「途中で解約できますか」「うちの業界でも使えますか」「追加の費用はありますか」。
BtoBの営業やサポートをしていると、同じ質問に何度も答えている、と感じる場面は多いはずです。
こうした繰り返しの質問には、サイトの「よくある質問(FAQ)ページ」で先回りして答えられます。地味なページですが、問い合わせ前の不安と社内の手間を同時に減らせます。
一方で、作ったきり古い情報のまま残っているFAQも少なくありません。
この記事では、専任のウェブ担当がいない中小企業でも回せるように、FAQページの作り方を次の順で説明します。
質問の集め方、カテゴリ分け、回答の書き方、聞きにくい質問への答え方、景品表示法の注意、ページの構成、構造化データの現状、更新ルール、チェックリスト、ひな形です。
Googleの更新履歴、モバイルファーストインデックスの公式ガイド、Google アナリティクス 4(GA4)のヘルプ、消費者庁の資料、W3Cのアコーディオンの指針は、2026年10月17日に開いて内容を確かめました。
料金や契約の具体的な数字は、会社ごとに違うため、記事の中には書いていません。
先に結論 FAQページで先に決める5つのこと
最初に、この記事の要点を表にまとめます。
| 工程 | 先に決めること | 決めないと起きること |
|---|---|---|
| 質問集め | 実際に聞かれた質問を、記録から拾う | 会社が答えたいことだけが並ぶ |
| 分類 | お客様の検討の流れでカテゴリを分ける | 部署の都合の並びになり、探せない |
| 回答 | 最初の1文で結論を書き、条件をすぐ後ろに置く | 読んでも判断できない、または誤解される |
| 表示 | 「無料」「いつでも」の例外を同じ場所に書く | 実態より有利に見える表示になる |
| 更新 | 担当者と見直しの時期を決める | 古い回答が残り、トラブルのもとになる |
どの工程も、特別な技術は要りません。順番に決めていけば、1人でも形にできます。
問い合わせ前の小さな不安を片づける
BtoBの購買では、担当者が社内で稟議を通す必要があります。
そのため担当者は、問い合わせの前に「自社に合うか」「費用の目安は」「契約で縛られないか」「情報の管理は大丈夫か」を確かめたいと考えています。
こうした疑問は、問い合わせフォームには書きにくいものです。答えが見つからないまま、比較検討から外れてしまうこともあります。
FAQは、この「聞くほどではないが気になる」疑問に答え、資料請求や問い合わせへ進む後押しをする場所です。
同じ説明を繰り返す時間を減らす
FAQは、営業とサポートが共有する「説明の共通原稿」にもなります。
商談の前にURLを送ったり、問い合わせへの返信で該当の回答を案内したりできます。
担当者ごとに説明が食い違うことも防げます。人数の少ない会社ほど、この効果は大きく出ます。
問い合わせを減らすためのページではない
BtoBでは、問い合わせは商談の入口です。FAQの役割は、問い合わせを断つことではありません。
「よくある疑問は自分で解決できる。相談したい人は迷わず問い合わせられる」という状態を作ることです。
回答の近くに問い合わせへの導線を置くのは、そのためです。
FAQページを作る全体の流れ
作業の全体像を図にしました。
流れは、質問を集めて、選んで、分けて、答えを書いて、育てる、の5つです。
最後の「育てる」までを仕事の範囲に入れておくと、公開後に古くなる事態を避けられます。
一度に完成させなくてよい
最初から100問そろえる必要はありません。確実に答えられる15〜30問ほどから公開し、あとから増やすほうが現実的です。
公開を急いで曖昧な回答を並べるより、少なくても正確な回答を並べたほうが、読み手の信頼を得られます。
作業の目安
| 工程 | 主な作業 | 使う材料 |
|---|---|---|
| 集める | 過去の問い合わせを書き出す | メール、フォーム、電話メモ |
| 選ぶ | 頻度と影響で優先順位をつける | 件数の集計 |
| 分ける | 検討の流れでカテゴリを決める | 付箋または表計算ソフト |
| 書く | 結論から答えを書く | 料金表、利用規約 |
| 育てる | 見直しの時期と担当を決める | 共有の表 |
表計算ソフトが1つあれば、すべての工程を進められます。
質問の集め方 社内に眠っている生の質問を拾う
いちばん大切なのは、会社が答えたい質問を並べないことです。お客様が実際に聞いている質問を載せます。
次の4つの情報源から集めましょう。
| 情報源 | 分かること | 注意すること |
|---|---|---|
| 問い合わせ記録 | お客様が使う言葉と、質問の件数 | 個人名や会社名は書き写さない |
| 商談の聞き取り | 検討の終盤で出る不安 | 担当者の記憶に偏る |
| Search Console | 検索から訪れる人の疑問 | 表示される語句は一部に限られる |
| サイト内検索 | 探しても見つからなかったこと | 検索窓が無いサイトでは取れない |
問い合わせ記録を読み返す
メールやフォームの履歴、電話対応のメモ、チャットの記録を読み返します。進め方の例です。
- 過去半年から1年分の問い合わせを、表計算ソフトに1件1行で書き出す
- 「質問の要点」を短く言い換えた列を作る(例:最低の契約期間はあるか)
- 同じ要点のものに印をつけ、件数を数える
- 件数が多いもの、回答に時間がかかったものから候補にする
お客様が使った言葉は、そのまま残しておきます。
社内では「月額プラン」と呼んでいても、お客様は「定額」「サブスク」と書いているかもしれません。質問文をお客様の言葉に寄せるほど、見つけてもらいやすくなります。
商談でよく出る質問を聞き取る
営業担当者に「商談でよく聞かれること」と「答えたあとに相手の表情が変わること」を尋ねます。短い聞き取りでも、かなりの数が集まります。
特に拾いたい質問は、次のとおりです。
- 導入までの期間と、社内で必要な準備
- 既存のシステムや業務とのつなぎ込み
- 他社と比べた違い
- 稟議や社内説明で使う情報(会社の概要、実績の範囲、セキュリティの体制など)
Search Consoleの検索語句を見る
Search Console(自社サイトの検索での見え方を確かめられるGoogleの無料ツール)の検索パフォーマンスのレポートでは、検索語句ごとに「クエリ」として結果を確認できます。
表示回数、クリック数、平均の掲載順位を、語句ごとに見られます。
注目したい語句は、次のようなものです。
- 「料金」「解約」「できない」など、疑問や不安を表す語句
- 「とは」「違い」など、説明を求める語句
- 表示回数は多いのにクリックが少ない語句(答えが見えていない可能性がある)
自社名やサービス名と組み合わせて検索されている語句は、すでに検討中の人の疑問であることが多く、優先度を高くしてよい候補です。
なお、同じ検索をしても、時間、場所、使う端末、利用者の履歴によって結果は変わります。一覧に出た語句は、傾向をつかむ材料として使います。
サイト内検索の語句を見る
サイト内検索の語句は、「探したが見つからなかったこと」の手がかりです。
GA4では、拡張計測機能のサイト内検索を有効にすると、検索結果のページが表示されたときに view_search_results というイベントが記録されます。
公式ヘルプによると、既定ではURLに q、s、search、query、keyword のいずれかのパラメータが含まれるかで判定され、検索語句は search_term という項目に入ります。
自社の検索結果ページのURLが別のパラメータを使っている場合は、詳細設定で追加します。
画面の名称は変わることがあります。作業のときは、公式ヘルプの最新の説明を確認してください。
集めた質問を選ぶ基準
候補が集まったら、3つの観点で優先順位をつけます。
| 観点 | 確認すること | 優先してよい例 |
|---|---|---|
| 頻度 | 何度も聞かれているか | 毎月のように届く質問 |
| 影響 | 答えが無いと検討をやめてしまうか | 料金、契約、セキュリティ |
| 手間 | 毎回の回答に時間がかかっているか | 説明が長くなる質問 |
迷ったときの考え方
3つの観点のうち、迷ったら「影響」を先にします。
件数が少なくても、答えが無いために検討から外れる質問は、FAQに載せる価値があります。
載せないほうがよい質問
次の質問は、FAQに載せずに個別に答えます。
- 特定の会社の事情に深く依存し、他の人には当てはまらない質問
- 答えが頻繁に変わり、更新が追いつかない質問
- 守れるかどうか分からない約束を含む質問
カテゴリ分けと並べ方
カテゴリは「お客様の検討の流れ」で分ける
お客様が検討を進める順番で分けます。社内の部署の並びは使いません。
BtoBでの例です。
| 順番 | カテゴリ | 主な質問 |
|---|---|---|
| 1 | サービス内容 | 何ができるか、対象の業種と規模 |
| 2 | 料金・お支払い | 料金の決まり方、追加の費用、税の扱い |
| 3 | 導入・準備 | 期間、必要なもの、社内の体制 |
| 4 | 契約・解約 | 最低の契約期間、解約の手続き |
| 5 | セキュリティ・情報管理 | 預ける情報の管理、事故のときの連絡 |
| 6 | サポート・運用 | 問い合わせ窓口、対応の時間 |
| 7 | 会社・取引 | 請求書払い、見積もり、取引口座の開設 |
カテゴリは5〜8個ほどに収めると、見渡しやすくなります。質問が1つしかないカテゴリは、ほかとまとめます。
カテゴリの中の並べ方
カテゴリの中は、次の順に並べると読みやすくなります。
- よく聞かれる順(頻度の高いものを上に)
- 全体から細部へ(「料金体系はどうなっていますか」の次に「追加の費用はかかりますか」)
- 前提が必要な質問は、前提となる質問のあとに
質問文は疑問文で書く
質問文は、「契約期間について」のような名詞だけの見出しにしません。
「最低の契約期間はありますか。」のように、お客様の言葉に近い疑問文で書きます。
回答の書き方 結論から、条件を明記、関連ページへつなぐ
基本の型
回答は次の型に沿って書くと、読み手が迷いません。
| 順番 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 結論 | 「はい、できます」を最初の1文で |
| 2 | 条件・例外 | 申し出の期限、対象外になる場合 |
| 3 | 補足 | 理由や具体例(必要なときだけ) |
| 4 | 次の行動 | 関連ページへのリンク、問い合わせ先 |
回答の例
質問は「途中で解約できますか。」とします。
回答は次のように書きます。
はい、できます。解約をご希望の月の前月末日までにご連絡いただくと、その月の末日で解約となります。年間契約をお選びいただいた場合は、契約期間の途中での解約はお受けしておりません。詳しくは「利用規約」と「料金ページ」をご覧ください。手続きの方法が分からない場合は、サポート窓口までお問い合わせください。
結論、条件、例外、次の行動が、1つの回答に収まっています。
書くときのコツ
| コツ | 具体的な書き方 |
|---|---|
| 1つの回答で1つの疑問に答える | 論点が混ざる場合は、質問を分ける |
| あいまいな言葉を避ける | 「すぐに」より「通常は〇営業日以内」。ただし守れない数字は書かない |
| 専門用語を言い換える | 社内用語や略語は、初めて読む人にも分かる言葉にする |
| 関連ページへリンクする | 料金表、利用規約、導入事例、資料請求へ案内する |
| 短く、ただし削りすぎない | 条件を省くと誤解のもとになる。短さより正確さを優先する |
「個別にご相談ください」だけで終わらせない
「個別にご相談ください」だけの回答が並ぶFAQは、読み手をがっかりさせます。
答えを決められない場合も、何が決まれば答えられるのかを書きます。
たとえば「お見積もりの際は、ご利用人数と期間をお知らせください」と書けば、読み手は次に何をすればよいか分かります。
料金・契約・解約・セキュリティなど聞きにくい質問への答え方
料金、契約の縛り、解約、情報管理は、営業に直接聞きにくく、検討をやめる理由にもなりやすい質問です。
ここに先回りして答えられるかどうかが、FAQの価値を左右します。
| 分野 | 書くこと | 避けること |
|---|---|---|
| 料金 | 決まり方、費用の種類、別途かかるもの | 例外を伏せた「一切かかりません」 |
| 契約・解約 | 最低期間、申し出の期限、解約時の費用、データの扱い | 年間契約の例外を書かない「いつでも解約」 |
| セキュリティ | 預かる情報と管理の概要、取得した認証の名称と範囲 | 「万全」「絶対に安全」の言い切り |
料金
- 料金の決まり方(何によって変わるか)を書く
- 初期費用、月額の費用、追加の費用など、種類を分けて示す
- 別途かかるもの(オプション、交通費、外部サービスの利用料など)を隠さない
- 税込か税抜かを明記する
金額を載せるかどうかは会社の方針次第です。ただし「費用の構成」と「変動する要因」は書けるはずです。
契約・解約
- 最低の契約期間の有無
- 解約の申し出の期限と方法(電話、メール、フォームのどれか)
- 解約時にかかる費用の有無
- 解約後のデータの扱い(返却や削除の時期)
「書くと解約が増えるのでは」と心配されがちですが、契約前の人には、出口が見えることが安心の材料になります。
セキュリティ・情報管理
- 預かる情報の種類と、管理方法の概要
- 第三者の認証を取得している場合は、その名称と対象の範囲
- 情報漏えいなどの事故が起きたときの連絡体制
- 詳しい資料(説明資料、チェックシートへの回答など)の入手方法
取得していない認証を書いたり、「万全」「絶対に安全」と言い切ったりするのは避けます。事実の範囲で書きましょう。
景品表示法の注意 FAQも「表示」になる
FAQの回答も、商品やサービスについての表示です。
景品表示法は、一般消費者向けの表示を対象にした法律です。消費者庁の資料では、事業者間の取引には独占禁止法、消費者向けの取引には景品表示法を適用する、という整理が示されています。
ただし、個人事業主や一般の方も申し込めるサービス、BtoBとBtoCの両方を扱う会社では、FAQが景品表示法の対象になることもあります。
法律の対象かどうかにかかわらず、実態より有利に見せる書き方は信頼を損ないます。以下の考え方は、BtoB専業の会社でも基準として使えます。
有利誤認とは
消費者庁は、自社の商品やサービスの価格その他の取引条件について、実際のものや競争事業者のものより著しく有利だと一般消費者に誤認させる表示を、有利誤認表示として景品表示法第5条第2号が禁じていると説明しています。
故意に偽った場合だけでなく、誤って表示した場合も、有利誤認表示に当たれば規制を受けます。
事業者が有利誤認表示を行ったと認められると、消費者庁は措置命令などの措置を行います。
FAQで起こりがちな書き方
| 書き方の例 | 何が問題になりうるか |
|---|---|
| 「初期費用は無料です」とだけ書き、実際には初回に設定の費用がかかる | 費用の実態より有利に見える |
| 「いつでも解約できます」と書き、年間契約では途中で解約できない | 契約の条件より有利に見える |
| 「今だけ半額」と書いているが、期間がずっと続いている | 価格の有利さを誤認させる |
| 「追加の料金は一切かかりません」と書き、実際にはオプションの費用が必要 | 費用の実態より有利に見える |
例外や条件の書き方(打消し表示)
目立たせた表示(強調表示)の例外や条件を示す表示を、消費者庁は「打消し表示」と呼んでいます。
消費者庁の報告書は、次の点を示しています。
- 強調表示の内容は実際を反映していることが原則で、打消し表示は例外の条件がある場合に使うものである
- 強調表示と打消し表示が矛盾する場合は、誤認されて景品表示法上の問題となるおそれがある
- 打消し表示は、強調表示に隣接した箇所に示し、文字の大きさ、色、背景からも一体として認識できるようにする
FAQに当てはめると、「はい、解約できます」と書くなら、同じ回答の中ですぐ続けて条件を書く、ということです。
条件だけを別のページの小さな注記にまとめる書き方は避けましょう。
アコーディオンの中に条件を隠さない
消費者庁のスマートフォンの調査では、ページ下部の「よくある質問」のアコーディオンパネル(タップすると中身が開く表示)に置かれた打消し表示について、一部の項目だけを開いた人の大半が見落としていたと報告されています。
項目を1つずつ開くのが面倒で、気になるところだけを開いた、という声も紹介されています。
また、報告書は、打消し表示をアコーディオンパネルに入れる場合は、強調表示の近くにラベルを置くなどして、一体として認識できるようにすることを求めています。
FAQにアコーディオンを使うときも、質問文だけで有利さを強調し、条件を折りたたまれた回答の奥に置く書き方は避けてください。
書き方に不安がある場合は、消費者庁の公表資料を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
ページ構成 1ページか分割か、アコーディオンの注意
1ページにまとめるか、分けるか
| 構成 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 1ページにまとめる | 質問が30問ほどまで。サービスが1〜2種類 | 長くなったら、カテゴリへのページ内リンク(目次)を置く |
| カテゴリごとに分ける | 質問が多い。サービスが複数ある。検討中の人と契約中の人で内容が違う | トップに全体の目次を置き、迷子にさせない |
| 関連ページにも置く | 料金ページに料金の質問、サービス紹介に機能の質問 | 回答が食い違わないよう、元の原稿を1つに決める |
中小企業なら、まず1ページにまとめ、質問が増えたら分割を考えれば十分です。
アコーディオン表示と検索
質問をクリックすると回答が開く「アコーディオン」は、長いページを短く見せられるため、FAQでよく使われます。
Googleの公式ガイドでは、モバイルファーストインデックス(スマートフォン向けページの内容をもとに検索の評価を行うしくみ)が前提になっています。
ガイドは、モバイルのページにPC版と同じ内容を載せることを求めています。そのうえで、内容を削る代わりにアコーディオンやタブへ移して見せ方を変える方法を挙げています。
一方で、スワイプ、クリック、入力といった操作をしないと読み込まれない内容は、Googleが読み込まないとも書かれています。
実務での注意点
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 回答の文章を最初からHTMLに含める | 開いたときに初めて読み込む作りだと、読み取られない |
| スマートフォン版で回答を省略しない | 評価の元になるのがモバイル版のため |
| 質問文はスマートフォンでもPCと同じにする | 内容の食い違いを避ける |
| 公開後にURL検査ツールで確認する | 回答の文章が読み取られているかを確かめられる |
アコーディオンのアクセシビリティ
アクセシビリティ(障害のある人を含め、誰もが使えるようにすること)の面では、W3CのWAI-ARIA Authoring Practices Guide(APG)がアコーディオンの作り方を示しています。
要点は次のとおりです。
- 質問文はボタンの役割を持つ要素にし、そのボタンを見出し要素(h3など)の中に置く。見出しの中にはボタンだけを入れる
- ボタンには、回答が開いているときは aria-expanded の値を true、閉じているときは false にする
- ボタンの aria-controls に、回答部分の要素のIDを指定する
- EnterキーかSpaceキーで開閉でき、Tabキーでボタンを順に移動できるようにする
制作会社やCMS(ホームページ作成ツール)任せになりがちな部分です。公開前に、キーボードだけで開閉できるかを一度試してください。
FAQの構造化データについて(2026年時点)
以前は、FAQPageという構造化データ(検索エンジンにページの内容を伝えるための決められた書式)を入れると、Googleの検索結果に質問と回答が展開されて表示されることがありました。
現在の状況
Googleは2023年8月に、この表示(FAQのリッチリザルト)を、よく知られた信頼できる政府や健康分野のサイトに限定しました。
さらに、Googleの検索セントラルの更新履歴では、2026年5月8日付で、この機能が2026年5月7日からGoogle検索に表示されなくなる、との告知が出ています。
2026年6月には、FAQのリッチリザルトの公式ドキュメントも削除されたと記録されています。
既に入れている場合
2023年の発表でGoogleは、使われていない構造化データが検索で問題を起こすことはないが、検索結果に見える効果もない、と説明しています。
そのため、すでに入れているものを急いで外す必要はないでしょう。
新しく入れる場合
検索結果の見え方を目的に、新しく手間をかける理由はなくなりました。
FAQの価値は、読み手の疑問に正確に答える中身にあります。検索結果の見た目は、その価値を決めません。
売れるサイトはみな謙虚 FAQは足さずに引く
ここまで、FAQに載せる内容と書き方を説明してきました。ここで、サイト全体の作り方についての考え方を1つ紹介します。
「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。大きく見せる言葉や機能を足していくより、訪れた人が迷う要素を引いていくほうが、次の一歩を踏み出してもらえるという見方です。
FAQから引くもの
FAQに当てはめると、引く対象は次のようになります。
| 引くもの | 引いたあとの状態 |
|---|---|
| 自社が答えたいだけの質問 | お客様が実際に聞く質問だけが残る |
| 強い言い切りの表現 | 条件つきの正確な回答になる |
| 似た内容の重複した質問 | 1つの質問にまとまり、探しやすい |
| 古い回答 | 今の料金と規約に合った回答だけが残る |
| 分かりにくい社内用語 | 初めて読む人にも伝わる言葉になる |
謙虚な回答は信頼につながる
「できないこと」「向いていない場合」を先に書く会社は、信頼されやすくなります。
たとえば「対象外となるケース」を回答に1行添えるだけで、読み手は「この会社は都合の悪いことも書く」と受け取ります。
足すより引く。この姿勢が、FAQの読みやすさと信頼の両方を支えます。
更新ルール FAQは育てるページ
更新が止まったFAQは逆効果になる
料金の改定や仕様の変更のあとに古い回答が残っていると、誤解やトラブルのもとになります。
FAQは、更新のしくみまで含めて作るものです。
決めておきたい4つのルール
| ルール | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 担当者 | 全体の責任者を1人決め、内容の確認を分担する | 料金は営業、技術は技術担当 |
| 定期の見直し | 全問を読み返す時期 | 四半期に1回 |
| 臨時の更新 | 直すきっかけ | 料金改定、規約改定、窓口の変更 |
| 質問の追加ルート | 営業とサポートが書き込める共有の表 | 見直しのときにまとめて反映 |
変更作業の手順書に「FAQの確認」を一行入れておくと、直し忘れを防げます。
見直しのときに見る数字
- 問い合わせの中で、FAQに答えがあるのに届いている質問(見つけにくい、または分かりにくいサイン)
- Search Consoleで、FAQのページが表示されている検索語句
- サイト内検索で多い語句のうち、FAQに答えが無いもの
公開前・見直し時のチェックリスト
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 質問 | 実際に聞かれた質問をもとにしている |
| 質問 | 質問文は疑問文で、お客様の言葉に近い |
| 質問 | 料金・契約・解約・セキュリティの質問が含まれている |
| 質問 | カテゴリは検討の流れに沿い、5〜8個ほどに収まっている |
| 回答 | 最初の1文で結論が分かる |
| 回答 | 条件と例外が、結論のすぐ近くに書かれている |
| 回答 | 料金と契約の内容が、料金ページ・利用規約と一致している |
| 回答 | 「無料」「いつでも」「一切」の言い切りの裏に、書かれていない例外が無い |
| 回答 | 取得していない認証や、守れない期限を書いていない |
| ページ | 回答の文章が最初からHTMLに含まれている |
| ページ | スマートフォンでも回答を省略していない |
| ページ | アコーディオンをキーボードで開閉できる |
| ページ | 問い合わせへの導線が、途中と最後にある |
| ページ | 最終更新日を載せている |
| 運用 | 責任者と確認担当、見直しの時期が決まっている |
そのまま使えるFAQのひな形
BtoBサービスのFAQの骨組みです。〔 〕を自社の内容に置き換え、決まっていない項目は質問ごと外してください。
ページ冒頭
よくある質問
〔サービス名〕について、お客様からよくいただくご質問をまとめました。こちらで解決しない場合は、〔問い合わせページ〕からご相談ください。
最終更新日:〔年月日〕
質問と回答の骨組み
| カテゴリ | 質問 | 回答の骨組み |
|---|---|---|
| サービス内容 | どのような会社が利用していますか。 | 〔業種・規模〕の会社に多く使われています。〔対象外のケース〕。詳しくは〔導入事例ページ〕へ。 |
| 料金 | 料金はどのように決まりますか。 | 〔決まる要素〕によって決まります。費用は〔種類〕に分かれ、表示は〔税込/税抜〕です。 |
| 料金 | 料金表以外にかかる費用はありますか。 | 〔ある場合:何に、どの条件で〕/〔ない場合:その旨と例外〕。 |
| 導入 | 申し込みから利用開始までの期間は。 | 通常〔期間〕です。〔延びる条件〕の場合は個別にご案内します。 |
| 契約 | 最低の契約期間はありますか。 | 〔あり/なし〕。〔期間と条件〕。 |
| 契約 | 途中で解約できますか。 | 〔結論〕。〔申し出の期限と方法〕。〔例外〕。〔解約時の費用〕。 |
| 契約 | 解約後のデータはどうなりますか。 | 〔返却・削除の方法と時期〕。 |
| セキュリティ | 預けた情報はどう管理されますか。 | 〔管理の概要〕。〔認証の名称と範囲〕。詳しい資料は〔入手方法〕で。 |
| サポート | 困ったときの問い合わせ先は。 | 〔窓口・受付時間・連絡方法〕。〔返信の目安を守れる範囲で〕。 |
よくある質問
Q1. FAQは何問から公開してよいですか
15〜30問ほどが目安です。確実に答えられるものから公開し、あとで増やします。
少なくても正確な回答が並んでいるほうが、読み手の信頼を得られます。
Q2. 料金の金額までFAQに書くべきですか
載せるかどうかは、会社の方針で決めて構いません。
金額を載せない場合も、料金の決まり方、費用の種類、別途かかるものは書けます。
Q3. FAQPageの構造化データは入れたほうがよいですか
Googleの検索結果でFAQが展開される表示は、2026年5月7日から出なくなったと告知されています。
検索結果の見え方を目的に入れる理由は、なくなりました。すでに入れている場合は、急いで外さなくても構いません。
Q4. アコーディオンは使わないほうがよいですか
使って構いません。回答の文章を最初からHTMLに含め、スマートフォンでも省略しないことが条件です。
キーボードで開閉できるかと、条件を奥に隠していないかも確かめてください。
Q5. 更新はどのくらいの頻度で行えばよいですか
定期の見直しは、四半期に1回が目安です。
料金や規約を変えたときは、定期の見直しを待たずに、その場でFAQを直します。
まとめ
- FAQは、問い合わせ前の不安を減らし、営業とサポートの説明をそろえる共通原稿になる
- 質問は、問い合わせ記録、商談、Search Consoleの検索語句、サイト内検索から、実際に聞かれたものを集める
- カテゴリはお客様の検討の流れで分け、よく聞かれる順に並べる
- 回答は「結論、条件・例外、補足、次の行動」の型で書く
- 料金・契約・解約・セキュリティは、聞きにくいからこそ先回りして答える
- 「無料」「いつでも解約」などの言い切りは、条件をすぐ近くに書き、有利誤認を招かない
- アコーディオンを使うなら、回答は最初からHTMLに含め、キーボードで操作できるようにする
- FAQのリッチリザルトは2026年5月7日から表示されなくなった。見た目より中身の正確さに力を注ぐ
- 足すより引く。謙虚な回答が信頼を生む
まずは、過去の問い合わせを読み返して、よく聞かれる質問を15問書き出すところから始めてみてください。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
これまでに127社にご利用いただきました。毎月ご依頼いただいている方の6割以上が、月10ページを選ばれています。料金はページに掲載しています。
ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません


