セミナーの日程を決め、会場も押さえた。
案内の文面を作って、会社のサイトにも載せた。
それなのに、開催が近づいても申込みの数が伸びない。
この記事は、そうした状況にいる中小企業や店舗の担当者、経営者の方に向けて書いています。
自社で主催するセミナー、展示会への出展、地域のイベント、店舗の体験会などが対象です。
数千人規模の大きな催しを専門の会社に任せる話は扱いません。
社内の1人か2人が、ほかの仕事と並行して集客まで抱えている場面に絞っています。
イベントの集客で最初に浮かぶのは、告知の手段をどう増やすかという話だと思います。
ところが、告知を増やしても申込みが増えないことがよくあります。
告知を見た人は、最後に必ず申込みのページを開き、そこで行くかどうかを決めているからです。
この記事では、そのページで何が起きているのかを順番に見ていきます。
あわせて、開催日から逆算した集客の予定の組み方と、集めた名簿を扱うときの法律の決まりも、公的な資料で確かめた範囲で整理します。
読み終えたときに、次のイベントの申込みページで最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、開催1週間前の相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿は2024年の2月で、会社でイベントの運営を任されている方からの相談でした。
1人で3つのイベントを抱えていた
投稿者は、登壇する人が費用を払って参加する形のイベントで、運営と集客を担当していました。
本来は開催の1か月前から集客を始める段取りだったそうです。
ところが、同じ時期にほかに2つのイベントも1人で任されていて、気づいたのは開催の2週間前でした。
急いで告知を始めたものの、開催1週間前になっても参加者がほとんど集まっていない。
文面からは、周りに迷惑をかけてしまうと追い詰められている様子が伝わってきました。
どうしたらいいのか、という短い問いで投稿は終わっていました。
回答に並んだのは、まず人に頼ること
寄せられた回答は、どれも最初に上司へ正直に相談することを勧めていました。
会社の発信の場や広告で、周りの人にも動いてもらう。
登壇する人にも、自分の発信の場で告知してもらう。
最低の開催人数が決まっているなら、中止と返金も含めて登壇者に説明する。
そして、過ぎたことは変えられないので、謝ったうえで次に活かせばいい、と励ます言葉が続いていました。
どれも、追い詰められた人にまず伝えるべきことだと思います。
1人で抱え込まず、周りに助けを求めるのは、集客の打ち手として見ても正しい判断です。
集客の遅れだけが原因だったのか
相談の中心は「集客を始めるのが遅れた」という点でした。
たしかに、開催の2週間前に告知を始めると、予定を空けられる人は限られます。
ただ、この相談には、もう1つ見ておきたい点があります。
急いで告知を始めた2週間のあいだにも、告知を見た人は何人かいたはずです。
その人たちは、案内のページを開き、内容を読んで、申し込まずに閉じています。
告知が届かなかった人と、届いたのに申し込まなかった人は、打つべき手がまるで違います。
時間の遅れは取り戻せませんが、申込みのページで止まっている人は、今日からでも減らせます。
| 相談の中で起きていたこと | 見落とされやすい点 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 1人で3つのイベントを任されていた | 集客の担当が、開催の準備の付け足しになっていた | 集客だけの予定表を別に作っているか |
| 気づいたのが開催の2週間前だった | 逆算の予定がなく、遅れに気づく仕組みがなかった | 開催日から逆算した締め切りを決めているか |
| 急いで告知を始めた | 告知の先にある申込みページを見直していない | 告知から来た人が最初に読むページを開いてみる |
| 登壇者にも告知を頼めた | 頼むための文面や画像が用意されていない | 登壇者に渡す紹介用の文面があるか |
| 最低の開催人数が気になった | 中止の基準と連絡の方法が決まっていない | 何人で開催するか、いつ判断するかを決めているか |
これはイベントを主催する会社の9割が入り込む落とし穴です
人が集まらないとき、主催する側は「まだ知られていないからだ」と考えます。
知られていないなら、告知を増やせばいい。
そう考えて、案内の投稿を増やし、知り合いに声をかけ、広告を出す。
ところが、告知の量を増やしても、申込みの数がほとんど変わらないことがあります。
告知を見た人が案内のページを開き、そこで行く理由が見つからずに閉じているからです。
この記事で「9割」と書いたのは統計の数字ではありません。
イベントを主催する会社の相談を受けていて、ほとんどの方が最初に告知の量の話から始める、という実感を言葉にしたものです。
「知られていない」と「選ばれていない」は別の問題
知られていない状態と、知られたうえで選ばれていない状態は、外から見ると同じに見えます。
どちらも、申込みが来ないという結果は同じだからです。
けれど、打つべき手は正反対になります。
知られていないなら、告知の手段を足すのが正解です。
選ばれていないなら、告知を増やすほど、ページを開いて閉じる人の数が増えるだけです。
告知にかける時間と手間は限られているので、どちらの状態かを先に見分けておく価値があります。
見分け方は、申込みページの数字にある
どちらの状態にいるかは、申込みページを開いた人の数と、申込みの数を並べると見当がつきます。
会社のサイトにアクセス解析を入れていれば、イベントのページだけを取り出して見られます。
ページを開いた人がほとんどいないなら、まだ知られていない状態です。
ページを開いた人はいるのに申込みが来ないなら、選ばれていない状態です。
外部の申込みの仕組みを使っている場合も、たいていは閲覧数と申込み数を確認できる画面があります。
数字が見られないときは、過去の参加者に「何を見て申し込みましたか」と1つだけ聞いてみるのも手です。
| いまの状態 | 数字に出ること | 先に手を打つ場所 |
|---|---|---|
| まだ知られていない | 申込みページを開く人がほとんどいない | 既存の顧客への案内や、登壇者の発信など入口を足す |
| 知られたが選ばれていない | ページを開く人はいるが申込みが来ない | 申込みページの中身を直す |
| 申し込むが当日来ない | 申込み数に比べて来場が少ない | 申込みから当日までの案内を見直す |
| 来場するが次につながらない | 参加はあるのに商談や来店が続かない | 当日の受付と開催後の連絡を見直す |
| 数字を見ていない | どこで止まっているのか分からない | 申込みページの閲覧数を見られるようにする |
イベントの集客が、店舗や商品の集客と違う理由
イベントの集客には、ふだんの店舗や商品の集客にはない難しさがあります。
ここを押さえておくと、申込みページに何を書けばいいかが見えてきます。
日付が決まっていて、締め切りを動かせない
店舗の集客なら、今月来なかったお客様が来月来てくれることもあります。
イベントは、開催の日を過ぎると申込みの機会そのものが消えます。
だから、集客にかけられる時間には、はっきりした終わりがあります。
読む人の側でも、その日に予定が空いているかどうかが、内容より先に判断の材料になります。
日付と時間が案内の上のほうに見当たらないと、読む人は予定を確かめる前に閉じてしまいます。
参加する人は、お金より先に時間を差し出す
無料のセミナーでも、参加する人は半日や1時間という時間を差し出します。
中小企業の経営者や担当者にとって、平日の時間は売上に直結する貴重なものです。
その時間を使ってまで行く理由が見えないと、無料であっても申込みはされません。
ここが、値段を下げれば売れる商品と大きく違うところです。
案内のページでは、参加費の安さより、その時間で何を持ち帰れるかが問われています。
申込みと来場のあいだに、時間が空く
商品は買った瞬間に取引が終わります。
イベントは、申し込んでから当日までに数日から数週間の間が空きます。
そのあいだに急な仕事が入ったり、申し込んだこと自体を忘れたりします。
申込みが集まったのに当日の来場が少ない、という悩みはここから生まれます。
集客は申込みの数で終わらず、当日に会場へ来てもらうところまで続いています。
決める人と、参加する人が違うことがある
BtoBのセミナーや展示会では、参加するのは担当者で、行ってよいと決めるのは上司ということがよくあります。
担当者が興味を持っても、上司に説明できる材料がなければ、申込みの手前で止まります。
店舗の体験会でも、参加する本人と、費用を出す家族が別々のことがあります。
申込みページは、参加する人だけでなく、その人が相談する相手にも読まれるつもりで書く必要があります。
| 比べる点 | 店舗や商品の集客 | イベントの集客 |
|---|---|---|
| 締め切り | 明確な終わりがなく、次の機会がある | 開催日を過ぎると申込みの機会が消える |
| 読む人が差し出すもの | 主にお金 | お金より先に、まとまった時間 |
| 取引が終わる時点 | 買った瞬間 | 当日に来場したとき |
| 判断する人 | 多くは使う本人 | 参加者と、行ってよいと決める上司や家族 |
| ページで答える問い | 何がいくらで手に入るか | その時間で何を持ち帰れるか、当日どう過ごすか |
人が集まらない背景にある、主催する側の構造
人が集まらないのは、担当者の頑張りが足りないからではありません。
多くの場合、イベントを主催する会社の側に、集客が後回しになる仕組みができあがっています。
Q&Aサイトの相談も、個人のミスとして片づけるには、構造の問題が大きすぎるように読めました。
集客が、開催の準備の付け足しになっている
イベントの準備には、会場の手配、登壇者との調整、資料の用意、当日の進行表づくりなど、目に見える作業がたくさんあります。
これらは期日が近づくと誰かに催促されるので、自然と手が動きます。
一方で、集客は催促する人がいません。
告知を出さなくても、当日までは何も困らないからです。
その結果、準備の作業がひと段落してから集客に手をつける、という順番になりがちです。
気づいたときには開催が2週間後に迫っている、という流れは、こうして生まれます。
1人の担当者に、複数のイベントを抱えさせる
中小企業では、イベントの担当が1人だけということも珍しくありません。
その1人が、営業や総務の仕事と兼ねながら、複数の催しを同時に回していることもあります。
相談者も、同じ時期に3つのイベントを1人で任されていました。
1つのイベントでも、告知、問い合わせへの返信、申込み者への案内、当日の受付と、集客にまつわる作業は細かく分かれています。
それを3つ同時に抱えれば、どこかが抜け落ちるのは当然です。
担当者を責める前に、1人で回せる量だったのかを、任せる側が見直す必要があります。
告知を外に出せば、人が集まると考えている
主催する側には「知らせさえすれば、興味のある人は来てくれるはずだ」という思い込みがあります。
そのため、告知の文面を作って発信した時点で、集客の仕事が終わったような気持ちになります。
ところが、告知は人を案内のページまで連れてくる入口にすぎません。
入口から入った人が、ページを読み、予定を確かめ、申込みの欄を埋めて送信するまでには、いくつもの段差があります。
その段差を1つずつ低くする作業が、集客の本体です。
告知の文面には時間をかけたのに、申込みページは去年の使い回し、という会社は少なくありません。
| 主催する側の状態 | 起きやすいこと | 見直すこと |
|---|---|---|
| 集客の締め切りを決めていない | 準備が終わってから告知を始め、時間が足りなくなる | 開催日から逆算した集客の予定表を先に作る |
| 担当が1人で複数のイベントを抱える | 問い合わせへの返信や前日の案内が抜ける | 集客の作業を書き出し、分けられるものを分ける |
| 告知を出した時点で安心する | 申込みページを見直さないまま告知を増やす | 告知の先のページを、初めて見る人の目で読む |
| 去年のページを使い回す | 日付や内容が古いまま残り、読む人が迷う | 今年のイベントに合わせて書き直す |
| 成果を来場者の数だけで見る | 集客のどこで止まっているかが分からない | 閲覧、申込み、来場、その後の数を並べて見る |
読む人は、どこでイベントの情報を受け取っているのか
告知の手段を考える前に、読む人がふだんどこで情報を受け取っているかを確かめておきます。
ここで使えるのが、総務省が毎年行っている通信利用動向調査です。
発信の場と検索とメールは、ほぼ同じ高さにある
総務省が2025年5月に公表した令和6年通信利用動向調査によると、インターネットを使っている人の割合は85.6%でした。
利用の目的については、報告書で次のように書かれています。
「インターネット利用者のうち、インターネットの利用目的・用途をみると、『SNS(無料通話機能を含む)の利用』の割合が81.9%と最も高く、次いで『検索サービスの利用』(79.4%)、『電子メールの送受信』(78.6%)となっている。」
この数字から分かるのは、発信の場だけが突出しているわけではないということです。
検索も、電子メールも、8割近い人が使っています。
イベントの集客というと発信の場での告知ばかりが話題になりますが、既存の顧客へのメールでの案内や、検索で見つけてもらう経路も、同じくらいの高さで残っています。
特にBtoBのセミナーでは、名刺を交換した相手や過去の参加者へのメールが、最も申込みにつながりやすい入口になることがよくあります。
どの入口から来ても、行き着く先は申込みページ
発信の場で知った人も、検索で見つけた人も、メールで案内を受けた人も、最後は同じ申込みページを開きます。
入口がいくつあっても、行くかどうかを決める場所は1つです。
だから、入口を増やす前に、その1つの場所が決められる状態になっているかを確かめる意味があります。
ここが弱いままだと、入口を3つに増やしても、3つの入口から来た人が同じ場所で止まります。
逆に、申込みページが整っていれば、どの入口から来た人にも同じように効きます。
| 入口 | 来る人の状態 | 申込みページで先に見せること |
|---|---|---|
| 発信の場での告知 | たまたま目に入り、まだ興味が浅い | 自分に関係のある催しかどうかが一目で分かる題名 |
| 検索 | 悩みを抱えて答えを探している | その悩みに当日どう答えるのか |
| 既存の顧客へのメール | 主催する会社をすでに知っている | 日時と場所、申込みの手順の短さ |
| 登壇者や出展者の紹介 | 紹介した人を信頼している | 紹介した人が何を話すのか |
| チラシや店頭の案内 | 紙を見て、スマートフォンで確かめに来た | 紙と同じ日時と内容がすぐ見つかること |
申込みページで、読む人が確かめていること
申込みページを開いた人は、上から下まで丁寧に読むわけではありません。
いくつかの問いに答えが見つかるかどうかを確かめて、見つからなければ閉じます。
その問いは、イベントの種類が違っても、だいたい同じです。
自分に関係のある催しなのか
最初に確かめるのは、このイベントが自分に向けたものかどうかです。
「経営者向け」「中小企業向け」だけでは、読む人は自分のことだと思えません。
従業員が10人前後の会社なのか、これから人を雇う段階の会社なのか、どんな悩みを抱えている人向けなのかが書いてあると、読む人は自分を当てはめられます。
対象を絞ると人が減るように感じますが、実際には当てはまる人が迷わず申し込むようになります。
当てはまらない人が来ないことも、主催する側にとっては助かることです。
対象の書き方に迷ったら、過去の参加者のうち、その後の商談や来店につながった人を思い浮かべてください。
その人がどんな会社で、参加する前にどんな悩みを口にしていたかを書けば、それがそのまま対象の説明になります。
その時間で、何を持ち帰れるのか
次に確かめるのは、時間を使って参加した結果、何が手に入るかです。
講演の題名や登壇者の経歴だけでは、それが分かりません。
「当日、自社の数字を書き込む表を配ります」「終わったあとに個別に質問できる時間を取ります」のように、持ち帰るものを具体的に書きます。
上司に参加を相談する担当者にとっては、この一文がそのまま説明の材料になります。
持ち帰るものが書けないイベントは、内容そのものを見直す合図かもしれません。
当日、どう過ごすことになるのか
初めて参加する人は、当日の過ごし方が分からないことに不安を感じます。
受付は何時からか、途中で抜けられるか、名刺は必要か、ほかの参加者と話す時間はあるか。
こうした細かな点が分からないと、知らない人ばかりの場に行くのをためらいます。
当日の流れを時間ごとに書いておくだけで、その不安はかなり小さくなります。
会場の入口の写真や、受付の様子が分かる写真があると、さらに迷いが減ります。
申し込んだあとに、何が起きるのか
申込みの欄を埋める前に、読む人は「申し込んだら何が起きるか」を気にしています。
営業の電話がかかってくるのではないか、何度もメールが届くのではないか、という心配です。
申込みのあとに届く案内の回数と内容、当日の参加方法、欠席するときの連絡の仕方を、申込みの欄の近くに書いておきます。
ここが書いてあるだけで、申込みの手前で止まる人は減ります。
特に無料のセミナーでは、あとで売り込まれるのではないかという警戒が強いので、先に答えておく効果が大きくなります。
| 読む人の問い | 答えが見つからないと起きること | ページに書いておくこと |
|---|---|---|
| 自分に関係があるか | 対象が分からず、読み進めずに閉じる | どんな悩みを持つ、どんな規模の会社の人向けか |
| 何を持ち帰れるか | 時間を使う理由がなく、後回しにする | 当日配るもの、終わったあとにできること |
| 当日どう過ごすか | 知らない場に行く不安で申込みをためらう | 時間ごとの流れ、受付の時刻、持ち物 |
| 申し込んだら何が起きるか | 売り込みを警戒して、欄を埋める手前で止まる | 届く案内の回数と内容、欠席の連絡方法 |
| 上司に説明できるか | 担当者が興味を持っても、社内で止まる | 参加する目的と持ち帰るものを短くまとめた一文 |
人が集まらないときに選ばれがちな打ち手と、その行き先
申込みが伸びないと分かったとき、主催する側が手に取る打ち手には、ある程度の決まった型があります。
どれも一見すると筋が通っていて、実際に一時的には効くこともあります。
ただ、申込みページで止まっている状態のまま打つと、手間だけが増えて終わりがちです。
告知の投稿と広告を増やす
最初に選ばれるのは、告知の回数を増やすことです。
毎日のように案内を投稿し、知り合いにも拡散を頼み、広告も出してみる。
告知が届いていない状態なら、これで申込みは増えます。
けれど、すでにページを開いた人が申し込まずに閉じている状態なら、増えるのはページを開いて閉じる人の数だけです。
広告を出した場合は、その分の費用も申込みにつながらないまま消えていきます。
さらに、同じ案内を繰り返し目にした人は、内容を読まずに読み飛ばすようになります。
告知を増やす前に、ページを開いた人のうち何人が申し込んでいるかを一度だけ確かめてください。
無料と特典を強く打ち出す
次に選ばれるのが、参加費を無料にしたり、来場の特典をつけたりすることです。
参加のハードルが下がるので、申込みの数は増えやすくなります。
ところが、特典に引かれて申し込んだ人は、当日の欠席が多くなりがちです。
申込みにかかる手間が小さいぶん、ほかの予定が入るとあっさり後回しにされるからです。
来場したとしても、主催する会社の商品やサービスに関心がないまま帰っていく人が増えます。
無料や特典そのものが悪いわけではありません。
それを前面に出すほど、本来来てほしかった人に向けた内容が後ろに隠れてしまう点に気をつけたいところです。
有名な登壇者の名前に頼る
名の知れた人に登壇してもらえれば、人は集まるはずだと考える会社もあります。
たしかに、登壇者の名前で申し込む人は一定数います。
ただ、その人たちが聞きに来ているのは登壇者の話で、主催する会社の話ではありません。
講演が終わるとすぐ帰ってしまい、会場の展示や個別の相談には立ち寄らない、ということが起きます。
登壇者を招くなら、その人の話と自社の商品やサービスがどうつながるのかを、申込みページの上で先に説明しておく必要があります。
つながりが説明できないなら、その登壇者を招く理由そのものを見直したほうがいいかもしれません。
直前になって招待と値引きを乱発する
開催が数日後に迫ると、焦って招待の連絡を一斉に送ったり、参加費を下げたりすることがあります。
席を埋めるための応急の手当てとしては、やむを得ない場面もあります。
けれど、早くから定価で申し込んでくれた人から見ると、あとから来た人のほうが得をしたことになります。
これが続くと、次のイベントでは直前まで申込みを待つ人が増えます。
直前の値引きを繰り返す主催者ほど、毎回直前に慌てる構造から抜け出せなくなります。
| よく選ばれる打ち手 | 一時的に起きること | その後に残る問題 |
|---|---|---|
| 告知の投稿と広告を増やす | ページを開く人が増える | 申込みページで止まる人も同じだけ増える |
| 無料と特典を強く打ち出す | 申込みの数が増える | 当日の欠席が増え、関心の薄い来場者が残る |
| 有名な登壇者に頼る | 登壇者目当ての申込みが入る | 講演が終わると帰り、商談や来店につながらない |
| 直前に招待と値引きを乱発する | 空いた席が埋まる | 早く申し込んだ人が損をし、次回は申込みが遅れる |
| 告知の画像や題名だけを作り直す | 見た目が新しくなる | ページの中身が同じなら、止まる場所は変わらない |
来場者の数だけを追うと、あとで困ること
イベントの成果を、当日の来場者の数で測る会社は多いと思います。
数えやすく、報告もしやすいからです。
ただ、BtoBのセミナーや展示会、店舗の体験会では、来場者の数は目的の途中にある数字にすぎません。
関心の薄い来場者で、会場が埋まる
数を目標にすると、来てくれる人なら誰でもいい、という集め方になります。
その結果、本来の対象とは違う人や、特典だけが目当ての人で会場が埋まることがあります。
会場は賑わって見えますが、そのあとの商談や来店はほとんど生まれません。
担当者は「人は集まったのに成果が出ない」と悩むことになります。
本当に話したい相手と話す時間がなくなる
来場者が多いと、受付や案内の対応に追われます。
その間に、本当に関心を持って来てくれた人と、ゆっくり話す時間がなくなります。
展示会の出展で、ブースの前に人だかりができたのに、名刺の交換だけで終わってしまった、という話はよく聞きます。
少ない人数でも、対象に合った人と深く話せたほうが、そのあとの成果につながることは珍しくありません。
次のイベントを決める材料が残らない
来場者の数だけを記録していると、次回に何を変えればいいかが分かりません。
どこから知って申し込んだのか、当日のどの時間に関心が高まったのか、開催後に何人が次の行動に移ったのか。
こうした記録がないと、次も同じ告知を同じやり方で出すことになります。
申込みから開催後までの数字を並べて残しておくと、どこを直せばいいかが毎回はっきりします。
| 追う数字 | その数字だけで分かること | あわせて見たい数字 |
|---|---|---|
| 当日の来場者の数 | 会場がどれくらい埋まったか | 申込みの数に対する来場の割合 |
| 申込みの数 | 告知と申込みページの合計の働き | 申込みページを開いた人の数 |
| 名刺やアンケートの数 | 連絡先をどれだけ受け取れたか | そのうち対象に合う人の数 |
| 開催後の問い合わせの数 | イベントが次の行動を生んだか | 問い合わせから商談や来店に進んだ数 |
| 入口ごとの申込みの数 | どの告知が働いたか | 入口ごとの来場の割合 |
集めたあとの決まりも、先に知っておく
イベントで受け取った名刺やアンケートは、次の集客の大切な土台になります。
ただ、その扱いには法律の決まりがあります。
集客の段階から知っておくと、申込みページに書くべきことも見えてきます。
名刺とアンケートで受け取った情報の扱い
申込みの欄やアンケートで受け取る氏名や会社名、連絡先は、個人情報保護法でいう個人情報にあたります。
個人情報保護法の第21条第1項には、次のように書かれています。
「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」
つまり、受け取った情報を何に使うのかを、本人に伝えるか公表しておく必要があります。
申込みページの欄の近くに「今後のセミナーのご案内に使います」のように利用の目的を書いておけば、この決まりを守りやすくなります。
読む人にとっても、申し込んだあとに何が届くのかが分かるので、安心材料になります。
共催した会社と名簿を分け合うとき
複数の会社が共同でイベントを開くと、参加者の名簿をそれぞれの会社で使いたくなります。
個人情報保護法では、本人の同意を得ないまま個人データを第三者に渡すことが、原則として禁じられています。
共催の相手や出展者に名簿を渡す予定があるなら、申込みの時点でそのことを示し、同意を得ておく必要があります。
開催が終わってから名簿の扱いを相談すると、使えるはずの名簿が使えなくなることがあります。
案内のメールを送るときの決まり
イベントの案内を電子メールで送るときは、特定電子メール法の決まりも関わってきます。
この法律は総務省と消費者庁が共同で担当していて、広告や宣伝のメールは、原則として受け取る人の事前の同意がなければ送れません。
一方で、総務省と消費者庁のガイドラインでは、名刺のような書面で自分のメールアドレスを知らせてきた相手には、同意がなくても送れるという扱いが示されています。
展示会で名刺を交換した相手に、次のセミナーの案内を送れるのはこのためです。
どちらの場合も、送り主の名前と、配信を止めたいときの連絡先をメールに書いておく必要があります。
同意を受け取った記録を残しておくことも求められているので、申込みの欄に案内を受け取るかどうかの確認を入れておくと安心です。
来場の特典と景品の上限
来場や購入を条件に景品を配る場合は、景品表示法で景品の上限が決められています。
上限は取引の額によって変わるので、高価な景品を用意する前に、消費者庁の資料で確かめておくと安全です。
特典で人を集めようとすると、この確認の手間も増えます。
特典に頼らずに来てもらえる申込みページを作るほうが、結局は手間がかかりません。
| 集めたあとの場面 | 関わる決まり | 申込みページで先にしておくこと |
|---|---|---|
| 申込みの欄で氏名や連絡先を受け取る | 個人情報保護法の利用目的の通知 | 欄の近くに、受け取った情報の使い道を書く |
| 共催の会社と名簿を分け合う | 個人情報保護法の第三者提供の制限 | 名簿を渡す相手を示し、同意を得ておく |
| 申込み者に次回の案内を送る | 特定電子メール法の事前の同意 | 案内を受け取るかどうかを選べる欄を作る |
| 名刺を交換した相手に案内を送る | 特定電子メール法の例外と表示の決まり | 送り主の名前と配信停止の連絡先をメールに入れる |
| 来場者に景品を配る | 景品表示法の景品の上限 | 景品の価格が上限の内側か、事前に確かめる |
「売れるサイトはみな謙虚」をイベントの集客に当てはめる
ここまで見てきたように、イベントの集客で人が止まる場所は、告知の先にある申込みページであることが多いものです。
私たちは、こうしたページを直すときの考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。
もともとは会社のホームページを見直すための考え方ですが、イベントの申込みページにもそのまま当てはまります。
主役は、来場する人の側にいる
申込みページを読み返すと、主催する会社の紹介や、イベントにかける思いから始まっていることがよくあります。
主催する側にとっては大切な話でも、読む人がまず知りたいのは、自分の悩みにこのイベントが答えてくれるかどうかです。
主役は来場する人で、主催する会社はその人を案内する役回りにいます。
この立ち位置で書き直すと、ページの最初の数行が大きく変わります。
会社の紹介は、ページの下のほうに短くあれば十分です。
来る人の悩みから書き始める
ページの最初には、来てほしい人が抱えている悩みを、その人の言葉で書きます。
「展示会に出ても、名刺の交換だけで終わってしまう」「求人を出しても応募が来ない」のように、読む人が思わずうなずく一文です。
そのすぐあとに、このイベントでその悩みにどう答えるのかを書きます。
イベントの題名や日時は、その流れの中で目に入る位置に置きます。
悩みが書かれていると、対象に当てはまる人は自分のための催しだと分かり、当てはまらない人は早めに離れていきます。
申込みまでの手順を、小さく見せる
読む人が申込みをためらうのは、そのあとに何が待っているか分からないからです。
申込みの欄を埋める、確認のメールが届く、前日に案内が届く、当日は受付で名前を伝える。
こうした手順を番号つきで短く並べておくと、読む人は申込みを小さな一歩として受け止められます。
申込みの欄に入力する項目も、本当に必要なものだけに絞ります。
役職や従業員数、課題などを細かく聞きたくなりますが、項目が増えるほど途中で離れる人が増えます。
詳しいことは、当日の受付やアンケートで聞けば足ります。
| ページの部分 | よくある書き方 | 直したあとの書き方 |
|---|---|---|
| 最初の数行 | 主催する会社の紹介と開催の思い | 来てほしい人の悩みを、その人の言葉で書く |
| 題名 | 講演の題名をそのまま載せる | 悩みと、当日持ち帰るものが分かる題名にする |
| 登壇者の紹介 | 経歴と肩書きを並べる | 当日その人が何を話し、何に答えるかを書く |
| 申込みの手順 | 欄だけが置いてある | 申込みから当日までの流れを番号つきで並べる |
| 入力の項目 | 役職、従業員数、課題などを細かく聞く | 当日の案内に必要な項目だけに絞る |
申込みページに書いておく項目
ここからは、申込みページに書いておきたい項目を具体的に見ていきます。
全部を一度にそろえる必要はありません。
今あるページと見比べて、抜けているものから足してください。
最初の画面で答えておくこと
スマートフォンで開いたとき、最初の画面に入る範囲はかなり狭いものです。
その範囲で、誰のためのイベントか、いつどこで開くか、当日何を持ち帰れるかが分かるようにします。
この3点のどれかが欠けていると、読む人はページを下まで読む前に判断を保留してしまいます。
申込みのボタンも、最初の画面の中に1つ置いておきます。
すでに参加を決めている人が、長いページを下までたどらなくても申し込めるようにするためです。
当日の流れを、時間ごとに書く
開場、開始、休憩、質問の時間、終了、個別相談の時間を、時刻つきで並べます。
途中で退出してもよいかどうかも書いておくと、忙しい経営者が申し込みやすくなります。
展示会への出展なら、ブースで何を体験できて、相談にどれくらいの時間がかかるかを書きます。
店舗の体験会なら、受付から体験、片づけまでの流れと、持ち物や服装を書きます。
時間の見通しが立つと、読む人はその日の予定を組み立てやすくなります。
申し込んだあとに届く案内を書く
申込みのあとに、どんな案内が何回届くのかを書いておきます。
「申込みの直後に確認のメール、開催の前日に会場の案内を1通お送りします」のような書き方で十分です。
開催後に届く案内があるなら、それも先に書いておきます。
ここを伏せたまま開催後に案内を送ると、読む人は売り込まれたと感じてしまいます。
先に書いてあれば、同じ案内でも約束どおりの連絡として受け取ってもらえます。
欠席と中止のときの決まりを書く
欠席するときの連絡方法と、有料の場合の返金の扱いを書いておきます。
主催する側の都合で中止にする場合の連絡方法も、あわせて書いておくと安心です。
Q&Aサイトの相談者のように、最低の開催人数が気になる場合は、いつまでに開催を判断するかを決めておくと、直前に慌てずに済みます。
辞め方や断り方が書いてあるページほど、読む人は安心して申し込みます。
| 項目 | 書いておく内容 | 抜けているときに起きること |
|---|---|---|
| 対象 | どんな悩みを持つ、どんな規模の会社や人向けか | 当てはまる人が、自分のことだと気づかない |
| 日時と場所 | 開催の日時、会場の地図、オンラインなら参加方法 | 予定を確かめられず、判断を保留される |
| 持ち帰るもの | 当日配るもの、終わったあとにできること | 時間を使う理由が見えず、後回しにされる |
| 当日の流れ | 時刻つきの進行、途中退出の可否、持ち物 | 知らない場に行く不安で、申込みをためらう |
| 申込み後の案内 | 届く案内の回数と内容、利用の目的 | 売り込みを警戒され、欄の手前で止まる |
| 欠席と中止 | 欠席の連絡方法、返金の扱い、中止の判断時期 | 予定が読めない人が申し込まずに離れる |
告知から開催後まで、集客の流れを1本につなぐ
申込みページを直したら、次はそのページを中心に、告知から開催後までの流れをつなげます。
ここでは、イベントの集客を1本の流れとして図にしてみます。
告知は申込みページに人を連れてくる役目で、申込みページは行くかどうかを決めてもらう場所です。
申込みのあとは、前日の案内で当日の来場を確かなものにします。
当日の受付で一言だけ聞いておいたことが、開催後の連絡の質を決めます。
図の中でいちばん手を入れる価値があるのは、申込みページで行くかどうかを決めてもらう場面です。
ここが整うと、その前の告知も、その後の案内も、少ない手間で働くようになります。
開催日から逆算して、集客の予定を組む
Q&Aサイトの相談者が苦しんだのは、集客の遅れに気づく仕組みがなかったことでした。
これを防ぐには、開催日から逆算して、集客の作業ごとに締め切りを決めておきます。
予定表は、準備の予定表と分けて作る
会場の手配や資料の準備と同じ表に集客の作業を混ぜると、集客はどうしても後回しになります。
集客の作業だけを書いた表を別に作り、毎週決まった曜日に見返します。
複数のイベントを抱えているなら、イベントごとに1枚ずつ作ると、どれが遅れているかがすぐに分かります。
表には、作業の名前と締め切りと担当者だけを書けば十分です。
逆算の目安
下の表は、中小企業が自社で開くセミナーや体験会を想定した目安です。
既存の顧客への案内が中心の小さな催しなら、もっと短くても回ります。
展示会への出展のように、相手の予定を早めに押さえたい場合は、もっと前倒しにします。
大切なのは期間の長さより、各作業の締め切りが決まっていて、遅れたときに気づけることです。
| 開催日までの時期 | 集客の作業 | 遅れたときの立て直し |
|---|---|---|
| 6週間前 | 対象と持ち帰るものを決め、申込みページを書く | ページを短くしてでも先に公開する |
| 5週間前 | 既存の顧客と名刺を交換した相手に最初の案内を送る | 反応のあった相手に個別に声をかける |
| 4週間前 | 登壇者や出展者に紹介用の文面を渡す | 文面と画像をこちらで用意して、転送だけ頼む |
| 2週間前 | 申込みページの閲覧数と申込み数を見比べる | 閲覧はあるのに申込みが少なければ、ページを直す |
| 1週間前 | 申込み者に当日の案内を送り、開催の判断をする | 最低人数に届かないなら、関係者に早めに相談する |
| 前日 | 会場や参加方法の案内を改めて送る | 返信のない申込み者には、短い確認の連絡を入れる |
遅れに気づいたときの立て直し
開催まで2週間を切ってから集客の遅れに気づいた場合、告知の量で取り戻すのは難しくなります。
この段階で優先したいのは、すでに関係のある人に、個別に声をかけることです。
過去の参加者や、取引のある会社の担当者に、一斉送信の案内とは別に一言添えて連絡します。
同時に、申込みページを最初の画面だけでも書き直します。
そして、1人で抱え込まずに上司や関係者に状況を伝えます。
Q&Aサイトの回答者たちが最初に勧めていたのも、この点でした。
登壇者や出展者と、一緒に集める
イベントの集客を主催する会社だけで背負う必要はありません。
登壇者や出展者、共催の相手にも、それぞれの顧客や読者がいます。
紹介してもらうための文面と画像を渡す
登壇者に「告知をお願いします」と頼むだけでは、相手も何を書けばいいか分かりません。
紹介用の短い文面、案内の画像、申込みページの住所をまとめて渡しておきます。
文面は、登壇者の言葉として自然に読めるよう、登壇者が当日何を話すかを中心に書きます。
相手の手間が小さいほど、実際に紹介してもらえる確率は上がります。
紹介の経路ごとに、申込みを分けて数える
申込みページの住所に、紹介してくれた人ごとの目印をつけておくと、どこから申込みが来たかが分かります。
申込みの欄に「何で知りましたか」という項目を1つ入れるだけでも、ある程度は分かります。
経路ごとの数が分かれば、次のイベントで誰に声をかけるべきかがはっきりします。
紹介してくれた登壇者に、その数を開催後に伝えると、次の協力も得やすくなります。
| 協力してくれる相手 | 渡しておくもの | 開催後に返すもの |
|---|---|---|
| 登壇者 | 紹介用の文面、案内の画像、申込みページの住所 | 紹介経由の申込み数と、参加者の声 |
| 出展者 | ブースで何を見せるかの紹介文と、招待の案内 | 来場者の数と、ブースへの立ち寄りの様子 |
| 共催の会社 | 共通の申込みページと、名簿の扱いの取り決め | 同意を得た範囲での参加者の情報 |
| 取引のある会社 | 社内で回してもらえる短い案内文 | 参加してくれた方へのお礼の連絡 |
| 過去の参加者 | 知り合いに紹介しやすい一言の案内 | 次回の優先案内 |
当日と開催後を、次の集客につなげる
イベントの集客は、開催した日で終わりません。
当日に来てくれた人と、開催後にどうつながるかで、次のイベントの集客の手間が大きく変わります。
1回ごとに一から人を集め直すのは、担当者にとっても会社にとっても負担が大きすぎます。
当日の受付で、一言だけ聞いておく
受付で名前を確かめるときに、何を見て申し込んだかを一言だけ聞いておきます。
アンケートの用紙に書いてもらうより、口頭で聞くほうが答えてもらいやすいものです。
聞いた答えは、受付の名簿の横に短く書き留めておきます。
これだけで、どの告知が働いたのかを、開催後にほぼ正確に振り返れます。
アンケートを取る場合は、項目を少なくして、終了の直前に書いてもらう時間を取ります。
持ち帰った用紙の束が、そのまま次回の申込みページの材料になります。
オンラインで開く場合は、受付の代わりに、申込みの欄の「何で知りましたか」の答えと、当日の参加の記録を突き合わせておきます。
画面越しの参加は途中で抜ける人も多いので、最後まで残った人の数も一緒に記録しておくと、内容のどこで関心が落ちたかが見えてきます。
開催後、3日以内に連絡を入れる
参加してくれた人には、開催後3日以内にお礼の連絡を入れます。
時間が空くほど、当日の内容も主催する会社の名前も記憶から薄れていくからです。
お礼の連絡には、当日の資料や、質問への回答を添えます。
個別の相談を希望した人には、日程の候補を具体的に示します。
「ご都合のよい日をお知らせください」と相手に投げるより、候補を2つか3つ並べたほうが、返事をもらえる割合は上がります。
相談を希望しなかった人には、売り込みの文面を送らず、資料と次回の予定を伝えるところで止めておきます。
申込みページで「開催後にお送りします」と書いておいた案内なら、受け取る側も自然に読んでくれます。
欠席した人にも、短い連絡を入れる
申し込んだのに来られなかった人も、関心を持ってくれた人です。
当日の資料の一部や、次回の開催予定を短く伝えておきます。
欠席を責めるような書き方は避け、また機会があればという温度で十分です。
次回のイベントで、最初に申し込んでくれるのは、こうした人であることが少なくありません。
当日の記録を、次の申込みページに使う
参加者の声や、当日の会場の写真は、次回の申込みページの何よりの材料になります。
「初めて参加したが、隣の席の経営者と同じ悩みを話せた」のような具体的な声は、迷っている人の背中を押します。
声を載せるときは、掲載してよいか、名前を出してよいかを本人に確かめてからにします。
会場の写真も、参加者の顔が分かるものは、写っている人の了解を得たものだけを使います。
| 時期 | すること | 次の集客にどうつながるか |
|---|---|---|
| 当日の受付 | 何を見て申し込んだかを一言聞く | どの告知が働いたかが分かり、次回の入口を選べる |
| 当日の終了前 | 項目の少ないアンケートに答えてもらう | 参加者の声が、次回の申込みページの材料になる |
| 開催後3日以内 | お礼と資料、質問への回答を送る | 記憶が新しいうちに、個別の相談へ進んでもらえる |
| 開催後1週間以内 | 欠席した人に資料の一部と次回の予定を送る | 次回の最初の申込み者になってもらえる |
| 次回の企画のとき | 声と写真を申込みページに使う | 初めての人の不安が減り、申込みが入りやすくなる |
よくある質問
Q. 告知はいつから始めればいいですか?
中小企業が自社で開くセミナーや体験会なら、開催の5週間前ごろに既存の顧客への最初の案内を出せると余裕があります。
ただし、その前に申込みページができていることが前提です。
告知を早く始めても、その先のページが整っていなければ、早くから止まる人を増やすだけになります。
先に申込みページを書き、それから告知を始める順番にしてください。
展示会への出展や、遠方から人を呼ぶ地域のイベントなら、相手の予定が埋まる前に知らせたいので、もう少し早めに動きます。
Q. 参加費は無料にしたほうが人は集まりますか?
無料にすると申込みの数は増えやすくなりますが、当日の欠席も増えやすくなります。
参加費をどうするかより、その時間で何を持ち帰れるかが申込みページで伝わっているかどうかのほうが、来場には効きます。
無料にする場合は、申込みのあとの案内と前日の連絡を丁寧にして、欠席を減らす工夫を合わせてください。
Q. 申込みは集まるのに、当日の欠席が多いのはなぜですか?
申込みと当日のあいだに時間が空き、その間に予定が入ったり、申し込んだこと自体を忘れたりするのが主な理由です。
申込みの直後の確認メールと、前日の案内の2回は必ず送ってください。
申込みページに当日の流れや持ち帰るものが書いてあると、申し込んだ人が当日行く理由を思い出しやすくなります。
前日の案内には、会場までの道順や当日の持ち物に加えて、当日持ち帰れるものを改めて一行で書いておくと効果があります。
やむを得ず欠席する人のために、欠席の連絡先も添えておくと、主催する側も当日の人数を早めに読めるようになります。
Q. 担当が1人しかいません。何から手をつければいいですか?
最初にするのは、集客の作業だけを書いた予定表を作ることです。
開催日から逆算して、申込みページの公開、最初の案内、紹介の依頼、前日の案内の締め切りを書き込みます。
そのうえで、登壇者や取引のある会社に紹介を頼める部分を切り出してください。
1人で全部を抱えるより、早めに周りに状況を伝えたほうが、結果的に集客はうまくいきます。
Q. 展示会に出展するときも、申込みページは必要ですか?
展示会は主催者が来場者を集めてくれますが、自社のブースに立ち寄ってもらえるかは別の話です。
既存の顧客や名刺を交換した相手に招待の案内を送るときに、ブースで何を見られるか、相談にどれくらいかかるかを書いたページがあると、事前に予定を組んでもらいやすくなります。
会社のサイトの中に、出展の案内のページを1枚用意しておくだけでも十分です。
そのページの住所を名刺の裏や招待の案内に載せておけば、会場で受け取った人があとから見返す場所にもなります。
まとめ
イベントの集客で人が集まらないとき、主催する側はまず告知の量を増やそうとします。
けれど、告知を見た人が行くかどうかを決めているのは、その先にある申込みページです。
総務省の令和6年通信利用動向調査では、インターネットを使う人の81.9%が発信の場を、79.4%が検索を、78.6%が電子メールを使っていました。
どの入口から来た人も、最後は同じ申込みページで判断します。
Q&Aサイトの相談者のように、集客の遅れに気づいたときも、まず申込みページで止まっている人がいないかを確かめてください。
申込みページには、誰のためのイベントか、当日何を持ち帰れるか、当日どう過ごすか、申し込んだあとに何が起きるかを書きます。
そのうえで、開催日から逆算した集客の予定表を作り、登壇者や出展者と一緒に集めます。
受け取った名刺や連絡先には個人情報保護法や特定電子メール法の決まりがあるので、使い道は申込みの時点で示しておきます。
当日と開催後のつながりを大切にすると、次のイベントの集客は少しずつ楽になっていきます。
今日できる点検
最後に、今日のうちに次のイベントの申込みページで確かめられることを表にまとめました。
全部を一度に直す必要はありません。
いちばん気になった1か所から始めてください。
| 点検する場所 | 確かめること | 直すときの方向 |
|---|---|---|
| 最初の画面 | 誰のためか、いつどこでか、何を持ち帰れるかが見えるか | 来てほしい人の悩みを1行目に書き、日時をその下に置く |
| 登壇者の紹介 | 経歴だけでなく、当日何を話すかが書いてあるか | 経歴の前に、当日答える悩みを1つ書く |
| 当日の流れ | 時刻つきの進行と途中退出の可否が書いてあるか | 開場から個別相談までを時刻つきで並べる |
| 申込みの欄 | 入力の項目が多すぎないか | 当日の案内に必要な項目だけに絞る |
| 申込み後の案内 | 届く案内の回数と、情報の使い道が書いてあるか | 欄の近くに、案内の回数と利用の目的を書く |
| 集客の予定表 | 開催日から逆算した締め切りがあるか | 集客の作業だけの表を作り、毎週見返す |
| 数字の確認 | 申込みページの閲覧数と申込み数を見比べたか | 閲覧が多く申込みが少なければ、ページを先に直す |
点検してみて、どこから手をつければいいか迷ったときは、申込みページの最初の画面から始めてください。
どの入口から来た人も、最初に目にするのはそこだからです。
次の告知を出す前に、そのページを初めて見る人の目で、スマートフォンで上から読んでみてください。
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