ブログを始めたのに読者が増えない。記事は溜まっているのに問い合わせが来ない。この状態で止まっている方は多いと思います。
この記事では、ブログ集客の進め方を最初から順に整理します。ただし、よくある「更新頻度は週◯回」「文字数は◯文字以上」といった数値の目安は、あえて外して進めます。この種の数字の多くは出どころをたどれず、そのうちいくつかはGoogle自身が公式に否定しているためです。代わりに、Googleが公開しているドキュメントに何が書かれているかを確認しながら進めます。
最初に捨てたほうがいい3つの目安
ブログ集客の解説記事には、判で押したように同じ数字が並びます。着手する前に、この3つは外しておいたほうが遠回りを避けられます。
「文字数は2,000字以上」という目安
Google検索セントラルの公式ドキュメント「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」には、自己点検用の質問の一つとして、Googleに好まれる文字数があると聞いたから特定の文字数を目指して書いていないか、という項目が挙げられています。そしてGoogleは、そこに括弧書きで「Googleに好みの文字数はありません」と明記しています。
つまり、文字数の目標を先に決めて書くという進め方そのものが、Googleが例として挙げる「検索エンジンのために書いている状態」に当てはまります。必要な文字数は、答えるべき疑問の数によって、書き終えた後に決まります。
「更新頻度は週◯回」という目安
更新頻度そのものを評価の対象とする説明は、Googleの公式ドキュメントを探しても出てきません。頻度が効くように見える場面はありますが、それは頻度の副産物です。書く回数が増えれば、答えられる疑問の種類が増える。増えた分だけ検索との接点が増える。効いているのはカレンダー上の回数より、接点の数のほうです。
週3本の薄い記事より、月2本の厚い記事のほうが成果につながる、ということは普通に起こります。自社の体制で無理なく続けられるペースを決め、そのペースで質を落とさないことのほうが重要です。
「検索流入の約8割はGoogleから」といった断定
検索エンジンのシェアは、国・端末・調査主体によって数字が変わります。そして自社サイトの比率は、他社の平均値とは無関係です。知りたいのであれば、Google Search Consoleと解析ツールで自社の実測値を見れば済みます。他社の平均を借りてくるより確実です。
なお、弊社が運営する複数のブログでは、ドメインによって主な流入元の検索エンジンが異なります。平均値を当てにしていたら、実態を取り違えていた場面です。
ブログ集客の設計:誰の、どの疑問に答えるか
数字の目安を外すと、残るのは中身の設計です。ここが集客の成否をほぼ決めます。
読者を1人に絞る
「20代から50代のビジネスパーソン」のような幅の広い設定では、記事の言葉が定まりません。誰にでも当てはまる文章は、そのまま誰の心も素通りするためです。
絞り込むときに使う情報は、属性よりも状況です。年齢や職種より、「いま何に困っていて、何を検索窓に打ち込むか」のほうが記事に直結します。既存のお客様から実際に受けた質問を10個書き出してみると、それがそのまま読者像になります。
書く前に、需要があるかを確かめる
書きたいテーマと、検索されているテーマは別ものです。着手前に、そのキーワードが実際に検索されているかを確認してください。確認できる手段はいくつかあります。
- 検索窓のサジェスト:キーワードを入力したときに候補が出るか。候補がほとんど出ないなら、そのキーワードで探している人はごく少数です
- Googleキーワードプランナー:おおよその検索数と競合の強さを確認できます
- Google Search Console:すでに自社サイトが表示されているのに順位が低いキーワードは、書き足すだけで伸びる可能性があります
需要のないキーワードで上位を取っても、読む人はいません。この確認を飛ばすと、労力が丸ごと空振りします。
検索意図に答える形で構成する
同じキーワードでも、検索した人が求めているものは違います。「ブログ集客 始め方」で検索する人は手順を求めており、「ブログ集客 できない」で検索する人は原因の切り分けを求めています。前者に原因分析を返しても、後者に手順書を返しても、読者は離れます。
見極め方は単純で、そのキーワードで実際に検索し、上位に並んでいるページの型を見ることです。手順書が並んでいれば手順が求められており、比較表が並んでいれば比較が求められています。並んでいる型に合わせたうえで、自社にしか書けない具体を足す。この順番が最短です。
Googleが公式に示している品質の考え方
品質という言葉は曖昧になりがちですが、Googleは自己点検の観点を公式ドキュメントで公開しています。
中心にあるのがE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)です。ここで押さえておきたいのは、Google自身が「E-E-A-T自体は特定のランキング要因ではない」と明記している点です。そのうえで、E-E-A-Tの高いコンテンツを見分けるための複数の要因を組み合わせて使っている、と説明しています。さらに、4つのうち最も重要なのは信頼性であり、他の3つは信頼性に寄与するものだ、とも述べられています。
同じドキュメントには、自己点検のための質問が並んでいます。要約すると次のような観点です。
| 観点 | 自分に問う内容 |
|---|---|
| 内容と品質 | 独自の情報を提供しているか。他の記事を写しただけになっていないか。十分に包括的か |
| 専門性 | 誰が書いたかが明示されているか。事実誤認がないか。信頼できる情報源として認識されるか |
| 読者本位 | 既存の読者にとって役に立つか。実際に体験した人の知見が入っているか。読み終えた人が満足するか |
この表で一番効くのは「実際に体験した人の知見が入っているか」です。他社サイトを読んで書ける内容は、他社も書けます。自社の現場で起きたこと、失敗したこと、お客様から実際に言われたこと。この部分だけが、代替の効かない中身になります。
技術面で最低限おさえること
中身が良くても、検索エンジンに読まれない設定になっていれば成果はゼロです。ここは一度確認すれば終わる作業なので、先に済ませてしまうのが得策です。
クローラーを止めていないか
WordPressには「検索エンジンでの表示」を一括で拒否する設定項目があります。制作時にチェックを入れたまま公開してしまうと、記事を何本書いても検索結果に出ません。管理画面の「設定」から「表示設定」を開き、この項目のチェックが外れていることを確認してください。
あわせて、robots.txtの記述も見ておきます。全体を拒否する記述が入っていないか、サイトマップの場所が書かれているか。この2点です。設定が正しいかどうかは、Google Search Consoleから確認できます。
見出しの階層を正しく組む
記事のタイトルがh1、大見出しがh2、その下がh3。この階層を飛ばさずに組みます。見た目を大きくしたいという理由で見出しタグを使うと、構造が壊れます。文字の大きさはスタイルで調整してください。
見出しに求められるのは、そこを読めば何の答えが書いてあるか分かることです。「まとめ」「はじめに」のような中身の分からない見出しは、読者にも検索エンジンにも情報を渡しません。
URLを1つに統一する
同じ内容のページが複数のURLで存在すると、評価が分散します。wwwの有無、末尾のスラッシュの有無、httpとhttpsを統一してください。古いURLから新しいURLへ移す場合は、301リダイレクトを設定します。設定せずにURLだけ変えると、それまでの評価が消えます。
メタディスクリプションを整える
検索結果に表示される説明文です。Googleは本文から自動生成することもあるため、書いたものがそのまま出るとは限りませんが、書いておく価値はあります。
表示される長さは端末や検索語によって変わるので、文字数を厳密に合わせる意味はほとんどありません。重要なのは、冒頭にその記事の結論を置くことと、本文の内容と食い違わないことです。本文にない話を説明文に書くと、クリックした読者がすぐ離れます。
プラットフォームの選び方
どのサービスでブログを書くかは、判断軸を1つに絞ると決まります。そのブログが自社の資産として残るかどうかです。
| 形態 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 自社ドメインで運用する(WordPress等) | 事業の集客が目的。長期的に評価を積み上げたい | サーバー代とドメイン代がかかる。更新や保守を自分で見る必要がある |
| 無料のブログサービスを借りる | まず書く習慣をつけたい。試験的に始めたい | サービス終了や規約変更で失われる。広告の表示を制御できない |
| 記事投稿プラットフォームを使う | そのサービス内の読者に届けたい | 検索からの流入はサービス側のドメインに積み上がる |
事業の集客としてブログをやるなら、自社ドメインでの運用を選んでください。借りた場所に記事を積み上げると、書いた分の評価が自分のものになりません。逆に、まず書き続けられるかを試したいだけの段階なら、手軽なサービスから始めて後で移すという順番でも問題ありません。
SNSとの組み合わせ方
SNSとブログは役割が違います。SNSは流れるもの、ブログは溜まるものです。投稿は数日で流れて見られなくなりますが、記事は公開後も検索から読まれ続けます。
この違いを踏まえると、組み合わせ方は自然に決まります。SNSは公開直後の読者を連れてくる役割、ブログは時間をかけて読者を集め続ける役割。SNSからの流入を最終目標にすると、投稿が途切れた瞬間に数字が落ちます。
プラットフォームごとの向き不向きも、投稿の形式で決まります。短文で告知が届きやすい場、写真や動画が主役の場、長い動画で解説できる場。自社が発信できる素材の形に合う場所を1つか2つ選んでください。全部に手を出すと、どれも中途半端になります。
書いた後にやること
公開して終わりにすると、成果の出ない記事が溜まっていきます。公開後の運用は、次の2つだけで十分に回ります。
- 関連する記事同士をつなぐ:読者が次に知りたくなる内容の記事へリンクを張ります。リンクの文字列は、リンク先に何が書いてあるか分かる言葉にします
- 伸びない記事を見直す:公開から3〜6か月たっても表示回数が増えない記事は、検索意図とずれている可能性があります。Search Consoleで実際に表示されているキーワードを見て、そのキーワードに答える形へ直します
新しく書くより、すでにある記事を直すほうが成果が早く出る場面は多くあります。表示はされているのにクリックされない記事、クリックはされるのに問い合わせにつながらない記事。それぞれ原因が違うので、Search Consoleの数字を見て切り分けてください。
よくある質問
ブログ集客は何から始めればいいですか
既存のお客様から実際に受けた質問を10個書き出すところからです。そのうち検索されているものを選んで、1本ずつ答えていきます。テーマ選びで迷う時間がいちばんもったいないので、手元にある質問を使ってください。
成果が出るまでどれくらいかかりますか
競合状況とテーマによって大きく変わるため、一律の月数はお伝えできません。確実に言えるのは、立ち上がりの数か月は数字がほとんど動かないということです。この期間に「効果がない」と判断して止めてしまうのが、いちばん多い失敗です。
記事は何文字くらい書けばいいですか
Googleは好みの文字数はないと公式に明言しています。答えるべき疑問をすべて答えた時点が適切な長さです。文字数を先に決めて書くと、埋めるための無駄な文章が入ります。
生成AIで記事を書いてもいいですか
Googleは制作方法ではなく、コンテンツの品質を見ると説明しています。問題になるのは、他の記事を言い換えただけの中身になることです。自社の一次情報を入れないまま量産すると、代替の効かない部分がゼロの記事が溜まります。
まとめ
ブログ集客でつまずく原因の多くは、出どころのわからない目安に合わせようとすることにあります。文字数も更新頻度も、Googleが基準として示しているものではありません。
やることは3つです。誰のどの疑問に答えるかを決めること。書く前に需要があるかを確かめること。自社にしか書けない具体を入れること。技術面の設定は一度確認すれば済み、その後は公開した記事を見直し続ける作業になります。
小さく始めて構いません。手元にあるお客様からの質問を1つ選んで、それに丁寧に答える記事を1本書く。そこから始めてみてください。
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