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ホームページを作り直しても問い合わせが増えない本当の理由と直す順番

2026 8/29
brackets

先日、Q&Aサイトで切実な相談を拝見しました。「数年前に作ったホームページから問い合わせがほとんど来ない。思い切って作り直したいが、作り直したところで結果が変わる気がしない」という内容です。同じ迷いを抱えている経営者やウェブ担当者は多いはずです。実際、リニューアルの相談で最初に出てくる言葉は、ほとんどが「今のサイトは古いから」です。

結論から書きます。ホームページをリニューアルしても問い合わせが増えないのは、多くの場合、直す場所を間違えているからです。見た目を新しくし、情報を足し、デザインを流行に合わせる。この方向で作り直すと、費用と時間をかけたのに問い合わせは前と同じ、という結果になりやすいのです。作り直しで成果を変えるには、足す前に消す作業が要ります。この記事では、作り直しで問い合わせが増えない原因を分解し、直す順番を1つずつ決めていきます。読み終えたとき、あなたのサイトで最初に手をつける場所が1つ決まっている状態を作ります。

目次

「作り直せば良くなる」という期待がなぜ外れるのか

ホームページの作り直しは、多くの会社にとって数年に一度の大きな決断です。それだけに「今度こそ問い合わせを増やしたい」という期待が乗ります。ところが、その期待が外れる会社が後を絶ちません。理由は単純で、作り直しという言葉が「見た目を新しくすること」とほぼ同じ意味で使われているからです。

総務省が公表している通信利用動向調査では、企業のホームページ開設率は9割前後で推移しています。つまり、ホームページを持っていること自体は差になりません。持っているのに問い合わせが来ないという悩みは、開設率が高いからこそ生まれる悩みです。ここで見た目だけを新しくしても、他社も同じように新しいわけですから、差は生まれません。

現場でリニューアルの相談を受けると、最初に語られるのは決まって見た目の話です。「デザインが古い」「スマホで見づらい」「他社に比べて見劣りする」。どれも本当の悩みではあります。ただ、問い合わせが来ない本当の原因が見た目だったケースは、実際にはそれほど多くありません。見た目を直しても問い合わせが変わらなかったという声を、私たちは何度も聞いてきました。

作り直したくなった動機 その裏にある本当の悩み 実際に直すべき場所
デザインが古い 訪問者が信用してくれない気がする 誰の何を解決する会社かが最初の画面で伝わっているか
情報が足りない 問い合わせの決め手が弱い 次の一歩を1つに絞れているか
スマホで見づらい 途中で読むのをやめられている 読み込みの速さと本文の見出し
他社に見劣りする 自社の強みを言葉にできていない 他社が言っていない一言があるか
更新できず放置している 運用の担当と手順が決まっていない 誰がいつ何を直すかの運用設計

この表の左端だけを見て制作会社に相談すると、右端の本当の課題に触れないまま、見た目だけが新しいサイトができあがります。リニューアルの成否は、相談する前に右端をどれだけ言葉にできているかで、ほぼ決まります。

作り直しで問い合わせが増えない3つの構造的な原因

リニューアルしても問い合わせが増えない会社には、共通する原因があります。ここでは代表的な3つを取り上げます。どれも「頑張って作り直したのに」という結果を生む、根の深い原因です。

見た目を新しくしただけで中身が同じ

リニューアルの中心が配色やレイアウトの刷新になっている場合、訪問者が受け取る情報は前と変わりません。何をしている会社か、なぜこの会社に頼むと良いのか、次に何をすればいいのか。この3つが前と同じ言葉で書かれていれば、訪問者の判断も前と同じです。見た目が新しくなった分だけ、かえって「きれいだが、よく分からないサイト」になることさえあります。

訪問者は、あなたのサイトを平均して数十秒しか見ていません。その数十秒で訪問者が確かめるのは、自分の悩みが解決しそうかどうかです。色の組み合わせの善し悪しは二の次です。作り直しで最初の画面の文章に手をつけないなら、その作り直しは見た目の入れ替えにとどまります。

情報を足して、かえって迷わせている

リニューアルのとき、多くの会社は情報を足します。実績を増やし、サービスの説明を厚くし、社長の想いを追加し、ボタンをいくつも置く。良かれと思って足したものが、訪問者を迷わせます。人は選択肢が増えるほど決めにくくなります。1ページに問い合わせ、資料請求、電話、チャット、メルマガと出口が5つ並んでいれば、訪問者はどれを押すか迷い、多くはどれも押さずに離れます。

私たちが伝えている「売れるサイトはみな謙虚」という考え方の中心が、ここにあります。訪問者に見せる情報を欲張らず、1つの悩みに1つの答えだけを差し出す。足すほど成果が下がる場面があるという事実を、リニューアルの設計に持ち込むことが出発点です。

検索の評価をリセットしてしまう

リニューアルで見落とされがちなのが、検索エンジンからの評価です。数年運用してきたサイトには、検索エンジンが積み上げてきた評価があります。ドメインを変える、URLの構造を変える、既存ページを削って新しいページに置き換える。こうした作り直しは、その評価を一度リセットしてしまうことがあります。

「リニューアルで検索順位が落ちて、以前より流入が減った」という相談は珍しくありません。見た目は良くなったのに、そもそもサイトにたどり着く人が減ってしまえば、問い合わせは増えません。検索の評価を引き継ぐ作業は、リニューアルの中でも特に地味で、それゆえ後回しにされがちです。

やってしまいがちな作り直し 訪問者に起きること 問い合わせへの影響
配色とレイアウトだけ刷新 伝わる情報は前と同じ 判断が変わらず横ばい
実績と説明を大量に追加 どこを見ればいいか迷う 離脱が増えて低下
出口のボタンを増やす どれを押すか決められない 行動が分散して低下
ドメインとURLを一新 そもそも到達する人が減る 流入減で大きく低下
流行のデザインを全面採用 会社の中身が伝わらない 信用につながらず横ばい

多くの会社が作り直しで踏む間違った手順

原因が分かっても、手順を間違えると同じ結果になります。作り直しで問い合わせを増やせなかった会社の多くが、次の手順を踏んでいます。

いきなり制作会社に相談する

作り直しを決めた会社が最初にすることは、たいてい制作会社への相談です。ここに落とし穴があります。制作会社は「作る」ことの専門家であって、あなたの会社の問い合わせが来ない理由を診断する専門家とは限りません。何を直すべきかが決まっていない状態で相談すると、決めるのは相手になります。相手はきれいなサイトを作りますが、それがあなたの問い合わせを増やすとは限りません。

相談する前に、自社で「今のサイトの何が問題か」を紙に書き出しておく必要があります。書き出せないなら、それは制作より前の段階でつまずいています。自社が誰に何を売っているのかが、まだ言葉になっていないのです。作り直しても解決しません。

競合サイトを真似て要素を増やす

「あの会社のサイトは立派だから、うちも同じようにしたい」。この発想で作り直すと、要素が増えます。競合が実績を10件載せているから自社も10件、競合が動画を置いているから自社も動画。こうして他社の足し算を輸入すると、自社のサイトはどんどん重く、読みにくくなります。

他社が置いているものには、他社なりの理由があります。その理由を確かめずに形だけ真似ると、自社には合わない要素が積み上がります。真似るべきは要素の数ではありません。訪問者を迷わせない潔さのほうです。

デザインの好き嫌いで判断する

リニューアルの過程で、社内から出てくる意見の多くは好き嫌いです。「この青は好きじゃない」「この写真は暗い」。好き嫌いで決めていくと、判断の基準が社内の感覚になります。ところがサイトを見るのは社内の人ではありません。悩みを抱えた訪問者です。訪問者が迷わず次の一歩に進めるかどうか、という一点で判断しないと、作り直しは社内の好みの持ち寄りで終わります。

間違った手順 そのときの判断基準 行き着く結果
先に制作会社へ相談 相手の提案任せ きれいだが成果は相手次第
競合を真似て要素追加 他社との比較 重く読みにくいサイト
社内の好き嫌いで決定 社内の感覚 訪問者の行動と無関係
納期優先で中身を後回し 公開日という締め切り 文章が薄いまま公開

作り直す前に決める「1ページ1目的」

ここから直す順番の話に入ります。作り直しで最初に決めるのは、デザインでも制作会社でもなく、それぞれのページに持たせる目的です。売れるサイトは、1つのページに1つの目的だけを持たせています。トップページで会社を知ってもらい、サービスページで具体を伝え、問い合わせページで一歩を踏み出してもらう。各ページの役割を1つに絞ると、訪問者は迷いません。

1ページに目的が2つ以上あると、文章の焦点がぼやけます。会社紹介と採用と商品案内が1ページに同居していれば、誰に向けた文章なのかが分からなくなります。リニューアルの設計図は、まず各ページの目的を1つずつ書くことから始めます。

ページ 持たせる目的 訪問者にとってほしい行動
トップページ 何をする会社かを一言で伝える 自分の悩みに合うページへ進む
サービスページ 悩みがどう解決するかを具体で示す 解決の道筋を理解する
実績ページ 近い立場の相手の変化を見せる 自分ごととして信用する
問い合わせページ 不安を消して一歩を促す 迷わず送信する

この設計図が先にあれば、制作会社に相談するときも「このページはこの目的で、この行動を促したい」と伝えられます。判断の主導権が自社に戻ります。

消す作業から始める

目的を1つに絞ると、その目的に関係ない要素が見えてきます。リニューアルの本体は、この関係ない要素を消す作業です。足すのは、消したあとです。順番を逆にすると、いらないものが残ったまま新しいものが積み上がり、サイトはさらに重くなります。

消す対象は具体的です。トップページに並んだ複数の問い合わせ導線、読まれていないお知らせ欄、更新が止まったブログへのリンク、専門用語だらけの会社紹介。これらを1つずつ確かめ、この目的に関係あるかと問い、関係ないなら消します。ある製造業のサイトで、トップページの要素をおよそ4割減らしたところ、問い合わせの導線が明確になり、送信数が伸びたという例があります。増やして伸びたのではありません。消したことで伸びました。

「売れるサイトはみな謙虚」というのは、この消す作業の別の言い方です。訪問者に見せる情報を欲張らないサイトは、訪問者にとって親切です。何を見ればいいかが一目で分かり、次に何をすればいいかが1つに決まっている。この潔さが、作り直しで最初に取り戻すべきものです。

足し算の作り直し 引き算の作り直し
実績や説明を追加して厚くする 目的に関係ない要素を消して絞る
出口のボタンを複数並べる 次の一歩を1つに決める
流行のデザインを全面に入れる 訪問者が読みやすい形を優先する
情報量で他社に対抗する 迷わせない潔さで差をつける
社内の要望を全部盛り込む 訪問者の行動を基準に取捨する

検索の評価を引き継ぐ作り直しの手順

消して絞ったら、次は検索の評価を守る番です。ここを飛ばすと、せっかくのリニューアルで流入を失います。作り直しで検索順位を落とさないための要点を挙げます。

ドメインとURLをできるだけ変えない

数年運用したドメインには、検索エンジンからの信頼が積み上がっています。作り直しのタイミングでドメインを変えると、その信頼を引き継ぐのに手間がかかります。特別な理由がなければ、ドメインは変えずに引き継ぐのが安全です。各ページのURLも同じで、変える必要がないなら維持します。

どうしてもURLの構造を変える場合は、古いURLから新しいURLへ確実に転送する設計が要ります。転送を設定しないまま古いページを消すと、検索結果からの訪問者が行き止まりに突き当たり、その評価も失われます。

内部リンクと見出しの構造を保つ

サイト内のページ同士をつなぐ内部リンクは、検索エンジンがサイトを理解する手がかりです。作り直しでページを整理するとき、この内部リンクが切れないように引き直します。見出しの構造も同じで、各ページがどんな内容かを示す見出しを、作り直しのあとも保ちます。

リダイレクトの設計を先に決める

ページを統合したり削除したりする作り直しでは、消えるページと残るページの対応表を先に作ります。どの古いURLをどの新しいURLへ転送するかを一覧にしておけば、公開後に転送漏れが起きません。この対応表がないまま公開すると、検索結果に残った古いURLが軒並み行き止まりになります。

検索評価を守る項目 やること 怠るとどうなるか
ドメイン 理由がなければ変えない 信頼の再構築に時間がかかる
URL構造 維持するか転送を設計する 訪問者が行き止まりに当たる
内部リンク 切れないように引き直す サイトの理解が下がる
見出しの構造 各ページの内容を示す形で保つ 何のページか伝わらない
リダイレクト 古い新しいの対応表を先に作る 公開後に転送漏れが多発する

作り直しのタイミングをどう見極めるか

作り直しを検討する目安として、公開から3年から5年という数字がよく挙げられます。ただし、年数だけで決めるのは危険です。3年経っていても問い合わせが来ているなら、無理に作り直す理由はありません。逆に、公開1年でも問い合わせがまったく来ないなら、年数を待つ理由はありません。判断の基準は、年数ではありません。成果です。

成果で判断するために、いくつかの兆候を見ます。訪問者が最初の画面ですぐ離れている、スマホで読み込みが遅い、問い合わせの導線までたどり着く人がほとんどいない。こうした兆候が続いているなら、年数に関係なく手をつける時期です。逆に、作り直しよりも文章の一部を直すだけで足りることもあります。

状態 判断 最初の一手
問い合わせは来ているが見た目が古い 急がない 文章と写真の部分的な更新
訪問はあるが最初の画面で離れる 手をつける トップの一言と導線を作り直す
そもそも訪問が少ない 作り直しの前に調査 検索での見つかり方を確かめる
スマホで著しく遅い 早めに対応 読み込み速度の改善
更新できず情報が古い 運用ごと見直す 誰がいつ直すかを決める

作り直しで守るべき文章とキャッチコピー

作り直しでデザインに気を取られると、文章が後回しになります。訪問者が読むのは文章です。最初の画面に置く一言、いわゆるキャッチコピーは、作り直しで最も時間をかけるべき場所です。「私たちは◯◯の専門家です」という自己紹介で終わらせず、訪問者の悩みに答える一言を置きます。

良いキャッチコピーは、訪問者が「これは自分のことだ」と感じる言葉です。誰の、どんな悩みを、どう解決するのか。この3つが一言に収まっていると、訪問者はその先を読む気になります。リニューアルの設計で、このキャッチコピーを最初に決めておくと、それ以降のページ作りの軸が定まります。

スマホでの見え方を点検する

いまやサイトを見る人の多くはスマホです。作り直しの設計をパソコンの画面だけで進めると、スマホでの見え方が崩れます。パソコンでは横に並んでいた要素が、スマホでは縦に長く積み重なり、肝心の問い合わせボタンが画面のはるか下に沈むことがあります。

スマホでの点検は、実際に自分のスマホで開いて確かめるのが確実です。最初の画面で何が伝わるか、指1本でどこまでたどり着けるか、文字は無理なく読めるか。この点検を作り直しの途中で何度も行うと、公開後に「スマホで見づらい」という声が減ります。

作り直し後に測る数字

作り直しは公開して終わりではありません。むしろ公開してからが本番です。リニューアルの効果は、感覚に頼らず数字で確かめます。どの数字を見るかを先に決めておくと、次にどこを直せばいいかが見えてきます。

見るべき数字は多くありません。訪問者の数、最初の画面で離れた割合、問い合わせページまで進んだ割合、そして問い合わせの数。この4つを月ごとに並べると、作り直しがどこで効いて、どこで詰まっているかが分かります。数字が動かない場所が、次に手をつける場所です。

見る数字 分かること 低いときの次の一手
訪問者の数 そもそも見つかっているか 検索での見つかり方を調べる
最初の画面で離れた割合 一言が刺さっているか キャッチコピーを書き直す
問い合わせページへ進んだ割合 導線が分かりやすいか 出口を1つに絞る
問い合わせの数 最後の一歩を踏めているか 不安を消す一文を足す

作り直しを外注する場合の依頼の仕方

自社で全部はできない場合、外注は現実的な選択です。ただし、丸投げは避けます。何を直したいかが自社で決まっていれば、外注しても主導権は自社に残ります。依頼のとき伝えるべきは、色やデザインの好みではありません。各ページの目的と、訪問者にとってほしい行動です。

依頼先を選ぶとき、判断の基準は「きれいなサイトを作れるか」で終わりません。「なぜ問い合わせが来ないのかを一緒に考えてくれるか」まで見ます。作ることだけを請け負う相手だと、右端の本当の課題は残ります。作り直しの相談の場で、相手が自社の悩みをどれだけ具体的に掘り下げてくるかを見ます。

依頼で伝えること 伝えないこと
各ページの目的 色やフォントの細かな好み
訪問者にとってほしい行動 「とにかくかっこよく」という要望
いま来ている問い合わせの中身 他社サイトの丸ごとの真似
守りたい検索の評価 公開日だけを優先する指示

よくある質問

ホームページは何年で作り直すのが正解ですか

年数で一律に決める正解はありません。目安として3年から5年という数字はありますが、問い合わせが来ているなら急ぐ必要はなく、来ていないなら年数を待つ必要もありません。判断の基準は経過年数ではありません。いまサイトが成果を出しているかどうかです。

作り直したら検索順位が下がりました。どうすればいいですか

ドメインやURLを変えた場合、古いURLから新しいURLへの転送が漏れていることがよくあります。まず、以前あったページのURLが行き止まりになっていないかを確かめてください。転送の設定と内部リンクの引き直しで、多くの場合は評価が戻り始めます。

全部を作り直さず、一部だけ直すことはできますか

できます。むしろ、問い合わせが来ない原因が最初の画面の一言にあるなら、そこだけを直すほうが早く効きます。全面的なリニューアルは費用も時間もかかります。まず数字を見て、どこで訪問者が離れているかを確かめ、その場所だけに手をつける進め方が現実的です。

制作会社に頼めば問い合わせは増えますか

制作会社は作る専門家であり、問い合わせが来ない理由を診断する専門家とは限りません。何を直したいかが自社で決まっていない状態で丸投げすると、きれいなサイトはできても成果は相手任せになります。依頼の前に、各ページの目的を自社で言葉にしておくことが先決です。

デザインを新しくすれば信用されて問い合わせが増えますか

見た目の新しさが信用につながる場面はありますが、それだけでは問い合わせは増えません。訪問者が知りたいのは、自分の悩みが解決するかどうかです。デザインを直すのと同じ熱量で、最初の画面の文章と、次の一歩の分かりやすさに時間をかけてください。

リニューアルの前に自社でそろえておくもの

制作会社に相談する前に、自社でそろえておくと主導権を保てる材料があります。ここが空のまま相談に入ると、決めるのは相手になり、できあがるサイトも相手の解釈で決まります。用意するのは資料ではありません。たった3つの答えです。

いま来ている問い合わせの中身を書き出す

数は少なくても、いま来ている問い合わせには宝が眠っています。どんな悩みを持った人が、どんな言葉で連絡してきたのか。この生の言葉こそ、サイトに書くべき文章のもとです。過去半年分の問い合わせを開いて、相手が使った言葉をそのまま書き写してください。「◯◯で困っていて」という一文が、そのままキャッチコピーの材料になります。

問い合わせがほとんど来ていない場合は、既存のお客様に直接聞くのが早道です。「どんな悩みでうちを選びましたか」と尋ね、返ってきた言葉を記録します。社内で想像した言葉より、お客様が実際に口にした言葉のほうが、次の訪問者にも届きます。

訪問者がつまずいている場所を数字で確かめる

感覚で「たぶんここが悪い」と決めると、直す場所を外します。訪問者がどの画面で離れているかは、数字で確かめられます。最初の画面で離れているのか、サービスの説明を読んでいる途中で離れているのか、問い合わせページまで来て送信をやめているのか。離脱している場所によって、直すべき文章はまったく変わります。

数字を見る道具は無料のもので足ります。まずは、訪問者が最初の画面でどれくらい離れているかだけでも把握してください。その一点が分かれば、最初に手を入れる場所が決まります。全部を一度に直そうとせず、いちばん漏れている場所から順に手を入れます。

競合が言っていない自社の一言を決める

訪問者は複数の会社を見比べています。どの会社も同じことを言っていれば、選ぶ基準は結局のところ知名度や価格に流れます。そこで、他社が言っていない自社の一言を決めます。特別な実績である必要はありません。「即日で見積もりを出す」「担当が最後まで変わらない」といった、当たり前に見えて他社が明言していないことで十分です。

この一言を決めるには、いまのお客様がなぜ自社を選び続けているのかを振り返るのが近道です。お客様にとっての当たり前が、外から見ると立派な選ぶ理由になっていることがよくあります。その一言を最初の画面に置くと、見比べている訪問者の目が止まります。

そろえるもの 集め方 サイトのどこに効くか
問い合わせの生の言葉 過去半年の問い合わせを書き写す キャッチコピーと見出し
離脱している場所 無料の解析で最初の画面を確認 最初に手を入れる場所の決定
選ばれている理由 既存のお客様に直接聞く 他社と見比べたときの決め手

リニューアルでよく起きる失敗と立て直し方

手順どおり進めても、公開のあとに迷いが生まれます。ここでよくある3つの場面と、その立て直し方を示します。先に知っておけば、慌てて元に戻す判断を避けられます。

公開直後に問い合わせが増えず不安になる

公開してすぐに問い合わせが倍増する、ということはめったに起きません。検索エンジンが新しいサイトを理解し直すのに時間がかかりますし、訪問者の行動が数字に表れるまでにも間があります。公開から数週間は、問い合わせの数だけを見て一喜一憂しないことです。

この時期に見るのは、問い合わせの数ではありません。訪問者の行動です。最初の画面での離脱が減ったか、問い合わせページまで進む人が増えたか。この途中の数字が良い方向に動いていれば、問い合わせは後から付いてきます。途中の数字が動いていないなら、そこを直します。

社内から元に戻したいという声が出る

要素を消したサイトは、社内では「寂しい」「情報が足りない」と映ることがあります。見慣れた情報が消えると、担当者は不安になります。ここで社内の声に押されて要素を戻すと、せっかく絞ったサイトが元の迷いやすい形に戻ります。

判断の拠りどころは、社内の感覚ではありません。訪問者の数字です。消したことで問い合わせページへ進む人が増えているなら、その消し方は正しかったということです。社内向けに必要な情報は、トップに戻さず、それを探している人がたどり着ける別のページに置きます。

更新が止まって数か月で情報が古くなる

リニューアルで最も多い失敗は、公開して満足し、その後の更新が止まることです。半年もすると、実績も料金の考え方も古くなり、また「一から作り直したい」に戻ります。この繰り返しを断つには、公開時点で運用の担当と手順を決めておきます。

更新は大がかりである必要はありません。月に一度、問い合わせの中身を見て、よく聞かれた質問をよくある質問の欄に足す。この小さな更新だけでも、サイトは古くなりません。誰がいつ何をするかを1行で決めておくことが、次のリニューアルを遠ざけます。

一度で終わらせず、育てるリニューアルにする

サイトは公開して完成する建物ではありません。訪問者の反応を見ながら育てる畑に近いものです。一度で完璧を目指すより、小さく直して数字を見る回し方のほうが、結果として早く成果に近づきます。

小さく直して数字を見る

最初の画面の一言を変える、問い合わせボタンの言葉を変える、といった小さな変更でも、訪問者の行動は動きます。一度に全部を変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。1か所だけ変え、数字がどう動いたかを見る。この積み重ねが、感覚に頼らない改善になります。

小さな変更なら、費用も時間もかかりません。制作会社に大きく依頼し直す前に、自社でできる範囲の変更で数字を動かせないか試す価値があります。動いた場所が分かってから、大きな投資を判断すれば無駄がありません。

訪問者の声を次の改善に回す

改善の材料は、いつも訪問者と問い合わせの中にあります。問い合わせで同じ質問が繰り返し来るなら、その答えがサイトに書けていないということです。その質問をよくある質問に足せば、次の訪問者は迷わず、問い合わせの手間も減ります。

訪問者の声を拾い、サイトに反映し、また声を拾う。この循環が回り始めると、サイトは放っておいても少しずつ良くなります。大きなリニューアルは数年に一度でも、この小さな循環は毎月回せます。育てる視点を持つと、大きな作り直しの決断そのものが要らなくなっていきます。

まとめ

ホームページをリニューアルしても問い合わせが増えないのは、直す場所と順番を間違えているからです。見た目を新しくし、情報を足し、流行に合わせる。この足し算の作り直しは、費用をかけたのに成果が変わらないという結果を生みます。作り直しで成果を変えるには、まず各ページの目的を1つに絞り、目的に関係ない要素を消し、そのうえで検索の評価を引き継ぐ。この順番です。

「売れるサイトはみな謙虚」というのは、訪問者に見せる情報を欲張らず、次の一歩を1つに決めるという考え方です。作り直しの設計にこの視点を入れると、足すべき場所と消すべき場所が見えてきます。最後に、今日その場で確かめられる点検を表にまとめます。1つでも当てはまるなら、そこがあなたのサイトで最初に手をつける場所です。

今日できる点検 いま起きていること 次にすること
トップの最初の画面を家族に見せる 何の会社か一言で伝わらない 悩みに答える一言を書き直す
出口のボタンを数える 問い合わせの導線が複数ある 次の一歩を1つに絞る
自分のスマホで開く 問い合わせボタンが下に沈む 導線を最初の画面に上げる
要らない要素に印をつける 目的に関係ない要素が残っている 足す前に消す作業から始める
古いページのURLを開く 行き止まりのページがある 転送の設定を確かめる

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この記事を書いた人

中野輝規のアバター 中野輝規

合同会社謙虚 代表社員。20代から、売る言葉だけを仕事にしてきました。電話営業で受話器を握っていた時代から、数千社のWEB集客に関わったいままで。詳しいプロフィールはこちら

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