「ホワイトペーパーを作れば問い合わせが増えると聞いたが、何をどこまで作ればいいのか分からない」。
BtoB(企業向け取引)の中小企業の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
ホワイトペーパーとは、見込み客の役に立つ情報をまとめた資料のことです。PDFが一般的で、日本では「お役立ち資料」とも呼ばれます。
Webサイトで無料配布する代わりに、会社名やメールアドレスをフォームに入力してもらいます。こうして得た見込み客の情報を、リードと呼びます。
ただ、資料を作って置いておくだけでは、商談にはつながりません。
テーマ選び、資料の中身、ダウンロードページ、法律に沿った同意の取り方、ダウンロード後のフォロー、効果測定までを、一つの流れとして設計する必要があります。
この記事は、専任のマーケティング担当がいない会社でもそのまま進められるように、手順とテンプレートとチェックリストをまとめた手引きです。
法令やGoogleの仕様に関わる部分は、2026年10月17日に公式ページを開いて確かめました。制度や画面は変わることがあるため、使う前に最新の公式情報を見てください。
先に結論 成果は作る前と配った後の6工程で決まる
最初に、全体の流れを表にまとめます。
| 工程 | やること | 迷ったときの基準 |
|---|---|---|
| 1 テーマ決め | 営業現場の「よく聞かれる質問」から選ぶ | 自社サービスとの距離が近いか |
| 2 資料づくり | 10〜20ページで、そのまま使える形にする | 自社紹介は全体の1割程度 |
| 3 公開とフォーム | 利用目的を送信前に見せる | 項目は必要最小限から始める |
| 4 メール配信の同意 | 事前の同意を取り、記録を残す | 何に同意するか明確に書く |
| 5 フォロー | お礼メールと、営業への引き渡し基準を決める | 全員に電話はしない |
| 6 計測 | GA4でフォーム送信を数える | ダウンロード数だけで判断しない |
資料そのものの出来は、6工程のうちの1つです。
残りの5つを決めておかないと、せっかく作った資料が営業の成果に結びつきません。
この記事の範囲
この記事が扱うのは、BtoBの中小企業が、自社サイトでホワイトペーパーを無料配布する場合です。
テーマの決め方、構成の型、著作権と出典の注意、個人情報とメール配信の法令、フォロー、GA4の計測まで、一通りを扱います。
扱わないこと
次の内容は、この記事では扱いません。
- 広告配信の設定や、運用の細かな調整
- 資料のデザイン制作の技術的な手順
- MA(マーケティング オートメーション)ツールの製品比較
法律の解説は、実務で迷いやすい点を公式資料で確かめてまとめたものです。個別の事案の法的な判断は、専門家に相談してください。
ホワイトペーパーで何が得られるのか
今すぐ客以外の見込み客と接点を持てる
BtoBの商材は、検討を始めてから発注まで数か月かかることが珍しくありません。
「問い合わせ」や「見積もり依頼」は、すでに比較検討の終盤にいる人しか使いません。
ホワイトペーパーは、その手前で情報を集めている段階の人と接点をつくる手段です。
問い合わせほど心理的な負担がないため、まだ営業と話したくない人からも、連絡先をいただける可能性があります。
営業資料や展示会の配布物として再利用できる
一度作った資料は、商談前の事前送付、展示会での配布、既存のお客様への情報提供にも使い回せます。
少ない工数で複数の場面に使える点は、人手の限られた中小企業にとって大きな利点です。
期待しすぎないことも大切
ダウンロードした人の多くは、すぐに発注する人ではありません。
後半で説明するフォローと、営業への引き渡し基準まで含めて設計してください。
数が増えることと、商談が増えることは、別の話です。
資料の種類と向き不向き
ホワイトペーパーにはいくつかの型があります。自社の状況と、狙う見込み客の検討段階に合わせて選びます。
| 種類 | 内容の例 | 向いている検討段階 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ノウハウ集 | 「◯◯業務の効率化 7つの手順」 | 情報収集の初期 | 一般論だけだと他社資料と差がつかない |
| チェックリスト | 「◯◯導入前に確認すべき20項目」 | 情報収集から比較検討 | 短くなりがち。使い方の解説を添える |
| 比較表 | 「◯◯の選び方と方式別比較」 | 比較検討 | 他社名を出す比較は根拠が必要 |
| 事例集 | 「◯◯業界の導入事例3選」 | 比較検討から決定直前 | 顧客の掲載許諾が必須 |
| 調査レポート | 「◯◯に関する実態調査」 | 全段階(話題づくり) | 調査方法と出典の明記が必須。工数が大きい |
最初の1本はチェックリストかノウハウ集
社内の知識だけで作れて、顧客の許諾も調査の手間も要らないため、最初の1本にはこの2つが取り組みやすいです。
営業担当が商談でいつも説明している内容を整理するだけでも、十分に役立つ資料になります。
事例集は商談に結びつきやすい一方で、お客様から社名と内容の掲載許諾を得る手間がかかります。
調査レポートは、独自のアンケートを行う場合、設問の設計と集計に工数がかかります。2本目以降の候補にするのが現実的です。
テーマの決め方
手順1 営業担当によく聞かれる質問を集める
テーマ選びの材料は、すでに社内にあります。営業担当や問い合わせの窓口に、次の質問をしてみてください。
| 聞くこと | 引き出せるもの |
|---|---|
| 初回の商談で必ず聞かれる質問は何か | 検討の入り口で知りたいこと |
| 失注した理由として多いものは何か | 資料で先回りして答えるべき点 |
| 「もっと早く知っていれば」と言われたことは何か | 検討の早い段階で届けたい情報 |
| 他社と比べられるとき、どんな観点で比べられるか | 比較表やチェックリストの項目 |
手順2 テーマ候補を3つの観点で絞る
集めた候補を、次の3つの観点で、〇△×をつけて絞ります。
| 観点 | 確かめること |
|---|---|
| 自社サービスとの距離 | 資料を読んだ人が、自然に自社の商談につながるか |
| 自社の強み | 他社が書けない具体的な経験や数字を盛り込めるか |
| 探されているか | 見込み客が実際に悩んでいるテーマか。問い合わせの内容や検索キーワードで確かめる |
自社サービスとまったく関係のない一般的なビジネス知識の資料は、ダウンロード数が増えても、商談にはつながりにくくなります。
逆に、自社サービスの宣伝ばかりの資料は、営業資料と受け取られて読まれにくくなります。
手順3 タイトルは「誰の・何の悩みを・どう解決するか」
タイトルは、次の形を基本にすると、内容が伝わりやすくなります。
- 「(誰)向け (悩み)を解決する(手段・型)」
- 例:「総務担当者向け 社内文書の電子化で失敗しないための確認リスト20項目」
「完全版」「誰でも必ず成功」のような言い回しは、中身との落差が生まれやすく、信頼を損ないます。
後述する表示の注意の観点からも、避けてください。
構成テンプレート 10〜20ページの資料
以下は、ノウハウ集やチェックリスト型を想定した、15ページ前後の構成例です。ページ数は目安で、内容に合わせて増減してください。
| ページ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 表紙 | タイトル、対象読者、会社名、発行年月 |
| 2 | はじめに この資料で分かること | 3〜5項目の箇条書き。読む価値を最初に伝える |
| 3 | 目次 | 見出しだけで内容が分かるようにする |
| 4〜5 | 現状と課題 | 読者が「自分のことだ」と感じる状況を描く。公的統計は出典付きで使う |
| 6〜7 | 課題の原因 | なぜその問題が起きるのかを分解して説明する |
| 8〜11 | 解決の手順とチェックリスト本体 | 資料の中心。図表を使い、そのまま使える形にする |
| 12 | よくある失敗と対策 | 自社の経験に基づく具体例 |
| 13 | 事例(任意) | 許諾を得たものか、匿名化したもの |
| 14 | 自社の支援内容 | 1ページ程度に抑える |
| 15 | 次の一歩と問い合わせ先 | 無料相談の案内、担当者の連絡先、関連資料 |
| 裏表紙 | 会社情報、出典一覧、注意書き | 出典、免責、無断転載に関する記載 |
作るときのコツ
構成を決めたら、次の4点を守って書き進めます。
- 1ページに1つのメッセージ:見出しだけ読んでも内容が分かるようにします。
- 自社紹介は全体の1割程度:残りは、読者の役に立つ情報に使います。
- 行動を促すページを必ず入れる:最後に「無料相談」「個別診断」など、次の一歩を具体的に示します。
- ファイル名と発行年月を明記:情報が古くなったとき、更新しやすくなります。
書き終えたら社外の目で読んでもらう
自分で書いた資料は、社内の言葉づかいに慣れすぎています。
取引先ではない知人や、入社間もない社員に1度読んでもらってください。専門用語でつまずく箇所が見つかります。
作成時の注意 著作権・統計の出典・表示
他人の文章や図表は「引用」の要件を守る
他社のWeb記事や書籍の図表をそのまま貼り付けるのは、原則として著作権者の許諾が必要です。
許諾なしで使えるのは、著作権法上の「引用」の要件を満たす場合です。文化庁の著作権事務担当者講習会の資料(令和6年度)には、次の条件が示されています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 公表された著作物 | 未公表の著作物は引用できない |
| 公正な慣行に合致 | 引用の必然性があり、引用部分が明確に区別されている |
| 正当な範囲内 | 自分の著作物が主、引用が従という関係で、分量は必要最小限 |
| 出所の明示 | 題名や著作者名などを示す |
同じ資料には、近年の判例では、これらの基準によらず、引用の目的や方法、著作権者への影響を総合的に考えて判断するものもあると書かれています。
「資料の大半が他社の図表の寄せ集め」という作り方は、主従の関係の点で問題になりやすいので避けてください。
図表は、元データを確かめたうえで、自社で作り直すのが基本です。判断に迷うときは、専門家に相談してください。
統計データは公的統計を使い、出典を正しく書く
「現状と課題」のページで市場の数字を示したいときは、出どころがはっきりしている公的統計が便利です。
政府統計の総合窓口「e-Stat」では、各府省の統計をまとめて探せます。
e-Statの利用ルールは、次のように定めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出典の記載 | コンテンツを利用するときは出典を記載する |
| 商用利用 | 規約の条件に従えば可能 |
| 編集・加工した場合 | 出典とは別に、編集・加工したことを記載する |
| 数値データ、簡単な表・グラフ | 著作権の対象ではないため、規約の適用はなく自由に利用できる |
| 第三者が権利を持つコンテンツ | 利用者の責任で確認する |
出典の書き方は、規約に次の例が示されています。
- そのまま使うとき:「出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)」に、サイトのURLを添える。または「出典:『◯◯調査結果』(A省)」
- 加工したとき:上の出典とは別に、「『◯◯調査結果』(A省)を加工して作成」または「『◯◯調査結果』(A省)を基に◯◯株式会社作成」と書く
加工した情報を、国が作ったように見せてはいけません。
実務では、調査名と府省名に加えて、調査年や表の名称まで書いておくと、読者が元データをたどれます。
規約は改定されることがあります。使う前に、最新の利用ルールを確かめてください。
効果や実績の表示は「根拠がある範囲」で
資料に書く数字や成果には、根拠が要ります。
景品表示法は、一般消費者の利益を守る法律です。実際より著しく優良だと見せる表示(優良誤認)と、取引条件を著しく有利だと見せる表示(有利誤認)を禁止しています。
効果や性能をうたう表示では、事業者が合理的な根拠を示す資料を出せないと、優良誤認表示とみなされる仕組み(不実証広告規制)があります。
消費者庁の資料(平成26年11月)には、事業者間の取引(BtoB)には独占禁止法を、消費者向けの取引(BtoC)には景品表示法を適用するという整理が示されています。
この整理に従えば、企業だけを相手にする資料は、独占禁止法の側で扱われるのが基本です。
一般の消費者も申し込める商材や、消費者向けの広告に同じ表現を使う場合は、BtoCの取引になります。景品表示法の対象になり得ます。
BtoBだけの資料でも、根拠のない誇張は信頼を損ないます。
資料では、次の3点を守ってください。
| 守ること | 具体例 |
|---|---|
| 数字には条件を併記する | 「業界No.1」「◯%削減」は、調査方法・期間・対象を書けるものだけ使う |
| 事例の成果は個別の結果と明記する | 「その顧客の場合の結果です」と添える |
| 比較表は条件と時点を書く | 事実に基づいて作り、他社の悪口にならない書き方にする |
ダウンロードページとフォームの設計
ダウンロードページに入れる要素
ホワイトペーパー専用のダウンロードページ(LP)には、次の要素を入れます。LPは、広告や検索から最初に到着するページのことです。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 資料タイトル | どんな人向けかの一文を添える |
| この資料で分かること | 3〜5項目の箇条書き |
| サムネイル画像 | 表紙と、中面の数ページ |
| ページ数・形式 | 例:15ページ、PDF |
| 入力フォーム | 項目は後述の方針で絞る |
| 個人情報の取り扱い | 利用目的と、メール配信の同意欄 |
| 会社概要へのリンク | どんな会社が出している資料かを示す |
フォーム項目は必要最小限から始める
項目が多いほど、入力の負担は増えます。一方で、少なすぎると営業がフォローしにくくなります。
次のように分けて考えると、整理しやすくなります。
| 区分 | 項目の例 |
|---|---|
| 必須 | 会社名、氏名、メールアドレス |
| あると便利(必須にするか検討) | 部署・役職、電話番号、従業員規模 |
| 任意 | 検討状況、相談したいこと |
「検討状況」は、後で説明する営業への引き渡し判断に役立ちます。
選択式にすると、入力の負担を抑えられます。選択肢の例は、情報収集中、比較検討中、導入時期が決まっている、の3つです。
個人情報の利用目的とメール配信の同意
ここは法律に関わる部分なので、特に丁寧に設計してください。
利用目的は「具体的に」「送信前に目に入る場所に」
個人情報保護法では、個人情報を取り扱うとき、利用目的をできる限り特定することが求められます。
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、具体的に特定していない例として、「事業活動に用いるため」と「マーケティング活動に用いるため」を挙げています。
具体的に特定している例として、「商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用します」といった書き方が示されています。
また、Webの入力画面で本人から直接取得する場合は、原則として利用目的の明示が必要です。
同じガイドラインは、本人が送信ボタンをクリックする前に利用目的が目に留まる配置にすることが望ましいとしています。利用目的を示した画面へ1回程度の操作で移れるリンクやボタンでもよい、とされています。
個人情報保護委員会のQ&Aには、申込みで得たメールアドレスを申込内容の確認などに使う場合は、利用目的が明らかだと書かれています。
ただし、新たなサービスの案内などに使うことは、自明の利用目的に当たらない場合があるので、注意が必要とされています。
ホワイトペーパーのフォームでは、資料の送付以外の使い道を、きちんと書いておくことが大切です。
利用目的の記載例
次の例は、自社の実態に合わせて直してから使ってください。
ご入力いただいた個人情報は、以下の目的で利用します。
1. 資料のダウンロード用URLのご案内
2. 当社のサービス、セミナー、新しい資料に関する情報のご案内(メール・お電話)
3. お問い合わせへの回答とご相談への対応
4. 個人を特定しない形での統計的な分析詳しくは「個人情報保護方針」をご覧ください。
広告宣伝メールはオプトイン(事前の同意)が原則
ダウンロード後にお知らせメールやメールマガジンを送るなら、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)への対応が必要です。
この法律の「特定電子メール」は、営利を目的とする団体や、営業を営む個人が、営業の広告や宣伝のために送るメールを指します。
送る相手が企業の担当者でも、自社サービスの案内メールは対象になると考えて準備してください。
消費者庁のページで確かめたところ、現行のガイドラインは「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」の平成23年8月版です。総務省と消費者庁の連名で出されています。
原則は、あらかじめ同意した相手にだけ、広告宣伝メールを送れるというルールです。
例外として、取引関係にある相手や、名刺などの書面でメールアドレスを通知してくれた相手などが示されています。ダウンロードしただけの相手は、この例外に当たるとは限らないので、同意を取る前提で設計するのが安全です。
同意の記録は保存する
同意を得た証拠を残しておく義務があります。
| 項目 | ガイドラインの内容 |
|---|---|
| 保存する内容 | 同意を取った時期や方法を示す記録。または、メールアドレスを区別できる記録に加えて、同意を取ったときの画面構成など |
| 保存期間 | その記録に係るメールを送信しないことになった日から1か月間を経過する日まで |
| 命令を受けた場合 | 措置命令を受けると、最後に送信した日がいつかによって、1年間の保存が必要になる場合がある |
実務では、フォームの文言と画面を、日付つきで保存しておくと対応しやすくなります。
表示義務を守る
特定電子メールには、送信者に関する情報などの表示が義務づけられています。
| 表示する事項 | 表示の場所 |
|---|---|
| 送信者の氏名または名称、受信拒否の連絡先(メールアドレスかURL) | 受信者が容易に認識できる任意の場所 |
| 受信拒否ができる旨 | 受信拒否の連絡先の前後 |
| 送信者の住所、苦情や問い合わせの受付先(電話番号、メールアドレス、URLのいずれか) | リンク先を含む任意の場所 |
ガイドラインによると、送信者の名称は、正式な氏名または名称でなければなりません。サイト名、サービス名、屋号、ブランド名だけでは、送信者名を表示したことになりません。
受信拒否の連絡を受けたら、以後は送ってはいけません。
同意チェックボックスの作り方
ガイドラインは、チェックが最初から入っている方式(デフォルトオン)と、入っていない方式(デフォルトオフ)の2つを整理しています。
同意の有無は、受信者が認識していたか、賛成の意思表示があったかで判断されます。デフォルトオンかオフかだけでは決まりません。
そのうえで、デフォルトオフのほうが受信者の意思がより明確に表れるため、可能ならデフォルトオフが推奨されています。
デフォルトオンにする場合は、チェックを外さなければ送信に同意したことになる旨を分かりやすく書くなどの工夫が推奨されています。
迷ったら、次の形が分かりやすく安全です。
□ 当社からのサービス、セミナー、新しい資料に関するお知らせメールの受け取りに同意する(いつでも配信停止できます)
このチェックを資料ダウンロードの必須条件にするかは、自社で判断が必要です。いずれにしても、何に同意するのかが読者に明確に分かる表示にしてください。
ガイドラインは改正されることがあります。公開前に、消費者庁か総務省のページで最新版を確かめてください。
ダウンロード後のフォロー
お礼メール(自動返信)
フォーム送信の直後に、次の内容を含むお礼メールを自動で送ります。
- 資料のダウンロードURL。メールで届けると、正しいアドレスかどうかの確認にもなります
- 資料の読みどころ。「特に◯ページのチェックリストがおすすめです」のように書きます
- 関連する資料やセミナーの案内
- 個別相談の受付方法
- 送信者の正式名称、住所、問い合わせ先、配信停止の方法(特定電子メールとして送る場合)
ステップメールの例
ステップメールとは、ダウンロードからの経過日数に応じて、用意したメールを順番に自動送信する仕組みです。
配信に同意を得た人にだけ送ります。
| 送信のタイミング | 内容 |
|---|---|
| 当日 | お礼メール(資料のURL、読みどころ) |
| 3日後 | 資料の補足。よくある質問への回答や、書ききれなかった実例 |
| 7日後 | 関連資料(事例集など)や、事例記事の紹介 |
| 14日後 | セミナーや無料相談の案内 |
| 30日後 | 「その後のご検討はいかがですか」と、短い質問形式の連絡 |
売り込みより「読んでよかった」と思える情報を中心にします。
配信停止が急に増えたら、頻度や内容を見直してください。
営業への引き渡し基準を決めておく
ダウンロードした人の全員に営業が電話すると、情報収集中の人に嫌がられ、営業の負担も増えます。
引き渡す基準を、あらかじめ社内で決めておきましょう。
| 基準の例(どれか1つ以上に当てはまったら営業に連絡) |
|---|
| フォームの検討状況で「導入時期が決まっている」か「比較検討中」を選んだ |
| 複数の資料をダウンロードした |
| 料金ページや導入事例のページを見た(計測できる場合) |
| セミナーに参加した、または個別相談を申し込んだ |
| 想定しているお客様像(業種・規模)に合っている |
引き渡した後は、営業が「連絡した」「商談になった」「見送り」の結果を記録します。
月に1回ほど、マーケティング側と振り返ると、基準を少しずつ改善できます。
GA4での計測
generate_lead を設定する
GA4(Googleアナリティクス4)には、Googleが名前とパラメータを決めた「推奨イベント」があります。
Googleのヘルプでは、見込み顧客の発掘向けの推奨イベントとして、generate_lead が挙げられています。オンラインでフォームを送信したときに送るイベントです。
BtoBの営業のように、コンバージョンがオフラインで起きる場合にも役立つと説明されています。
ホワイトペーパーのダウンロードフォームの送信は、このイベントに当てはまります。
設定の流れは、次のとおりです。
- フォーム送信後に、専用の完了ページ(例:/download/thanks-checklist/)を表示する
- GA4の管理画面で、そのページの表示をきっかけに generate_lead を作る(またはGoogle タグ マネージャーで送る)
- generate_lead をキーイベントにする
- テスト送信して、記録されることを確かめる
具体的な画面操作は、当社の別の記事で説明しています。GA4で問い合わせ完了を計測する設定手順をご覧ください。
パラメータで「どの資料か」を区別する
Googleの開発者向けリファレンスでは、generate_lead に次のパラメータが示されています。
| パラメータ | 内容 |
|---|---|
| value | イベントの金銭的な価値 |
| currency | value の通貨(3文字のISO 4217形式)。value を設定するときは必須 |
| lead_source | 見込み顧客のソース。例として「展示会」が挙げられている |
資料が複数あるときは、lead_source などで資料名を区別できるようにしておくと、どの資料がリード獲得に貢献したかを比べやすくなります。
その後の段階も計測できる
推奨イベントには、generate_lead のほかにも、見込み顧客の各段階を表すものがあります。
| イベント | 送るタイミング(ヘルプの説明) |
|---|---|
| generate_lead | オンラインでフォームを送信するか、オフラインで情報を送信したとき |
| qualify_lead | ユーザーが有望な見込み顧客の条件を満たすとき |
| disqualify_lead | なんらかの理由で、見込み顧客の条件を満たさないとき |
| working_lead | こちらから連絡した、またはお問い合わせを受けたユーザーであるとき |
| close_convert_lead | 見込み顧客がコンバージョンに至ったとき |
| close_unconvert_lead | なんらかの理由で、コンバージョンに至らなかったとき |
これらを送ると、GA4の「見込み顧客の獲得」レポートにデータが入ります。
レポートは、[レポート]の[集客]にあります。
指標は、それぞれのイベントを送ったユーザー数が元になります。
- 新規の見込み顧客:generate_lead
- 有望な見込み顧客:qualify_lead
- コンバージョンに至った見込み顧客:close_convert_lead
最初は generate_lead だけで十分です。営業への引き渡し基準が固まってから、qualify_lead の送信を検討してください。
効果の見方
見るべき数字
| 段階 | 指標 | 見方 |
|---|---|---|
| 集客 | ダウンロードページの閲覧数 | 資料の存在が知られているか |
| 獲得 | フォーム送信数 ÷ 閲覧数 | ページ内容やフォームの改善余地 |
| 質 | 想定顧客に合うリードの割合 | テーマや集客経路の妥当性 |
| 商談化 | 営業に引き渡した件数、商談になった件数 | 資料が商談につながっているか |
| 受注 | 受注件数、受注までの期間 | 最終的な成果 |
判断のコツ
- ダウンロード数だけで良し悪しを決めない:数が多くても商談につながらない資料もあれば、少数でも商談になる割合が高い資料もあります。
- 最低3か月は見る:BtoBは検討期間が長いため、ダウンロード直後の数字だけでは判断できません。
- 資料ごとに比べる:同じ条件で比べると、どのテーマが自社のお客様に響くかが見えてきます。
- 営業の声を聞く:「この資料を読んだ人は話が早い」といった現場の声は、数字に表れない大切な評価です。
改善の打ち手
| 状況 | 打ち手 |
|---|---|
| 閲覧数が少ない | ブログ記事、メールマガジン、展示会、SNSで資料を紹介する |
| 送信率が低い | 「分かること」を具体的にする。中面のサンプル画像を増やす。フォーム項目を減らす |
| 商談につながらない | 自社サービスに近いテーマへ変える。資料の最後の「次の一歩」と、ステップメールを見直す |
公開前チェックリスト
| 確認すること | 済 |
|---|---|
| テーマは営業現場の「よく聞かれる質問」から選んだ | □ |
| 自社紹介は全体の1割程度に抑えた | □ |
| 他人の文章や図表は、引用の要件を満たすか、自社で作り直した | □ |
| 統計データには調査名・府省名・年次の出典を書き、加工した場合はその旨を書いた | □ |
| 数字や成果の表示に根拠があり、条件を併記した | □ |
| 事例はお客様の掲載許諾を得ている | □ |
| フォームの近くに、具体的な利用目的を表示した | □ |
| メール配信の同意欄が、何に同意するのか分かる形になっている | □ |
| 同意の記録(日時、同意画面の内容)を保存できる | □ |
| お礼メールに、送信者の正式名称・住所・問い合わせ先・配信停止の方法を入れた | □ |
| GA4で generate_lead を計測し、テストで確かめた | □ |
| 営業への引き渡し基準を、社内で合意した | □ |
売れるサイトはみな謙虚 資料も足さずに絞る
ここまで、作る項目と整える項目を並べてきました。最後に、足さない考え方を紹介します。
「売れるサイトはみな謙虚」は、大きく見せる言葉や機能を足すより、訪れた人が迷う要素を引くほうが次の一歩につながる、という考え方です。
ホワイトペーパーにも、そのまま当てはまります。
1つの資料に、1つの悩みだけ
あれもこれもと詰め込んだ資料は、読み手がどこから読めばよいか迷います。
1つの資料で答える悩みは、1つに絞ります。他の悩みは、次の資料に回せば間に合います。
フォームの項目を足さない
営業が知りたい情報は、いくらでも思いつきます。
ただ、項目を1つ足すたびに、送ってくれる人は減ります。まず必須の3項目で始め、足りなければ後から足してください。
自社の話は、控えめに
自社の紹介は、全体の1割程度にとどめます。残りの9割を読み手の役に立つ情報に使った資料のほうが、あとで思い出してもらえます。
よくある質問
Q1. 最初は何ページくらいで作ればよいですか
10ページ前後のチェックリスト型から始めるのがおすすめです。
ページ数は目安です。短くても、読み手がそのまま使える内容なら十分です。
Q2. 資料はメールアドレスの入力なしで配ってもよいですか
配れます。入力の手間がない分、ダウンロードしてもらいやすくなります。
ただし、誰が読んだのか分からないため、フォローができません。目的がリードの獲得なら、入力をお願いする形にします。
Q3. 既存のお客様にメールで資料を送るときも、同意が必要ですか
取引関係にある相手への送信は、オプトインの例外の1つとして整理されています。
ただし、どこまでが取引関係に当たるかは、ガイドラインで個別に説明されています。判断に迷うときは、専門家に相談してください。
Q4. 古くなった資料はどうすればよいですか
発行年月を表紙に書いておき、年に1度は内容を見直します。
法令や公式の画面を扱う部分は、特に古くなりやすいので、公式ページで確かめ直してください。
まとめ
ホワイトペーパーは、まだ問い合わせをする段階にない見込み客と接点を持ち、時間をかけて商談につなげるための道具です。
成果を出すには、資料の出来だけでなく、次の流れ全体を設計することが大切です。
| 工程 | 要点 |
|---|---|
| テーマ | 営業現場の質問から、自社サービスに近いものを選ぶ |
| 資料 | 10〜20ページで、そのまま使える内容にする |
| 注意点 | 引用、統計の出典、表示の根拠に気を配る |
| 同意 | 利用目的を具体的に示し、メール配信は事前の同意を得る |
| フォロー | お礼メールとステップメールで続け、基準を決めて営業に引き渡す |
| 計測 | GA4の generate_lead で数え、商談につながったかで評価する |
最初から完璧を目指す必要はありません。
まずはチェックリスト型の資料を1本作り、3か月ほど運用して、数字と営業の声をもとに改善してください。
資料づくりや、その先のサイトの導線の見直しで迷うときは、初回60分のオンライン相談でお話しできます。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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