事がなかった」ことだけです。
売り込みが嫌われたと決める前に、目に入ったか、読んで分かったか、できそうと思えたか、締め切りまでに動けたか、の4つのどこで止まったかを確かめます。
募集文には、頼むこと、対象、目的、作業の量、人数と締め切り、感想の扱いを書き、自社サイトに1ページでまとめておくと、どこから来た人も迷いません。
投稿を頼むなら、2023年10月1日からのステマ規制に沿って「広告」「PR」の表示を条件にし、Googleマップのクチコミには見返りを付けないことが前提です。
今日できる点検
次のモニター募集を出す前に、今日のうちに確かめられることを表にしました。
| 点検すること | 当てはまったら | 次にすること |
|---|---|---|
| 前回の案内を、相手が普段見ている場所に送ったか | 普段使われていない場所だった | 届く場所に変えて、もう1回だけ知らせる |
| 募集文の最初の1行で、頼むことが言えているか | 「モニター募集」としか書いていない | 何を使って何を返すのかを1行で書く |
| 作業の量と所要時間を数字で書いたか | 書いていない | 質問を削り、「5分ほど」と書けるようにする |
| 投稿を頼むかどうかを決めたか | 投稿を頼んでいる | 「広告」「PR」の表示を条件に加える |
| Googleマップのクチコミを見返りの条件にしていないか | 条件にしている | 条件から外す |
| 応募フォームの近くに個人情報の利用目的を書いたか | 書いていない | 使い道を1行で書き足す |
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません


