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口コミ・レビューとAI検索|お客様の声の載せ方・返信・依頼の正しいやり方

2026 10/17
2026年10月17日
中野輝規
口コミ・レビューとAI検索|お客様の声の載せ方・返信・依頼の正しいやり方

「AIに自社のことを聞いたら、口コミサイトの不満の声が要約されていた」。

「Googleマップの星が少ないのが気になる。どうお願いすればいいのか分からない」。

「サイトの『お客様の声』は、良い声だけを載せてもいいのか」。

中小企業のWeb担当者や経営者から、口コミについてこうした相談が増えています。

AI検索の回答は、自社サイトだけでなく、第三者が書いたレビューや評判も材料にすることがあります。口コミの扱いは、店舗の評判管理にとどまらず、AI検索での見え方にもかかわるテーマになりました。

一方で、口コミには景品表示法のステルスマーケティング規制と、Googleのポリシーという明確なルールがあります。やり方を誤ると、処分や投稿の制限を受けることがあります。

この記事は、2026年10月17日に公式ページと論文を開いて確かめた内容をもとに、次の順で説明します。

AI検索と口コミの関係、自社サイトの「お客様の声」、Googleのポリシー、返信の書き方、否定的なレビューへの対応、依頼のやり方、やってはいけないことです。最後にチェックリストをつけました。

対象は、お客様が自分の意思で書く口コミ・レビューです。作文の口コミを書く施策は、別の記事「作文の口コミや第三者を装った投稿はAIに効くのか」で扱っています。

構造化データの細部は「クチコミ抜粋の構造化データ」、ビジネスプロフィール全体の整え方は「MEO AI対策の答え」にあります。

法律の適用は事情によって変わります。迷う場合は、消費者庁の相談窓口か弁護士に確認してください。

目次

先に結論:口コミで押さえる5つのこと

結論を表にまとめます。右の列は、公式ページや論文に書かれていることです。

論点 確かめられたこと この記事の判断
AIは口コミを読むか OpenAIは、公開サイトのレビューから作った要約を表示することがあると説明している。Googleマップにも、クチコミを分析して答える機能がある 口コミはAIに読まれうる公開情報になった
数を増やせば推薦されるか レビューを判断材料に含める説明はあるが、星や件数が推薦をどう左右するかは公開されていない 数を目標にしない
自社サイトの「お客様の声」 好意的な声だけを選ぶと、消費者庁の整理では事業者の表示になる 選び方、編集の範囲、謝礼の有無を書く
Googleでの依頼 割引などと引き換えの依頼、否定的な投稿の妨害、好意的な人だけへの依頼は禁止 全員に同じ文面で、見返りなしで頼む
返信と否定的な指摘 返信は公開され、投稿者に通知される。削除されるのはポリシー違反だけ 全件に短く返信し、指摘は改善につなげる

地味な作業ばかりですが、この積み重ねが、人にもAIにも伝わる評判の土台になります。

数字より先に、運用を決める

口コミ対策というと、件数や平均の星を追いがちです。

件数を追う前に、誰がいつ依頼し、誰が返信し、どの声を自社サイトに載せるかを決めておくと、後からルール違反に気づく事態を防げます。

この記事で使った情報源

使った情報源は、GoogleのヘルプとSearch Centralのドキュメント、OpenAIのヘルプ、Googleの公式ブログ、消費者庁の資料、論文2本です。

公式ページは英語版や翻訳版があり、表現が版によって少し違います。日本語版を優先し、異なる場合は日本語版の記載に合わせました。

AI検索は口コミ・レビューを参照するのか

最初に、AI検索が口コミを読んでいるのかを確かめます。各社の公式説明と研究を、分けて見ていきます。

各社が公式に説明していること

2026年10月17日時点で、公式ページから確かめられた内容を表にします。

サービス 公式に説明されていること 出典
ChatGPT(商品を探す質問) 商品の選定で、価格やレビューなどを考慮することがある。公開サイトのレビューから作った要約を表示することがある。OpenAIはレビューや評価を検証していない OpenAIのヘルプ「Shopping with ChatGPT Search」
ChatGPT(買い物リサーチ) 価格、機能、レビューなどの項目を並べて比較できる OpenAIのヘルプ「Using shopping research in ChatGPT」
Googleマップの「マップに相談」 会話形式で質問すると答える機能。旅程の提案では、5億人以上の投稿者によるクチコミと3億以上の場所の情報を分析すると説明している。日本では2026年8月7日から順次提供を開始 Google Japan Blog
Googleマップの「知っておきたいヒント」 Geminiが、クチコミとウェブ上の情報から場所のヒントを示す。2025年11月の発表では米国のAndroidとiOSで提供 Googleの公式ブログ(2025年11月19日)
Places API(開発者向け) 利用者のクチコミだけをもとにAIが場所の要約を作る機能がある。日本語と日本も対象 Google Maps Platformのドキュメント

「マップに相談」の日本提供は、以前の英語版の発表では米国とインドが対象でした。日本語版は2026年8月7日の発表で、数週間かけて順次提供とされています。

ChatGPTの買い物機能とレビュー

OpenAIのヘルプには、犬の衣装を探す例が出てきます。ChatGPTは、選択肢、価格、レビュー、使いやすさなどを考慮すると書かれています。

レビューの要約は、モデルが作ったものです。公開サイトのレビューをもとに、利用者が好む点と不満な点をまとめるとされています。

ここで押さえたいのは、OpenAIが「レビューと評価はOpenAIが検証したものではない」と明記している点です。

AIは、レビューの真偽を確かめたうえで使っているわけではありません。偽のレビューも、偏ったレビューも、そのまま要約に混ざる可能性があります。

なお、この機能が日本の利用者にどこまで提供されているかは、このヘルプからは確認できません。日本の事業者の商品フィードの状況は、別の記事「ChatGPTショッピングに商品フィードを送るには」にまとめています。

Googleマップのクチコミ分析

Googleは、日本語の公式ブログで、「マップに相談」が多くのクチコミを分析して答えると説明しています。

従来は、求める情報にたどり着くために、利用者が多くのクチコミを自分で読む必要がありました。その読む作業を、AIが肩代わりする形です。

つまり、Googleマップに集まったクチコミは、店を探す人に読まれるだけでなく、AIの回答の材料にもなります。

研究で報告されている傾向

次に、AI検索がどんな情報源を引用するかを調べた研究を見ます。口コミの扱いを考えるうえで、読み違えやすい研究です。

Chenらの研究が示したこと

Chen、Wang、Chen、Koudasの4人が2025年9月に公開した査読前の論文(プレプリント)は、AI検索とGoogle検索の引用元を比べています。

論文は、引用元を3つに分類しています。

分類 論文での定義 例
Brand 企業や小売店の自社サイト メーカーや販売店のドメイン
Earned 第三者の独立した媒体、レビューサイト、比較サイト 専門の比較・レビューメディア、報道機関、政府のサイト
Social コミュニティや利用者の投稿が中心のサイト Reddit、YouTube、Quora

結果は、AI検索がEarnedに大きく偏るというものです。家電の例では、カナダのAI検索の引用はEarnedが77.6%、Socialが0.3%でした。

Googleでは、Socialが23.1%でした。

自動車と、ソフトウェアのカナダの結果では、AI検索のSocialは0%と報告されています。

「Earned」は、お客様の口コミとは違う

ここで注意したいのは、論文のEarnedに入るのが、専門媒体のレビューや比較メディアだという点です。

お客様が自分の体験を書いた口コミは、論文の分類では、コミュニティの投稿に近い扱いになります。そのSocialの引用が少ないことは、同じ論文が報告しています。

ただし、これは特定の実験の結果です。AIサービスによって差があり、同じ論文の別の実験(有名ブランドが対象)では、ChatGPTのSocialは0%、PerplexityのSocialは23.8%でした。

Googleのクチコミは、Googleマップという独自の仕組みの中にあります。この論文の分類にそのまま当てはめることはできません。

因果は示されていない

この研究は、観察です。第三者の媒体で紹介されれば推薦される、という因果は示していません。

2026年7月に公開された、GEO研究45件の概観論文も、この論文の結果を観察的な報告と位置づけています。外部での掲載が推薦を引き起こすことを、機械的には示していないという読み方です。

研究から読み取れるのは、AI検索が自社の発信だけでなく、第三者の情報も見ている可能性が高いという範囲までです。

中小企業にとっての意味

ここまでの内容から、実務に関係するのは2点です。

1つ目は、口コミが、AIに読まれうる公開情報になったことです。誰かがGoogleマップに書いた不満が、AIの回答で要約されることがあります。

2つ目は、口コミを作る施策の割が合わないことです。AIはレビューの真偽を検証しないと説明されています。

偽のレビューは、見つかったときの損失が大きくなります。

AI検索のためだけの、特別な口コミ対策はありません。実際のお客様の声を、ルールに沿って集めて、誠実に返す。

この積み重ねが、AIに要約されたときの印象を決めます。

自社サイトに「お客様の声」を載せるときの注意

自社サイトの「お客様の声」は、AI検索にも読まれる情報です。同時に、景品表示法との関係がいちばん問題になりやすい場所です。

ここでは、消費者庁の公式ページで確かめられた範囲を整理します。個別の判断は事情で変わるため、迷うときは専門家に確認してください。

ステルスマーケティング規制の基本

2023年10月1日から、広告であるのに広告と分からない表示(ステルスマーケティング)が、景品表示法違反になりました。

規制の対象は、広告を出す側の事業者です。消費者庁は、依頼を受けて投稿したインフルエンサーなどの第三者は対象外と説明しています。

事業者が表示の内容を決めたと認められる場合、その表示は「事業者の表示」になります。明確な依頼や指示がなくても、やり取りの内容、対価の内容と理由、取引関係などを踏まえて判断されます。

事業者の表示なのに、一般の消費者がそれと判別できない形で出すことが、規制の対象です。

載せ方で「事業者の表示」になるかが変わる

自社サイトに口コミを載せるときは、「選び方」に注意が必要です。消費者庁のステマに関するQ&A(Q10)の整理を、表にします。

載せ方 消費者庁の整理 求められる対応
無作為に選んだ回答を、変更を加えずそのまま引用する 事業者の表示に当たらない 特別な表示は不要(選び方は書いておくと誤解を防げる)
好意的な評価だけを選んで引用する 事業者の表示に当たる 事業者の表示だと分かるように示す
「良い点」と「悪い点」を挙げた回答から、良い点だけを引用する 事業者の表示に当たる 事業者の表示だと分かるように示す

自社サイトの「お客様の声」は、たいてい自社で選んで載せているはずです。選ぶこと自体は禁止されていません。

選んで載せるなら、「当社が選んで掲載しています」と読者に分かるように書きます。

謝礼や割引を渡したときの考え方

アンケートの回答者に謝礼を渡したり、モニターとして商品を提供したりして、感想を集めることがあります。消費者庁のQ&Aは、場面ごとに考え方を示しています。

場面 消費者庁の説明(Q&Aの番号)
口コミの投稿を条件に、サービスを割引価格で提供する 投稿内容の指示がなく、割引程度の関係なら、通常は事業者の表示に当たらない(Q6)
レビューの投稿を条件に、次回のクーポンを渡す Q6と同様に考えられ、通常は事業者の表示に当たらない(Q7)
星5を付けることを条件にする 事業者が内容を決めたことになり、事業者の表示に当たる(Q6)。推奨するコメントを条件にする場合も同様
個別に投稿を依頼されて報酬を受け取る 事業者の表示に当たる可能性が高い。「依頼を受けて投稿しています」などの記載が適当(Q19、インフルエンサーを例にした回答)

星5を条件にした事例では、実際に措置命令が出ています。消費者庁は、2024年6月と2025年3月に、Googleマップの口コミ欄で星の評価を条件に割引やギフトカードを提供していた医療機関に、措置命令を出しました。

2024年6月の件は星5または星4の投稿、2025年3月の件は星5の投稿が条件でした。いずれも、一般の消費者が事業者の表示だと判別しにくいと認定されています。

依頼して書いてもらった投稿は「お客様の声」にしない

Q&A(Q16)は、事業者の依頼で書かれたインフルエンサーの投稿を、「お客様の声」として自社サイトに載せるのは適当ではないとしています。

「お客様の声」という見出しは、ふつう顧客が自主的に述べた感想だと受け取られるためです。

依頼した投稿を載せるなら、自社が依頼した投稿だと分かる形で示す必要があります。

掲載文の例

自社サイトの「お客様の声」欄には、次のような説明を、見える位置に添えます。文面は例です。

自社の実態に合わせて書き換えてください。

掲載について

このページの声は、ご利用後のアンケート(2026年4月から9月実施)の回答から、当社が選んで掲載しています。

ご本人の許可を得て、文意を変えない範囲で誤字のみ修正しました。

アンケートにご回答いただいた方には、お礼として次回使えるクーポンをお送りしています。

書く項目は4つです。

項目 書く内容の例
どこで集めたか アンケート、レビューサイトからの転載
誰が選んだか 当社が選んだ、回答をすべて掲載している
どこまで手を入れたか 無改変、誤字のみ修正、要約した
謝礼や無償提供 あり(内容)、なし

「個人の感想です」の一言では足りない

効果をうたう体験談を載せる場合は、別の注意があります。

消費者庁の打消し表示の実態調査まとめは、体験談を見た消費者の受け止めを分析しています。「個人の感想です」といった打消し表示に気づいても、「たいていの人が効果を得られる」という認識はほとんど変わらないと考えられる、という内容です。

体験談を捏造したり、都合のよいものだけを引用したりすることは、不当表示に当たるおそれがあるとも書かれています。

効果をうたう体験談を載せるなら、その効果に根拠があるかを先に確かめます。

AI検索から見た「お客様の声」

AI検索の側から見ると、「大満足でした」だけの短い感想よりも、材料にしやすい声があります。

誰が、何に困っていて、どう使い、どう感じたかまで書かれた声です。

ただし、具体的に書かせるために内容を指示すると、事業者の表示に近づきます。アンケートの質問は開いた形にして、答えはそのまま受け取るのが安全です。

質問の例を挙げます。

  • ご利用前に困っていたことは何でしたか
  • 実際に使ってみて、どうでしたか
  • 改善してほしい点はありますか

改善してほしい点も一緒に載せると、選別していないことが伝わります。

Googleのクチコミのポリシー

Googleマップとビジネスプロフィールのクチコミには、Googleの「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」が適用されます。

ここからは、事業者の側に関係する部分を、日本語版のヘルプで確かめた内容でまとめます。ヘルプには、AI技術で翻訳された内容が含まれると注記されています。

表現が変わることがあるので、実際の運用の前に最新の版も見てください。

事業者に禁止されていること

事業者に関係する禁止事項を表にします。

禁止されていること 具体例
見返りと引き換えの依頼 クチコミの投稿、修正、否定的なクチコミの削除と引き換えに、金銭、割引、無料の商品やサービスを提供する
否定的な投稿の妨害 否定的なクチコミを書かせない、書くことを禁じる
好意的な投稿の選択的な募集 良い評価をくれそうな人にだけ依頼する
その場での要求や内容の指定 その場で評価やクチコミを書くよう強要する。特定の内容を含めるよう頼む
スタッフへのノルマ 一定数のクチコミを集めるようスタッフに求める。スタッフを名指しするクチコミを求める
実体験に基づかない投稿を募る 利用していない人に書かせる
利益相反に基づく投稿 現在や過去の従業員、取引先、家族、競合他社による投稿
複数アカウントからの投稿 1人が、または1人の依頼で、複数のアカウントから投稿する

スタッフへのノルマが禁止されている点は、見落としやすい項目です。店頭で「今月は10件集めること」と指示すると、この項目に当たる可能性があります。

違反したときに起きること

Googleのヘルプは、違反が確認された場合、違反したクチコミの削除に加えて、プロフィールに次のような制限がかかることがあると説明しています。ただし、これらに限定されないとも書かれています。

  • 一定期間、新しいクチコミや評価を受け取れなくなる
  • 一定期間、既存のクチコミや評価が非公開になる
  • 虚偽のクチコミを削除したことを消費者に知らせる警告が、プロフィールに表示される

制限をかける予定があるときは、ビジネスオーナーにメールで通知するとされています。誤りだと考える場合は、再審査を請求できます。

認められていること

見返りを付けず、評価やクチコミの内容に影響を与えようとせず、実体験に基づく投稿を募ったり促したりすることは、許可されています。

Googleの「クチコミを増やすためのヒント」も、リンクやQRコードで投稿を依頼することと、クチコミに返信することを、具体策として挙げています。

景品表示法とGoogleのルールは別物

ここで混乱しやすいのが、法律とプラットフォームの規約の違いです。同じ行為でも、判断が分かれることがあります。

行為 景品表示法(消費者庁のQ&A) Googleのポリシー
投稿の見返りに割引を渡す 内容の指示がなければ、通常は事業者の表示に当たらない 禁止
星5を条件に割引を渡す 事業者の表示に当たり、明瞭にしなければ違反 禁止
満足していそうな人だけに依頼する Q&Aに直接の記述はない 禁止(選択的な募集)
従業員に書かせる 従業員による自社の宣伝は事業者の表示として扱われ、所属を書くだけでは明瞭とは限らない(Q12) 禁止(利益相反)

景品表示法の面で通常は問題になりにくい形でも、Googleの規約には違反する場合があります。

口コミサイトやECモールにも、それぞれ独自の規約があります。依頼する前に、利用するサービスごとに規約を確かめてください。

自社サイトのレビューと構造化データ

構造化データは、ページの内容を検索エンジンに伝えるための決まった書き方です。口コミに関係する要点だけを押さえます。

全般は「クチコミ抜粋の構造化データ」にまとめています。

自社へのレビューは、星の対象外

Googleのドキュメントによると、評価される側の事業者が、自分に関するレビューを管理している場合、星の評価の表示(リッチリザルト)の対象外です。

たとえば、ある会社のサイトに、その会社へのレビューを載せる場合が当たります。構造化データに直接書く場合と、第三者のウィジェットで埋め込む場合の両方が含まれます。

ウィジェットの例として、Googleビジネスのレビューが挙げられています。

LocalBusinessや、そのほかのOrganizationの種類を使っているページが対象です。

つまり、自社サイトの「お客様の声」ページに星のマークアップを入れても、検索結果に星は出ません。

2026年7月に加わったガイドライン

Search Centralの更新履歴によると、2026年7月24日に、偽のレビューと、開示のないインセンティブ付きレビューについての指針が追加されました。

ドキュメントは、次のようなレビューをページにも構造化データにも載せないよう求めています。

載せてはいけないレビュー 例
実体験に基づかないレビュー 利用していない人が書いたもの
見返りがあるのに、それを目立つ形で開示していないレビュー 金銭、割引、クーポン、無料の商品と引き換えに書かれたもの

あわせて、ページに表示されていないレビューを、構造化データだけに書くことも避けます。ドキュメントは、マークアップしたレビューの内容が、利用者にすぐ分かる形でページ上にあることを求めています。

星の表示を狙うより、本文を正確にする

星が出ないページに、マークアップの手間をかけても、効果は見込めません。

それよりも、料金、対応範囲、利用の流れなど、本文の説明を正確にする作業に時間を使うほうが、人にもAIにも役立ちます。

レビューへの返信の書き方

Googleビジネスプロフィールでは、オーナー確認を済ませると、クチコミに返信できます。返信は公開されます。

AIがクチコミを要約するとき、返信まで読むかどうかは公開されていません。ただ、検索する人が返信を読むことは確かです。

指摘にどう応える会社なのかが、第三者に見える場所だと考えて書きます。

返信が公開されるまでの流れ

Googleのヘルプが説明する流れを、順に並べます。

段階 内容
1. 返信を送る ビジネスプロフィールの「クチコミを読む」から、返信を入力する
2. Googleによる審査 返信がコンテンツポリシーに準拠しているかを確認する。通常は10分以内。最長で30日ほどかかる場合もある
3. 公開 承認されると、企業からの返信として表示される。担当者の個人名は表示されない
4. 投稿者への通知 クチコミを書いた人に通知が届く。その人は返信を読んだあとでも、クチコミを変更できる

返信を読んだ投稿者がクチコミを書き直すと、表示される日付も更新されます。投稿者が内容を見直せる仕組みになっています。

返信は、あとから編集や削除ができます。

返信の基本ルール

Googleの「クチコミを増やすためのヒント」を軸に、実務の注意を足してまとめます。

ルール 内容 出どころ
短く、読みやすく 長すぎる返信は読む気をなくさせる Googleのヒント
内容に触れる 全員に同じお礼を返さず、書かれた内容に一言触れる 筆者の判断
宣伝しない 投稿者はすでに顧客。お得な情報や販促は不要 Googleのヒント
個人情報を出さない 投稿者の個人情報を公開しない。個人攻撃をしない Googleのヒント
込み入った件は直接連絡へ 解決のために、メールか電話での連絡をお願いする Googleのヒント
名前かイニシャルを添える 返信の信頼性が高まる Googleのヒント
速やかに返す 顧客の体験を大切にしていることが伝わる Googleのヒント

Googleは、すべてのクチコミに感謝を公開で述べる必要はないとも書いています。返信は必要に応じてするものです。

筆者は、否定的な指摘と質問を含む投稿には、必ず返信する運用を勧めます。好意的な投稿への返信は、余裕のある範囲で、内容に触れて短く返せば十分です。

好意的なレビューへの返信例

ご利用ありがとうございます。初回の打ち合わせで要望を整理できた点をお書きいただき、担当者も励みになります。

納品後に気になる点が出てきたら、いつでもお知らせください。

否定的なレビューへの返信例

ご不便をおかけし、申し訳ありません。「見積もりの内訳が分かりにくい」とのご指摘は、社内で確認しました。

9月から、内訳の書き方を改めています。詳しい状況をお伺いしたいので、お手数ですが、下記の窓口までご連絡いただけますか。

(窓口:電話番号またはメールアドレス)

否定的なレビューへの返信は、投稿者だけに向けた文章ではありません。それを読む、ほかの見込み客にも向けています。

書く内容は、謝罪、事実の確認、具体的な改善、連絡先の4点です。改善したことを書けると、読む人に誠実さが伝わります。

否定的なレビューへの対応

否定的なレビューをゼロにすることはできません。Googleのヒントも、肯定的な意見と否定的な意見の両方が投稿されているときに、顧客はクチコミを信用できると感じると説明しています。

まず、事実を確認する

返信を書く前に、社内で次の順に確認します。

  1. 該当する取引や来店があったかを確認する
  2. 指摘が事実か、原因はどこにあるかを担当者と確認する
  3. 改善できることがあれば、対応を決める
  4. 返信を書き、可能なら別の人に読んでもらってから投稿する

Googleのヒントにも、投稿者とその訪問に関する記録を確認するよう書かれています。取引が確認できない場合も、決めつけません。

確認をお願いする返信にとどめます。

削除を求めてよいのは、ポリシー違反だけ

Googleのヘルプによると、どのクチコミも報告できます。ただ、削除の対象になるのは、ポリシーに違反しているものだけです。

内容に不満がある、気に入らないという理由だけで報告しないよう、はっきり書かれています。Googleは、事業者と利用者の間の紛争には関与しません。

報告したクチコミが削除に当たらないと判断された場合は、1回限りの再審査請求ができます。

報告を検討してよい例は、次のとおりです。

状況 判断
取引した事実が確認できず、実体験とは思えない 報告を検討する
差別的な表現、個人攻撃、個人情報を含む 報告を検討する
同業者による妨害が疑われる 報告を検討する
内容が事実だが、耳が痛い 報告せず、返信と改善で対応する

事実と異なる投稿の訂正をお願いするとき

明らかに事実と異なる内容のレビューがあるときは、どう動けばよいでしょうか。

消費者庁のQ&A(Q9)は、客観的な事実に反する内容や、他社の名誉を傷つける内容のレビューについて、投稿者に記載を改めるよう依頼しても、そのことだけでは事業者の表示には当たらないと説明しています。

ただし、Googleのポリシーでは、クチコミの修正や削除と引き換えに、見返りを提供することが禁止されています。

つまり、訂正のお願いはできますが、割引や返金を見返りに申し出てはいけません。返金などの対応は、訂正とは切り離して、事実関係に応じて決めます。

低評価と引き換えに金銭を求められたとき

低評価のクチコミを急に増やしたうえで、削除と引き換えに金銭などを要求する恐喝詐欺について、Googleは専用の報告フォームを用意しています。

Googleのヘルプは、次の対応を求めています。

  • 相手とやり取りしたり、金銭を払ったりしない
  • 金銭やサービスを提供して、自分で解決しようとしない
  • スクリーンショットなどの証拠を、早めにすべて集める
  • 受け取った連絡の内容を、フォームで報告する

名誉毀損や業務妨害にあたるような深刻な書き込みは、プラットフォームへの報告とは別に、弁護士への相談も検討してください。

否定的なレビューを、改善の材料にする

繰り返し出てくる不満は、サービスやサイトの説明を見直すきっかけになります。

たとえば「料金が分かりにくい」という声が続くなら、料金ページの書き方を改めます。人にもAIにも、正しい情報が伝わるようになります。

レビュー依頼の正しいやり方

依頼のしかたは、ポリシーの違反がいちばん起きやすい場面です。ここまでの内容を、実際の流れに落とし込みます。

基本は「全員に、同じように、見返りなしで」

依頼の基本は、取引したすべての顧客に、同じ文面で、見返りなしで頼むことです。内容は指定しません。

口コミ依頼から改善までの流れ全員に依頼同じ文面で条件見返りなし星や内容は指定せず投稿後返信する短く具体的に集めて改善につなぐ続く不満を直す

図の4つの箱を順にたどると、依頼から改善までが1周します。この流れを繰り返します。

やってよいこと やってはいけないこと
取引した全員に依頼する 満足していそうな人だけに依頼する
「率直なご感想を」と頼む 「星5でお願いします」と頼む
見返りなしで頼む 割引、クーポン、プレゼントと引き換えにする
投稿用のリンクやQRコードを渡す その場で書くよう迫る。スタッフにノルマを課す
依頼の時期と方法を決めて記録する 低評価を書いた人に、削除や修正を見返りつきで頼む

依頼の手順

次の4段階で進めます。

  1. 依頼のタイミングを決める。納品後、来店後、サービスの終了後など、体験が新しいうちに頼みます。
  2. 依頼用のリンクを用意する。ビジネスプロフィールで、クチコミを依頼するリンクとQRコードを作れます。
  3. 依頼文を統一する。全員に同じ文面を使います。
  4. 社内のルールにする。誰が、いつ、どの顧客に頼んだかを、簡単に記録します。

Googleのヘルプは、リンクやQRコードの使い方として、領収書に載せる、お礼のメールに載せる、チャットの最後に添える、QRコードを印刷して店に掲示する、の4つを挙げています。

なお、QRコードの作成は、パソコンのブラウザからだけ可能と書かれています。スマートフォンのアプリからは作れません。

記録を残しておくと、特定の顧客を選別していないことを、あとから説明できます。

依頼文の例

このたびはご利用ありがとうございました。

よろしければ、ご利用の感想をお聞かせください。良かった点も、改善してほしい点も、率直にお書きいただけると助かります。

(投稿用リンク)

投稿は任意です。投稿の有無で、今後の対応が変わることはありません。

「良かった点も、改善してほしい点も」と書くと、好意的な投稿だけを求めていないことが伝わります。

事前アンケートで振り分けない

よくある失敗が、先に社内アンケートで満足度を聞き、高評価の人だけにGoogleのクチコミを頼む流れです。

一般に「レビューゲーティング」と呼ばれる手法です。Googleのポリシーが禁じる「肯定的なクチコミを選択的に募る行為」に当たると考えられます。

外部のツールにこの機能が付いている場合があります。導入するときに、設定を確かめてください。

その場での要求とスタッフへのノルマ

店頭や商談の場で、その場で書くよう頼むことも、ポリシーで禁止されています。

「今月は5件、クチコミをもらうこと」のようなスタッフへのノルマも、禁止されている行為の例に入っています。

依頼は、利用のあとにメールやチャットで届く形が安全です。

やってはいけないこと

ここまでの内容を、やってはいけないことに絞って並べます。

行為 問題になる理由
従業員、家族、取引先、代行業者にレビューを書かせる Googleの利益相反、実体験に基づかない投稿の禁止
割引や特典と引き換えにレビューを頼む Googleのポリシーで禁止
星の数や推奨コメントを条件にする 景品表示法で事業者の表示になる
満足していそうな人にだけ依頼する Googleの選択的な募集の禁止
低評価の投稿者に、削除や修正を見返りつきで頼む Googleのポリシーで禁止
好意的な声だけを選び、選んだことを書かずに載せる 景品表示法で事業者の表示になる
良い点と悪い点が書かれた感想から、良い点だけを載せる 消費者庁のQ&Aで事業者の表示に当たる
依頼して書いてもらった投稿を「お客様の声」にする 消費者庁のQ&Aで適当でないとされる
謝礼やモニター提供を隠す 景品表示法と、Search Centralのガイドライン
ページにない評価を、構造化データだけに書く Googleのガイドライン
否定的なレビューに感情的に反論する。個人情報に触れる Googleの返信のヒント
内容が気に入らないという理由だけで、削除を求める Googleのヘルプ

チェックリスト

自社の運用を点検するための表です。

区分 確認項目
現状把握 自社名とサービス名で、Googleマップや業種別の口コミサイトにどんな声があるか確認した
現状把握 AI検索で自社について聞き、口コミが要約されていないか確認した
自社サイト 「お客様の声」に、集めた方法、選んだ主体、編集の範囲を書いた
自社サイト 謝礼やモニター提供があった声には、その旨を書いた
自社サイト 良い点だけを切り出していない。改善点も載せている
自社サイト 依頼して書いてもらった投稿を「お客様の声」にしていない
構造化データ 自社へのレビューの星のマークアップに頼っていない。ページにない評価を書いていない
依頼 すべての顧客に、同じ文面と同じタイミングで依頼している
依頼 見返りを付けていない。星の数や内容を指定していない
依頼 満足度による振り分けをしていない。スタッフにノルマを課していない
返信 否定的な指摘と質問には、必ず返信している
返信 個人情報に触れず、宣伝していない
否定的なレビュー 事実確認、改善、返信の流れを社内で決めている
否定的なレビュー 報告はポリシー違反の場合に限っている
規約 利用している口コミサイトとECモールの規約を確認した

よくある質問

Q1. Googleのクチコミが多いほど、AI検索で紹介されやすくなりますか?

2026年10月17日時点で、クチコミの件数や星の平均が、AI検索での紹介を左右すると説明した公式情報は見つかりませんでした。

AIがクチコミを要約して回答に使う機能はあります。ただ、どのように重み付けしているかは公開されていません。

件数を目標にするより、実際の顧客に継続して依頼する運用を整えてください。

Q2. 自社サイトにGoogleのクチコミを埋め込んでもよいですか?

すべてのクチコミを、選ばず、内容も変えずに表示するなら、消費者庁のQ&Aの考え方では、事業者の表示に当たりにくいといえます。

高評価だけを表示する設定にしている場合は、自社が選んだ表示であることを明記してください。

また、埋め込みは自社へのレビューにあたり、検索結果の星の表示には使われません。

Q3. 謝礼つきのアンケートの感想を「お客様の声」に使えますか?

使えます。ただし、謝礼を渡したことと、どう選んだかを書いておくのが安全です。

謝礼の条件として、好意的な回答や星の数を求めることは避けてください。

その感想を、Googleのクチコミとして投稿してもらうことを謝礼の条件にすると、Googleのポリシーに違反します。

Q4. 事実と異なる低評価のレビューがあります。どうすればよいですか?

まず社内で、取引の有無と事実関係を確認します。

返信では、感情的にならず、事実と異なる点を簡潔に伝えて、連絡先を示します。偽の投稿や個人攻撃など、ポリシー違反と考えられる場合は、管理画面から報告できます。

深刻な名誉毀損が疑われる場合は、弁護士に相談してください。

Q5. BtoBの会社でも、口コミ対策は必要ですか?

BtoBでも、業種別の比較サイトやGoogleマップに声が集まることがあります。AI検索が「おすすめの会社は?」と聞かれたときの材料になりえます。

ステマ規制が対象とするのは、一般の消費者が事業者の表示だと判別しにくい表示です。法人どうしの取引にどう当てはまるかは、取引の実態によるため、専門家に確認してください。

Googleなどのプラットフォームの規約は、BtoBの会社にも同じように適用されます。

まとめ

AI検索の一部は、公開された口コミやレビューを要約して、判断材料にしています。一方、レビューの真偽をAIが検証しているわけではありません。

件数を増やせば推薦されるという裏づけもありません。

だから口コミとの付き合い方は、昔からの基本に戻ります。

  1. 自社サイトの「お客様の声」には、選び方、編集の範囲、謝礼の有無を書く
  2. Googleなどのプラットフォームでは、見返りなしで、全員に同じように頼む
  3. 否定的な指摘と質問には必ず返信し、事実確認と改善につなげる
  4. 偽のレビュー、選別した依頼、内容の指定はしない

誠実に集めた声と、誠実な返信が積み重なると、人の見込み客にも、それを要約するAIにも、同じように伝わります。

今日できる点検

まずは、次の表の順に、30分ほどで現状を確かめてください。

順番 確かめること 見る場所
1 自社名で検索し、どんな口コミが出るか Googleマップ、業種別の口コミサイト
2 AIに自社について聞いて、口コミが要約に出るか ChatGPT、Gemini、マップに相談
3 「お客様の声」ページに、選び方と謝礼の有無が書いてあるか 自社サイト
4 返信していない否定的な投稿がないか ビジネスプロフィールのクチコミ管理
5 依頼の文面とタイミングが、全員に同じか 社内の依頼手順

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合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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