情報サイトに在庫を載せると、問い合わせはそれなりに届く。けれども、実際に店まで来て車を見てくれる人は思ったより少ない。
来てくれても「ほかも見てから」と言って帰り、そのまま連絡が途切れる。値下げをすれば反応は増えるものの、利益は削られていく。
この記事は、そうした悩みを抱える地域の中古車販売店や、整備工場を兼ねた車屋の経営者の方と、店のホームページを任されている方に向けて書いています。
集客の手法を並べるのは後に回します。最初に、中古車を探している人が、店に行く直前に何を怖がっているのかを整理します。
そのうえで、ホームページのどこから直せば、初めての人が気軽に店を訪れ、その店で買う理由を持ってくれるのかを順番に見ていきます。
読み終えたときに、自分の店のホームページで最初に直す場所が1つ決まっている。そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、店に入れない人の声
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿者は、いずれ中古車を買うつもりでいる方でした。少し車を見てみたいだけなのに、店に入ると店員がついてきそうで怖い。
今は下見のつもりで、すぐに商談をする気はない。こういう場合は、店に行かないほうがよいのか、という内容です。
回答には、元は販売の仕事をしていたという人からの言葉がありました。「見に行った時のお店の対応で、買う店を決めてもいいかもしれませんね。」
別の質問でも、買うつもりがないのに見るだけで行ってよいのか、行くなら事前に連絡したほうがよいのか、と迷う人がいました。そこには、連絡をするとかえって買う気満々だと思われ、しつこく勧められるのではないか、という心配も書かれていました。
見るだけで行ってよいのか、という迷い
これらの投稿から分かるのは、中古車を探している人の多くが、店に行く前の段階で止まっているということです。車そのものは情報サイトで見つけている。
気になる車もある。ただ、店に行くと断りにくくなるのではないか、強く勧められるのではないか、という怖さが、来店の一歩を重くしています。
店の側から見ると、見るだけの来店は大歓迎のはずです。Q&Aサイトの回答にも「むしろフリーの状態で見に行くのはお店にとってはウェルカムですよ」という言葉がありました。
ところが、その歓迎の気持ちが、ホームページのどこにも書かれていない店が多いのです。書かれていなければ、探している人は自分の想像で店を判断します。
店が伝えたいことと、来る人が知りたいこと
中古車販売店のホームページによく並んでいる内容と、来店を迷っている人が知りたいことを並べると、次のようになります。
| 店がよく書いていること | 来店を迷っている人が知りたいこと | ずれが生む結果 |
|---|---|---|
| 在庫の台数と、お買い得な車 | 見るだけで行ってもよいのか | 断りにくそうだと感じ、来店をやめる |
| 地域で長く続いていること | 店に行ったら何が起きるのか | 当日の流れが想像できず、先延ばしにする |
| ローンの審査に強いこと | 表示の金額のほかに何がかかるのか | 見積もりで驚かされるのを恐れ、問い合わせない |
| 保証をつけて安心 | 保証は必ず付けなければならないのか | 押し付けられそうだと感じ、ほかの店を探す |
| 車検や整備もお任せ | 買ったあと、どこに相談すればよいのか | 答えが見えず、大きな店を選ぶ |
どの行も、店の側に悪気はありません。ただ、迷っている人の問いに答える前に店の強みを並べると、その人は答えを探して、情報サイトの口コミや別の店のページへ移ります。
中古車を探す人は、どんな順番で店を決めるのか
中古車を探す人の多くは、店から探し始めません。まず情報サイトで車種と年式と走行距離を絞り、条件に合う車を何台か見つけます。
そのうえで、その車を置いている店を見比べます。つまり、車が先で、店は後です。
情報サイトで車を選び、店は最後に選ぶ
同じ車種、同じくらいの年式の車が、いくつもの店に並んでいることは珍しくありません。探している人は、そこで初めて店のホームページを開き、どの店に行くかを決めます。
このとき確かめているのは、車の性能より、店の人がどんな人で、行ったら何が起きるのかです。Q&Aサイトの回答にあったとおり、店の対応で買う店を決める人は少なくありません。
誰が探しているかで、怖さの中身が違う
中古車を探している人は1種類ではありません。誰が探しているかで、来店をためらう理由が変わります。
| 探している人 | 来店をためらう理由 | ページの中で答える場所 |
|---|---|---|
| 初めて車を買う若い人 | 知識がなく、言われるままに買わされそう | 初めての方へ、という案内のページ |
| 家族の車を買い替えたい人 | 子どもを連れて行って長く待たされそう | 家族連れでの来店の案内 |
| 仕事で使う車を探している人 | 急いでいるのに納車がいつになるか分からない | 納車までの日数の目安 |
| 下取りや売却も考えている人 | 安く買いたたかれそう | 査定の流れと、値段の決め方 |
| 遠くの店の車が気になっている人 | 行ったのに車がなかったら困る | 在庫の確認と、来店の予約の方法 |
5つの行を見比べると、どれも車の性能を問うていないことが分かります。聞かれているのは、この店に行っても大丈夫なのか、行ったら何が起きるのか、という2点です。
なぜ中古車販売店のホームページは、来店の怖さに答えないのか
中古車販売店のホームページが迷っている人の怖さに答えないのには、業界の中で長く続いてきた集客のやり方が関わっています。
値段の安さで人を集めてきた歴史
中古車の業界では長いあいだ、車両の価格を安く見せて人を集め、店に来てから保証や整備、さまざまな費用を足していく売り方が問題になってきました。業界団体である自動車公正取引協議会は、この状態を「不当な価格表示」の常態化と呼び、その中身を「安価な車両価格を表示、実際には表示価格で購入できない」と説明しています。
さらに同協議会は、「安価な車両価格でユーザーを集客し、商談時に『保証』や『整備』の購入を強制」する売り方も「不適切な販売行為」として挙げています。
Q&Aサイトの投稿者が店に入るのを怖がっていたのは、まさにこうした売り方の記憶が、業界全体の印象として残っているからです。
まじめに商売をしている地域の店も、同じ目で見られています。
支払総額の表示が変えたこと
こうした問題を受けて、中古車の価格の表示の決まりが改められ、2023年10月1日から施行されました。広告や店頭の価格は、車両の価格に最低限必要な諸費用を足した「支払総額」で表示することになっています。
同協議会によると、約9割の消費者が「支払総額」表示を支持しています。
| 決まりの中身(自動車公正取引協議会の説明) | 何が変わったか | ホームページで書くこと |
|---|---|---|
| 「車両価格」に「諸費用」を加えた価格を「支払総額」の名称で表示する | 表示の価格で買えるようになった | 支払総額と、その内訳を並べて書く |
| 内訳として「車両価格」と「諸費用の額」を表示する | 何にいくらかかるかが見えるようになった | 諸費用の中身を言葉で説明する |
| 登録の時期や地域など、一定の条件をつけた価格であることを表示する | 条件が変わると費用が変わることが分かる | 県外で登録するときや、自宅まで届けるときの違いを書く |
| 納車準備費用などを諸費用として請求することは不適切とされた | 本来の車両価格に含める費用が明確になった | 車両価格に含まれている作業を書く |
この決まりは、店にとって縛りに見えるかもしれません。けれども、来店を迷っている人の立場で見ると、見積もりで驚かされることへの怖さを和らげる材料になります。
表示の価格で買えることを、ホームページではっきり伝えている店は、それだけで安心して訪ねてもらえる候補に入ります。
決まりを守っているだけでは、違いは伝わらない
支払総額の表示は、今ではどの店でも守るべき決まりです。決まりを守ることは大前提ですが、守っているだけでは、ほかの店との違いにはなりません。
探している人から見ると、どの店も同じように支払総額を表示しているからです。
違いが出るのは、表示の外側の説明です。支払総額にどんな費用が含まれているのかを言葉で説明しているか。
県外で登録するときや、自宅まで届けてもらうときに、何が変わるのかを先に書いているか。車両の価格に含まれている点検や整備の中身を、写真や言葉で見せているか。
決まりが求めているのは表示の形で、その中身をどこまで分かりやすく伝えるかは店に任されています。ここに手をかけている店は、見積もりで驚かされたくない人から選ばれます。
情報サイトの一覧では、店の違いが消える
もう1つの構造は、中古車の情報サイトです。探している人の多くは情報サイトで車を選び、そこに並んでいる店を見比べます。
情報サイトは便利な入口ですが、一覧の中では店ごとの違いが見えにくくなります。
同じ車が並ぶと、比べるのは値段だけ
同じ車種で、年式と走行距離が近い車が並んでいると、探している人が比べられるのは支払総額と、店までの距離くらいです。店がどんな思いで車を仕入れ、どんな整備をして売っているのかは、一覧には出てきません。
その結果、少しでも安い店に問い合わせが集まり、ほかの店は値下げで対抗することになります。
口コミと電話の対応で、店が選ばれている
値段が近いとき、探している人は口コミと問い合わせへの対応で店を選びます。問い合わせへの返事が早い、質問に正直に答えてくれた、しつこく来店を迫られなかった。
そうした小さなやり取りが、どの店に行くかを決めています。
ここで、店のホームページに来店の流れや、見るだけの来店を歓迎していることが書かれていれば、情報サイトから来た人はそこで安心を確かめられます。
情報サイトは車を見つける入口として使われ、店を決めるのはホームページで行われる。この順番を作れるかどうかが、車屋の集客の分かれ目になります。
来店が増えないときに選びがちな手
来店が増えないとき、中古車販売店が考える手はだいたい決まっています。情報サイトへの掲載を増やす、値引きや特典を前に出す、ホームページに在庫を全部載せる。
どれも一度は試したくなる手ですが、迷っている人の怖さに答えないまま続けると、別の困りごとに変わります。
情報サイトへの掲載台数を増やす
掲載する台数を増やせば、店の名前を目にする人は増えます。ただ、一覧の中で店の違いが見えない構造は変わりません。
問い合わせが増えても、比べられているのは値段なので、来店の前に別の店へ流れていく人も増えます。掲載にかかる費用は台数に応じて増えるため、手間と費用のわりに、店で車を見てくれる人は増えにくいのです。
値引きと特典を前に出す
値引きや特典を大きく打ち出すと、反応は一時的に増えます。ただ、中古車を探している人は、安さの裏に何かあるのではないかという目で見ています。
特典の条件が細かい文字で書かれていたり、店に来てから条件を知らされたりすると、そこで不信が生まれます。支払総額の表示が始まってから、探している人は表示の価格と実際の見積もりの違いに以前より敏感になっています。
店のホームページに在庫を全部載せる
在庫の一覧をホームページに載せること自体は役に立ちます。ただ、在庫の一覧しかないページは、情報サイトの一覧と変わりません。
探している人がホームページで確かめたいのは、車より店のことです。在庫の一覧の手前に、店に行ったら何が起きるのかを書いておかないと、ホームページを開いた人は情報サイトに戻っていきます。
保証を強く勧める
1台あたりの利益を確保しようとして、保証やコーティングを強く勧める店もあります。保証そのものは、買ったあとの故障に備える役に立つものです。
ただ、自動車公正取引協議会が「不適切な販売行為」として挙げていたのが、まさに商談の場で保証や整備の購入を強いる売り方でした。
探している人は、その記憶を持って店に来ています。
強く勧められたと感じた人は、その場では断りきれずに契約しても、あとで口コミに不満を書くことがあります。その口コミは、これから店を探す人に読まれます。
保証は、中身と、つけない選び方の両方を説明したうえで選んでもらう。そのほうが、つけた人の満足も高くなります。
| よく選ばれる手 | その場で起きること | しばらく後に起きること | 先にやっておくこと |
|---|---|---|---|
| 情報サイトの掲載台数を増やす | 問い合わせが増える | 値段で比べられ、来店は伸びない | 店のページに来店の流れを書く |
| 値引きと特典を前に出す | 反応が一時的に増える | 条件の食い違いで不信が生まれる | 支払総額と条件を並べて書く |
| 在庫を全部ホームページに載せる | ページが充実して見える | 情報サイトと同じに見え、戻られる | 在庫の手前に店の案内を置く |
| 保証を強く勧める | 1台あたりの売上が上がる | 押し付けられたという口コミがつく | 保証を付けない選び方も書く |
国民生活センターに届く、買ったあとの後悔
店に入る怖さの裏には、買ったあとの後悔への怖さがあります。国民生活センターは、中古自動車の相談について「購入の際のキャンセルトラブルのほか、購入した中古自動車の品質に関するトラブルもみられます」とまとめています。
現車を見ずに買って起きること
同センターが紹介している最近の事例には、次のようなものがあります。「中古車情報サイトで見つけた自動車を現車を見ずに購入したところ、運転して初めてエアコンの故障がわかった。」
「ネット広告で禁煙車との表示を見て、店舗で中古車を購入した。購入時には気づかなかったが、煙草臭い。」
どちらも、ネットで見た情報と、実際の車との間に違いがあったことが後悔の始まりです。探している人は、こうした話を知っているからこそ、店に行って自分の目で確かめたいと考えています。
その一方で、店に行くと断りにくくなることも怖い。この板挟みが、来店を迷わせています。
書いてあったことと違う、が不信の始まり
買ったあとの後悔を防ぐには、ホームページに書くことと、店で起きることをそろえるのが一番です。
| 後悔のきっかけ | 探している人の怖さ | ホームページで先に書くこと |
|---|---|---|
| 現車を見ずに買った | 写真と実物が違うかもしれない | 来店して現車を確かめる流れ |
| 表示と実物が違った | 説明が正しいか分からない | 車ごとの状態を確かめた方法 |
| キャンセルの費用に驚いた | 契約したら後戻りできない | 契約の前に確かめてほしいこと |
| 納車が遅れた | いつ乗れるのか分からない | 納車までの日数の目安と、遅れるときの連絡 |
表の右の列は、どれも費用をかけずに書けることです。書いてあることが店での説明と同じであれば、探している人は安心して店を訪ね、その場で確かめたうえで買う判断ができます。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここまでの話をまとめると、中古車販売店のホームページが来店の怖さに答えないのは、ページの主役が店と車になっているからです。
在庫の台数、お買い得な車、長く続いてきた歴史。どれも店の話で、店に行くのが怖い人の話はどこにも出てきません。
私たちは、この順番を入れ替えることを「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。主役の座を、店と車から、来店を迷っている人へ譲るということです。
店は、車を探している人の道案内をする立場に回ります。
主役を、店に入るのが怖い人に置く
主役を迷っている人に置くというのは、ページの最初の言葉を変えることから始まります。「地域最大級の在庫」という書き出しは、店が主語です。
「まだ買うと決めていなくても、車を見に来てください」という書き出しは、読んでいる人の迷いに答えています。
来店を迷っている人は、自分が歓迎されるかどうかを確かめています。最初の数行で「見るだけでよい」と分かれば、その人はページを読み進め、来店の予約や在庫の確認へと進みます。
店に来てもらうための一番の近道は、来てもらう理由を並べることより、来る怖さを先に取り除くことです。
店は道案内に回る
主役を迷っている人に置いたあと、店は道案内として登場します。「店に着いたら、まず気になる車の前にご案内します」「試乗は予約なしでもできますが、車によっては準備に少しお時間をいただきます」「その日に決める必要はありません」。
道案内の言葉は、どれも短く、具体的で、当日の自分を思い浮かべられるものです。
整備の腕や仕入れのこだわりは、この道案内の中で「だからこの車は安心して乗れます」という根拠として出てきます。単独で並べていたときより、ずっと伝わりやすくなります。
来店の前に答えておく5つのこと
では、道案内として何を書けばよいのか。来店を迷っている人がホームページで確かめたいことは、次の5つにまとまります。
1. 見るだけの来店を歓迎していること
最初に答えるのは、「見るだけで行ってもよいのか」という問いです。Q&Aサイトの投稿者のように、この問いに自信が持てない人は、店に行く前で止まっています。
ホームページの目立つ場所に、見るだけの来店を歓迎していること、その日に決めなくてよいこと、声をかけてほしくないときはそう伝えてよいことを書いておきます。
書き方は短くて構いません。「見るだけのご来店も歓迎です。
お声がけが不要なときは、受付でそうお伝えください。」この2文があるだけで、店に入る怖さはかなり和らぎます。
2. 支払総額の中身と、あとから足されるもの
2つ目は、表示の価格に何が含まれていて、何があとから足されるのかです。支払総額の表示が決まりになった今でも、県外で登録する場合や、自宅まで届けてもらう場合、希望してつけるオプションは別の費用になります。
探している人は、この「別の費用」がどのくらいになるのかを怖がっています。
支払総額に含まれている諸費用の中身と、条件によって追加になるものを、言葉で並べておきます。金額を細かく書けない場合でも、「どんなときに追加になるのか」が分かるだけで、見積もりで驚かされる怖さは小さくなります。
3. 試乗と現車確認の流れ
3つ目は、店に着いてから何が起きるかです。国民生活センターの事例にあったように、現車を見ずに買った人の後悔は少なくありません。
だからこそ、店で現車を確かめる流れを具体的に書いておくと、来店する理由になります。
図のように、来店から帰るまでの流れを書いておくと、読んだ人は当日の自分を思い浮かべられます。特に大事なのは、見積もりを受け取ったあとに「持ち帰って考える」という選択肢を、流れの中にはっきり書いておくことです。その場で決めなくてよいと分かっている人ほど、落ち着いて車を確かめ、納得して買う判断をしてくれます。
4. 修復歴と保証の説明の仕方
4つ目は、修復歴と保証の説明です。修復歴があるかどうかは、中古車の価格と品質に大きく関わります。
探している人は、その説明が正直かどうかを見ています。修復歴の有無をどう確かめているか、どの部分を直した車を修復歴ありとしているのかを書いておくと、説明の信用が増します。
保証についても、つけられる保証の種類と、つけない選び方があることを並べて書きます。保証を強く勧められることを怖がっている人にとって、「つけない選び方もあります」という一文は、押し付けられない店だという合図になります。
5. 買ったあとの車検と整備の窓口
5つ目は、買ったあとのことです。中古車は、買ったあとも車検や点検、故障の修理で店との付き合いが続きます。
探している人は、買ったあとに困ったとき、どこに相談すればよいのかを気にしています。整備工場を兼ねている店なら、それは大きな強みになります。
点検の案内の仕方、故障したときの連絡先、代わりの車の用意の有無を書いておきます。
| 答えておくこと | 迷っている人の問い | ページに書く例 |
|---|---|---|
| 1. 見るだけの来店 | 見るだけで行ってもよいのか | 見るだけのご来店も歓迎です。その日に決める必要はありません |
| 2. 支払総額の中身 | 表示の金額のほかに何がかかるのか | 支払総額に含まれるもの、条件によって追加になるもの |
| 3. 試乗と現車確認 | 店に行ったら何が起きるのか | 来店から試乗、見積もり、持ち帰りまでの流れ |
| 4. 修復歴と保証 | 説明は正直か、保証は押し付けられないか | 修復歴の確かめ方と、保証をつけない選び方 |
| 5. 買ったあとの窓口 | 困ったときにどこへ相談するのか | 点検の案内、故障のときの連絡先、代わりの車の有無 |
店の形で変わること
5つのことは、どの店でも共通して答えておく内容です。そのうえで、店の形によって重点が変わります。
専門店と整備工場を兼ねる店と、買取も行う店
| 店の形 | 探している人の状況 | 一番上に置くこと |
|---|---|---|
| 特定の車種に絞った専門店 | その車種に詳しい店を探している | 扱う車種と、状態を確かめる方法 |
| 整備工場を兼ねる店 | 買ったあとの付き合いを重く見ている | 車検と点検の案内、故障のときの窓口 |
| 買取も行う店 | 今の車を売ってから買い替えたい | 査定の流れと、下取りの値段の決め方 |
| 軽自動車や低い年式に強い店 | 予算を抑えて早く乗りたい | 支払総額の中身と、納車までの日数 |
書き出しを変えると、何が変わるか
最後に、ホームページの最初の画面に置く言葉を、直す前と直した後で比べておきます。
| 場面 | 直す前の書き出し | 直した後の書き出し |
|---|---|---|
| トップページの最初の画面 | 地域最大級の在庫数 | まだ買うと決めていなくても、車を見に来てください |
| 在庫の一覧のページ | 新着の在庫車 | 気になる車があれば、来店の前に在庫を確かめます |
| 店の紹介のページ | 創業からの歩み | 店に着いてから帰るまでに起きること |
| 保証の案内のページ | 安心の保証プラン | 保証をつけるかどうかは、説明を聞いてから決めてください |
直した後の書き出しは、どれも来店を迷っている人の怖さから始まっています。ページの最初の数行で「行っても大丈夫そうだ」と感じてもらえるかどうかで、その先を読んでもらえるかが決まります。
店頭と電話でも、同じことを言う
ホームページを直しても、店頭や電話で言うことが違っていれば、読んだ人の安心は崩れます。「見るだけでよいと書いてあったのに、店に行ったらずっと営業の人がついてきた」「支払総額で買えると思っていたのに、見積もりで別の費用を足された」。
こうした食い違いは、口コミの低い評価の理由としてよく書かれます。
ホームページと店頭の説明をそろえる
ホームページに書いたことは、店の約束として読まれます。店頭で接客をする人が変わっても、同じことを言える状態にしておく必要があります。
一番簡単なのは、来店の流れと支払総額の説明のページを印刷して、接客の担当が手元で見られるようにしておくことです。
反対に、店頭や電話でよく聞かれることは、ホームページに足していく材料になります。「ローンの審査はどのくらいで結果が出ますか」「子どもを連れて行ってもよいですか」「車庫証明は自分で取れますか」。
接客の担当に、1週間でよく聞かれた質問をメモしてもらうだけで、ホームページに書くべきことの一覧ができあがります。
問い合わせへの返事も、ページと同じ言葉で
情報サイトやホームページから届く問い合わせへの返事も、ページと同じ言葉で書きます。在庫を聞かれたら、在庫の有無と一緒に「見るだけのご来店も歓迎です」と添える。
見積もりを聞かれたら、支払総額と、条件によって追加になるものを分けて伝える。返事の中身がページと同じであれば、探している人は「書いてあるとおりの店だ」と感じ、来店の予約へ進みやすくなります。
| 入口 | 食い違いが起きやすいこと | そろえ方 |
|---|---|---|
| ホームページ | 見るだけの来店の扱い | 店頭と同じ言葉で、歓迎していることを書く |
| 店頭の接客 | 声をかけるかどうか | 受付で声がけの要否を聞く流れにする |
| 電話やメールの返事 | 支払総額と追加の費用 | ページと同じ分け方で伝える |
| 見積もりの書面 | 諸費用の中身 | ページの説明と同じ項目の名前で書く |
よくある質問
Q. 見るだけの来店を歓迎すると書くと、冷やかしばかり増えませんか
見るだけの人は、いずれ買う人でもあります。中古車は1台ごとに状態が違うため、探している人はいくつかの店で車を見てから決めます。
そのとき、気持ちよく見せてくれた店は、買う候補の上のほうに残ります。見に来た人に店の名前と対応を覚えてもらうことが、次の来店につながります。
Q. 支払総額のほかにかかる費用を書くと、高く見えて問い合わせが減りませんか
書かなくても、見積もりの段階で知られます。そのときに驚かされた人は、不信を持って帰ります。
先に書いておけば、知ったうえで問い合わせてくる人が増え、見積もりの段階での食い違いが減ります。追加になる費用は、どんな条件のときに発生するのかを言葉で説明するだけでも効果があります。
Q. 修復歴のある車の説明は、どこまで書けばよいですか
修復歴があることと、どの部分をどう直したのかを、分かる範囲で書きます。修復歴の有無をどう確かめたのかも添えると、説明の信用が増します。
説明の内容は、店頭で現車を見ながら同じことを伝えられるようにしておきます。
Q. 保証をつけない選び方を書くと、売上が下がりませんか
保証を押し付けられることを怖がっている人にとって、選べることが分かるのは安心の材料です。そのうえで、保証の中身と、つけた場合に困りごとがどう解決するのかを説明すれば、必要だと感じた人は自分で選びます。
自分で選んだ人のほうが、あとで不満を持ちにくくなります。
Q. 情報サイトへの掲載は減らしたほうがよいですか
減らす必要はありません。情報サイトは車を見つけてもらう入口として役に立ちます。
大事なのは、情報サイトから店のホームページに来た人が、来店の怖さを消せる説明を読めることです。店のページを直す前と後で、来店の予約の数を比べておくと、次の判断がしやすくなります。
今日できる点検
最後に、今日のうちに自分の店のホームページで確かめられる点検の表を置いておきます。答えが「いいえ」になった行のうち、一番上の行から手をつけてください。
| 点検すること | 確かめる場所 | 「いいえ」だったときにすること |
|---|---|---|
| 最初の画面に、見るだけの来店を歓迎する言葉があるか | トップページ | まだ買うと決めていなくても、という書き出しにする |
| 支払総額の中身と、追加になる条件が書いてあるか | 在庫の案内か、よくある質問 | 県外登録や配送など、追加になる場面を並べる |
| 来店から帰るまでの流れが書いてあるか | 店の紹介のページ | 試乗、見積もり、持ち帰りまでの順番を書く |
| 修復歴の確かめ方が書いてあるか | 在庫の案内 | 確かめた方法と、修復歴ありの基準を書く |
| 保証をつけない選び方が書いてあるか | 保証の案内のページ | つける場合とつけない場合を並べて書く |
| 買ったあとの相談の窓口が書いてあるか | 整備や車検のページ | 点検の案内と、故障のときの連絡先を書く |
まとめ
中古車を探している人は、情報サイトで車を見つけたあと、どの店に行くかをホームページで決めています。そこで確かめたいのは、在庫の多さより、見るだけで行ってもよいのか、行ったら何が起きるのか、という2つのことです。
支払総額の表示が決まりになり、表示の価格で買えることは当たり前になりました。だからこそ、店ごとの違いは、来店の怖さにどれだけ先回りして答えているかで表れます。
まずは、トップページの最初の画面を開いてみてください。見るだけの来店を歓迎する言葉があるかを確かめる。
なければ、そこが最初に直す場所です。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
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