数年前までは、何もしなくても入園の申し込みが定員を上回っていた。それが今は、年度の途中でも空きが埋まらない。
見学の問い合わせも減り、近くに新しい園ができるたびに申し込みが分かれていく。この記事は、そうした悩みを抱える保育園やこども園の園長、運営する法人の担当の方と、園のホームページを任されている方に向けて書いています。
集客の手法を並べるのは後に回します。最初に、保育園を探している親が、見学や申し込みの直前に何に迷っているのかを整理します。
そのうえで、ホームページのどこから直せば、初めての親が安心して見学を申し込み、希望の順位の上のほうに園の名前を書いてくれるのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自分の園のホームページで最初に直す場所が1つ決まっている。そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、保育園を選ぶ親の迷い
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿者は、子どもの保育園を探している親でした。家から近い2つの園を見学したものの、近くにほかの園が少ないので、もう距離で選ぼうと思っている。
ところが友人に話すと、絶対にやめたほうがいい、候補の園はすべて見学に行くべきだと言われた。その友人は10か所を見学したそうで、やはりたくさん見て慎重に選ぶべきか、見すぎても分からなくなる気がする、という内容です。
保育園は外から分からない
回答の中に、この記事の出発点になる言葉がありました。
「保育園って外から分からないです。」
別の回答者は、見学のときに園内が清潔か、子どもたちの様子や保育士どうしの会話に目を向けるとよいと書いていました。さらに別の人は、子どもたちの作ったものがまったく飾られていない園もあると聞く、と書いています。
親が見学で確かめようとしているのは、設備の新しさより、園の中で毎日どんな時間が流れているのかです。
裏を返せば、親は外から見えない園の日常を、見学に行かなければ知る方法がないと感じています。見学には、仕事を休んだり、子どもを連れて行ったりする手間がかかります。
その手間をかけて何か所も回るのは大変なので、近さで決めてしまうか、友人の勧めに従って疲れ果てるまで見て回るかの二択になります。
ホームページで園の日常が分かれば、この迷いはずっと小さくなります。
園が伝えたいことと、親が知りたいこと
保育園のホームページによく並んでいる内容と、園を探している親が知りたいことを並べると、次のようになります。
| 園がよく書いていること | 親が知りたいこと | ずれが生む結果 |
|---|---|---|
| 保育の理念と方針 | 子どもが毎日どう過ごしているのか | 日常が想像できず、見学の候補から外す |
| 年間の行事の一覧 | 行事のたびに親の負担はどのくらいか | 負担が重そうだと感じ、ほかの園を探す |
| 園舎と園庭の写真 | 先生たちは子どもにどう接しているのか | 雰囲気が分からず、口コミで確かめようとする |
| 独自の教育のプログラム | 慣らし保育や急な発熱のときはどうなるのか | 働き始めたあとの生活が見えず、不安が残る |
| 定員と開所時間 | 見学は何時に、どう申し込めばよいのか | 申し込み方が分からず、電話をためらう |
どの行も、園の側に悪気はありません。ただ、親の問いに答える前に園の方針を並べると、親は答えを探して、地域の口コミや別の園のページへ移ります。
保育園は、選ばれる側に変わった
保育園を取り巻く状況は、ここ数年で大きく変わりました。感覚で語ると園ごとの思い込みに引きずられるので、国の数字で確かめておきます。
国の数字に出ている変化
こども家庭庁が公表した保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)のポイントは、次のとおりです。
| 項目(令和8年4月1日) | 数字 | 園にとっての意味 |
|---|---|---|
| 保育所等の利用定員 | 302万人(前年比1.3万人の減少) | 定員を減らす動きが始まっている |
| 保育所等を利用する児童の数 | 265万人(前年比3.2万人の減少) | 利用する子どもの数が、定員より速く減っている |
| 定員充足率 | 87.7%(前年比0.7%の減少) | 平均でも1割以上の空きがある |
| 待機児童数 | 2,435人(前年比181人の増加) | 空きがある地域と、足りない地域が分かれている |
| 待機児童のいる市区町村 | 189市区町村(前年から22減少) | 多くの地域では、園が選ばれる側にいる |
定員充足率が87.7%ということは、全国の平均で見ても、定員のうち1割以上が埋まっていないということです。待機児童の数そのものは前年より増えましたが、待機児童のいる市区町村は減っています。
一部の地域に足りない状態が集まり、ほかの多くの地域では、親が園を選ぶ状態になっていると読めます。
誰が調べているかで、知りたいことは変わる
保育園を探している親は1種類ではありません。誰が、いつ調べているかで、最初に知りたいことが変わります。
| 調べている人 | 最初に知りたいこと | ページの中で答える場所 |
|---|---|---|
| 育休中で、復帰の時期を決めている親 | 慣らし保育の期間と、復帰までの流れ | 入園までの流れのページ |
| 初めての子どもを預ける親 | 子どもが泣いたとき、どう対応してくれるか | 1日の流れと、先生の関わり方 |
| 引っ越してきたばかりの親 | 途中からでも入れるのか、空きはあるか | 空きの状況と、途中入園の案内 |
| 下の子の園を探している親 | 上の子と同じ園に通えるか、送迎の負担 | 送迎と駐車場の案内 |
| 祖父母に送迎を頼む予定の親 | 祖父母が迎えに行っても大丈夫か | お迎えの決まりと、登録の方法 |
5つの行を見比べると、どれも理念や教育の中身を最初には問うていないことが分かります。聞かれているのは、子どもがこの園でどう過ごすのか、親の生活はどう変わるのか、という2点です。
なぜ保育園のホームページは、親の迷いに答えないのか
保育園のホームページが親の迷いに答えないのは、書く人の怠慢が原因とは限りません。保育園ならではの事情が、いくつか重なっています。
申し込みは役所、という思い込み
認可の保育所に入るには、多くの場合、親は市区町村に申し込みます。どの園に入るかは、市区町村が家庭の状況や希望の順位をもとに調整して決めます。
この仕組みがあるため、園の側には「親を集めるのは役所の仕事で、園が自分で集める必要はない」という感覚が長く残ってきました。
待機児童が多かったころは、それでも定員は埋まりました。けれども、定員に空きが出る今は事情が違います。
親は申し込みの書類に、希望する園を順位をつけて書きます。その順位を決める材料になるのが、見学の印象と、園のホームページと、地域の口コミです。
申し込みの窓口が役所であっても、園の名前を何番目に書くかを決めるのは親です。
法律は情報の提供を求めている
児童福祉法の第48条の4は、保育所について次のように定めています。
「保育所は、当該保育所が主として利用される地域の住民に対して、その行う保育に関し情報の提供を行わなければならない。」
園の保育について、地域の人に情報を届けることは、法律が保育所に求めている務めでもあります。ホームページは、その務めを果たすための一番手軽な場所です。
ところが、多くの園のホームページは、理念や行事の一覧で止まっていて、親が知りたい毎日の保育の中身までは届いていません。
同じ条文には、保育所が地域の住民に対して、保育に支障がない限りで乳児や幼児の保育に関する相談に応じ、助言を行うよう努めることも書かれています。見学の前に気軽に相談できる窓口を示すことは、この努めにもつながります。
写真と個人情報の心配で、日常が消える
もう1つの事情は、子どもの写真と個人情報です。園の日常を伝えるには、子どもが遊んでいる様子や、給食の時間の写真が一番分かりやすいはずです。
けれども、子どもの顔が写った写真を載せるには、保護者の同意が必要になります。同意の確認に手間がかかるうえ、万が一のことを考えると、載せないほうが安全だと感じる園は少なくありません。
その結果、ホームページには誰もいない園庭と保育室の写真だけが残ります。設備はきれいでも、そこで子どもがどう過ごしているのかは伝わりません。
Q&Aサイトの回答にあった「保育園って外から分からない」という言葉は、こうしたページを見た親の実感でもあります。
| 園の事情 | 起きていること | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 申し込みは役所なので、集める必要がないと感じる | ホームページが更新されないまま残る | 希望の順位を決める材料として、見学の案内を整える |
| 子どもの写真を載せるのが心配 | 誰もいない園舎の写真だけが並ぶ | 後ろ姿や手元の写真、給食や制作物の写真を使う |
| 保育士が忙しく、書く時間がない | 行事の報告が年に数回載るだけ | 1日の流れを1度書き、あとは季節ごとに見直す |
| 園の方針を正しく伝えたい | 理念の文章が長くなる | 方針が表れている毎日の場面を1つずつ書く |
保活の情報と口コミの中で、園の違いが消える
親が保育園を探すとき、最初に目にするのは、市区町村が出している園の一覧や、地図のアプリ、地域の口コミです。こうした情報は便利ですが、その中では園ごとの違いが見えにくくなります。
一覧で比べられるのは距離と定員
市区町村の一覧に載っているのは、園の名前と所在地、定員、開所時間、空きの状況といった情報です。どれも大事な情報ですが、園の保育の中身は出てきません。
一覧だけを見て比べると、親が比べられるのは家や職場からの距離と、開所時間くらいです。Q&Aサイトの投稿者が「もう距離で選ぼう」と考えたのも、ほかに比べる材料がなかったからでしょう。
見学の印象で決まっている
距離で絞り込んだあと、親は見学で園を決めます。回答にあったとおり、見学で見られているのは、先生たちの表情や子どもへの声のかけ方、園内の清潔さ、子どもの作ったものの飾り方です。
どれも、一覧には載らない情報です。
ここで、園のホームページに1日の流れや先生の関わり方、親の負担が書かれていれば、親は見学の前にある程度の見当をつけられます。
見学は「確かめる場」になり、何か所も回って疲れ果てることが減ります。ホームページで先に日常を見せている園は、見学の候補の上のほうに残ります。
地域の口コミも、同じように見学の印象から生まれています。先生の対応が温かかった、質問に丁寧に答えてくれた、帰りに園の周りの道を教えてくれた。
見学のときの小さな出来事が、親どうしの会話で広がり、次に園を探す親の耳に入ります。見学に来てもらえなければ、そうした口コミも生まれません。
園児が集まらないときに選びがちな手
定員に空きが出てきたとき、保育園が最初に考える手はだいたい決まっています。イベントを増やす、チラシを配る、教育の特色を前に出す。
どれも一度は試したくなる手ですが、親の迷いに答えないまま続けると、別の困りごとに変わります。
地域向けのイベントを増やす
園庭の開放や、子育ての講座、夏祭りへの招待。地域の親子に園を知ってもらうイベントは、園の雰囲気を伝える良い機会です。
ただ、イベントに来るのは、すでに時間に余裕のある親が中心です。育休中で復帰の時期を考えている親や、平日に仕事をしている親は、イベントの日に来られないことも多いはずです。
イベントの準備には、保育士の時間がかかります。日々の保育に加えて準備を重ねると、先生たちの疲れが表情に出ます。
見学に来た親が一番よく見ているのは、その先生たちの表情です。イベントを増やす前に、来られない親にも園の日常が伝わる方法を整えておく必要があります。
チラシを配る
近所の家や、子育て支援の施設にチラシを置くのも、よく選ばれる手です。チラシを見た親は、まず園の名前で検索して、ホームページを開きます。
そこに理念と行事の一覧しかなければ、チラシで生まれた関心は、そこで止まってしまいます。チラシを配るなら、チラシを見た親が次に読むページを先に整えておくことが欠かせません。
教育の特色を並べる
英語の時間、体操の教室、音楽のプログラム。教育の特色を前に出すと、ほかの園との違いが分かりやすくなるように感じます。
ただ、初めて子どもを預ける親の多くが最初に気にしているのは、特色より、子どもが泣いたときにどう対応してくれるか、急に熱が出たときにどうなるか、といったことです。
特色は、その不安に答えたあとに読まれて初めて、園を選ぶ理由になります。
| よく選ばれる手 | その場で起きること | しばらく後に起きること | 先にやっておくこと |
|---|---|---|---|
| 地域向けのイベントを増やす | 園の名前を知る親子が増える | 準備で先生が疲れ、見学の印象が下がる | 来られない親にも1日の流れが伝わるページを作る |
| チラシを配る | 園の名前で検索する人が増える | ホームページで関心が止まる | チラシを見た親が読む見学の案内を整える |
| 教育の特色を前に出す | 違いが分かりやすくなる | 初めての親の不安が残ったまま | 泣いたときや発熱のときの対応を先に書く |
| 空きがあることを大きく打ち出す | 問い合わせが増える | なぜ空いているのかと疑われる | 空きの理由と、見学で確かめられることを書く |
見学に来ない親が止まっている場所
ホームページを見た親が見学に来ないとき、その親はどこかで止まっています。止まっている場所が分かれば、直す場所も分かります。
見学の申し込みの手前で止まる
Q&Aサイトには、見学の時間帯は親が決めてよいのか、子どもを連れて行ったほうがよいのか、という質問がいくつも並んでいます。
どれも、見学の申し込みの手前で止まっている親の声です。何時に行けば園の普段の様子が見られるのか、どのくらい時間がかかるのか、何を持って行けばよいのか。
こうしたことが分からないと、電話をかける気持ちになれません。
電話で聞けばよいと思うかもしれません。けれども、保育園の電話は、保育の時間中にかけると迷惑になるのではないかと、多くの親が気にしています。
見学の申し込み方と、電話がつながりやすい時間帯をホームページに書いておくだけで、この迷いは消えます。
見学で見られていること
見学に来た親が何を見ているのかを知っておくと、ホームページで先に伝えるべきことも見えてきます。
| 見学で親が見ていること | 親が確かめたいこと | ホームページで先に伝えること |
|---|---|---|
| 先生たちの表情と声のかけ方 | 子どもに優しく接してくれるか | 泣いている子にどう関わるかの具体的な場面 |
| 園内の清潔さ | 衛生に気を配っているか | 掃除や消毒の決まりと、おもちゃの扱い方 |
| 子どもの作ったものの飾り方 | 子どもの毎日が大切にされているか | 制作物の写真と、季節ごとの取り組み |
| 給食やおやつの様子 | 食べ物のアレルギーに対応してくれるか | アレルギーへの対応の流れと、献立の考え方 |
| お昼寝の様子 | 年齢に合った過ごし方か | 年齢ごとの1日の流れ |
見学で確かめられることを先にホームページで伝えておくと、親は見学の場で「書いてあったとおりだ」と確かめることになります。その確認が、希望の順位を決める決め手になります。
反対に、見学で見たことがホームページの説明と違っていると、親は不安を持ちます。ホームページには自然の中での遊びを大切にしていると書いてあるのに、見学の日には子どもたちがずっと室内にいた。
そうした食い違いは、たまたまその日の天気が悪かっただけでも起こります。天気が悪い日の過ごし方も書いておくと、見学の日がどんな日でも、親は説明と実際を結びつけて受け取れます。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここまでの話をまとめると、保育園のホームページが親の迷いに答えないのは、ページの主役が園になっているからです。理念、方針、行事、教育の特色。
どれも園の話で、子どもを預けようとしている親の話は後回しになっています。
私たちは、この順番を入れ替えることを「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。主役の座を、園から、子どもを預ける先を探している親へ譲るということです。
園は、初めての保活で迷っている親の道案内をする立場に回ります。保育の現場では、子どもの気持ちを先に受け止めてから声をかけるのが当たり前のはずです。
ホームページでも同じ順番を守る、というだけの話です。
主役を、迷っている親に置く
主役を親に置くというのは、ページの最初に来る言葉を変えることから始まります。「子どもの主体性を育む保育」という書き出しは、園の方針が主語です。
「育休からの復帰を控えて、初めて子どもを預ける方へ」という書き出しは、読んでいる親が主語です。
自分のことが書いてあると感じた親は、その先を読み進めます。1日の流れを読み、親の負担を確かめ、見学の申し込み方を見つける。
その順番がページの中にできていれば、親は迷わずに見学までたどり着けます。
園は道案内に回る
主役を親に置いたあと、園は道案内として登場します。「朝は7時から受け入れています。
登園したら、まず先生と一緒に検温をします」「慣らし保育は2週間ほどを目安に、お子さんの様子を見ながら時間を延ばしていきます」「見学は平日の午前10時ごろが、普段の様子をご覧いただきやすい時間です」。
道案内の言葉は、どれも具体的で、親が自分の生活を思い浮かべられるものです。
保育の理念や教育の特色は、この道案内の中で「だから朝の時間をこう過ごしています」という根拠として出てきます。方針を捨てる必要はありません。
置く場所を変えるだけです。
入園の前に答えておく5つのこと
では、道案内として何を書けばよいのか。保育園を探している親がホームページで確かめたいことは、次の5つにまとまります。
1. 子どもの1日の流れ
最初に答えるのは、「子どもがこの園でどう過ごすのか」という問いです。Q&Aサイトの回答にあったとおり、保育園は外から分かりにくい場所です。
登園してから降園するまでの流れを、時刻と一緒に書いておくと、親は子どもの1日を思い浮かべられます。
図のように、登園から降園までを順番に並べると、親は子どもの1日と自分の送り迎えの時間を重ねて考えられます。年齢によって過ごし方が違う場合は、0歳児と3歳以上児のように分けて書くと、自分の子どもに当てはめやすくなります。お昼寝の時間や、午後のおやつの時間も書いておくと、家での生活とのつながりも見えてきます。
2. 親の負担
2つ目は、親の負担です。毎日の持ち物、布おむつか紙おむつか、使ったおむつの持ち帰りの有無、行事のたびに親が手伝うことの多さ、保護者の会の活動。
Q&Aサイトでも、親の負担が大きすぎる園を避けたいという声が見られます。働きながら子どもを預ける親にとって、負担の大きさは園を選ぶ大きな理由になります。
負担が少ないことだけを強調する必要はありません。手作りの持ち物をお願いしている理由や、行事に親が参加する意味があるなら、それも一緒に書きます。
理由が分かれば、納得して選ぶ親もいます。
3. 見学の申し込み方
3つ目は、見学の申し込み方です。見学ができる曜日と時間帯、所要時間の目安、子どもを連れてきてよいか、電話がつながりやすい時間帯。
これらを1か所にまとめておくと、見学の申し込みの手前で止まっている親が動き出します。ネットで見学の予約を受け付けられるなら、その入口も同じ場所に置きます。
4. 慣らし保育と、急な発熱のとき
4つ目は、働き始めたあとの生活に関わることです。慣らし保育の期間の目安、子どもが熱を出したときに連絡が来る基準、お迎えに行けないときの相談の仕方。
育休からの復帰を控えた親は、仕事の予定を立てるために、これらをできるだけ早く知りたいと考えています。
5. 入園の申し込みの流れ
5つ目は、入園の申し込みの流れです。認可の保育所なら、申し込みは市区町村の窓口で行い、希望の順位を書いて提出することを案内します。
申し込みの締め切りの時期や、途中入園の扱い、空きの状況の確かめ方も書いておくと、初めての保活で戸惑っている親の助けになります。
園に直接申し込む形の施設なら、申し込みから入園までの流れを順番に書きます。
| 答えておくこと | 親の問い | ページに書く例 |
|---|---|---|
| 1. 1日の流れ | 子どもはどう過ごすのか | 登園から降園までの時刻と、年齢ごとの違い |
| 2. 親の負担 | 毎日と行事のたびに何が要るのか | 持ち物、おむつの扱い、行事の手伝い、保護者の会 |
| 3. 見学の申し込み | いつ、どう申し込めばよいのか | 見学の曜日と時間帯、所要時間、電話の時間帯 |
| 4. 慣らし保育と発熱 | 働き始めたあと、どうなるのか | 慣らし保育の目安、連絡の基準、お迎えの相談 |
| 5. 入園の申し込み | どこに、いつ申し込むのか | 市区町村の窓口、締め切りの時期、途中入園の扱い |
園の形で変わること
5つのことは、どの園でも共通して答えておく内容です。そのうえで、園の形によって重点が変わります。
認可の保育所、小規模の保育、こども園
| 園の形 | 親の状況 | 一番上に置くこと |
|---|---|---|
| 認可の保育所 | 市区町村に申し込み、希望の順位を考えている | 見学の案内と、1日の流れ |
| 0歳から2歳までの小規模の保育 | 3歳からの行き先も気にしている | 3歳からの連携先と、卒園後の流れ |
| 認定こども園 | 教育と保育のどちらで通うか迷っている | 通い方の違いと、1日の流れの違い |
| 認可外や企業が設けた保育施設 | 園に直接申し込み、費用や条件を比べている | 申し込みの流れと、保育の体制 |
書き出しを変えると、何が変わるか
最後に、ホームページの最初の画面に置く言葉を、直す前と直した後で比べておきます。
| 場面 | 直す前の書き出し | 直した後の書き出し |
|---|---|---|
| トップページの最初の画面 | 子どもの主体性を育む保育 | 初めてお子さんを預ける方へ、園の1日をご紹介します |
| 保育の内容のページ | 当園の保育方針 | 登園してからお迎えまで、子どもたちはこう過ごしています |
| 入園の案内のページ | 入園のご案内 | 見学は平日の午前がおすすめです。お子さん連れでどうぞ |
| 行事のページ | 年間の行事予定 | 行事のとき、保護者の方にお願いしていること |
見学と電話でも、同じことを言う
ホームページを直しても、見学や電話で言うことが違っていれば、読んだ親の安心は崩れます。「ホームページには見学は予約なしでもよいと書いてあったのに、行ったら断られた」「持ち物は少ないと書いてあったのに、入園の説明会で長い一覧を渡された」。
こうした食い違いは、地域の口コミで広がりやすいものです。
ホームページと見学の説明をそろえる
ホームページに書いたことは、園の約束として読まれます。見学の案内をする先生が変わっても、同じことを言える状態にしておく必要があります。
一番簡単なのは、1日の流れと親の負担をまとめたページを印刷して、見学のときに配ることです。書いてあることと、目の前の園の様子が同じであれば、親は安心して希望の順位を決められます。
反対に、見学や電話でよく聞かれることは、ホームページに足していく材料になります。「お迎えが遅くなりそうなときは、何時までに連絡すればよいですか」「兄弟で同じクラスの行事がある日はどうなりますか」。
見学の案内をした先生に、よく聞かれた質問をメモしてもらうだけで、ホームページに書くべきことの一覧ができあがります。
入園してからの説明にも、同じ言葉を使う
入園の説明会や、入園してからのお便りも、ホームページと同じ言葉で書きます。入園前に読んだことと、入園してから知らされることが同じであれば、親は「選んでよかった」と感じます。
その実感は、地域の親どうしの会話や口コミを通して、次に園を探す親に届きます。
| 入口 | 食い違いが起きやすいこと | そろえ方 |
|---|---|---|
| ホームページ | 見学の予約の要否 | 見学の案内と同じ言葉で、条件を1文で書く |
| 電話 | 見学できる時間帯 | ページを印刷して手元に置き、同じ時間帯を伝える |
| 見学の案内 | 親の負担と持ち物 | ページと同じ一覧を見学のときに配る |
| 入園の説明会 | 慣らし保育の期間 | ページと同じ目安を使い、例外の場合を説明する |
よくある質問
Q. 子どもの顔を載せられない場合、どうやって園の雰囲気を伝えればよいですか
後ろ姿や手元の写真、給食やおやつの写真、子どもたちの作ったものの写真で伝えられます。先生たちの顔写真と、先生が普段どう子どもに声をかけているかの言葉も、雰囲気を伝える材料になります。
子どもの写真を載せる場合は、保護者の同意を確かめてから載せます。
Q. 親の負担が大きいことを正直に書くと、申し込みが減りませんか
書かなくても、見学や入園の説明会で知られます。そのときに驚いた親は、不信を持ちます。
先に書いておけば、知ったうえで選ぶ親が集まり、入園してからの不満が減ります。負担をお願いしている理由も一緒に書くと、納得して選ぶ親もいます。
Q. 見学の予約をネットで受け付けたほうがよいですか
受け付けられるなら、そのほうが親は申し込みやすくなります。保育の時間中に電話をかけるのをためらう親は少なくありません。
ネットの予約が難しい場合は、電話がつながりやすい時間帯をはっきり書いておくだけでも効果があります。
Q. 空きがあることを書くと、人気がない園だと思われませんか
空きがあることは、途中から入園したい親にとって大事な情報です。空きの状況と一緒に、見学で確かめられることを書いておけば、人気の有無より、自分の子どもに合うかどうかで判断してもらえます。
Q. ホームページを直すのと、地域のイベントと、どちらを先にやればよいですか
ホームページを先に直してください。イベントやチラシで園を知った親は、そのあと必ずホームページを開きます。
そこで1日の流れと見学の案内が読めれば、イベントで生まれた関心が見学の申し込みにつながります。
今日できる点検
最後に、今日のうちに自分の園のホームページで確かめられる点検の表を置いておきます。答えが「いいえ」になった行のうち、一番上の行から手をつけてください。
| 点検すること | 確かめる場所 | 「いいえ」だったときにすること |
|---|---|---|
| 最初の画面に、親が主語の言葉があるか | トップページ | 初めて子どもを預ける方へ、という書き出しにする |
| 子どもの1日の流れが時刻つきで書いてあるか | 保育の内容のページ | 登園から降園までを、年齢ごとに書く |
| 親の負担が書いてあるか | 入園の案内のページ | 持ち物、おむつの扱い、行事の手伝いを一覧にする |
| 見学の申し込み方が1か所にまとまっているか | 入園の案内のページ | 曜日、時間帯、所要時間、電話の時間帯を書く |
| 慣らし保育と発熱のときの対応が書いてあるか | よくある質問 | 期間の目安と、連絡の基準を書く |
| 入園の申し込みの流れが書いてあるか | 入園の案内のページ | 市区町村の窓口と、締め切りの時期を書く |
まとめ
保育園を探している親は、市区町村の一覧で距離と定員を比べ、見学で園の日常を確かめています。ホームページで確かめたいのは、理念や教育の特色より、子どもがこの園でどう過ごすのか、親の生活はどう変わるのか、という2つのことです。
定員に空きが出る今、申し込みの窓口が役所であっても、希望の順位を決めるのは親です。まずは、保育の内容のページを開いてみてください。
子どもの1日の流れが時刻つきで書いてあるかを確かめる。書いていなければ、そこが最初に直す場所です。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません


