カウンセリングの予約は入る。けれども、契約の段階で「一度持ち帰って考えます」と言われ、そのまま連絡が途絶える。
クーポンで初回のお客様は来てくれても、コースの契約にはなかなか進まない。広告や予約サイトの掲載料をかけ続けているのに、売上は思うように伸びない。
この記事は、そうした悩みを抱える脱毛サロンのオーナーの方と、サロンのウェブ集客を担当している方に向けて書いています。
集客の手法を並べるのは後にします。最初に、脱毛を始めようとしている人が、契約の直前に何を怖がっているのかを整理します。
ここ数年、脱毛サロンの倒産が相次ぎ、前払いした料金が戻ってこないという話が広く知られるようになりました。お客様の不安の中身は、以前とは大きく変わっています。
そのうえで、サロンのホームページのどこから直せば、初めての人が安心してカウンセリングに来て、納得して契約し、最後まで通ってくれるのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自分のサロンのホームページで最初に直す場所が1つ決まっている。そこをこの記事のゴールにしています。
個人で開いている小さなサロンから、数店舗を運営しているサロンまで、どの規模にも当てはまる部分を中心に書きます。
Q&Aサイトに並ぶ、お客様の不安
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿者は、これから脱毛を始めようとしている方でした。脱毛サロンの倒産があまりに多くて、どこと契約すればよいのか分からない。
契約する前に、何を調べればよいのか教えてほしい、という内容です。
ある回答者は、外から調べる方法はほとんどないと答えていました。倒産しそうなサロンのスタッフの書き込みを見かけても、その数日後や1、2か月後には本当に倒産している。
年単位の契約を今結んでも、来年その会社があるかは分からない。だから、都度払いや、3回程度で更新していく形の契約ができるところが安心だ、という助言です。
別の回答者は、実際に倒産したサロンのニュースを引用し、前払いした料金の返金は極めて難しいと伝えていました。
同じQ&Aサイトには、似た投稿がいくつも並んでいます。「通っていたサロンが倒産した。
回数払いにしていたが、支払いは続けなければならないのか」「今通っているサロンが倒産しそうで、ローンがまだ残っている」「倒産が怖いので、医療脱毛のクリニックに移ろうか迷っている」。
どれも、脱毛を始めたい気持ちと、お金を先に払うことへの怖さの間で揺れている声です。
お客様が怖がっているのは、施術より先のこと
この投稿から分かるのは、脱毛を始めようとしている人が、施術そのものより先に、お金の払い方と、サロンが続くかどうかを心配しているという事実です。
以前であれば、お客様が気にしていたのは、痛みや肌への影響、効果が出るまでの回数、料金の安さでした。今はそこに、前払いしたお金が戻ってこないかもしれないという怖さが加わっています。
この怖さは、個別のサロンの努力とは関係なく、業界全体に向けられています。真面目に運営している小さなサロンも、大手のチェーンの倒産のニュースを見たお客様からは、同じ目で見られます。
「このサロンは大丈夫なのか」という問いに、ホームページの上で答えられないサロンは、カウンセリングの予約の段階で候補から外されていきます。
候補から外れたことは、サロンの側からは見えません。予約の数が少しずつ減っていくだけなので、理由が分からないまま、価格や広告の見直しに手をつけてしまいがちです。
サロンが伝えていることと、お客様が知りたいこと
脱毛サロンのホームページでよく見かける内容と、お客様が契約の直前に知りたい内容を並べてみます。
| サロンがよく載せている内容 | お客様が知りたいこと | ずれが生む結果 |
|---|---|---|
| 初回限定の割引価格 | 総額でいくら払うことになるのか | 入口の価格は分かるが、総額が見えない |
| 通い放題や回数の多いコース | 途中でやめたらどうなるのか | お得そうだが、縛られる怖さが残る |
| 最新の脱毛機の紹介 | 肌に異常が出たときにどうしてくれるのか | 機械は分かるが、もしものときが見えない |
| 痛みが少ないという説明 | カウンセリングで強く勧誘されないか | 施術の不安は減っても、契約の不安は残る |
| 店内のきれいな写真 | 前払いしたお金はどう扱われるのか | 雰囲気は伝わるが、お金の安心がない |
左の列を載せるのは正しいことです。ただ、契約を決める直前の迷いには、右の列のほうがずっと近いところにあります。
とくに右の列の最初と最後の2つは、倒産が相次いだ今だからこそ、お客様が真っ先に確かめたいことになっています。
お客様の顔ぶれで、不安の中身は変わる
脱毛サロンに来るお客様は、年代も事情もさまざまです。誰が来るかによって、契約の前に気にすることの中身が少しずつ違います。
自分のサロンに来ることの多いお客様を思い浮かべながら、次の表を見てください。
| お客様 | 契約の前に気にすること | ホームページで答えておきたいこと |
|---|---|---|
| 初めて脱毛する学生 | 大きな金額を払えるか、親に何と言うか | 1回ずつ払えるかと、総額の目安 |
| 働き始めた社会人 | 仕事の都合で通えなくなったらどうなるか | 予約の変更と、途中でやめる扱い |
| 以前のサロンが倒産した人 | また同じ目に遭わないか | 前払いの扱いと、お金を守る工夫 |
| 男性のお客様 | 周りの目と、施術する人が誰か | 男性の受け入れ方と担当の決め方 |
| 医療脱毛から移ってきた人 | 痛みと効果の違い | 医療脱毛との違いを正直に書いた説明 |
とくに、以前通っていたサロンが倒産した人は、今の脱毛サロンにとって大切なお客様です。途中まで進めた脱毛を、どこかで続けたいと思っています。
その人たちが一番知りたいのは、今度こそお金が守られるかどうかです。表の3行目に答えているサロンは、倒産したサロンから移ってくるお客様の受け皿になれます。
国の資料で見る、脱毛エステをめぐる相談
脱毛エステをめぐるトラブルの広がりは、国の資料にもはっきり表れています。国民生活センターが2024年3月に内閣府の消費者委員会へ提出した「脱毛エステにおける倒産トラブル」という資料によると、全国の消費生活センターに寄せられた脱毛エステに関する相談は、2022年度に19,125件にのぼりました。
そのうち倒産に関する相談は6,786件でした。
同じ資料は、相談事例から見た課題として、次のように書いています。
「エステサロンが倒産した場合は消費者への返金は困難」
さらに、お客様が被害に遭わないための方策として、次の2つを挙げています。
「前受金保全措置自体を確保している事業者は少ない」
「消費者が主体的に『都度払い』を選べるような販売方法であれば、前払金の返金トラブルは生じない」
国の機関が、前払いの仕組みそのものに課題があると指摘し、都度払いを選べる売り方であればトラブルは生じないと書いているのです。Q&Aサイトの回答者が勧めていた「都度払いや短い更新制のサロンを選ぶ」という考え方と、ほぼ同じ内容です。
相談の中身から見える、お客様の怖さ
同じ資料には、脱毛エステに関する相談の内容を多い順に並べた表も載っています。2022年度の上位を見ると、解約が11,960件、連絡が取れないという相談が8,429件、返金が7,726件、倒産が6,786件でした。
相談をしてきた人の92.5%が女性で、年代では20歳代が最も多くを占めています。
| 相談の内容(2022年度) | 件数 | お客様が怖がっていること |
|---|---|---|
| 解約(全般) | 11,960件 | 途中でやめたいときにやめられないこと |
| 連絡不能 | 8,429件 | 突然サロンと連絡が取れなくなること |
| 返金 | 7,726件 | 払ったお金が戻ってこないこと |
| 倒産 | 6,786件 | 通っているサロンがなくなること |
| 約束不履行 | 4,819件 | 契約した回数の施術を受けられないこと |
表の右の列は、そのまま、お客様がサロンのホームページで確かめたいことの一覧になっています。やめたいときにやめられるか。
連絡が取れなくなることはないか。払ったお金はどう扱われるか。
このサロンは続いていくのか。契約した通りに施術を受けられるのか。
これらの問いに先に答えているサロンは、今でも選ばれています。
なぜ脱毛サロンは、前払いの不安に答えてこなかったのか
前払いへの不安に答えていないサロンが多いのは、オーナーの不誠実から来るものとは限りません。脱毛サロンという商売が、長い間どういう形で広がってきたかに、理由があります。
回数の多いコースを前払いで売る形が、当たり前になった
脱毛は、1回の施術で終わるものではありません。毛の生え変わる周期に合わせて、何か月もかけて何度も通う必要があります。
そのため、脱毛サロンでは、何回分かの施術をまとめたコースを、最初にまとめて契約してもらう売り方が広がりました。
まとめて契約してもらえば、サロンにとっては先にお金が入り、お客様にとっては1回あたりの料金が安くなる。どちらにも利点があるように見えます。
やがて、回数を増やせば増やすほど1回あたりが安くなるコースや、期間の定めのない通い放題のコースが登場し、大きなチェーンが広告で競い合うようになりました。
この売り方の中では、ホームページの役目は、コースの安さとお得さを伝えることになります。総額でいくら払うのか、途中でやめたらどうなるのか、前払いしたお金はどう扱われるのか。
こうした情報は、お得さを伝える邪魔になると考えられ、カウンセリングの場で口頭で説明すればよいとされてきました。
大手の倒産が、業界全体への不信に変わった
回数の多いコースを前払いで売る形は、新しいお客様が入り続けている間はうまく回ります。ところが、新しいお客様が減ったり、広告や人件費が膨らんだりすると、先に受け取ったお金で目の前の運営をまかなう状態になり、施術を提供しきれないまま行き詰まるサロンが出てきます。
先ほどの国民生活センターの資料が示していたのは、まさにこの状態でした。
大手のチェーンが倒産すると、何万人ものお客様が一度に影響を受けます。ニュースで大きく取り上げられ、SNSには返金されない怒りの声があふれます。
その声を目にした人は、脱毛サロンという業態そのものを疑うようになります。自分のサロンは前払いのお金をきちんと管理している、無理な回数の契約は勧めていない、と思っていても、それがホームページに書かれていなければ、お客様からは大手のチェーンと同じように見えます。
| 業界で起きたこと | お客様の受け取り方 | 小さなサロンへの影響 |
|---|---|---|
| 回数の多いコースの前払いが広がった | まとめて払うのが普通だと思っていた | 同じ売り方をしないと安く見えない |
| 通い放題のコースが増えた | お得だと思って契約した | 回数の少ないコースが割高に見える |
| 大手の倒産が続いた | 前払いは危ないと知った | 小さなサロンも同じ目で見られる |
| 返金されない話が広まった | 契約そのものが怖くなった | カウンセリングの予約で止まる |
| 医療脱毛に移る人が増えた | サロンは効果が弱く、潰れやすいと思う | 比べる相手がクリニックになる |
表の右の列は、小さなサロンにとって厳しい状況です。ただ、見方を変えれば、お客様の不安がはっきりしている今は、その不安に先に答えたサロンが選ばれやすい時期でもあります。
法律で決まっていることが、お客様には伝わっていない
脱毛を含むエステの契約のうち、一定の期間と金額を超えるものは、特定商取引法の「特定継続的役務」にあたります。この場合、サロンは契約の前に概要を書いた書面を渡し、契約のあとには契約の内容を書いた書面を渡さなければなりません。
お客様は、書面を受け取ってから一定の期間内であればクーリングオフができ、その期間を過ぎても、決められた範囲の精算で中途解約ができます。
前受金を保全する措置を取っているかどうかも、書面に書くことになっています。
真面目に運営しているサロンは、こうした決まりを守り、書面を渡し、説明をしています。けれども、その説明はたいていカウンセリングの場で、契約の直前に行われます。
お客様が契約の前にホームページで確かめようとしても、そこには書かれていません。守っていることが見えないために、守っていないサロンと同じように見えてしまいます。
| 法律で決まっていること | サロンがしていること | お客様への伝わり方 |
|---|---|---|
| 契約の前の概要書面 | カウンセリングで渡している | ホームページでは見えない |
| クーリングオフの説明 | 契約書面に書いている | 契約するまで知らない |
| 中途解約の精算のルール | 契約書面に書いている | やめられないと思い込んでいる |
| 前受金の保全措置の有無 | 契約書面に書いている | お金の扱いが見えず不安になる |
表の右の列を見ると、サロンが守っていることの多くが、お客様には安心の材料として届いていないことが分かります。同じ内容を、契約の前に読める場所に書くだけで、お客様の受け取り方は変わります。
予約サイトとクーポンの中で、サロンの違いが消える
脱毛サロンの集客では、美容の予約サイトとクーポンが大きな役割を果たしてきました。予約サイトに掲載し、初回限定の割引クーポンを出し、一覧の上のほうに表示されるよう掲載料を払う。
多くのサロンが、この形で新しいお客様を集めています。
一覧の中では、入口の価格しか比べられない
美容の予約サイトでは、同じ地域のサロンが一覧で並びます。お客様は、初回の価格、部位、口コミの点数、空いている日時で絞り込み、上から順に見ていきます。
このとき、サロンの違いは、一覧に表示される項目の中でしか比べられません。
一覧に出てくるのは、初回の価格です。コースの総額、途中でやめたときの扱い、前払いのお金の管理、肌に異常が出たときの対応は、一覧には出てきません。
そのため、初回の価格を下げたサロンが目に留まりやすくなり、どのサロンも初回の価格を下げていきます。初回の価格で集まったお客様は、コースの契約の段階で、初めて総額を知って驚き、持ち帰って考えますと言って帰っていきます。
クーポンで来たお客様は、次のクーポンを探す
初回限定のクーポンで来たお客様の中には、いくつものサロンの初回を回っている人もいます。初回の施術を受けて満足しても、コースを契約する前に、別のサロンの初回クーポンを試してみる。
倒産が怖いので、まとまった契約はしたくない。そうした気持ちで、初回だけを渡り歩く人は少なくありません。
サロンの側から見ると、初回の施術のたびに、準備をして、説明をして、肌の状態を確かめて、コースの説明をする。その手間をかけたお客様が、契約せずに帰っていく。
予約サイトの掲載料と初回の割引の分だけ、赤字が積み上がっていきます。
| 集客の入口 | 集まるお客様 | 起きやすいこと | 足りていないもの |
|---|---|---|---|
| 予約サイトの初回クーポン | 初回の価格で比べる人 | コースの契約で止まる | 総額と支払い方法の説明 |
| 一覧の上位掲載 | 目に留まった人 | 掲載料が膨らむ | ほかのサロンとの違い |
| SNSの割引告知 | 割引に反応する人 | 割引のときしか来ない | 通い続ける理由 |
| 紹介キャンペーン | 知人に誘われた人 | 紹介者への特典の分だけ利益が減る | 紹介された人の不安への答え |
表の右の列は、どれも自分のサロンのホームページで補えるものです。予約サイトやクーポンを入口として使いながら、最後に確かめに来る場所であるホームページで、一覧では伝わらない違いを見せる。
今の脱毛サロンの集客は、この組み立てを土台にします。
医療脱毛と比べられる土俵
ここ数年、脱毛を考える人の選択肢として、医療脱毛のクリニックが大きく伸びました。Q&Aサイトでも「倒産が怖いのでクリニックにしようか」という相談がいくつも並んでいます。
脱毛サロンは、ほかのサロンだけでなく、クリニックとも比べられるようになっています。
効果の強さで張り合うと、分が悪い
医療脱毛は、医師の管理のもとで、出力の高い機械を使って行われます。脱毛サロンでは、法律上、医療行為にあたる施術はできません。
効果の強さや、少ない回数で終わることを競えば、サロンがクリニックに勝つのは難しいのが実情です。
それでも、効果の強さで張り合おうとして、ホームページに「クリニック並みの効果」「永久に生えてこない」といった表現を載せてしまうサロンがあります。
こうした表現は、法律や業界の決まりに触れるおそれがあるうえ、お客様の目には誇張に見えます。前払いへの不安を抱えたお客様は、誇張の気配に敏感です。
サロンが選ばれる理由は、別のところにある
脱毛サロンが選ばれる理由は、効果の強さとは別のところにあります。痛みが少なく、肌への負担に気を配った施術。
同じスタッフが担当し、肌の状態を覚えていてくれる安心。通いやすい場所と時間。
そして、無理な契約を勧めず、自分のペースで続けられること。
こうした理由は、クリニックとの比べ合いの中で、サロンが正直に打ち出せる強みです。とくに最後の「自分のペースで続けられる」ことは、倒産が怖いお客様にとって、効果の強さより大事な条件になることがあります。
この強みをホームページで伝えられているかどうかが、今のサロンの集客を左右しています。
クリニックの側も、前払いのまとまった契約を中心にしているところがあります。Q&Aサイトには「医療脱毛は倒産しませんか」という質問も並んでいました。
お客様にとっての不安は、サロンかクリニックかという区別より、前払いしたお金が守られるかどうかに向いています。そうであれば、支払い方法の安心を先に見せたサロンは、クリニックと比べられたときにも、効果の強さとは別の軸で選ばれる余地を持てます。
契約が取れないときに選びがちな手
カウンセリングから契約に進むお客様が減ってきたとき、サロンがまず考えるのは、コースの価格を下げること、回数を増やしてお得に見せること、カウンセリングで契約を強く勧めることです。
どれも、以前であれば一定の効き目がありました。倒産が続いた今は、どれもお客様の不安を大きくする方向に働きます。
価格を下げると、「このサロンは大丈夫か」と疑われる
コースの価格を下げれば、ほかのサロンより安く見えます。予約サイトの一覧でも目に留まりやすくなり、カウンセリングの予約は増えます。
ところが、倒産のニュースを見てきたお客様は、極端に安い価格に別の意味を読み取ります。この価格で本当にやっていけるのか。
新しいお客様からの前払いで、今の運営をまかなっているのではないか。倒産したチェーンの多くが、安さを前面に出していたことを、お客様は覚えています。
価格を下げるほど、「このサロンは大丈夫か」という疑いを招いてしまいます。
しかも、価格を下げたぶん、1回の施術で得られる利益は減ります。同じ売上を保つには、より多くのお客様に、より多くの回数を契約してもらわなければなりません。
前払いに頼る度合いが大きくなり、倒産したチェーンと同じ道をたどる危うさも出てきます。
回数を増やしてお得に見せると、縛られる怖さが増える
回数の多いコースや、期間を定めない通い放題のコースは、1回あたりの料金を安く見せる手として広く使われてきました。長く通うお客様にとっては、確かにお得な仕組みです。
ただ、今のお客様にとって、回数の多さは縛られる怖さでもあります。何年も通う前提で大きな金額を前払いして、その間にサロンがなくなったらどうなるのか。
途中で引っ越したり、効果に満足して通う必要がなくなったりしたら、残りの回数分はどうなるのか。国民生活センターの資料でも、通い放題のコースで有償と無償の期間が分かれている契約は、中途解約の精算でトラブルになりやすいと指摘されています。
回数を増やしてお得に見せるほど、慎重なお客様は身構えます。Q&Aサイトの回答者が勧めていたのは、都度払いや3回程度の更新制でした。
お客様が求めている方向と、回数を増やす方向は、逆を向いています。
たとえば、カウンセリングで通い放題のコースを案内されたお客様を思い浮かべてください。1回あたりの料金はたしかに安くなります。
けれども、お客様の頭に浮かぶのは、何年も先まで通う自分の姿より、ニュースで見た閉店の張り紙です。お得さの説明を聞けば聞くほど、「こんなに先まで払って大丈夫だろうか」という気持ちが大きくなります。
その場で決めきれずに帰ったお客様は、帰り道に「都度払い」で検索し、別のサロンのカウンセリングを予約します。
カウンセリングで強く勧めると、口コミで広がる
カウンセリングの場で、その日のうちに契約してもらおうと強く勧めるサロンもあります。「今日契約すれば特別価格です」「この価格は今月までです」。
その場で決めてもらえれば、持ち帰って考えますと言われて連絡が途絶える心配がありません。
ところが、強く勧められた経験は、口コミやSNSで広がります。脱毛サロンの勧誘の断り方を解説する記事が検索するといくつも出てくることからも分かるように、お客様はカウンセリングでの勧誘をあらかじめ警戒しています。
「カウンセリングに行ったら強く勧誘された」という口コミが1つあるだけで、そのサロンのカウンセリングを予約する人は減ります。
| 選びがちな手 | 以前の効き目 | 今のお客様の受け取り方 |
|---|---|---|
| コースの価格を下げる | 安さで選ばれた | この価格で続けられるのかと疑う |
| 回数を増やしてお得に見せる | 長く通う人に喜ばれた | 大きな前払いに縛られる怖さを感じる |
| 通い放題のコースを出す | お得さで注目された | サロンがなくなったらどうなるかを考える |
| 当日の契約で特典をつける | その場で決めてもらえた | 勧誘されると身構えて予約をやめる |
| 期間限定の割引で急がせる | 決断を後押しした | 倒産前の駆け込みの集金に見える |
| 高額なローンを案内する | 大きな契約をまとめやすかった | 倒産しても支払いが残る怖さを思い出す |
表の右の列は、倒産が続いた今ならではの受け取り方です。以前うまくいった手を続けるほど、お客様の不安を大きくしてしまいます。
「うちは大丈夫です」とだけ言っても、安心は生まれない
倒産を心配するお客様に、カウンセリングで「うちは大丈夫です」と答えるスタッフは多いはずです。本当に大丈夫だと思っているからこそ、そう答えます。
けれども、倒産したサロンのスタッフも、直前まで同じように答えていました。お客様はそのことを知っています。
言葉だけの「大丈夫です」は、安心の材料になりません。お客様が求めているのは、大丈夫だと言える理由です。
都度払いを選べる、まとめての契約は短く区切っている、前受金の扱いを書面で説明している。理由を具体的に示してはじめて、お客様は「このサロンなら」と思えます。
そして、その理由は、カウンセリングの場より前に、ホームページで読めるようにしておく必要があります。
広告と投稿を増やしても、不安は減らない
契約が取れない理由を、集客の量の不足に求めて、広告を増やしたり、SNSの投稿を増やしたりするサロンもあります。
広告で連れてきた人が、ホームページで引き返す
地図検索の広告やSNSの広告を出すと、サロンのホームページを見に来る人は増えます。けれども、ホームページが前払いへの不安に答えていなければ、見に来た人は答えを見つけられないまま引き返します。
広告費をかけて連れてきた人が、同じ場所で同じように離れていく。見に来る人が増えたぶん、引き返す人も増えるだけです。
とくに今のお客様は、サロンの名前を見つけると、そのまま名前と「倒産」や「勧誘」という言葉を組み合わせて検索します。検索で何も悪い話が出てこなくても、ホームページに支払い方法や解約の説明がなければ、不安は残ったままです。
施術の写真を増やしても、お金の安心は写らない
SNSには、施術中の様子や、店内の写真、スタッフの紹介を投稿するのが一般的です。雰囲気は伝わりますし、スタッフの人柄に惹かれて予約してくれる人もいます。
ただ、お客様が契約の前に一番知りたい、お金の払い方や解約の仕組みは、写真には写りません。投稿の数をいくら増やしても、前払いへの不安には答えられません。
投稿の最後に、支払い方法や解約の説明を書いたページへの案内を添えるだけで、同じ投稿が不安に答える入口に変わります。
| 手段 | 増えるもの | 増えないもの | 先に整えるもの |
|---|---|---|---|
| 地図検索の広告 | ホームページを見る人 | カウンセリングの予約 | 支払い方法と総額の説明 |
| SNSの広告 | サロンを知る人 | 契約までたどり着く人 | 解約とお金の扱いの説明 |
| 施術の写真の投稿 | 雰囲気の伝わり方 | お金の安心 | 投稿から飛んだ先のページ |
| 口コミの依頼 | 口コミの件数 | 契約の不安への答え | 不安とその後が書かれた声 |
広告費を増やす前に、今月ホームページを見に来た人のうち、何人がカウンセリングを予約したかを数えてみてください。見に来た人の数に比べて予約が少ないなら、足りないのは人の数より、ホームページの中の答えのほうです。
広告も投稿も、人をホームページに連れてくる手段です。連れてきた人が安心して予約できる状態をつくるのが先で、人を連れてくるのはその後です。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここまで見てきた問題には、共通する原因があります。ホームページが、サロンの側から語られていることです。
価格の安さ、最新の機械、痛みの少なさ、店内の雰囲気。どれもサロンが伝えたいことで、お客様が契約の前に確かめたいこととは順番が違います。
私たちは、この順番を入れ替えることを「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。主役の座を、サロンからお客様へ譲るということです。
サロンは、前払いへの不安を抱えたまま脱毛を始めたいと思っているお客様の、道案内をする立場に回ります。
主役を、不安を抱えたお客様の側に置く
主役を入れ替えると、ホームページの最初の画面に置くものが変わります。これまで「痛みの少ない最新の脱毛機で、つるつるの肌に」と書いていた場所に、「1回ずつのお支払いで始められます。
まとめてのご契約をお勧めすることはありません」と書く。機械の説明や施術の写真は消さずに、その下に置き直します。
お客様がホームページを開いて最初に知りたいのは、このサロンにお金を預けて大丈夫かどうかです。大丈夫だと思える材料を先に渡し、そのうえで施術の良さを見せれば、機械の説明や写真は「ここなら安心して通える」という期待として受け取られます。
サロンは道案内に回る
道案内に回るというのは、お客様が迷わずに済むよう、サロンの側が先回りして道筋を示すことです。どう払えばよいのか、何回くらい通うことになるのか、途中でやめたくなったらどうなるのか、肌に異常が出たらどうするのか。
こうした道筋を、契約の前に差し出します。
「うちのサロンを選んでください」と訴えるより、「どのサロンと契約するにしても、ここを確かめてください」と伝えるほうが、警戒しているお客様は耳を傾けてくれます。
確かめる項目を示したサロンが、その項目に一番誠実に答えているなら、選ばれるのは自然な流れです。売り込まなくても、確かめた結果として選ばれる。
それが謙虚なサイトの考え方です。
最初の画面の書き出しを比べてみる
主役を入れ替えるとはどういうことか、ホームページの最初の画面の書き出しで比べてみます。
入れ替える前の書き出しは、たとえば次のようなものです。「最新の脱毛機で、痛みの少ない全身脱毛。
今なら初回限定の特別価格。通い放題のコースもご用意しています」。
サロンの魅力は伝わりますが、前払いへの不安には一言も触れていません。
入れ替えたあとの書き出しは、次のようになります。「1回ずつのお支払いで始められます。
カウンセリングでその日のご契約をお願いすることはありません。途中でやめる場合の精算の方法も、ご契約の前にこのページでご確認いただけます。
痛みを抑えた施術で、同じスタッフが最後まで担当します」。
後者の書き出しにも、サロンの魅力は入っています。違うのは順番です。
不安への答えが先にあると、そのあとに続く痛みの少なさや担当の安心が、通い続けられる理由として読まれます。
契約の前に答えておく5つのこと
では、具体的に何をホームページに書けばよいのか。国民生活センターの資料に並んでいた相談の中身と、Q&Aサイトの声をもとに、答えておきたい項目を5つに絞りました。
1. 支払い方法と、前払いの扱い
1回ずつ払う都度払いを選べるかどうかを、最初の画面で分かるように書きます。都度払いができる場合は、それを一番の売りとして打ち出して構いません。
国民生活センターの資料が、都度払いを選べる売り方であれば前払金の返金トラブルは生じないと書いていたことを思い出してください。
回数をまとめたコースも用意している場合は、前払いのお金をどう扱っているかを書きます。前受金を保全する措置を取っているかどうかは、特定商取引法に基づく契約書面に記載することになっています。
措置を取っている場合はそのことを、取っていない場合は、まとめての契約の回数を短く区切っていることなど、お客様のお金を守るための工夫を正直に書きます。
まとめての契約を残したい場合は、Q&Aサイトの回答者が勧めていた「3回程度の更新制」が参考になります。たとえば、最初は3回分だけを契約してもらい、3回通って効果と通いやすさに納得できたら、次の3回を契約する。
こうすれば、お客様が一度に前払いする金額は小さく抑えられ、サロンの側も、3回ごとに次の契約をいただける関係を保てます。更新のたびに、肌と毛の変化を一緒に確かめる時間を取れば、お客様は自分の脱毛がどこまで進んだかを実感でき、次の3回にも前向きになれます。
2. 総額と、通う回数と期間の目安
部位ごとに、何回くらい通うと満足する人が多いか、1回ごとの間隔はどれくらいか、全体でどれくらいの期間がかかるか。通う回数と期間の目安を書きます。
料金は、初回の価格だけでなく、目安の回数を通った場合の総額が分かるようにします。
総額が見えないことこそが、お客様がカウンセリングで持ち帰って考えますと言う一番の理由です。先に総額を見て納得したお客様は、カウンセリングの場で迷いません。
3. カウンセリングで勧誘しないという約束
カウンセリングで何をするのかを、順番に書きます。肌の状態と毛の状態を確かめる、希望の部位と通い方を伺う、料金と回数の目安を説明する、その日の契約は求めない。
とくに最後の約束は、はっきり書いておきます。
図のように、カウンセリングから施術、そして次の予約までの各段階で、サロンが何を約束するかを並べておくと、お客様は予約の前に安心できます。勧誘を警戒しているお客様ほど、この約束を見てカウンセリングの予約を決めます。
4. 途中でやめたくなったときの扱い
コースを途中でやめる場合の精算の方法と、手続きの流れを書きます。特定商取引法では、一定の期間と金額を超えるエステの契約について、クーリングオフや中途解約のルールが定められています。
その内容を、お客様に分かる言葉で短く説明しておきます。
やめられる安心があるから、お客様は始める決断ができます。国民生活センターの資料で最も多かった相談が解約だったことを考えれば、ここに先に答えておくサロンが選ばれるのは自然なことです。
5. 肌に異常が出たときの対応
施術のあとに赤みやかゆみが出たとき、どう連絡すればよいか、サロンはどう対応するか、必要なときは医療機関を案内するか。もしものときの対応を書きます。
提携している医療機関がある場合は、そのことも書いておきます。
脱毛サロンは医療行為をしないぶん、肌に異常が出たときにどうしてくれるのかを、お客様は気にしています。対応の流れが書いてあるサロンは、施術の安全にも気を配っているサロンとして受け取られます。
施術の前に、日焼けや飲んでいる薬、肌の持病について確かめる理由も一緒に書いておくと、カウンセリングでの質問が多いことにも納得してもらえます。
| 答えておく項目 | 置く場所 | お客様の変化 |
|---|---|---|
| 支払い方法と前払いの扱い | 最初の画面 | お金を預けても大丈夫だと思える |
| 総額と回数と期間の目安 | 料金のページの冒頭 | 持ち帰って考える理由がなくなる |
| 勧誘しないという約束 | カウンセリング予約ボタンの上 | 身構えずに予約できる |
| 途中でやめるときの扱い | よくある質問の中 | やめられる安心で始められる |
| 肌に異常が出たときの対応 | 施術の説明のすぐ下 | 安全に気を配るサロンだと分かる |
カウンセリングでも、ホームページと同じことを言う
ホームページで不安に答えられるようになったら、カウンセリングの場でも同じことを同じ言葉で伝えます。ホームページとカウンセリングで言っていることが違うと、お客様は一気に警戒します。
ホームページを見せながら説明する
カウンセリングでは、ホームページの料金や支払い方法のページを、お客様と一緒に見ながら説明します。「ホームページに書いてある通り、1回ずつのお支払いもできます」と伝えれば、お客様は、書いてあることがその通りだと確かめられます。
書いてあることと言われることが一致するたびに、お客様の安心は積み重なります。
持ち帰ったお客様への連絡は、1度だけにする
その日の契約を求めないと約束した以上、持ち帰って考えたいお客様には、そのまま帰ってもらいます。そのうえで、翌日か翌々日に1度だけ、お礼と、カウンセリングで確かめた肌の状態と、質問があればいつでも受け付けることを伝えます。
何度も連絡すると、約束を破って勧誘しているように受け取られます。
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| カウンセリングの冒頭 | 今日は契約を求めないと伝える | いきなり料金の説明を始める |
| 料金の説明 | ホームページの料金を一緒に見る | ホームページにない特別価格を出す |
| 支払い方法の説明 | 都度払いとまとめ払いの違いを伝える | まとめ払いだけを強く勧める |
| 持ち帰りを希望されたとき | そのまま帰ってもらう | 今日だけの特典で引き止める |
| 翌日から翌々日 | お礼と肌の状態を1度だけ伝える | 何度も連絡して返事をせかす |
カウンセリングの場での振る舞いは、そのまま口コミになります。約束を守ったカウンセリングは、「勧誘されなかった」という口コミを生み、それが次のお客様の安心の材料になります。
医療脱毛との違いを、正直に書く
クリニックと比べられる今は、医療脱毛との違いをホームページで正直に書いておくことも、安心の材料になります。
違いを隠さず、選ぶ基準を渡す
脱毛サロンと医療脱毛の違いを、効果、痛み、回数、通い方、支払い方法といった項目で並べ、どんな人にどちらが向いているかを書きます。自分のサロンに向いていない人がいることも、隠さずに書いておきます。
| 比べる項目 | 脱毛サロン | 医療脱毛 | どんな人に向くか |
|---|---|---|---|
| 施術の担い手 | 医療資格を持たないスタッフ | 医師の管理のもとで行う | 医療機関の安心を重視する人はクリニック |
| 痛みと肌への負担 | 出力を抑えた施術 | 出力の高い施術 | 痛みが苦手な人はサロン |
| 通う回数 | 多めにかかる | 少なめで済むことが多い | 早く終えたい人はクリニック |
| 通い方 | 同じスタッフに気軽に通える | 予約の取り方は施設による | 自分のペースで通いたい人はサロン |
| 支払い方法 | 都度払いを選べるサロンもある | 施設による | 前払いが怖い人は都度払いのできるところ |
向いていない人を正直に書いたサロンは、比べる基準を渡してくれたサロンとして信頼され、向いている人が安心して選んでくれます。合わない人が契約せずに済むことは、解約のトラブルを防ぐことにもつながります。
誇張しない言葉を選ぶ
医療脱毛と比べられる場面でも、「永久に生えてこない」「クリニックと同じ効果」といった言葉は使わないでください。前払いへの不安を抱えたお客様は、誇張の気配に敏感です。
「回数を重ねると、毛が細く少なくなっていく方が多いです」のように、事実だけを書く言葉のほうが、かえって信頼されます。
最後まで通ってもらうために
脱毛サロンの集客というと、新しいお客様を増やすことに目が向きがちです。けれども、サロンの経営を安定させるのは、契約したお客様が最後まで通ってくれることと、満足したお客様が別の部位や知人を紹介してくれることです。
通う途中の不安にも、先回りして答える
契約したお客様も、通っている途中でさまざまな不安を抱えます。効果が出ているのか分からない。
予約が取りにくい。担当のスタッフが変わった。
ニュースで別のサロンの倒産を見て、このサロンは大丈夫かと心配になる。こうした不安を放っておくと、お客様は通う足が遠のき、やがて来なくなります。
通う途中の不安には、施術のたびの小さな声かけで答えられます。とくに、ほかのサロンの倒産がニュースになった直後は、通っているお客様の不安が一気に高まる時期です。
そのときに、サロンの側から先に「当サロンのお支払いとお金の扱いは、これまで通りです」と一言伝えておくと、お客様は余計な心配をせずに済みます。
不安を口にされる前に伝えることが、信頼を保つこつです。前回からの毛の変化を一緒に確かめる、次に来るまでの肌の手入れを伝える、次の予約の取り方を案内する。
サロンの運営について不安を口にされたら、支払い方法やお金の扱いをもう一度説明する。先回りして声をかけるサロンに、お客様は最後まで通ってくれます。
スタッフが変わっても、同じ説明ができるようにする
複数のスタッフがいるサロンでは、誰がカウンセリングを担当しても、同じ説明ができるようにしておくことが大切です。ホームページに書いた支払い方法、総額の目安、途中でやめる扱い、肌に異常が出たときの対応を、スタッフ全員が同じ言葉で説明できるか。
新しく入ったスタッフにも、ホームページの該当のページを読んでもらうところから教えます。
ホームページは、お客様への約束であると同時に、スタッフの説明のよりどころにもなります。書いてあることを全員が守れば、スタッフが変わってもお客様の安心は揺らぎません。
満足したお客様の声を、迷っているお客様に届ける
最後まで通ったお客様が満足してくれたら、ご本人の許可をもらって、その声を迷っているお客様に届けます。載せるときは、「つるつるになりました」という感想より、「前払いが怖かったが、都度払いで自分のペースで通えた」という形の声を選びます。
| お客様の声の書き方 | 読んだ人の受け取り方 | 不安への効き目 |
|---|---|---|
| つるつるになりました | どのサロンも同じことを書いている | 小さい |
| スタッフが優しかったです | 雰囲気は分かるが、決め手にならない | 小さい |
| 倒産が怖かったが、都度払いで始められて安心だった | 前払いしなくてよいと分かる | 大きい |
| 勧誘されるのが怖かったが、カウンセリングで契約を迫られなかった | 身構えずに行けると分かる | 大きい |
| 引っ越しで途中でやめたが、残りの分をきちんと精算してもらえた | やめるときも安心だと分かる | 大きい |
お客様の声は、必ずご本人の許可を取り、名前を出すかどうかも確かめてから載せてください。効果について書かれた声を載せるときは、個人の感想であることが分かるようにし、誇張につながる表現は避けます。
紹介は、不安が解けたお客様から生まれる
脱毛サロンの紹介は、効果に満足したお客様からだけ生まれるわけではありません。前払いが怖かった、勧誘が怖かった、という不安を抱えて来て、その不安が解けたお客様は、同じ不安を持つ友人や家族に、自分の体験を話してくれます。
「あそこは1回ずつ払えるし、しつこく勧められなかった」という一言は、どんな広告より強い後押しになります。
紹介の特典を大きくする前に、不安が解けたお客様が紹介したくなる材料を、ホームページに置いておきます。紹介された人が最初に開くのは、たいていサロンのホームページです。
そこに、紹介してくれたお客様が話していた通りのことが書いてあれば、紹介された人は安心してカウンセリングを予約できます。
よくある質問
Q. 都度払いにすると、売上が不安定になりませんか
まとめての契約に比べると、先に入るお金は減ります。一方で、都度払いを選べることを打ち出したサロンには、前払いを怖がっていたお客様が集まります。
最初のカウンセリングまでたどり着くお客様が増え、通い続けるお客様が増えれば、売上は少しずつ積み上がります。まとめての契約と都度払いの両方を用意し、お客様に選んでもらう形から始めるのも1つの方法です。
Q. 総額を載せると、高く見えて予約が減りませんか
総額を載せないでいると、お客様はカウンセリングで初めて総額を知り、持ち帰って考えますと言って帰っていきます。先に総額を見せておけば、納得したお客様だけがカウンセリングに来るので、契約に進む割合は上がります。
総額と一緒に、回数と期間の目安を書いておくと、金額の意味も伝わります。
Q. 勧誘しないと書くと、契約が取れなくなりませんか
勧誘しないと約束することと、料金や回数を丁寧に説明することは、両立します。その日の契約を求めないと約束したうえで、お客様が知りたいことに丁寧に答えれば、持ち帰ったお客様も安心して戻ってきてくれます。
勧誘を警戒してカウンセリングの予約をためらっていたお客様が、予約してくれるようになります。
Q. 大手のチェーンと比べられたとき、小さなサロンは何で選ばれますか
同じスタッフが担当し、肌の状態を覚えていてくれること。都度払いや短い更新制など、お客様のペースに合わせた通い方を選べること。
オーナーの顔が見え、困ったときにすぐに相談できること。こうした点は、大手のチェーンより小さなサロンのほうが打ち出しやすい強みです。
ホームページで、この強みを具体的に書いてください。
Q. 医療脱毛に移ろうとしているお客様には、どう伝えればよいですか
医療脱毛との違いを正直に伝え、お客様自身に選んでもらうのが一番です。医療脱毛のほうが向いている人には、そのことを伝えて構いません。
無理に引き止めなかったサロンは、別の部位の脱毛や肌の手入れで、また相談してもらえることがあります。
今日できる点検
自分のサロンのホームページを開いて、次の項目を確かめてください。当てはまらない項目が見つかったら、そこが最初に直す場所です。
| 点検する項目 | 確かめ方 | 当てはまらないときに直すこと |
|---|---|---|
| 支払い方法が最初の画面で分かるか | トップを開いて最初の画面を見る | 都度払いの可否と前払いの扱いを書く |
| 総額と回数の目安が書いてあるか | 料金のページを読む | 目安の回数を通った場合の総額を書く |
| 勧誘しないと約束しているか | カウンセリングの説明を読む | その日の契約は求めないと明記する |
| 途中でやめるときの扱いが書いてあるか | よくある質問を読む | 精算の方法と手続きの流れを書く |
| 肌に異常が出たときの対応が書いてあるか | 施術の説明を読む | 連絡の方法と対応の流れを書く |
| 誇張した言葉がないか | 「永久」「必ず」「同じ効果」を探す | 事実だけを書く言葉に置き換える |
6つの項目のうち、1つでも直せば、お客様の不安は1つ減ります。全部を一度に直す必要はありません。
まずは最初の画面の支払い方法の一文からでも、効き目は出始めます。カウンセリングで一番よく聞かれることから、1つずつ書き足していってください。
まとめ
国民生活センターの資料では、2022年度に脱毛エステに関する相談が19,125件寄せられ、そのうち倒産に関する相談は6,786件でした。
前払いしたお金が戻ってこないという話は、脱毛を始めようとしている人の多くが知っています。契約が取れない理由は、施術の腕とは別のところにあります。
お客様が契約の前に抱えている前払いへの不安に、ホームページが答えられていないことです。
価格を下げる、回数を増やしてお得に見せる、カウンセリングで強く勧める、広告を増やす。どれも、不安に答えるという土台がないままでは、かえって疑いを招きます。
先に、支払い方法と前払いの扱い、総額と回数の目安、勧誘しないという約束、途中でやめるときの扱い、肌に異常が出たときの対応を、ホームページに書いてください。
主役をサロンの側から、不安を抱えたお客様の側へ移す。サロンは道案内に回り、お客様が確かめたいことに先に答える。
そうして選ばれたお客様は、自分のペースで最後まで通い、満足したことを周りにも伝えてくれます。カウンセリングで一番よく聞かれることを1つ選び、その答えを今日、ホームページに書き足すところから始めてみてください。
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