先日、Q&Aサイトでこんな相談を拝見しました。「アクセス解析を見たら直帰率が80%を超えていた。数字が悪いのは分かるが、何をどう直せばこの数字が下がるのか見当がつかない」という内容です。数字を突きつけられて焦る気持ちは、多くのウェブ担当者に覚えがあるはずです。
結論から書きます。この数字だけを下げようとすると、たいてい失敗します。関連リンクを増やし、動画を貼り、ページを長くする。こうして数字を動かそうとすると、訪問者にとって読みにくいサイトができあがり、肝心の問い合わせは増えません。直帰率は病気ではありません。症状です。症状の裏にある原因、つまり最初の画面と訪問者の期待のズレに手をつけない限り、数字は本当の意味では良くなりません。この記事では、直帰率が何を表しているのかを整理し、下げるべき数字と気にしなくてよい数字を分け、そのうえで最初に手をつける場所を1つ決めます。
直帰率とは何を表している数字か
直帰率は、サイトを訪れた人のうち、最初に見たページだけを見て帰った人の割合です。1ページだけ見て戻るボタンを押した、そのままタブを閉じた。こうした行動が直帰として数えられます。数字が高いほど、来た人の多くが1ページで去っているということになります。
直帰率が示す訪問者の気持ち
直帰そのものは、訪問者の気持ちの表れです。検索して来た人が、最初のページを見て「探していたものがここにはない」と感じれば、その場で帰ります。逆に「これは自分の悩みに答えてくれそうだ」と感じれば、サイトの中をもう少し見て回ります。すぐ帰られている事実は、来た人の多くが最初のページでがっかりしている可能性を示しています。
ここで大切なのは、直帰率が原因ではありません。結果だということです。数字を直接いじることはできません。訪問者が最初のページで感じるものを変えて、はじめて数字が動きます。だからこの数字を見るときは、いつも「来た人は何を期待していたのか」という問いとセットにします。
離脱率との違い
直帰率とよく混同されるのが離脱率です。離脱率は、そのページを最後に帰った人の割合で、何ページ見たかを問いません。直帰率は「最初のページだけ見て帰った」に限られます。問い合わせ完了ページの離脱率が高いのは自然なことで、これは悩む数字ではありません。混同すると、直すべきでない場所を直そうとしてしまいます。
具体例で考えると分かりやすくなります。商品を1つずつ紹介する通販サイトで、ある商品ページを最後に帰る人が多いとします。これは離脱であって、直帰とは限りません。その人は他の商品を何ページも見た末に、その商品ページで帰っただけかもしれません。この場合に見るのは離脱率であり、直帰率を持ち出しても実態はつかめません。どちらの数字を見るべきかは、訪問者がそのページに最初に来たのか、いくつも見た末に来たのかで変わります。
解析ツールで定義が変わった点
近年、解析ツールの世代交代で直帰率の定義が変わりました。以前は「1ページだけ見て帰った割合」でしたが、いまは「一定の時間サイトに留まらず、何の行動も起こさずに帰ったセッションの割合」という考え方に近づいています。10秒以上滞在したり、次のページへ進んだりすれば、直帰とは数えられません。古い記事に書かれたこの数字の常識が、いまの数字と食い違うことがあるのはこのためです。
| 言葉 | 数える対象 | 高いときの見方 |
|---|---|---|
| 直帰率 | 最初の1ページだけで帰った割合 | 最初の画面と期待のズレを疑う |
| 離脱率 | そのページを最後に帰った割合 | 完了ページなら問題ない |
| 滞在時間 | サイトに留まった長さ | 短いなら中身が刺さっていない |
| 訪問者数 | そもそも来た人の数 | 少ないなら見つかっていない |
直帰率が高いこと自体は悪いとは限らない
この数字が高いと聞くと、それだけで悪い数字だと思いがちです。ところが、高くて当たり前のページもあります。数字の高い低いだけで判断すると、直す必要のないページに手を入れて、かえって悪くしてしまいます。
1ページで用が済む訪問は直帰でも成功
たとえば、電話番号を調べに来た人を考えます。その人は最初のページで番号を見つけ、電話をかけるために帰ります。行動としては直帰ですが、目的は果たされています。会社の所在地、営業時間、問い合わせ先といった情報を探しに来た訪問は、1ページで完結するのが自然です。こうしたページのこの数字が高くても、慌てる必要はありません。
大事なのは、そのページで訪問者にとってほしい行動が起きているかどうかです。番号を見て電話がかかってきているなら、この数字が高くてもそのページは役目を果たしています。数字だけを見て「下げなければ」と動くと、この成功しているページまで壊してしまいます。
業種やページの種類で目安が変わる
この数字の平均は、業種やサイトの種類で大きく変わります。ある解析ツールの調査では、同じ80%という数字でも、あるサイトでは高すぎ、別のサイトでは普通と判断されることが示されています。つまり、世間の平均値と自社の数字を並べて一喜一憂しても意味は薄いのです。比べるべきは他社の平均ではありません。自社の先月の数字や、同じサイト内の別のページです。
| ページの役割 | 直帰率が高いときの解釈 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| 会社情報や連絡先 | 用が済んで帰っただけ | 気にしない |
| 集客したい記事 | 期待と中身がずれている | 最初の画面を見直す |
| サービス紹介 | 次の一歩が見えていない | 問い合わせ導線を明確にする |
| 問い合わせ完了 | 用が済んだ自然な離脱 | 気にしない |
直帰率が高い本当の原因
下げるべき数字、つまり集客したいページの直帰率が高い場合、その原因はほぼ1つに集約されます。最初の画面と、訪問者が期待していたものがずれているのです。原因を3つの角度から見ていきます。
検索して来た人の期待と中身が合っていない
訪問者は、ある言葉で検索してあなたのページに来ます。その言葉には期待が乗っています。「ホームページ 問い合わせ 増やし方」で来た人は、増やし方を知りたいのです。ところが開いたページが会社の自慢話から始まっていたら、その人は数秒で帰ります。検索した言葉と、最初の画面で返している答えがずれているほど、この数字は上がります。
この原因は、ページを作った側からは見えにくいものです。作った本人は中身を全部知っているので、少し読めば答えがあると分かります。しかし初めて来た訪問者は、最初の画面で答えの気配を感じなければ、その先を読みません。直帰率を下げる第一歩は、来た人がどんな言葉で検索したのかを知ることです。
最初の画面で答えが見えない
答えがページの中にあっても、最初の画面に見えていなければ意味がありません。訪問者はスクロールする前に去るかどうかを決めます。最初の画面が大きな写真とキャッチコピーだけで埋まり、肝心の答えがずっと下にあると、訪問者はそこまでたどり着きません。答えは、探させずに最初の画面で気配を見せます。
読み込みが遅い
意外と見落とされるのが、ページの表示速度です。スマホで開いて、画面が真っ白なまま数秒待たされると、多くの人は内容を見る前に帰ります。この直帰は、中身の良し悪しと関係なく起きます。重い画像、過剰な装飾、動画の自動再生。数字を上げようとして足したものが、かえって表示を遅くし、この数字を押し上げていることがあります。
| 直帰の原因 | 訪問者に起きていること | 直す場所 |
|---|---|---|
| 検索意図とのズレ | 期待した答えが気配すらない | 最初の見出しと導入文 |
| 答えが下に埋もれている | スクロール前に去る | 最初の画面の構成 |
| 表示が遅い | 白い画面で待たされる | 画像と装飾の軽量化 |
| 読みにくい文章 | 読む気が失せる | 一文の長さと余白 |
多くの人がやってしまう間違った直帰率対策
原因を確かめないまま数字だけを下げようとすると、間違った対策に走ります。よく見かける3つを挙げます。どれも一見もっともらしく、それでいてこの数字の本当の原因に触れていません。
関連リンクを大量に置く
直帰を防ごうとして、ページの下や横に関連記事のリンクを大量に並べる。これは訪問者を別のページへ逃がして直帰を減らす発想ですが、期待とずれたページに来た人は、リンクが増えても興味を持ちません。むしろ画面がごちゃつき、探していた答えがますます見えにくくなります。リンクで数字をごまかしても、問い合わせにはつながりません。
動画や画像を増やして滞在時間を稼ぐ
滞在時間を延ばせばこの数字が下がる、という考えから、動画や画像を増やす対策があります。確かに数字は少し動くかもしれません。しかし訪問者が求めているのは、眺める素材ではありません。悩みへの答えです。答えが見つからないまま滞在時間だけが延びても、その人は結局帰りますし、ページは重くなって表示が遅れます。
数字そのものを目標にする
「直帰率を60%まで下げる」という目標を立てると、目的が数字を動かすことにすり替わります。数字を下げること自体は、売上にも問い合わせにもつながりません。直帰率は、訪問者に答えを返せているかを知るための道具です。道具の目盛りを動かすのが目的になった瞬間、本当に見るべき問い合わせから目が離れます。
直帰率を下げる前に確かめる検索意図
下げるべき数字の原因が検索意図とのズレなら、最初にすることは、来た人がどんな言葉で検索したのかを知ることです。解析ツールを使えば、どの言葉から来たのかをある程度たどれます。その言葉を眺めると、訪問者が本当に知りたかったことが見えてきます。
検索意図が分かったら、そのページの最初の見出しと導入文が、その意図に真正面から答えているかを確かめます。「増やし方」で来た人には、増やし方の話から始める。この当たり前を守るだけで、この数字は下がり始めます。凝った工夫より、来た人の期待にまっすぐ応えることのほうが効きます。
| 訪問者が検索した言葉 | 期待している答え | 最初の画面で返すもの |
|---|---|---|
| やり方や方法 | 手順を知りたい | 手順の全体像を先に見せる |
| とは や 意味 | 言葉の意味を知りたい | 一言で定義してから補う |
| 費用や相場 | おおよその目安を知りたい | 判断の基準を示す |
| 比較や違い | 選ぶ基準を知りたい | 基準を表で整理する |
最初の画面で答えを返す
私たちが伝えている「売れるサイトはみな謙虚」という考え方は、直帰率にもそのまま当てはまります。謙虚なページは、訪問者を待たせません。凝った演出で気を引こうとせず、来た人が求めている答えを最初に差し出します。答えを出し惜しみしないページほど、訪問者は安心してその先を読みます。
具体的には、最初の見出しで悩みそのものを言い当て、最初の段落で結論の気配を見せます。詳しい説明はその後で構いません。訪問者は「ここには答えがある」と分かれば留まります。逆に、答えを出す前に会社の紹介や前置きが長く続くと、その間に去ります。最初の画面は、訪問者への最初の返事です。
スマホでの直帰率を見る
いまや訪問者の多くはスマホで見ています。スマホとパソコンではこの数字が違うことがよくあります。パソコンでは最初の画面に答えが見えていても、スマホでは同じ内容が縦に長く伸び、答えが画面の外に押し出されていることがあるのです。
確かめ方は簡単で、自分のスマホでそのページを開くだけです。最初に目に入るのは何か、答えの気配は見えるか、指1本でどこまで進めるか。スマホでこの数字が高いなら、スマホの最初の画面に答えを引き上げます。解析ツールでは、スマホとパソコンの数字を分けて見られます。
直帰率を確認する方法
直帰率は無料の解析ツールで確認できます。サイト全体のこの数字を見ても、直す場所は分かりません。見るべきは、集客したいページごとのこの数字です。ページ単位で並べると、どのページで訪問者が去っているかが見えてきます。
数字を見るときは、訪問者数とセットで見ます。この数字が90%でも、月に3人しか来ていないページなら、優先度は高くありません。多くの人が来ていて、なおかつ直帰率が高いページ。そこが最初に手をつける場所です。数字の高さだけでなく、来ている人数との掛け算で優先順位を決めます。
| 確認する順番 | 見る数字 | 分かること |
|---|---|---|
| 1 | ページごとの訪問者数 | 多くの人が来ているページ |
| 2 | そのページの直帰率 | 去られているかどうか |
| 3 | スマホとパソコンの別 | どちらで去られているか |
| 4 | 流入した検索の言葉 | 期待とのズレの有無 |
直帰率と問い合わせの関係
直帰率を下げること自体は目的ではありません。最後に見るのは問い合わせの数です。数字が下がっても問い合わせが増えないなら、直したのは表面だけだったということです。逆に、最初の画面を訪問者の期待に合わせて直すと、すぐ帰る人が減り、留まった人の一部が問い合わせまで進みます。
この順番を意識すると、この改善が問い合わせにつながります。まず来た人の期待に最初の画面で応える。すると留まる人が増える。留まった人に次の一歩を1つだけ示す。この流れができて、はじめて数字が売上につながります。直帰率は、その流れの入り口にある数字です。
直帰率を改善する順番
ここまでを踏まえて、直帰率を改善する順番をまとめます。思いついた対策から手を出すと、労力が分散します。優先順位を決めて、効く場所から順に手をつけます。
最初に、多くの人が来ていてこの数字の高いページを1つ選びます。次に、そのページに流入した検索の言葉を確かめ、最初の画面がその期待に答えているかを見ます。答えていなければ、最初の見出しと導入文を書き直します。それから、スマホでの見え方と表示速度を確かめます。1ページで効果を確かめてから、次のページへ広げます。
| 順番 | やること | 次にすること |
|---|---|---|
| 1 | 来訪が多く帰られるページを選ぶ | そのページに集中する |
| 2 | 流入した検索の言葉を確かめる | 期待を言葉にする |
| 3 | 最初の見出しと導入を書き直す | 答えの気配を先に見せる |
| 4 | スマホと表示速度を確かめる | 重い要素を軽くする |
| 5 | 1ページで効果を測る | 効いたら次へ広げる |
数字を読むときの注意点
直帰率の数字を読むとき、いくつか気をつける点があります。まず、期間が短いと数字は大きく揺れます。1日や2日の数字で判断せず、少なくとも数週間まとめて見ます。次に、広告や他サイトからの流入と、検索からの流入では直帰率の意味が違います。流入元ごとに分けて見ると、どこから来た人が去っているのかが分かります。
また、解析ツールの設定によっては、直帰の数え方が変わっていることがあります。古い基準の数字と新しい基準の数字を並べて比べると、実際は変わっていないのに悪化したように見えることがあります。数字を比べるときは、同じ基準の期間どうしで比べます。
よくある質問
直帰率は何%以下を目指せばいいですか
一律の正解はありません。業種やページの役割で目安が変わるからです。会社情報のように1ページで用が済むページは、この数字が高くても問題ありません。目指すのは特定の数字ではありません。集客したいページで来た人が留まり、次の一歩に進む状態です。比べるなら他社の平均は忘れて、自社の先月の数字と比べてください。
直帰率が高いと検索順位に悪影響がありますか
直帰率そのものが順位を直接下げるとは言い切れません。ただし、来た人がすぐ帰るページは、訪問者の期待に応えられていない可能性が高く、その状態が続けば評価に影響することは考えられます。順位を気にするより、来た人の期待に最初の画面で応えることに集中したほうが、結果として順位にも良く働きます。
関連記事を増やせば直帰率は下がりますか
数字の上では少し下がるかもしれませんが、期待とずれたページに来た人は、リンクが増えても興味を持ちません。関連記事を並べる前に、そのページ自体が来た人の悩みに答えているかを確かめてください。答えていれば、訪問者は自分から次のページへ進みます。答えていなければ、リンクを増やしても去られます。
スマホの数字だけが高いのはなぜですか
パソコンでは最初の画面に見えていた答えが、スマホでは縦に伸びて画面の外に押し出されていることがよくあります。表示速度もスマホのほうが遅くなりがちです。自分のスマホでページを開き、最初に何が見えるかを確かめてください。答えの気配が見えないなら、それを最初の画面に引き上げます。
直帰率を下げたのに問い合わせが増えません。なぜですか
直帰率を表面的な工夫で下げただけだと、留まった人が問い合わせに進む導線がないままになります。直帰率を下げることは入り口にすぎません。留まった訪問者に、次にとってほしい行動を1つだけ分かりやすく示してください。この次の一歩がないと、留まった人もそのまま帰ります。
直帰率を改善した先にある問い合わせの伸ばし方
来た人が最初の画面で留まってくれるようになったら、次は留まった人を問い合わせまで導く番です。ここが抜けていると、すぐ帰る人が減っても問い合わせは横ばいのままです。留まった訪問者に何を差し出すかで、その先の成果が決まります。
留まった人に次の一歩を1つだけ示す
ページを読み終えた訪問者は、次に何をすればいいか迷います。ここで選択肢を並べると、多くの人はどれも選ばずに帰ります。示すのは1つだけです。資料請求でも、無料の相談でも、いちばん踏み出しやすい一歩を1つに決めて、それだけを大きく置きます。
次の一歩は、読み終えた場所のすぐそばに置きます。ページの最後まで読んだ人が、視線を動かさずにその一歩を見つけられる位置です。せっかく最後まで読んでもらえても、次の行動が見当たらなければ、その熱は冷めて帰ってしまいます。
一歩の言葉も大切です。「送信する」より「30分で悩みを整理する」のように、その一歩を踏むと何が得られるかを言葉にします。行動のあとに待っている良いことが見えると、訪問者は動きやすくなります。
問い合わせページまでの道のりを短くする
留まった人が問い合わせを決めても、そこまでの道のりが長いと途中で離れます。何度もクリックさせ、長い入力欄を並べ、会員登録を求める。この一つひとつが、決意を鈍らせます。問い合わせまでの手順は、少ないほど到達する人が増えます。
入力してもらう項目も、必要なものだけに絞ります。名前と連絡先と用件があれば、多くの場合は足ります。「あとで聞けばいい情報」を最初に全部求めると、その分だけ送信をやめる人が増えます。留まった人を取りこぼさない設計が、この改善を成果につなげます。
不安を消す一文を添える
問い合わせの直前で人が止まるのは、たいてい不安があるからです。「しつこく営業されるのではないか」「費用がかかるのではないか」。この不安を先回りして消す一文を、問い合わせの近くに添えます。「その場で契約をお願いすることはありません」といった一言が、最後の一押しになります。
不安の中身は、いま来ている問い合わせやお客様の声から拾えます。実際に聞かれた心配ごとに、正直に答える一文を置く。この積み重ねが、留まった訪問者を安心させ、最後の一歩を後押しします。
| 留まった人への施策 | ありがちな失敗 | 直す方向 |
|---|---|---|
| 次の一歩の示し方 | 出口を複数並べる | いちばん踏み出しやすい一歩に絞る |
| 一歩の言葉 | 「送信する」だけ | 踏むと得られることを書く |
| 問い合わせまでの手順 | クリックと入力が多い | 必要な項目だけに絞る |
| 直前の不安 | 放置している | 消す一文を近くに添える |
直帰率にまつわるよくある誤解を解く
この数字は誤解されやすく、その誤解が対策を的外れにします。現場でよく見かける3つの誤解を、順に解いていきます。
世間の平均値と比べて落ち込む
記事で紹介される平均値を見て、自社の数字が高いと落ち込む人がいます。しかし平均値は、業種もサイトの役割もばらばらな数字を混ぜたものです。自社と条件の違うサイトの平均と比べても、良し悪しは分かりません。意味があるのは、同じ自社サイトの先月との比較や、同じサイト内のページどうしの比較です。
平均値は、あくまで大まかな目安です。目安を絶対の基準だと思い込むと、直す必要のないページに手を入れてしまいます。数字は他人と競うために見るのではありません。自社の改善が効いたかを確かめるために見ます。
すべてのページを一律に下げようとする
サイトのすべてのページで数字を下げようとすると、労力が分散して、どこも中途半端になります。会社情報や連絡先のページは、1ページで用が済むので帰られて当然です。ここを無理に下げようとしても、成果にはつながりません。手をつけるのは、多くの人が来ていて、集客の役割を持つページに絞ります。
ページには役割があります。役割に応じて、気にする数字も変わります。全ページを同じ物差しで測ると、成功しているページまで失敗と見なしてしまいます。役割ごとに、見るべき数字を分けて考えます。
短い期間の数字で判断する
1日や2日の数字は大きく揺れます。たまたま合わない人が続けて来ただけで、数字は跳ね上がります。短い期間の数字を見て慌てて手を入れると、実際は問題のなかったページを壊すことになります。判断は、少なくとも数週間分をまとめて見てから下します。
数字を比べるときは、同じ長さの期間どうしで比べます。先週と先月を比べても意味がありません。今月と先月、今年のこの時期と去年のこの時期。条件をそろえて比べて、はじめて数字の動きが読み取れます。
| よくある誤解 | そのときの行動 | 正しい見方 |
|---|---|---|
| 世間の平均と比べる | 条件の違う数字で落ち込む | 自社の先月やページ間で比べる |
| 全ページを一律に下げる | 労力が分散する | 集客ページに絞る |
| 短期間で判断する | 揺れた数字で慌てる | 数週間まとめて見る |
直帰率の改善を一度きりで終わらせない
最初の画面を直して数字が良くなっても、それで終わりではありません。訪問者の悩みも、検索して来る言葉も、時とともに移ります。一度の改善を続く仕組みに変えておくと、サイトは放っておいても大きくは崩れません。
改善の記録を残して次に生かす
どのページの、どこを、いつ直したのか。この記録を残しておくと、数字が動いたときに理由を追えます。記録がないと、良くなっても悪くなっても、何が効いたのか分からないままです。日付と、直した場所と、そのあとの数字の変化。この3つを一行で残すだけで十分です。
記録がたまると、自社にとって何が効きやすいかが見えてきます。ある会社では最初の見出しの書き換えがよく効き、別の会社では表示速度の改善が効く。自社の傾向がつかめれば、次に手をつける場所を迷わず選べます。他社の成功例より、自社の記録のほうが確かな道しるべになります。
季節や流入の変化を頭に入れる
数字は、自社が何もしていなくても動きます。決算期に検索が増える業種もあれば、連休に落ち込む業種もあります。広告を止めれば流入の質が変わり、その分だけ数字も変わります。こうした外の要因を頭に入れておかないと、自社の改善が効いたのか、季節が動いただけなのかを取り違えます。
だからこそ、比べるのは去年の同じ時期です。今月と先月では季節が違い、素直に比べられません。去年のこの時期と今年のこの時期を並べれば、季節の影響をそろえた上で、自社の改善が効いているかを読み取れます。数字は、条件をそろえてはじめて意味を持ちます。
| 続ける仕組み | やること | 得られること |
|---|---|---|
| 改善の記録 | 日付と場所と変化を一行で残す | 何が効いたかを追える |
| 自社の傾向 | 記録をためて振り返る | 次の一手を迷わず選べる |
| 外の要因 | 季節や流入の変化を頭に入れる | 改善と季節を取り違えない |
| 比べ方 | 去年の同じ時期と比べる | 条件をそろえて読み取れる |
まとめ
直帰率は、下げるべき数字でありながら、下げようとしてはいけない数字でもあります。会社情報のように1ページで用が済むページのこの数字は、高くても問題ありません。手をつけるべきは、多くの人が来ていて、なおかつ集客したいページの高い直帰率です。その原因はほぼ、最初の画面と訪問者の期待のズレに集約されます。
「売れるサイトはみな謙虚」というのは、来た人を待たせず、求めている答えを最初に差し出すという考え方です。この数字を下げる工夫を探す前に、来た人がどんな言葉で検索したのかを知り、その期待に最初の画面でまっすぐ応える。これが遠回りに見えて、最も確実な改善です。最後に、今日その場で確かめられる点検を表にまとめます。
| 今日できる点検 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 解析でページ別の直帰率を見る | 来訪が多く直帰の高いページがある | そのページに集中して手を入れる |
| 流入した検索の言葉を見る | 期待と最初の画面がずれている | 最初の見出しを期待に合わせる |
| 自分のスマホで開く | 答えが画面の外に押し出されている | 答えを最初の画面へ引き上げる |
| 表示速度を体感する | 白い画面で数秒待たされる | 重い画像と装飾を軽くする |
| 問い合わせ導線を数える | 留まった人に次の一歩が見えない | 次の行動を1つだけ示す |
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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