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  3. 造園の集客は頼む側の不安から逆算する 紹介頼みを抜けて個人宅の依頼を増やす順番

造園の集客は頼む側の不安から逆算する 紹介頼みを抜けて個人宅の依頼を増やす順番

2026 10/03
2026年10月3日
中野輝規
造園の集客は頼む側の不安から逆算する 紹介頼みを抜けて個人宅の依頼を増やす順番

腕には自信があるのに、自分の名前で入ってくる仕事が少ない。

元請けからの応援と、昔からのお客様の紹介で何とか回っているけれど、どちらも自分では増やせない。

この記事は、そうした悩みを抱える地域の小さな造園業と植木屋の経営者の方に向けて書いています。

狙いは、個人宅の庭の手入れや外構の依頼を、元請けや紹介を通さずに直接いただける割合を少しずつ増やすことです。

独立したばかりで、まだお客様がほとんどいないという方にも、そのまま当てはまる内容です。

造園の仕事には、ほかの業種にない難しさがあります。

頼む側は、職人の腕の良し悪しを、頼む前に見分ける手段をほとんど持っていません。

この記事では、その難しさがどこから来るのかを整理し、ページと受付と作業のあとに何を用意すればよいのかを順番に見ていきます。

読み終えたときに、自社のページか受付の流れで最初に直す場所が1つ決まっている。

そこをこの記事のゴールにしています。

目次

Q&Aサイトで見かけた、造園屋として独立する人の悩み

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。

0からお客様を集めるには、何から始めればいいのか

投稿者は、勤めている造園の会社から独立しようとしている方でした。

勤め先からの協力は望めない。

本当にお客様が1人もいないところから始めるなら、まず何をすればいいのか。

飛び込みの営業とインターネットでの集客のほかに、何があるのかを教えてほしい、という相談でした。

同じ方は少し前にも、独立したらまず集客のために何からやるべきかを尋ね、ホームページを作ったり、見積の仲介サイトに登録したりするつもりだと書いていました。

回答者たちが返したこと

いちばん支持を集めた回答は、同業の造園屋の方からのものでした。

その方は、まずやることはお客様を探すことではない、と書いていました。

仕事のない日が続けば、すぐに立ち行かなくなるからです。

最初は個人で動いている親方たちと仲良くなり、応援に入って年中の仕事を確保する。

そのうえで、自分のお客様を少しずつ増やしていけばよい、という順番でした。

インターネットについては、見積や現地調査はお金にならず、人を雇っていると赤字になる、という指摘もありました。

別の回答者は、お客様の立場から書いていました。

剪定の基本が分かっていない業者や、庭のことを知らない造園業者に当たったことがある。

そうなると、新しい造園業者には仕事を出さなくなる、という声です。

回答の中にあった、もう1つの道

短い回答の中には、自治体の入札に参加する資格を取るという道を挙げたものもありました。

街路樹の剪定のような公共の仕事は、1件ごとの量がまとまっていて、季節ごとに必ず発生します。

ただ、入札は価格で決まる仕事で、参加するための書類と実績も求められます。

元請けの応援と同じく、仕事の量を安定させる土台にはなっても、個人宅のお客様との縁を自分で育てる道とは別物です。

この記事では、そちらの道には深入りせず、個人宅の直接の依頼を増やす話に絞ります。

相談者が本当に困っていたこと

回答はどれも現場を知っている人の言葉で、役に立つものでした。

ただ、相談者の問いの芯には、まだ誰も答えていないように見えました。

相談者が知りたかったのは、知らない人の家の庭を任せてもらうまでに、何を越えればいいのかでした。

応援で食いつなぐ方法は分かった。

けれども、いつかは自分の名前で依頼をいただける状態にしたい。

そのために何を積み上げればいいのかは、回答のどこにも書かれていませんでした。

造園の集客で越えるべき壁は、知らない職人を家の敷地に入れるという頼む側の怖さです。

これは9割の造園業が陥る罠です

地域の小さな造園業の多くは、仕事の入り口が元請けと紹介の2本に偏っています。

この形は、腕の良い職人ほど長く続けられてしまうところに落とし穴があります。

元請けと紹介は、自分で蛇口をひねれない

元請けからの仕事は、相手の受注が減れば一緒に減ります。

紹介は、紹介してくださるお客様が庭を手放したり、施設に入られたりすると途切れます。

どちらも、自分の努力で量を増やすことができません。

忙しい年は断るほど入ってくるのに、静かな年は何をしても入ってこない。

この波を自分で均す手段がないまま、何年も過ぎていきます。

元請けの単価は、自分で決められない

元請けの応援は、仕事の量が安定するぶん、単価は相手が決めます。

個人宅の直接の依頼なら、どこまでやるか、どんな仕上がりにするかを、お客様と直接話して決められます。

同じ1日の作業でも、手元に残るものが変わります。

直接の依頼を増やしたいという気持ちは、単に仕事を増やしたいという話にとどまりません。

自分の仕事の値打ちを、自分で説明できるようになりたいという話です。

直接の依頼が増えると、仕事の組み方が変わる

個人宅の直接の依頼が増えると、変わるのは売上だけではありません。

どの月にどの家の手入れをするかを、自分で組めるようになります。

元請けの都合で急に予定が埋まったり空いたりすることが減り、家族との予定も立てやすくなります。

お客様の顔が見える仕事が増えるので、仕事の手応えも変わります。

「来年もお願いね」と言われる仕事が積み重なると、それがそのまま次の年の予定表になっていきます。

腕の良さは、頼む前の人には見えない

剪定の上手い下手は、切った直後よりも、翌年の芽吹きと数年後の樹の形に出ます。

庭を持つ人でも、それを見分けられる人はあまりいません。

まして、初めて植木屋を呼ぼうとしている人には、ほとんど分かりません。

腕の良い職人ほど「仕事を見てもらえば分かる」と考えます。

けれども、見てもらうためには、まず1回頼んでもらう必要があります。

この順番の矛盾が、直接の依頼が増えない理由の根っこにあります。

頼む側は、別のQ&Aでこう聞いていた

頼む側の声も見ておきます。

同じQ&Aサイトには、地元で庭の木を切ってもらいたいが、上手な植木屋を検索で探す方法はあるか、という質問がありました。

質問の後半には、郵便受けに入っているチラシの業者は法外な値段を取るのではないか、という不安も書かれていました。

回答の1つは、検索だと上手さまでは出てこない、と答えていました。

近所を歩いて好きな剪定の庭を見つけたら、そこの家の人に聞くのがよい、という助言です。

造園屋だという別の回答者は、写真を送るだけで見積を出してくれるところがある、と書いていました。

あわせて、伐採は危ない作業なので、万が一のときの補償があるかどうかを確かめたほうがよい、とも書いていました。

ここに、造園の集客で用意すべきものがほとんど出そろっています。

頼む側が欲しいのは、上手さが分かる手がかりと、頼んだあとに何が起きるかの見通しです。

補償の有無のような万が一の備えは、その見通しの一部として書いておけば足ります。

「仕事を見れば分かる」が通じるのは2回目から

腕の良い職人の仕事は、2回目の依頼で報われます。

1回目に頼んだお客様が、翌年の芽吹きを見て「やっぱりこの人に頼んでよかった」と思う。

そこから先は、何も言わなくても毎年声がかかります。

紹介が生まれるのも、この2回目以降のお客様からです。

つまり、直接の依頼を増やす話は、1回目の依頼をどう越えてもらうかという話に絞られます。

2回目からは、これまでどおり腕で勝負できます。

応援で食いつなぐ期間を、入り口づくりに使う

Q&Aサイトの回答にあったとおり、独立したばかりのころは応援の仕事で食いつなぐのが堅実です。

ここで分かれ道になるのは、その期間に何を積み上げるかです。

応援の仕事は、こなすほど相手の会社の実績になります。

自分の名前で頼まれる仕事は、こなすほど自分の実績として残ります。

応援で日々の売上を確保しながら、空いた日と雨の日に、自分の入り口を少しずつ作っていく。

この並行が、3年後の仕事の中身を変えます。

仕事の入り口 量を自分で増やせるか 単価を自分で決められるか 実績として残るもの
元請けの応援 増やせない 決められない 相手の会社の施工例
昔からのお客様の紹介 増やしにくい 話し合って決められる 紹介してくれた方との縁
自分のページを見た個人宅の依頼 少しずつ増やせる 自分で決められる 自分の名前の施工例と口コミ
見積の仲介サイト 掲載すれば入る 比べられて下がりやすい 仲介サイト上の評価

4つの入り口は、どれか1つに絞るものではありません。

応援と紹介を続けながら、自分のページから入る依頼の割合を少しずつ増やしていく。

この記事は、その3つ目の入り口をどう作るかを中心に書いていきます。

読んでいるあなたの状況 いま起きていること 次にすること
元請けの応援がほとんどの仕事になっている 量も単価も相手の都合で決まる 個人宅の依頼の入り口を1つだけ自分で作る
紹介はあるが年々減っている 紹介してくださる方が高齢になっている 紹介された方が確かめに来るページを用意する
ホームページはあるが電話が鳴らない 施工写真だけで頼んだあとの流れが見えない 依頼してから作業が終わるまでを順に書く
見積に行っても決まらないことが多い 合わない依頼まで現地に行っている 受付で写真と作業の範囲を先に聞く
一度来たお客様が翌年に来ない 次の手入れの時期を誰も伝えていない 作業のあとに次の時期を書いた紙を渡す

表のどの行に近いかを1つ決めておくと、この先の話を自社に当てはめやすくなります。

庭の手入れを頼むのは、いまどんな人なのか

直接の依頼を増やすには、まず誰が頼むのかをはっきりさせておく必要があります。

公的な統計から、庭を持つ人の姿を確かめておきます。

住まいの半分以上は一戸建て

総務省統計局が公表した令和5年住宅・土地統計調査によると、「住宅を建て方別にみると、一戸建が2931万9千戸(52.7%)、共同住宅が2496万8千戸(44.9%)」でした。

住まいの半分を少し超える数が、一戸建てです。

同じ調査では、一戸建ての割合がいちばん高いのは秋田県の79.4%で、東京都では共同住宅が71.6%を占めています。

地方ほど、庭のある家の割合は高くなります。

地域の小さな造園業が相手にするお客様は、全国の数字よりさらに厚くいると考えてよさそうです。

庭のある家の多くに、高齢の方が暮らしている

同じ調査には、「主世帯の42.7%が高齢者のいる世帯」とあります。

さらに、「高齢者のいる世帯の81.6%が持ち家」とも書かれています。

庭木のある持ち家に住み、自分で脚立に上るのが難しくなってきた方。

個人宅の庭の手入れを頼む人の中心は、この層です。

総務省統計局の統計トピックスでは、2026年9月15日現在の65歳以上の人口について「総人口に占める割合は29.6%と過去最高」と書かれています。

この割合は、毎年少しずつ上がっています。

同じ資料では、75歳以上の人口が2168万人で、総人口の17.7%にあたるとも書かれています。

脚立に上っての剪定や、夏の草刈りを自分でこなすのが難しくなる年齢の方が、それだけ暮らしています。

庭の手入れを外に頼む必要のある家は、これから先も減りにくいと考えられます。

調べるのは、本人と子ども世代の2人

高齢の方はインターネットを使わない、と考えるのは早計です。

総務省の令和7年通信利用動向調査では、インターネット利用者の割合について「年齢階層別にみると、13~69歳の各年齢階層で9割を上回っている」とあります。

70歳から79歳でも71.9%、80歳以上では37.1%でした。

60代の方なら、91.2%がインターネットを使っています。

さらに、離れて暮らす子ども世代が、親の家の庭を気にかけて代わりに調べることもよくあります。

親の家の庭木が伸びて隣の家に迷惑をかけていないか、帰省のたびに気になっている。

そうした方が、昼休みにスマートフォンで地元の植木屋を探します。

頼む人と調べる人が別々のことがある。

これは、ページを作るときに忘れてはいけない点です。

家を建てたばかりの世帯は、外構と植栽で迷っている

庭の手入れを頼む人とは別に、新しく家を建てた若い世帯もお客様になります。

建物の打ち合わせで手一杯だったため、外構と植栽はあとから考えることにした、という家は少なくありません。

この層は、スマートフォンで施工例の写真をたくさん見てから問い合わせます。

ただ、写真を見るほど選択肢が増えて、何から決めればよいのか分からなくなっていることがよくあります。

最初の相談で何を話せばよいのか、どこまで決めてから連絡すればよいのかを書いておくと、問い合わせのハードルが下がります。

依頼に関わる人 見ているもの ページに置いておくもの
庭を持つ高齢の方本人 チラシ、近所の評判、電話番号 大きな文字の電話番号と、誰が来るのかの顔写真
離れて暮らす子ども世代 スマートフォンでの検索、地図の口コミ 立ち会えなくても頼めるかどうかと、作業後の報告の方法
家を買ったばかりの若い世帯 地図の検索、施工例の写真 外構と植栽の施工例と、最初の相談の流れ
近所の方の庭を見て気になった方 作業中の車と看板 屋号と同じ名前のページ
空き家になった実家を管理する方 年に数回の草刈りと剪定の頼み先 留守の家でも頼めることと、作業前後の写真の送り方

この表のうち、自社のページで答えている行がいくつあるかを数えてみてください。

たいていのページで答えているのは施工例の写真くらいで、残りは空いたままになっています。

頼む側が、口に出さずに怖がっていること

では、庭の手入れを頼もうか迷っている人は、電話をかける前に何を考えているのでしょうか。

迷いは、だいたい4つの形にまとまります。

誰が家に来るのか分からない

庭の作業では、職人がお客様の敷地に入ります。

家の周りを歩き、窓の近くで脚立に上り、ときには半日以上そこにいます。

一人暮らしの高齢の方にとって、知らない人が敷地に長くいることは、それだけで負担です。

どんな人が来るのか、何人で来るのか、顔が分かるだけで、この不安はかなり小さくなります。

終わってみたら、思ったより高くつくのでは

Q&Aサイトの質問者が書いていた、チラシの業者は法外な値段を取るのではないかという不安は、ここにつながっています。

庭の作業の値段は、樹の高さや本数、切った枝を運び出す量で変わります。

頼む側からは、それがどう決まるのかが見えません。

見えないものには、人は身構えます。

金額そのものを書かなくても、何で値段が変わるのかを書いておくだけで、身構え方は変わります。

切りすぎや、好みと違う形にされるのでは

庭木には、持ち主の思い出が残っていることがよくあります。

亡くなった家族が植えた樹、子どもが生まれた年に植えた樹。

頼む側は、それを丸坊主にされることを恐れています。

Q&Aサイトの回答にも、職人に自分の好きな形の絵を見せて伝えるとよい、という助言がありました。

どう切るのかを事前に話し合えるかどうかは、頼む側にとって大きな判断材料です。

隣の家に迷惑がかからないか

庭の作業は、自分の家だけで完結しません。

伸びた枝が隣の家の敷地にかかっていることが、依頼のきっかけになることもよくあります。

頼む側は、作業の音や、道路に停める車や、落ちた枝葉の掃除で、隣の家に迷惑がかからないかを気にしています。

作業の前に隣の家へひと声かけるのか、道路の掃除はどこまでするのか。

ここが書いてあると、ご近所づきあいを大切にしている方ほど安心します。

作業の日に、立ち会えない

離れて暮らすご家族が親の家の庭の手入れを頼むとき、作業の日に立ち会えないことがよくあります。

空き家になった実家の庭を管理している方も同じです。

立ち会えない日に作業をしてもらえるのか、終わったことをどうやって確かめればいいのか。

ここが分からないと、頼みたくても頼めません。

作業前と作業後の写真を送る、鍵の受け渡しは要らないといった段取りを書いておくだけで、この層からの依頼が入りやすくなります。

見積だけで断ったら、気まずいのでは

見積に来てもらったら、断りにくくなる。

この遠慮から、見積の依頼そのものをためらう人がいます。

特に高齢の方は、わざわざ来てもらったのに断るのは悪い、と考えがちです。

見積のあとに断ってもかまわないことと、断られても何も言わないことを、ページにはっきり書いておく。

それだけで、最初の電話のハードルが下がります。

頼む前の不安 答えが見つからないときに起きること ページや受付に置くもの
誰が来るのか分からない 顔の見える近所の人に頼むか、頼むのをやめる 職人の顔写真と名前、来る人数
思ったより高くつく 値段がはっきりした大手の窓口に流れる 値段が何で変わるのかの説明と、見積の流れ
切りすぎや好みと違う形 前と同じ職人にしか頼まない 作業前の話し合いの手順と、切り方の例
見積だけで断ると気まずい 見積の依頼そのものをためらう 見積のあとに断ってかまわないという一文
作業中に物を壊されたら 法人の大きな会社だけを選ぶ 加入している保険と、万が一のときの対応

5つの不安のうち、施工写真で答えられるものはほとんどありません。

写真が答えているのは「腕が良さそうか」だけで、頼む側が迷っているのはその手前の話です。

造園の集客を難しくしている業界の事情

頼む側の不安には、業界の側にも原因があります。

職人ひとりの努力では変えられない事情を、先に見ておきます。

一部の訪問業者への不信が、まじめな職人にも降りかかる

突然玄関に来て庭木を切ろうと声をかけ、終わってから思いがけない代金を求める業者の話は、頼む側の間で繰り返し語られています。

Q&Aサイトの質問者も、郵便受けのチラシの業者を最初から疑っていました。

こうした話を一度でも耳にした人は、チラシや飛び込みの営業そのものに身構えます。

まじめに仕事をしている職人のチラシも、同じ箱に入れられてしまいます。

これは個々の職人のせいではありません。

ただ、頼む側の頭の中では、名前を知らない植木屋は全部同じに見えています。

見積の仲介サイトでは、値段で比べられる

見積の仲介サイトは、依頼を探す手間を省いてくれます。

その代わり、同じ画面に何社も並び、頼む側は値段と星の数で比べます。

並べられた時点で、職人の腕や人柄の違いは見えにくくなります。

手数料を払ったうえで値段を下げて受ける形になると、続けるほど手元に残るものが減っていきます。

見積と現地調査は、お金にならない

Q&Aサイトの回答にあったとおり、見積と現地調査は売上になりません。

片道30分の現地に行き、庭を見て、見積を作って、決まらなかった。

これが週に何度も重なると、職人ひとりの事業では本業の時間が削られます。

直接の依頼を増やそうとして、合わない依頼まで全部見に行くと、忙しいのに売上が増えない状態になります。

名前で検索しても、何も出てこない

地域の小さな造園業では、屋号で検索しても何も出てこないことがまだ珍しくありません。

紹介を受けた方が、念のために名前を調べてみたら何も出てこなかった。

それだけで、本当に頼んで大丈夫なのかという気持ちが強くなります。

腕も人柄も確かな職人なのに、名前を調べる段階で見送られてしまう。

紹介が年々細っていると感じる理由の一部は、ここにあるのかもしれません。

業界の事情 職人の側で起きること 自社でできる手当て
訪問業者への不信 チラシと飛び込みが警戒される 顔と屋号と所在地をはっきり出す
仲介サイトでの値段比べ 手数料を払って値下げで受ける 仲介サイトは入り口の1つにとどめる
見積と現地調査の負担 決まらない現地調査に時間を取られる 受付で写真と範囲を先に聞く
紹介してくださる方の高齢化 紹介が年々細る 紹介された方が確かめるページを作る
繁忙期と閑散期の波 春と秋に断り、夏と冬に仕事がない 年間の手入れの予定を先に決めてもらう

この表の右端の列が、この先の章で詳しく扱う内容です。

造園業がついやってしまう遠回り

直接の依頼を増やそうとしたとき、職人が最初に手を出しがちなやり方があります。

どれも間違いとは言い切れませんが、頼む側の不安に答えていないため、手間のわりに依頼が増えません。

順番に見ていきます。

値段を下げて依頼を集める

いちばん手っ取り早いのは、値段を下げることです。

初回の割引や、相場より安い値段をチラシに大きく書けば、問い合わせは一時的に増えます。

ただ、安さで集まったお客様は、次の年にもっと安いところが見つかれば、そちらに移ります。

Q&Aサイトの回答にも、安くすればお客様は集まるが、単価が安いと応援してくれる人もいなくなる、という指摘がありました。

応援を頼める仲間がいなくなると、繁忙期に依頼を受けきれず、結局は断ることになります。

値段を下げることで得られるのは、1回目の依頼の数です。

2回目以降のお客様は、値段では残りません。

施工写真を並べるだけのホームページ

ホームページを作ると、たいていの職人は施工例の写真を並べます。

立派な庭、きれいに刈り込まれた生垣、整った外構。

写真が悪いわけではありません。

けれども、前の章で見たとおり、頼む側が迷っているのは「誰が来るのか」「何で値段が変わるのか」「どう切るのか」といった手前の話です。

施工写真がどれだけ立派でも、その迷いには答えてくれません。

しかも、写真の庭が大きく立派なほど、小さな庭の持ち主は「うちのような狭い庭は相手にしてもらえないのでは」と感じることがあります。

専門の言葉で説明してしまう

職人にとっては当たり前の言葉が、頼む側には通じないことがよくあります。

透かし剪定、強剪定、玉仕立て、寄せ植え。

ページや見積書にこうした言葉が並ぶと、頼む側は何をされるのかが分からず、聞き返すのも恥ずかしくて黙ってしまいます。

言葉そのものを使うなとは言いません。

使うなら、すぐあとに「枝を間引いて風と光を通す切り方です」のように、頼む側の言葉で一言を添えます。

何でもやりますと書く

剪定、伐採、草刈り、消毒、芝張り、外構、石積み、庭の設計。

できることを全部書いておけば、どの依頼にも引っかかると考えがちです。

ところが、頼む側から見ると、何でもやる業者は何が得意なのかが分かりません。

庭木の剪定を頼みたい人は、剪定が得意な職人に頼みたいと思っています。

外構を考えている人は、外構の施工例が多い会社を探します。

全部を同じ大きさで並べると、どの人にとっても「自分のための業者」に見えなくなります。

集客の代行に丸ごと任せる

ホームページや広告の運用を、外の業者に丸ごと任せる方法もあります。

本業が忙しい職人にとって、手間を減らせるのは大きな利点です。

気をつけたい点があります。

頼む側の不安に答える中身は、現場を知っている職人にしか書けません。

どんな人が来て、どう話し合い、どこに気をつけて切るのか。

それを外の人がそれらしく書いても、どこの造園業にも当てはまる文章になりがちです。

任せるなら、中身の材料は自分で出し、見せ方と運用を任せる、という分け方が向いています。

ページを作ったまま、何年も放っておく

ホームページを一度作ったきり、何年も中身が変わっていない造園業もよく見かけます。

施工例の最新が数年前の日付のままだったり、営業日や電話番号が古いままだったりする場合です。

頼む側は、それを見て「この業者はいまも営業しているのだろうか」と不安になります。

全部を作り直す必要はありません。

季節ごとに作業前と作業後の写真を1組足すだけで、いまも動いている業者だと伝わります。

投稿を続けているのに、問い合わせにつながらない

SNSに作業の様子を毎日のように投稿している職人もいます。

投稿そのものは、腕の良さを伝える手段として悪くありません。

ただ、見てくれているのが同業者や遠方の愛好家ばかりだと、地元の依頼にはつながりません。

投稿を見た地元の人が、そこから頼むまでの道筋がないこともよくあります。

どこから問い合わせればいいのか、自分の地域に来てくれるのか、そこが書かれていないと、見るだけで終わります。

問い合わせの手段が、つながらない電話だけ

造園の職人は、日中のほとんどを現場で過ごします。

脚立の上で電話が鳴っても、出られないのが当たり前です。

ところが頼む側から見ると、何度かけてもつながらない業者は、それだけで頼む候補から外れます。

折り返しの時間をページに書いておく、写真を送れる問い合わせの窓口を別に用意しておく、といった工夫で、取りこぼしは減らせます。

作業中で出られない時間があることを、先に正直に書いておくのも1つの手です。

ありがちな遠回り 起きること 代わりにすること
値段を下げて集める 次の年に安い業者へ移られる 何で値段が変わるかを説明する
施工写真だけを並べる 頼む前の迷いに答えていない 依頼から作業後までの流れを書く
何でもやりますと書く 何が得意なのか伝わらない いちばん受けたい仕事を1つ前に出す
集客の代行に丸ごと任せる どこにでもある文章になる 中身の材料は自分で出す
SNSの投稿だけを続ける 見るだけで頼む道筋がない 投稿から受付までの道をつなぐ

5つの遠回りに共通しているのは、職人の側から見た「伝えたいこと」が先に立っていることです。

頼む側から見た「知りたいこと」が後回しになっています。

集客の入り口ごとに、向いている使い方がある

造園の集客の入り口は、どれか1つが正解というものではありません。

入り口ごとに得意なことが違うので、組み合わせ方で結果が変わります。

仲介サイトは、最初の実績づくりに使う

見積の仲介サイトや集客サイトは、独立したばかりで実績が少ないときに、最初の依頼を得る入り口として役に立ちます。

そこで受けた仕事の写真と、お客様からいただいた言葉は、自分のページの材料になります。

気をつけたいのは、仲介サイトだけに頼り続けることです。

仲介サイトのお客様は、仲介サイトのお客様のままです。

次の年に同じお客様が頼むとき、また仲介サイトを経由し、また比べられます。

作業のあとに自分の連絡先をきちんとお渡しして、2回目は直接頼んでもらえる関係を作っておきます。

仲介サイトでいただいた評価や言葉は、お客様の許可をいただいたうえで、自分のページのお客様の声としても使えるようにしておくと無駄がありません。

チラシは、地域と時期を絞って使う

チラシは、インターネットをあまり使わない高齢の方に届く入り口です。

ただ、前の章で見たとおり、チラシの業者は警戒されやすくなっています。

配る地域を、自分が作業している現場の近くに絞る。

配る時期を、剪定の時期の少し前に合わせる。

そして、チラシの中に顔写真と屋号と所在地をはっきり載せ、同じ名前のページへ案内する。

この3つを守るだけで、ほかのチラシと見分けてもらいやすくなります。

紹介は、確かめる場所とセットにする

紹介は、いまでも造園の仕事でいちばん強い入り口です。

ただし、紹介を受けた方の多くは、電話の前に名前を検索します。

前の章で見たとおり、そこで何も出てこないと、せっかくの紹介が途中で止まります。

紹介してくださるお客様に、屋号を検索すれば出てくるページがあることを伝えておくと、紹介の言葉にも力が入ります。

「あの人に頼むといいよ、ここに載っているから」と、ページを見せながら勧めてもらえるようになるからです。

作業中の車と看板は、いちばん近いお客様に届く

作業中の車に屋号と連絡先を出しておくと、近所の方が見ています。

隣の家の庭がきれいになったのを見て、うちもお願いしたいと思う方は少なくありません。

この入り口の強みは、頼む側が仕事ぶりを自分の目で見ていることです。

上手さが検索では分からないという頼む側の悩みに、いちばん素直に答えてくれます。

ここで大切なのは、車の屋号を検索したときに、同じ名前のページがきちんと出てくることです。

地図の検索と口コミは、確かめに来る人の受け皿にする

紹介を受けた方も、車の看板を見た方も、チラシを受け取った方も、多くは一度スマートフォンで名前を検索します。

そのときに地図の検索で屋号が出てきて、口コミと写真と営業日が載っていれば、安心して電話をかけられます。

地図の検索と口コミは、ほかの入り口から来た人が確かめに来る場所です。

ここが空っぽだと、せっかくの紹介や看板の効き目が途中で漏れてしまいます。

集客の入り口 強み 弱み 向いている使い方
元請けの応援と紹介 安定して仕事がある 自分で量を増やせない 日々の売上の土台として続ける
見積の仲介サイト 実績がなくても依頼が入る 値段で比べられ手数料がかかる 最初の実績と写真を集める
チラシ ネットを使わない方に届く 訪問業者と同じに見られやすい 現場の近くに時期を絞って配る
作業中の車と看板 仕事ぶりを見た人が頼む 届く範囲が狭い 屋号を検索したときの受け皿とつなぐ
地図の検索と口コミ 確かめに来た人が安心する 自分から人を呼ぶ力は弱い ほかの入り口の受け皿にする
自社のページ 不安に答える中身を書ける 作っただけでは人が来ない 全部の入り口の行き先にする

表の右端の列を上から読むと、自社のページがほかの入り口の行き先になっていることが分かります。

逆にいえば、自社のページで頼む側の不安に答えられていないと、どの入り口から来た人もそこで迷って帰ってしまいます。

入り口を増やす前に、行き先を整える

集客というと、人を呼ぶ入り口を増やすことに目が向きがちです。

けれども、造園の場合は、入り口を増やす前に、来た人が迷わずに電話をかけられる行き先を整えるほうが先です。

行き先が整っていれば、紹介も看板もチラシも、これまでより多くの依頼につながります。

行き先が整っていないまま入り口だけを増やすと、手間と費用ばかりがかさみます。

次の章では、その行き先をどう整えるかを見ていきます。

「売れるサイトはみな謙虚」で考える造園業のページ

ここからは、行き先となるページをどう整えるかを見ていきます。

私たちは、問い合わせが来るページの考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。

売れるページは、自分の自慢より先に、読む人の迷いに答えています。

造園業のページに当てはめると、何を変えればよいのかが見えてきます。

主役は職人より、庭を持つお客様

よく見かける造園業のページは、創業の年、職人の経歴、受賞の歴、施工例の順に並んでいます。

どれも大切な情報ですが、読む人が最初に知りたいことではありません。

ページを開いた人がまず知りたいのは、自分の庭の悩みを、この人が片付けてくれるかどうかです。

伸びすぎた庭木が隣の家にかかっている。

親が手入れできなくなった庭が荒れている。

新しい家の外構と植栽をどうするか決めかねている。

ページの最初に、こうした悩みをお客様の言葉で書きます。

職人の経歴は、そのあとで「なぜこの人に任せて大丈夫なのか」の答えとして出てくれば十分です。

頼んだ日に何が起きるかを、順番に書く

頼む側の不安の多くは、頼んだあとに何が起きるのかが見えないことから来ています。

電話をかけたら何を聞かれるのか。

見積には誰が来て、どのくらいの時間がかかるのか。

作業の日は何時に来て、何時ごろ終わるのか。

切った枝はどうするのか、片付けはどこまでしてくれるのか。

これを、依頼してから作業が終わるまでの順番どおりに書きます。

途中で「ここで何が起きるのか分からない」という場所がなくなれば、知らない職人に頼む怖さはかなり小さくなります。

造園の依頼が決まるまでの流れ写真を送る全体と樹と通路届いたら写真で目安規模と日数を伝える合いそうなら現地で確かめる決まりそうな依頼だけ作業のあと次の時期を渡す作業の記録の紙

図の中で色を変えてある「写真で目安」の段階が、直接の依頼を増やすうえでいちばん効き目のある場所です。

頼む側は、知らない人に家まで来てもらう前に、写真を送るだけでおおよその見通しが分かれば、気軽に問い合わせられます。

職人の側も、合わない依頼のために現地まで行く手間が減ります。

お客様の声は、頼む前の不安に答えたものを選ぶ

ページにお客様の声を載せるときは、選び方に気をつけます。

「きれいになりました」「ありがとうございました」という声は、うれしいものですが、頼む前の人の迷いにはあまり答えてくれません。

頼む前の人に効くのは、「最初は知らない人に頼むのが不安だったが、事前に流れを説明してもらえて安心した」のような声です。

「父が植えた樹を残したいと伝えたら、形を相談しながら切ってくれた」という声も、切りすぎを心配している人に届きます。

お客様の声を載せるときは、必ずご本人の許可をいただき、名前を出すかどうかも確かめてから載せます。

職人の顔と、来る人数を載せる

「誰が来るのか分からない」という不安には、顔写真がいちばんよく効きます。

作業着で脚立の横に立っている写真で十分です。

名前と、何年この仕事をしているか、どんな樹の剪定が好きか、を一言ずつ添えます。

あわせて、作業の日に何人で伺うのかを書いておきます。

一人暮らしの高齢の方にとっては、何人が敷地に入るのかが分かるだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。

何で値段が変わるのかを書く

金額をページに載せるかどうかは、事業ごとに判断が分かれます。

載せない場合でも、値段が何で変わるのかは書いておけます。

樹の高さ、本数、切った枝の量と運び出しの手間、脚立で届くか高所の作業車が要るか。

こうした要素を書いておくと、頼む側は「うちの庭ならこのくらいの規模だな」と見当をつけられます。

見当がつけば、法外な値段を取られるのではないかという身構えが和らぎます。

見積のあとに断ってもかまわない、という一文も、ここに添えておきます。

ページに書くこと 答えている不安 書き方の例
庭の悩みの言葉 自分の庭を相手にしてくれるか 伸びた庭木が隣にかかっている方へ
依頼から作業後までの流れ 頼んだあとに何が起きるか 写真を送る、目安を聞く、現地で確かめる
職人の顔と来る人数 誰が家に来るのか 当日は2人で伺い、半日ほどで終わります
値段が変わる要素 思ったより高くつかないか 樹の高さと本数と枝の量で決まります
見積のあとに断れること 断ると気まずくないか 見積のあとにお断りいただいてかまいません
加入している保険 作業中に物を壊されたら 万が一のときは保険で対応します

この表の6行が全部そろっているページは、地域の造園業ではまだ多くありません。

1行ずつ足していけば、そのぶん近隣のほかの業者との違いがはっきりしていきます。

ページに書く言葉は、お客様の口ぐせから拾う

ページに何を書けばよいか迷ったら、これまでのお客様が電話や現場で口にした言葉を思い出してください。

頼む側の言葉は、職人が考える言葉よりも、次に頼む人に届きます。

最初の電話で言われた言葉を書き留める

「隣の家に枝がかかっていて、言われる前に何とかしたい」

「親が脚立に上ろうとするので、危なくて見ていられない」

最初の電話で言われる言葉には、頼む理由がそのまま入っています。

1か月だけでも、電話のあとに手帳に書き留めておくと、ページの最初に置く言葉が自然に集まります。

現場で聞かれた質問を、そのまま見出しにする

作業の日に、お客様からよく聞かれる質問があるはずです。

「この樹は来年も花が咲きますか」「切った枝はどうするんですか」「どのくらいで伸びてきますか」。

現場で何度も聞かれる質問は、頼む前の人も同じように気にしています。

その質問をそのままページの見出しにして、現場で答えているとおりに答えを書きます。

職人の言葉は、最後に添える

職人として伝えたいこだわりは、お客様の言葉で書いた部分のあとに添えます。

「樹の形を見て、来年の芽の出方を考えて切っています」という一文は、悩みの言葉を読んだあとなら、腕の良さを伝える言葉としてまっすぐ届きます。

順番を逆にして、こだわりから書きはじめると、頼む前の人は自分の話だと感じる前に読むのをやめてしまいます。

現地調査をタダ働きにしない受付の作り方

Q&Aサイトの回答にあった「見積や現地調査はお金にならない」という悩みは、受付の作り方でかなり軽くできます。

ポイントは、現地に行く前に分かることを、受付の段階で先に聞いておくことです。

写真を3枚送ってもらう

問い合わせの最初に、庭の写真を送ってもらいます。

全体が分かる写真、いちばん気になる樹の写真、作業する場所までの通路の写真の3枚です。

これだけで、作業の規模と、車をどこに停められるか、枝をどこから運び出すかの見当がつきます。

高齢の方で写真を送るのが難しい場合は、離れて暮らす家族の方に頼んでもらってもかまいません。

写真が届いた段階で、おおよその作業の量と、だいたいの日数をお伝えできます。

作業の範囲を、先に言葉にしてもらう

「庭をきれいにしてほしい」という依頼は、人によって中身がまったく違います。

全部の樹を剪定してほしいのか、隣にかかっている枝だけを切ってほしいのか。

草刈りも含むのか、消毒も頼みたいのか。

受付の段階で、どこまでを頼みたいのかを言葉にしてもらいます。

選択肢を並べて丸をつけてもらう形にすると、頼む側も答えやすくなります。

範囲が決まっていれば、現地に行ってから話が大きく変わることが減ります。

できないことを、先に書いておく

受けない仕事を、ページと受付の案内に先に書いておきます。

たとえば、遠すぎる地域、自社では扱わない大きな伐採、特定の時期の作業などです。

できないことを書くと、依頼が減るように感じるかもしれません。

実際には、合わない依頼のための現地調査が減り、そのぶん合う依頼に時間を使えます。

頼む側にとっても、問い合わせてから断られるより、最初に分かっているほうが親切です。

返事は、その日のうちに一言だけでも返す

写真が届いたり、問い合わせの留守番電話が入っていたりしたら、その日のうちに一言だけでも返事をします。

詳しい目安はあとでかまいません。

「写真を受け取りました、明日の夕方までにお返事します」と返すだけで、頼む側は待つことができます。

返事が何日も来ないと、頼む側はほかの業者に電話をかけはじめます。

現場の休憩時間に返せる短い文面を、あらかじめいくつか用意しておくと続けやすくなります。

現地調査は、決まりそうな依頼に絞る

写真と範囲と地域が分かった段階で、現地に行くべき依頼かどうかを判断できます。

写真で十分に目安が出せる小さな作業なら、現地調査を省いて作業日に確かめる形にしてもよいでしょう。

大きな作業や外構の相談なら、現地で話し合う時間をしっかり取ります。

すべての依頼に同じように現地調査をするのをやめるだけで、週に使える時間が変わります。

受付で聞くこと 聞く理由 聞き方の例
庭の写真3枚 規模と通路と車の停め場所を知る 全体、気になる樹、通路を1枚ずつ
頼みたい作業の範囲 現地で話が変わるのを防ぐ 剪定、草刈り、消毒に丸をつけてもらう
住所の地域 移動の時間と対応できるかを判断する 町名までで大丈夫です
希望の時期 繁忙期の予定を組む この月のうちならいつでもよい、など
立ち会えるかどうか 留守の家の作業の段取りを決める 当日は留守にされても大丈夫です

この5つを受付で聞いておくと、現地に行くかどうかを電話1本の中で決められます。

地図の検索と口コミで「この人なら」と思ってもらう

紹介を受けた方も、車の看板を見た方も、電話の前に一度は名前を検索します。

そのとき最初に目に入るのが、地図の検索に出てくる店の情報と口コミです。

屋号と作業する地域をそろえる

地図の情報、ホームページ、チラシ、作業車の看板で、屋号の書き方がばらばらになっていることがあります。

漢字とひらがなが混ざっていたり、会社の正式な名前と通り名が違っていたりする場合です。

頼む側は、チラシで見た名前で検索します。

そこで違う名前が出てくると、同じ業者なのかどうか分からず、手が止まります。

屋号の書き方をすべての場所でそろえ、作業する地域も同じ言葉で書いておきます。

店の情報に、作業前と作業後の写真を載せる

地図の店の情報には、写真を載せられます。

ここに、同じ庭の作業前と作業後を並べた写真を載せておくと、頼む側は仕上がりの見当がつけられます。

立派な庭の写真だけでなく、ふつうの家の小さな庭の写真も混ぜておきます。

小さな庭の持ち主が「うちも相手にしてもらえそうだ」と感じられるからです。

写真を載せるときは、お客様の家が特定されないように、表札や外観が写り込まないよう気をつけます。

口コミは、作業のあとにお願いする

口コミは、作業が終わって片付けを確かめていただいたその場で、お願いするのがいちばん自然です。

お客様がいちばん満足しているのは、きれいになった庭を見たその瞬間だからです。

高齢の方で書き込むのが難しい場合は、ご家族にお願いしてもかまいません。

口コミの中身を職人の側から指定したり、お礼の品と引き換えにしたりはしません。

いただいた口コミには、短くても1件ずつ返事を書いておきます。

返事の書きぶりも、次に読む人が「この人なら話しやすそうだ」と感じる材料になります。

地図の情報で整えること 頼む側が確かめていること 整え方
屋号の書き方 チラシや看板と同じ業者か すべての場所で同じ書き方にそろえる
作業する地域 自分の家まで来てくれるか 町名や市の名前を具体的に書く
作業前と作業後の写真 どんな仕上がりになるか 小さな庭の例も混ぜて並べる
営業日と連絡のつく時間 いつ電話すればつながるか 作業中で出られない時間も書いておく
口コミと返事 実際に頼んだ人がどう感じたか 作業後にお願いし、1件ずつ返事を書く

地図の情報は、一度整えたら終わりにせず、季節ごとに写真を足していくと、動いている業者だと伝わります。

一度きりの剪定を、毎年の手入れにつなげる

直接の依頼を増やす話の最後は、1回目のお客様を2回目につなげることです。

腕の良い職人ほど、ここで大きな差がつきます。

庭木には、手入れの時期がある

庭木には、種類ごとに剪定に向いた時期があります。

花の咲く樹は花のあとに、落葉する樹は葉が落ちた冬に、という具合です。

この時期を知っているのは職人で、お客様はほとんど知りません。

だからこそ、作業のあとに「この樹は来年のこの時期に切ると、花がよく咲きます」と伝えることに意味があります。

次の依頼の理由を、職人の側から差し上げるわけです。

作業の記録を残して、お渡しする

作業が終わったら、その日に何をしたのかを短く書いた紙をお渡しします。

どの樹をどのくらい切ったか、気になった点はどこか、次に手を入れるとよい時期はいつか。

作業前と作業後の写真を添えれば、離れて暮らすご家族にもそのまま見せられます。

この紙が冷蔵庫の扉に貼られていれば、次の年の同じ時期に、お客様のほうから電話が来ます。

繁忙期と閑散期の波を、先の予定で均す

造園の仕事は、春と秋に依頼が集中し、真夏と真冬に静かになりがちです。

繁忙期にはお断りせざるを得ない依頼が出て、閑散期には仕事が足りません。

毎年のお客様に、次の手入れの時期を先に決めておいてもらうと、この波を自分で均せるようになります。

たとえば、冬に落葉樹の剪定と消毒をまとめて受けておく、といった組み方です。

閑散期に予定が入っていれば、繁忙期に新しいお客様を受ける余裕も生まれます。

季節 庭で起きること お客様にお知らせすること
春 新芽が伸び、花の咲く樹が咲く 花のあとの剪定の時期と、虫の出はじめ
初夏から夏 草が伸び、枝が隣にかかりやすい 草刈りと、伸びた枝の軽い手入れ
秋 多くの庭木の手入れの時期 年内の剪定の予約と、台風の前の点検
冬 落葉樹が葉を落とす 落葉樹の剪定と、来年の予定の相談

この表を自社の作業の暦に置き換えて、お客様にお渡しする紙に載せておくと、毎年の依頼の流れが自然にできていきます。

元請けや紹介を切らずに、自分の入り口を足していく順番

ここまでの話を、実際に手をつける順番に並べ直します。

大切なのは、いまの元請けの応援や紹介を切らずに、並行して進めることです。

日々の売上の土台を崩さないまま、自分の名前で入る依頼の割合を少しずつ増やしていきます。

最初の1か月は、行き先のページを整える

最初に手をつけるのは、人を呼ぶ入り口よりも、来た人が迷わない行き先です。

ページの最初に庭の悩みの言葉を書き、依頼から作業後までの流れを順番に書きます。

職人の顔写真と来る人数、値段が何で変わるのか、見積のあとに断ってかまわないことを足します。

ホームページがまだない場合は、地図の店の情報を先に整えるだけでもかまいません。

雨で現場が休みになった日を、この作業に充てると進めやすくなります。

2か月目からは、受付の聞き方を変える

次に、問い合わせを受けるときの聞き方を変えます。

写真を3枚送ってもらう、作業の範囲を言葉にしてもらう、地域と希望の時期を聞く。

これを電話の横に紙で貼っておくだけでも、聞き漏れが減ります。

ページにも同じ内容を書いておけば、問い合わせの段階で写真が届くようになります。

現地調査に行く前に依頼の中身が分かるので、決まらない現地調査が減っていきます。

3か月目からは、作業のあとの紙を渡す

作業が終わったら、その日の作業の記録と、次に手を入れるとよい時期を書いた紙をお渡しします。

最初は手書きでかまいません。

同じ時期に、口コミのお願いも始めます。

地図の店の情報に作業前と作業後の写真を足していくのも、この頃からです。

半年たったら、入り口を足す

行き先と受付と作業のあとの流れが整ったら、ようやく入り口を足す番です。

作業している現場の近所に、剪定の時期の少し前にチラシを配る。

作業車に屋号とページの名前を出す。

仲介サイトで受けた仕事のお客様にも、作業のあとの紙をお渡しして、次は直接頼んでもらえるようにする。

入り口を足すたびに、整えた行き先がその効き目を受け止めてくれます。

1人で回しているなら、雨の日を使う

職人1人か、家族と2人で回している造園業では、ページを整える時間をどこから捻出するかが問題になります。

おすすめは、雨で現場が休みになった日をあらかじめ「入り口づくりの日」と決めておくことです。

1回の雨の日にやることは1つだけにします。

ある雨の日はページの流れを書き、次の雨の日は顔写真を撮り、その次は作業後に渡す紙のひな形を作る。

1つずつなら、半日もかかりません。

夜に疲れて作業するより、雨の日の昼に落ち着いて書いたほうが、頼む側に届く言葉が出てきます。

家族で回しているなら、受付を分担する

ご家族と一緒に事業を回している場合は、受付の担当を決めておくと進めやすくなります。

職人は現場に集中し、電話と写真の受け取りと返事は、家にいる家族が受け持つ形です。

受付で聞くことを紙に書いておけば、造園の知識がなくても聞き漏れは起きません。

聞いた内容を夜にまとめて職人が見て、現地に行くかどうかを決める。

この分担ができると、現場の手を止めずに問い合わせを受けられるようになります。

1年たったら、仕事の中身を見直す

1年続けると、どの入り口から、どんな依頼が、どのくらい来たのかが見えてきます。

元請けの応援、紹介、自分のページから来た依頼、仲介サイトの依頼を、手帳に書いておいた記録で数えてみます。

自分のページから来た依頼の割合が少しでも増えていれば、その方向は合っています。

Q&Aサイトの回答者は、3年も続ければ自分1人では手に負えなくなる、と書いていました。

その3年を、自分の名前で頼まれる仕事を積み上げる3年にしていきます。

時期 やること できあがるもの
最初の1か月 ページと地図の情報を整える 来た人が迷わない行き先
2か月目 受付で写真と範囲と地域を聞く 決まらない現地調査が減る
3か月目 作業後の紙と口コミのお願い 2回目の依頼の理由
半年後 チラシと看板で入り口を足す 行き先につながる入り口
1年後 入り口ごとの依頼の数を見直す 次の1年に力を入れる場所

この表は、1か月ずつずれてもかまいません。

順番を入れ替えないことだけを守ってください。

よくある質問

Q1. ホームページがなくても、直接の依頼は増やせますか

増やせます。

まずは地図の店の情報を整え、屋号と作業する地域と顔写真と作業前後の写真を載せてください。

紹介を受けた方や看板を見た方が名前で検索したときに、そこで安心できれば電話をかけてもらえます。

ページは、地図の情報で答えきれない「依頼から作業後までの流れ」を書く場所として、あとから足していけば十分です。

地図の情報は、作業の合間にスマートフォンから写真を足せるので、忙しい職人でも続けやすい入り口です。

Q2. 仲介サイトや集客サイトは、使わないほうがいいですか

使ってかまいません。

独立したばかりで実績が少ないうちは、最初の依頼と写真を集める入り口として役に立ちます。

気をつけたいのは、仲介サイトのお客様を、仲介サイトのお客様のままにしておかないことです。

作業のあとに自分の連絡先と次の手入れの時期を書いた紙をお渡しし、2回目は直接頼んでもらえる関係を作ってください。

仲介サイトの利用の決まりに、直接のやりとりについての定めがある場合は、その決まりを守ったうえで進めます。

Q3. 集客の代行を頼むなら、何に気をつければいいですか

頼む側の不安に答える中身は、現場を知っている職人にしか書けません。

どんな人が来て、どう話し合い、どこに気をつけて切るのかという材料は、自分で出すようにしてください。

見せ方や運用は任せてもかまいませんが、ページに書かれていることが自分の仕事のやり方と合っているかは、必ず自分で読んで確かめます。

どの入り口から何件の問い合わせが来たのかを、自分でも数えられる形にしておいてもらうと、続けるかどうかの判断がしやすくなります。

Q4. 値段をページに載せないと、問い合わせは来ませんか

値段を載せるかどうかは、事業ごとに判断してかまいません。

載せない場合でも、値段が何で変わるのかと、見積のあとに断ってかまわないことは書いておいてください。

頼む側が身構えるのは、値段が高いことよりも、値段がどう決まるのかが見えないことです。

写真を送ってもらっておおよその目安を伝える流れがあれば、値段を載せていなくても問い合わせは来ます。

Q5. 外構の依頼と庭の手入れの依頼は、同じページでいいですか

入り口は分けておくほうが、頼む側は迷いません。

外構を考えている人は、施工例と相談の流れを知りたがっています。

庭の手入れを頼みたい人は、誰が来て、いつ、どのくらいで終わるのかを知りたがっています。

同じページに並べる場合でも、見出しで分け、それぞれの人が自分の話だと分かるようにしてください。

外構の工事のあとに植栽の手入れを続けて受ける形にできれば、外構のお客様が毎年の手入れのお客様にもなっていきます。

まとめ

造園の集客で越えるべき壁は、知らない職人を家の敷地に入れるという頼む側の怖さです。

腕の良さは、頼む前の人には見えません。

だからこそ、上手さを訴える前に、頼んだあとに何が起きるのかを順番に見せることから始めます。

ページには、庭の悩みの言葉と、依頼から作業後までの流れと、職人の顔と来る人数を書く。

受付では、写真と作業の範囲と地域を先に聞き、現地調査をタダ働きにしない。

作業のあとには、その日の記録と次の時期を書いた紙を渡し、1回目のお客様を毎年のお客様にしていく。

Q&Aサイトの相談者が知りたがっていた「0から何をすればいいのか」への答えは、人を呼ぶ入り口を増やす前に、来た人が迷わない行き先を整えることでした。

元請けの応援と紹介は、日々の土台として大切にしたまま、自分の名前で頼まれる仕事の割合を少しずつ増やしていってください。

庭のある持ち家に暮らす高齢の世帯は、統計で見ても厚くいます。

その方々と、離れて暮らすご家族が安心して電話をかけられる場所を用意できた職人から、直接の依頼は増えていきます。

今日できる点検

最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。

点検すること 確かめ方 できていなかったら
屋号で検索して自分が出てくるか スマートフォンで屋号を検索する 地図の店の情報を登録し、屋号の書き方をそろえる
依頼から作業後までの流れが読めるか 自社のページを最初から順に読む 電話から片付けまでを順番どおりに書く
誰が来るのかが分かるか 顔写真と来る人数を探す 作業着の写真と、当日伺う人数を載せる
値段が何で変わるかが書いてあるか ページで値段の説明を探す 樹の高さと本数と枝の量で決まることを書く
受付で写真を頼んでいるか 最近の問い合わせの受け方を思い出す 写真3枚と作業の範囲を先に聞く
作業のあとに渡すものがあるか 先週の現場の帰り際を思い出す 作業の記録と次の時期を書いた紙を作る

スマートフォンで自社の屋号を検索し、出てきたページを、初めて植木屋を呼ぼうとしている人のつもりで読んでみてください。

途中で「ここで何が起きるのか分からない」と感じた場所があれば、そこが最初に直す場所です。

次の雨の日までに、その1か所だけ書き足してみてください。

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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