BtoBとBtoCのコンテンツマーケティングでよく使われる10の取り組みを、事例の型として整理しました。どの場面に向くか、何を測れば効いたと分かるかを表にまとめ、2025年のBtoB調査とGoogleの公式文書で今の前提を確かめています。
1. イントロダクション:コンテンツマーケティングで成功するための秘訣とは?
Webマーケティングが当たり前の今、コンテンツマーケティングはビジネス成長のエンジンです。魅力的なコンテンツは、顧客を惹きつけ、信頼関係を育み、売上増加やブランド認知度向上に繋がる強力な武器となります。
ただ、何を作り、どこに出し、効いたかどうかをどう測るかで手が止まる会社は少なくありません。
この記事では、BtoBとBtoCでよく使われる10の取り組みを型として並べ、それぞれで測る指標を添えます。2026年11月5日の更新で、出典を確かめられない数字を外し、公開されている調査とGoogleの公式文書をもとに書き直しました。
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2. BtoB/BtoC別に見る、コンテンツマーケティング事例10の型
ここで挙げるA社からJ社は、よくある取り組みを説明するための架空の会社です。旧版では各社に「リード獲得数200%増」のような数字を付けていましたが、元になった公開資料を確かめられなかったため、今回の更新で外しました。
自社で試すときは、次の表の右端の指標で、効いたかどうかを測ってください。
| 型 | 向いている場面 | 何を測るか |
|---|---|---|
| 1. 検索向けの解説記事(BtoB) | 比べる前に調べられる商材 | 記事からの問い合わせ件数と、狙った語の検索順位 |
| 2. 導入事例の動画(BtoB) | 導入の手間が不安になりやすい商材 | 動画を見た人のうち商談に進んだ割合 |
| 3. ウェビナー(BtoB) | 検討の期間が長い商材 | 参加者のうち個別相談に進んだ人数 |
| 4. オウンドメディアの定期配信(BtoB) | 既存の取引先と長く付き合いたい | 再訪の割合と、既存の取引先からの相談件数 |
| 5. ホワイトペーパー(BtoB) | 担当者が社内の稟議を通す必要がある | ダウンロード数と、その後の商談数 |
| 6. インフルエンサーとの協業(BtoC) | 使っている様子を見せたい商品 | 紹介の投稿からの流入数と購入数 |
| 7. 使い方の動画(BtoC) | 使い方で満足度が変わる商品 | 動画を見た人の購入率と、使い方の問い合わせ件数 |
| 8. SNSの写真投稿(BtoC) | 見た目で選ばれる飲食店 | 予約数と、投稿を見て来たと答えた来店客の数 |
| 9. 行き先の紹介記事(BtoC) | 旅行を考え始めた段階の読者 | 記事から予約ページへ進んだ数 |
| 10. 利用者の投稿を集める企画(BtoC) | 着こなしや使い方の写真が映える商品 | 指定したハッシュタグの投稿件数と、特設ページの閲覧数 |
BtoB事例の型
事例1:クラウドサービスのA社:検索向けの解説記事で問い合わせの入口を作る
A社は、導入を考える担当者が検索しそうな疑問を拾い、1つの疑問に1本の記事で答えていきます。たとえば導入のメリットを説明する記事なら、導入時の注意点やよくある質問、比べるときの観点まで1本にまとめます。
記事の終わりには無料で試せる窓口を置き、読み終えた人が次に進む道をはっきりさせます。測るのは、記事を経由した問い合わせの件数と、狙った語での検索順位です。
事例2:製造業B社:導入事例の動画で検討中の不安を減らす
B社は、既存の取引先に話を聞き、導入前に何に困っていて、導入の過程で何が起きたかを動画にします。検討中の会社は、自社と似た立場の会社の話を見ることで、導入後の姿を思い描きやすくなります。
動画の中で効果を数字で語るときは、取引先が実際に測った値だけを使い、その会社の了解を取ってから出します。
事例3:IT企業C社:ウェビナーで検討期間の長い見込み客とつながり続ける
C社は、業界の動きや実務の知識を伝えるウェビナーを開き、質疑応答の時間を長めに取ります。すぐに契約しない参加者とも、次の回の案内や資料の送付でつながりを保てます。
参加者数だけを追うと、集めやすいテーマに偏ります。参加後に個別相談へ進んだ人数まで追うと、テーマの良し悪しが見えてきます。
事例4:コンサルティング会社D社:オウンドメディアの定期配信で取引を続けてもらう
D社は、取引先が抱えがちな経営の課題や業界の動きについて、決まった間隔で記事を出します。新しい客を集めるよりも、今の取引先に「この会社に聞けば分かる」と思ってもらうことを狙った型です。
効果は、記事を読みに戻ってくる人の割合と、既存の取引先から届く相談の件数で確かめます。
事例5:人材会社E社:ホワイトペーパーで担当者の稟議を助ける
E社は、採用の手順を見直すための資料をまとめ、連絡先を入力した人にダウンロードしてもらいます。採用担当者がその資料を社内の説明にそのまま使えるよう、比べる観点や手順を表にしておきます。
ダウンロード数が多くても商談に進まなければ、資料のテーマと自社の商材がずれています。ダウンロードした人のうち商談に進んだ数まで追います。
BtoC事例の型
事例6:通販サイトF社:インフルエンサーとの協業で使っている様子を見せる
F社は、商品と相性の良い発信者に実際に使ってもらい、使う前と後の様子を動画で紹介してもらいます。広告であることは投稿の中ではっきり示します。
紹介の投稿ごとに専用のリンクを分けておくと、どの投稿から何人が来て、何件売れたかを分けて数えられます。
事例7:化粧品会社G社:使い方の動画で購入前の疑問に答える
G社は、文章や写真だけでは伝わりにくい使い方を、短い動画で順に見せます。買う前に「自分にも使えるか」という疑問が解けると、購入をためらう理由が1つ減ります。
動画を見た人の購入率に加えて、使い方についての問い合わせが減ったかどうかも見ておきます。
事例8:飲食店H社:SNSの写真投稿で来店のきっかけを作る
H社は、料理や店内の写真を投稿し、店名と季節のメニュー名をハッシュタグに入れます。フォロワー向けの企画を添えると、来店した人が自分でも投稿してくれるきっかけになります。
いいねの数は来店の数と一致しません。予約の数と、会計のときに「何を見て来たか」を聞いた答えを数えておきます。
事例9:旅行会社I社:行き先の紹介記事で旅行を考え始めた人に届く
I社は、観光地の見どころや行き方、季節ごとの楽しみ方を記事にします。まだ行き先を決めていない人が検索したときに、最初に読まれる記事を目指す型です。
記事から予約ページへ進んだ数を記事ごとに見て、予約につながりやすい行き先から記事を増やしていきます。
事例10:アパレル会社J社:利用者の着こなし投稿を集めて広げる
J社は、指定したハッシュタグを付けて自社の服の着こなしを投稿してもらい、許可を得た写真を特設ページに載せます。利用者の写真は、商品を着たときの姿を買う前に見せられます。
投稿の件数と、特設ページの閲覧数を追います。写真を載せるときは、投稿した本人の許可を1件ずつ取ります。
3. 調査で見る、BtoBコンテンツマーケティングの今の前提
型を選ぶ前に、ほかの会社がどこに力を入れているかを確かめておきます。米国のコンテンツマーケティング協会(Content Marketing Institute)が2025年10月8日に公表した調査は、1,000人を超えるBtoBのマーケティング担当者に聞いたものです。発表文には次の一文があります。
「担当者の10人に9人がすでにAIでコンテンツを量産しているが、実際に成果が上がったと答えたのは10人に4人に満たない」(発表文より筆者訳)
AIを使うこと自体は当たり前になり、それだけでは差がつかなくなっているという読み方ができます。同じ発表では、2026年に投資を増やす分野の上位に「AIを使ったマーケティングの道具」を挙げた人が45%いた一方で、人材(給与・研修・育成)は9%で最下位でした。
業界への見解を示すコンテンツを作っていると答えた担当者は96%に上ります。ただし、多くの会社で作成に関わる社員は全体の5%未満だとされています。10の型のどれを選んでも、自社にしか書けない話を誰が出すのかで中身が決まります。
Googleが示す「ユーザー第一」の問い
Googleは検索セントラルの文書「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」(2026年10月7日更新)で、自分のコンテンツを点検するための問いを並べています。そのうち3つを原文のまま引きます。
- 「コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供していますか。」
- 「コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。」
- 「自分でもブックマークしたい、また友人に教えたりすすめたりしたいと思えるページですか。」
同じ文書は、検索順位を上げることを主な目的にした作り方を避け、「ユーザー第一のコンテンツの作成に注力することをおすすめします」と書いています。確かめられない数字で飾った事例は、1つ目の問いに「はい」と答えられません。旧版の数字を外したのはこのためです。
| 点検の観点 | 事例記事で確かめること |
|---|---|
| 独自の情報があるか | 自社や取引先が実際に測った数字か。出どころを本文に書いたか |
| 読者が目的を果たせるか | 読んだ人が自社で試す手順と、測る指標まで分かるか |
| 人にすすめたくなるか | 同じ業界の人に転送しても恥ずかしくない中身か |
4. 10の型に共通するポイント:成果を生み出す法則とは?
10の型に共通するのは「顧客中心主義」です。顧客のニーズを深く理解し、それに合わせた価値あるコンテンツを提供することで、共感と信頼を獲得し、最終的にビジネス成果に繋がるのです。
明確な目標設定、ターゲットの明確化、そして測って直す繰り返しも欠かせません。これらの要素が組み合わさることで、コンテンツマーケティングは真価を発揮します。
あなたの会社では、顧客中心のコンテンツマーケティングを実践できていますか?
5. コンテンツマーケティングを進める7つのステップ
コンテンツマーケティングは、戦略的に取り組むことが重要です。以下の7つのステップを図解で示します。
図:コンテンツマーケティング成功の7ステップ
これらのステップを全て自社で実行するには、専門的な知識、時間、そしてリソースが必要になります。「なかなか成果が出ない」「リソースが足りない」とお悩みではありませんか?
6. まとめ:コンテンツマーケティングを成功させる近道
コンテンツマーケティングは、適切な戦略と継続的な努力によって大きな成果を生み出します。ただ、先の調査でも、2026年に投資を増やす先として人材を挙げた担当者は9%にとどまりました。書く人と書く時間の不足は、数字にも表れています。
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