先日、Q&Aサイトでネットショップを営む方のこんな相談を見かけました。「広告もSNSもやってアクセスは増えたのに、売上がほとんど伸びない。カートに入れてくれる人はいるのに、そこから先に進まない」。読んでいて、この方は人を集める手段は増やせているのに、集めた人が最後にたどり着く商品ページとカートのことを見直していないと気づきました。ネットショップの集客で売上が伸びないとき、原因は、訪れた人が買う決断をする場所が整っていないことにあります。アクセスが少ないからではありません。
この記事は、ネットショップの集客に悩む中小の事業者や店舗のオーナー、ウェブ担当者に向けて書いています。読み終えたときに、次に手を入れる場所が1つ決まっている状態を目指します。アクセスを増やす裏技の話はしません。いま訪れている人を購入につなげる話です。
総務省が公表した情報通信白書によれば、買い物でインターネットを使う人は年々増えています。つまり相手は、ネットで買うことに慣れていて、迷えばすぐに別の店へ移ります。アクセスをどれだけ集めても、商品ページで迷いが残れば、相手はその迷いを抱えたまま離れていきます。
ネットショップの集客を始める前に決めること
集客に力を入れる前に、決めておくことが1つあります。どんな人に、どの商品を、どんな理由で買ってもらうのか。この的を決めないまま、とにかくアクセスを増やそうとすると、商品に関心のない人ばかりが訪れて、買わずに去っていきます。誰に何を売るのかを先に決めてから、その人がいる場所へ集めにいきます。的が定まっていれば、集客の手段を選ぶときも、その相手が集まる場所を選べます。的がぼやけたまま広く集めると、費用ばかりかかって買う人が増えません。
もう1つ考えておきたいのが、訪れた人が抱く不安です。実物を手に取れないネットの買い物では、大きさは合うか、思った色か、いつ届くか、返品できるかといった不安が、購入の直前に頭をよぎります。この不安を商品ページで先に消しておかないと、集めた人がカートの手前で立ち止まります。集める前に、迎える準備を整えます。準備のできていない店に人を通しても、その人たちは不安を抱えて去るだけです。
アクセス数と売上は別の指標
アクセス数は、何人が訪れたかを表す数字で、売上は相手が買う決断をした結果です。この2つは連動しません。広告で無理に集めた1万人と、その商品を探して訪れた100人では、後者のほうがはるかに購入につながります。アクセスの大きさに安心していると、買う気のない訪問を集め続けてしまいます。
ネットショップの集客を数字で分けて見る
感覚で「集客しても売れない」と言い続けても直せません。訪れた人数、商品ページを見た人数、カートに入れた人数、購入まで進んだ人数の4つに分けて数えると、どこで落ちているかが一目でわかります。多くの事業者はアクセス数だけを見て、途中でどこまで人が減っているかを確かめていません。
| どこで数えるか | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 訪れた人数 | 関心のない人ばかり集まる | 商品を探している人に狙いを定める |
| 商品ページを見た人数 | 見ても魅力が伝わらない | 写真と説明で使う場面を見せる |
| カートに入れた人数 | 買う前の不安が残っている | 送料や返品の条件を先に示す |
| 購入まで進んだ人数 | 購入手順の途中で離れている | 入力の手間と会員登録を減らす |
なぜアクセスが増えても売れないのか
売れない構造的な理由は、集客が人を集めることだけの取り組みになっていることにあります。広告やSNSでアクセスを増やすと、数字が動くので手応えを感じますが、集めた人が商品ページで買う理由を見つけられなければ、そのまま去ります。訪れた人数という見える数字を追ううちに、その人がなぜ買わずに帰るのかという肝心の視点が抜け落ちます。人数が増えているあいだは、うまくいっているように見えてしまうので、なおさら気づきにくくなります。
もう1つの理由は、商品ページが売り手の都合で作られていることです。商品の型番、素材、仕様。どれも売り手が伝えたいことですが、買う人が知りたいのは、それを使うと自分の暮らしがどう変わるかです。仕様の一覧だけが並んでいて、使っている場面が思い浮かばないと、相手は買った後の自分を想像できず、カートに入れる手が止まります。
実際にあった例を挙げます。ある雑貨の店が、広告で大量にアクセスを集めたところ、訪問は1日で数千件に達しました。ところが購入はごくわずかでした。商品ページを見ると、正面からの写真1枚と型番の一覧だけで、その雑貨を暮らしのどこで使うのかが伝わりませんでした。同じ店が、使っている場面の写真を数枚足し、大きさが分かる比較を添えたところ、広告を増やさないまま購入が動き始めました。集めた人数は同じでも、迎える準備で結果が変わったのです。
安さだけで集めた客は安さで去る
値下げやクーポンでアクセスを集めると、価格に反応する人ばかりが集まります。安いときだけ買い、値段が戻ると別の店へ移るので、値下げを続けるしかなくなります。値引きは客を集める力はありますが、値引きでしか買わない客を残します。一度その値段を知った人は、次も同じ値段を期待するので、元の値段では買ってくれなくなります。集客のきっかけに使うのは構いませんが、それだけに頼ると、利益の出ない売上を積むことになります。
モールに頼りきると自分の客が育たない
大きなモールに出店するとアクセスは得やすくなりますが、そこで買った人は、店の名前を覚えず、モールで買ったと記憶しがちです。次に同じ商品が欲しくなったとき、相手はモールの検索窓に商品名を打ち、また価格の比較にさらされます。モールを入口に使うのは有効ですが、そこで出会った人を自分の店の客として育てる仕組みがないと、いつまでも価格競争から抜けられません。モールで出会った人に、次は店へ直接来てもらう案内を同梱するなど、縁を自分の側へ引き寄せる工夫が要ります。
多くの事業者がやってしまう間違ったネットショップ集客
売れないと、人はまず集客の手段を足そうとします。広告費を増やす、SNSの投稿を増やす、モールへの出店を増やす。どれも間違いではありませんが、商品ページとカートが整わないまま人を集めると、費やした費用のわりに売上が増えず、「うちの商品はネットでは売れない」という誤った結論に行き着きます。
| やりがちな手 | 起きる末路 | 本当に見るべき場所 |
|---|---|---|
| 広告費を増やす | アクセスは増えるが購入は増えない | 商品ページの購入率 |
| SNSのフォロワーを追う | 数は増えるが買いにつながらない | 投稿から商品ページへの導線 |
| モール出店を増やす | 手数料が増え自分の客が育たない | 訪れた人を店の客にする仕組み |
| 値下げを繰り返す | 値引きでしか買わない客が残る | 値引き以外の買う理由 |
| アクセス数だけを見る | 買う気のない訪問を集め続ける | カートと購入の数 |
フォロワーの数と売上はつながらない
SNSのフォロワーを増やすことに力を入れると、投稿の見栄えばかりに気を取られ、商品ページへの導線が置き去りになります。フォロワーが増えても、その人たちを商品ページへ運ぶ道がなければ、売上にはつながりません。投稿を見て興味を持った人が、迷わず商品ページへ進める1本の道を用意することが先です。せっかく心が動いても、そこから買う場所へたどり着けなければ、その気持ちは数秒で消えてしまいます。
売れるサイトはみな謙虚という考え方でネットショップ集客を組み直す
ここで、合同会社謙虚が中小企業のサイト改善で使っている「売れるサイトはみな謙虚」という考え方を、ネットショップに当てはめてみます。謙虚とは、相手が買うという次の一歩に進むために、要らないものを引き算する姿勢のことです。商品ページから、買う判断の邪魔になる迷いを1つずつ取り除いていきます。
下の図は、訪問から購入までを1本の流れとして描いたものです。多くの事業者は左端の集客だけを厚くしますが、実際に人が消えるのは、商品ページと、カートから購入までの手順です。ここを整えると、同じアクセスでも売上が増えます。
絞るというのは、情報を減らすことではありません。細かい仕様や素材の情報も、買う人には大切です。並べる順番を変えて、判断に必要なものを上に、細かい情報を下に置くだけで、読みやすさは大きく変わります。上から順に読んで、買うかどうかを決めるのに必要なことが先に目に入り、もっと詳しく知りたい人だけが下まで読む。この並びが、迷わせない商品ページを作ります。
商品ページで伝えることを絞る
商品ページに、仕様も、こだわりも、会社の思いも全部詰め込むと、買う人はどこを見て判断すればいいのか分からなくなります。まず伝えるのは、この商品が誰のどんな場面で役に立つのか、使うと何が変わるのか。この核を上に置き、細かい仕様はその下に回します。買う判断に必要な情報を上から順に並べると、相手は迷わず読み進められます。
迷いを消すというのは、相手の頭の中にある問いに先回りして答えることです。ある店主は「お客様から一番多い問い合わせは、サイズが合うかという質問だった」と話していました。それなら、その質問への答えを商品ページに書いておけば、問い合わせをせずに買える人が増えます。問い合わせが来るということは、そこに書くべき情報が抜けているという合図です。よく来る質問を集めて、商品ページに答えを足していきます。
買う人の迷いを1つずつ消す
買う直前に頭をよぎる不安は、だいたい決まっています。サイズや色は合うか、いつ届くか、返品できるか、支払いは安全か。この不安を、聞かれる前に商品ページで答えておきます。不安が1つ残るたびに、相手は「後で調べよう」と離れ、そのまま戻ってきません。迷いを先回りして消すことが、購入への一番の近道です。相手は、疑問が残ったまま買うより、すべてがはっきりしてから買いたいと思っています。答えを探させないことが、そのまま買いやすさになります。
商品ページの整え方
商品ページは、実物を手に取れない相手のために、写真と言葉で使う場面を再現する場所です。正面からの1枚だけでなく、使っているところ、大きさが分かる比較、細部の質感を見せると、相手は自分が使う姿を思い描けます。説明は、仕様の羅列で終わらせず、その仕様が相手にとって何を意味するかまで書きます。
| 商品ページの要素 | いま起きていること | 整え方 |
|---|---|---|
| 写真 | 正面の1枚だけ載せている | 使う場面と大きさの比較を足す |
| 説明文 | 仕様を並べただけになっている | その仕様が意味することまで書く |
| 使う場面 | 買った後が想像できない | どんな暮らしに合うかを示す |
| お客様の声 | 載せていないか作り物に見える | 許可を得た実際の声を載せる |
写真は使う場面まで見せる
商品だけを白い背景で撮った写真は、正確ですが、暮らしの中でどう見えるかが伝わりません。実際に使っている場面の写真を添えると、相手は自分の生活に置いた姿を想像できます。手に持ったところ、部屋に置いたところ、身につけたところ。買った後の暮らしが見えると、購入への迷いが減ります。文字でどれだけ説明するより、使っている一枚の写真のほうが、多くのことを一度に伝えます。
声を載せるときは、どんな人がどんな場面で使ったかが分かると、より響きます。「同じ悩みを持っていた人が、これで解決した」という具体が、迷っている相手の背中を押します。星の数や短い一言だけより、その人がどう使って何が良かったのかまで分かる声のほうが、判断の材料になります。もちろん、載せるのは本人の許可を得たものに限ります。
お客様の声は許可を得たものだけ載せる
実際に買った人の声は、迷っている相手の背中を押します。ただし、載せてよいのは、許可を得た本当の声だけです。作り物の感想は、読む人に見抜かれて、かえって信頼を損ないます。良い評価だけでなく、少し気になった点への返答も添えると、正直な店だと感じてもらえます。
買う前の不安を先に消す
ネットの買い物で相手が一番気にするのは、届くまでの流れと、もしものときの対応です。いつ発送されて、いつ届くのか。イメージと違ったら返品できるのか。支払いの方法は選べるのか。この情報が商品ページやカートの近くにまとまっていると、相手は安心して購入に進めます。探さないと見つからない場所に隠れていると、不安が残ったまま離れます。
| 買う前の不安 | 放置すると | 先に示すと |
|---|---|---|
| いつ届くか | 急ぎの人が離れる | 発送と到着の目安を書く |
| 返品できるか | 失敗を恐れて買わない | 返品の条件をわかりやすく示す |
| 送料はどうなるか | 会計で驚いて離脱する | 送料の扱いを商品ページで示す |
| 支払いは安全か | 個人情報の入力をためらう | 選べる支払い方法を明記する |
集客チャネルの使い分け
集客のチャネルには、それぞれ得意な相手がいます。いま商品を探している人には検索、まだ知らない人にはSNSや広告、というように、相手との距離で使い分けます。1つの店で全部を回すのは大変なので、まず一番買ってくれそうな相手が集まるチャネルを1つ厚くしてから、次に広げます。
| チャネル | 届きやすい相手 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 検索からの流入 | いま商品を探している相手 | 商品名や悩みの言葉で見つかるようにする |
| SNSの投稿 | まだ商品を知らない相手 | 投稿から商品ページへの道を作る |
| 有料広告 | 接点のない相手 | 商品ページが整ってから出す |
| 既存客への案内 | 一度買ってくれた相手 | 買ってよかった記憶に働きかける |
チャネルを選ぶときは、いま持っている手がかりから始めます。すでに買ってくれた人のリスト、店を気に入って登録してくれた人、問い合わせをくれた人。こうした相手は、まだ店を知らない人よりずっと買いやすい状態にあります。新しい人を広告で集める前に、いま縁のある人へ案内するほうが、費用をかけずに売上につながります。手元の縁を使い切ってから、外へ広げます。
広告を出す前に商品ページを整える
広告は最後に足すものです。商品ページで買う理由が伝わっていないうちに広告を出すと、集めたアクセスがそのまま無駄になります。手元のSNSや検索で、商品ページが購入につながることを確かめてから、足りない分を広告で補うと、費用のむだが減ります。整っていないページに人を流すのは、穴の空いた器に水を注ぐようなものです。
カートから購入までの離脱を減らす
商品ページで買う気になっても、カートから購入までの手順が多いと、その途中で気持ちが冷めて離れます。会員登録を強いる、入力欄が多い、送料が会計の最後に突然出てくる。こうした引っかかりが、あと一歩の購入を止めます。買うと決めた気持ちが冷めないうちに、少ない手順で終えられるようにします。
| 離脱の原因 | いま起きていること | 減らし方 |
|---|---|---|
| 会員登録の強制 | 登録が面倒で離れる | 登録なしでも買えるようにする |
| 入力欄の多さ | 入力の途中で疲れて離れる | 必要な項目だけに絞る |
| 送料の後出し | 会計で驚いて離脱する | 早い段階で送料を示す |
| 支払い方法の少なさ | 使いたい方法が無く諦める | 主要な支払い方法を用意する |
入力欄は本当に要るものだけにする
購入の入力画面で、あれもこれもと情報を求めると、その一つひとつが離脱の入口になります。配送に必要な住所と連絡先、支払いの情報。まずはこれだけで買えるようにして、任意の情報は後回しにします。生年月日や職業、アンケートへの回答を購入の途中で求めると、買う気になっていた人が、その手間で我に返ってしまいます。買った後のお礼のメールなどで、必要な情報を少しずつ聞くほうが、購入を止めずに済みます。
購入の手前で送料を隠さない
会計の最後になって送料が加わると、相手は損をした気分になって離れます。送料がかかるなら、商品ページの時点で分かるようにしておきます。先に分かっていれば、相手はそれを含めて納得して進めます。隠して最後に見せるより、最初から正直に示すほうが、結局は買ってもらえます。
一度買った人にまた買ってもらう
集客というと新しい人を集めることばかりに目が向きますが、一度買ってくれた人にまた買ってもらうほうが、はるかに手間がかかりません。買った後にお礼を伝え、使い方や次に合う商品をそっと案内すると、その人は店を思い出してくれます。新規を集め続けるより、買ってくれた人との縁を保つほうが、長い目で見て売上を支えます。
一度良い体験をした人は、次に同じような商品が欲しくなったとき、まずその店を思い出します。ある食品の店では、届いた箱に、その食材を使ったおすすめの食べ方を一枚添えていました。買った人がその通りに作っておいしかったと感じると、店への信頼が深まり、次の注文につながります。商品を送るだけの店と、使いこなす手助けまでする店では、次に選ばれる確率が変わります。
次に合う商品をそっと案内する
一度買ってくれた人には、その買い物に関わる商品をそっと案内できます。押しつけにならないよう、相手の買ったものと相性の良いものを1つだけ添えるくらいがちょうどよいものです。あれもこれもと勧めると、売り込みが強く感じられて離れます。相手の暮らしに役立つ提案なら、案内は親切として受け取られます。迷惑がられることはありません。買った履歴は、その人が何に関心があるかを教えてくれる手がかりです。
買った後の体験まで設計する
商品が届いたときの箱の中に、使い方の案内や、次に役立つ情報を一枚添えるだけで、店の印象は変わります。買って終わりの店と、買った後も気にかけてくれる店では、次に選ばれる確率が違います。届いた後の体験も、集客の一部だと考えます。良い体験をした人が、口づてで新しい人を連れてきます。この口づては、広告のように費用がかからないうえに、知らない広告より信じてもらえます。
数字を残すのに、特別な道具は要りません。訪れた人数と商品ページの閲覧はアクセス解析で分かり、カートと購入はショップの管理画面で分かります。この数字を1枚の表に書き写すだけで、割合は計算できます。大切なのは、毎回同じ場所を同じやり方で数えることです。数え方が月ごとに変わると、良くなったのか悪くなったのかが分からなくなります。
季節や時期による波も記録する
ネットショップの売上は、季節や催事の時期で大きく動きます。この波を知らずに、売れない時期の数字だけを見て焦ると、うまくいっている施策までやめてしまいます。前の年の同じ時期と比べると、その動きが季節によるものか、施策によるものかを見分けられます。時期ごとの波を記録しておくと、いつ何を仕込めばよいかも見えてきます。当てずっぽうで動くより、去年の記録を手がかりにするほうが確実です。
ネットショップ集客の効果をどう測るか
次の一手を良くするには、数字を残します。見る数字は多くありません。商品ページを見た人のうち何割がカートに入れたか、カートに入れた人のうち何割が購入まで進んだか。この2つの割合をたどると、どこを直せば全体が伸びるかが見えます。アクセス数だけを並べても、売上が伸びない理由は見えてきません。
| 見る割合 | 低いときに疑う場所 | 次の打ち手 |
|---|---|---|
| カート投入率 | 商品ページで魅力が伝わらない | 写真と使う場面を足す |
| 購入完了率 | カートの手順に引っかかりがある | 登録や入力を減らす |
| 再購入率 | 買った後の案内が無い | お礼と次の案内をそえる |
1商品で判断せず複数を並べて見る
1つの商品の数字だけで良し悪しを決めると、たまたまの結果に振り回されます。複数の商品を並べて、割合が高い商品と低い商品を見比べます。カート投入率は高いのに購入完了率が低いなら、直すのはカートの手順のほうです。商品ページは役目を果たしています。数字が動く場所が、次に手を入れる場所です。
商材によって、買う人が抱く不安の種類が違います。だからこそ、消すべき迷いも商材ごとに変わります。衣料品なら着たときの姿、食品なら味と量、高価格の商品なら失敗したときの損。自社の商材で、買う人が一番ためらう点は何かを考えると、商品ページで先に答えるべきことが見えてきます。よく来る問い合わせを振り返ると、その答えが見つかります。
商材別に見るネットショップ集客のつまずき
扱う商材によってつまずく場所は少しずつ違います。自社がどれに近いかを見て、直す順番を決めます。
| 商材の例 | よくあるつまずき | 先に直す場所 |
|---|---|---|
| 衣料品 | サイズや色の不安で離れる | 着用場面と採寸の情報を足す |
| 食品 | 味や量が想像できない | 食べる場面と分量の目安を示す |
| 雑貨や日用品 | 他店との違いが伝わらない | 使う場面での違いを見せる |
| 高価格の商品 | 失敗の不安で決断できない | 返品の条件と実際の声を示す |
よくある質問
ここまでの内容を、実際の運営で迷いやすい点にそって整理します。自社の状況に近い問いから読んでください。
アクセスはどれくらい集めれば売れますか
アクセスの絶対値より、訪れた人のうち何割が買うかが大切です。商品を探して訪れた人なら、少ないアクセスでも購入につながります。関心のない人を大量に集めても、購入率が低ければ売上は伸びません。まず購入につながる集め方を見つけ、それを増やしていきます。
広告を出せば売れるようになりますか
広告を出す前に、いま訪れている人が買っているかを確かめます。買う仕組みが無いまま広告でアクセスだけを増やすと、費用が売上に変わりません。まず手元の流入で商品ページとカートが機能することを確かめてから、足りない分を広告で補います。
SNSはやったほうがよいですか
SNSは、まだ商品を知らない人に出会う場として役立ちます。ただし、フォロワーを増やすこと自体を目的にせず、投稿から商品ページへ進む道を用意します。見て興味を持った人が、迷わず商品ページにたどり着けるようにしておくことが、フォロワーの数より大切です。
モールと自社サイトのどちらがよいですか
モールは人を集めやすく、自社サイトは自分の客を育てやすいという違いがあります。モールを入口に使いつつ、そこで出会った人を自社サイトの客として迎える仕組みを持つと、両方の良さを生かせます。モールだけに頼ると、価格の比較から抜けられなくなります。
売れないときはまず何を直せばよいですか
アクセスはあるのに売れないなら、直すのは集客ではありません。商品ページとカートのほうです。商品ページで魅力と不安の解消が足りているか、カートの手順に引っかかりが無いかを見ます。アクセスそのものが少ないなら、その商品を探している人が使う言葉で見つかるようにします。どこで人が減っているかを数字で確かめてから直します。
ここまでの手順は、一度に全部やろうとしなくて構いません。商品ページで魅力が伝わっていないなら写真と使う場面から、カートで離脱しているなら手順から、リピートが無いなら買った後の案内から。いま一番人が減っている場所を1つ選んで、そこだけを直します。1つ直して数字の変化を確かめ、また次の場所へ進みます。全部を同時に変えると、何が効いたのかが分からなくなります。
まとめ
ネットショップの集客で売上が伸びないとき、多くの人はアクセスを増やす手段に力を注ぎます。けれども人が消えているのは、商品ページと、カートから購入までの手順です。商品ページでは、伝えることを核に絞り、写真と言葉で使う場面を見せ、買う前の不安を先に消す。カートでは、会員登録の強制や送料の後出しといった引っかかりを取り除く。買った後は、お礼と次の案内で縁を保つ。アクセスを追う前に、訪れた人が買う決断をする受け皿を整える。これが、ネットショップを売上につなげる一番の近道です。
ネットショップは、開いてすぐに売れるものではありません。商品ページを整え、カートの引っかかりを取り、買った人との縁を保ちながら、数字を見て少しずつ良くしていく積み重ねです。だからこそ、集客に費用を注ぐ前に受け皿を整えておくと、後から集める人のすべてが売上につながりやすくなります。急がば回れで、迎える準備から手をつけます。
今日できる点検
読み終えたら、自社の商品ページとカートを開いて、下の表で1つずつ確かめてみてください。当てはまるものがあれば、そこが最初に直す場所です。
| 点検する場所 | いま起きていること | 今日できること |
|---|---|---|
| 商品ページの上部 | 仕様の羅列から始まっている | 使う場面と変わることを上に置く |
| 商品写真 | 正面の1枚だけになっている | 使う場面と大きさの比較を足す |
| 買う前の不安 | 送料や返品が探さないと分からない | 商品ページの近くにまとめて示す |
| カートの手順 | 会員登録を強制している | 登録なしでも買えるようにする |
| 効果測定 | アクセス数しか見ていない | カート投入率と購入完了率を記録する |
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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