SEO対策で最初につまずく場所は、たいてい同じところです。何を書くかを決める前の、どの言葉で書くかを決める段階です。ここでの選び方を変えるだけで、同じ手間をかけた記事が届く人数が大きく変わります。
この記事では、キーワード選定の手順を6つの段階に分けて解説します。数字は、Google が公式ドキュメントに書いている内容と、私たちが自社の3つのドメインで測った実測だけを使います。
手順の前に、30秒の確認を入れてください
6段階の手順をこれから書きますが、その前にやることが1つあります。その言葉を、実際に検索している人がいるかどうかの確認です。
使うのは検索窓の候補表示です。検索窓に言葉を打つと、下に候補が並びます。あの候補は、実際にその言葉が打ち込まれた記録から作られています。候補が出ない言葉は、誰も打っていない言葉です。
| 候補の数 | 意味 | どうするか |
|---|---|---|
| 0件 | 誰も打っていない | その言葉では書かない |
| 1〜2件 | 実在するが末端 | 単独の記事にせず、別の記事の見出しで拾う |
| 3件以上 | 下に広がりがある | ここを狙う |
なぜ、これを先にやるのか
合同会社謙虚は、3つのドメインを検証のために並行して運用しています。書いているのは同じ人間で、記事の作り方も公開の頻度も同じです。変えているのは、狙う言葉の選び方だけです。2026年8月20日時点、直近28日の実測を並べます。
| 直近28日の実測 | 言いたいことから選んだ側 | 検索されている言葉から選んだ側 |
|---|---|---|
| 公開している記事 | 450本 | 653本 |
| 10位以内に入った記事 | 43本 | 157本 |
| 10位以内1本あたりの表示回数 | 2.0回 | 46.2回 |
23倍の差が出ました。順位はどちらも取れていて、クリック率もどちらも正常な範囲です。違ったのは、その順位が何回画面に出たかだけでした。
言いたいことから選んだ側は、1位を取っていても月に2回しか表示されていませんでした。この状態は、以下の6段階の手順を完璧にこなしても変わりません。手順はすべて、順位を上げるためのものだからです。
検索の仕組みそのものについては、SEO対策とは何かを1文で言うとにまとめています。
Google が公式に書いているキーワードの位置づけ
手順に入る前に、土台になる考え方を確かめます。Google 検索セントラルの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」に、こう書かれています。
ユーザーがコンテンツを探すときに検索しそうなキーワードを考えてみましょう。そのトピックについてよく知っているユーザーは、よく知らないユーザーとは異なるキーワードを検索クエリで使用するかもしれません
同じガイドには、本文への語句の埋め込みについても記述があります。
Google の高度な言語マッチング システムは、ページとさまざまな検索語句との関連性を把握できるため、ページにそのとおりの語句を明示的に使用する必要はありません
この2つを合わせると、やるべきことがはっきりします。読者が使う言葉を想像して決める作業は必要で、その言葉を本文に繰り返し埋め込む作業は不要です。以下の手順は、前者だけを扱います。
ステップ1:記事の中心になる言葉を1つ決める
最初に決めるのは、その記事が答える問いを1つに絞ることです。入口は、書きたい話題より読者が打ち込む言葉のほうに置きます。
決め方は、自社の商品やサービスから逆算します。取引先が最初に困っていた状態を書き出し、その状態を言葉にします。「◯◯とは」「◯◯ やり方」「◯◯ 費用」のような形に落ちれば、検索窓に打てる形です。
落とせたら、先ほどの30秒の確認にかけます。候補が3件以上出れば次に進みます。0件なら、同じ意味の別の言い回しを探し直します。ここで時間をかけるほど、あとの工程が軽くなります。
ステップ2:関連する言葉を洗い出す
中心の言葉が決まったら、その周辺の言葉を集めます。集め先は3つあります。
| 集め先 | 見えるもの | 使い方 |
|---|---|---|
| 検索窓の候補表示 | 実際に打ち込まれている続きの言葉 | そのまま見出しの候補にする |
| 検索結果の下部に並ぶ関連の語句 | 同じ意図で打たれる別の言い回し | 本文で言い換えとして使う |
| 検索結果に出る質問の一覧 | 同じ話題で持たれている疑問 | よくある質問の項目にする |
ここで集まった言葉を、すべて記事に詰め込む必要はありません。集める目的は、読者がどこで迷っているかを知ることです。迷いの場所が分かれば、見出しの順番が決まります。
ステップ3:集めた言葉をまとめる
洗い出した言葉は、そのままでは数が多すぎます。意図の近いものをまとめます。まとめる軸に置くのは、言葉の見た目より打った人が知りたいことのほうです。
判定の仕方があります。2つの言葉で実際に検索して、上位に並ぶページがほぼ同じなら、その2つは1本の記事で受けます。並ぶページが違うなら、別々の記事にします。検索側が同じ答えを返しているかどうかが、そのまま分け方の答えになります。
この判定を飛ばして機械的に分けると、似た記事が社内に並びます。同じ言葉を狙った記事が複数あると、どれを出すかを検索側が決めきれなくなります。まとめる作業は、この重複を防ぐための工程でもあります。
ステップ4:需要の大きさを確かめる
まとまりごとに、どれくらい打ち込まれているかを確かめます。ここで使えるのは Google キーワードプランナーです。Google 広告のアカウントから開けます。
数字を見るときの注意があります。プランナーが返す検索数は、広告の出稿を前提にした推定値で、幅を持って表示されることがあります。そのまま絶対値として扱うより、候補どうしの大小を比べる材料として使うほうが実態に合います。
そして、ここで数字が小さかったとしても、候補表示が3件以上出ているなら書く価値があります。打ち込む人が少ない言葉ほど、上位を取りやすく、打った人の目的もはっきりしています。数字の大きさだけで切り捨てると、いちばん問い合わせに近い言葉が落ちます。
ステップ5:上位に並んでいるページを読む
狙う言葉で実際に検索して、上から数本を読みます。目的は順位を調べることより、検索した人が何を求めているかを読み取ることにあります。
| 上位に並んでいるもの | 読み取れること | 自社が書くときの方針 |
|---|---|---|
| 用語の解説記事 | 知りたい段階の人が多い | 解説から入り、出口で次の記事へ送る |
| 比較や一覧の記事 | 選ぶ段階の人が多い | 選ぶ基準を示し、条件別に分ける |
| 費用や料金の記事 | 頼む直前の人が多い | 費用の決まり方と問い合わせの導線を置く |
| 大手の企業ページ | 会社名で探されている | その言葉は避け、周辺へずらす |
読む目的は、上位記事をなぞることではありません。Google は「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」というドキュメントで、自己評価の問いを並べています。そこには、独自の情報や調査結果を示しているか、自明のこと以上の洞察を含んでいるか、他者の意見をまとめただけになっていないか、といった項目が入っています。上位の記事を読むのは、そこに書かれていない話を自社が持っているかを探すためです。
ステップ6:書く言葉を最終的に決める
最後に、候補のなかから今月書くものを選びます。判断の軸は3つです。
| 軸 | 確かめること | 満たしていないときの扱い |
|---|---|---|
| 需要 | 検索候補が3件以上出るか | 書かずに別の言い回しを探す |
| 接続 | その言葉で来た人に売るものがあるか | 読まれても次が無いので後回し |
| 勝ち目 | 上位より詳しく書ける材料が社内にあるか | 材料を集めてから着手する |
3つとも満たす言葉から順に書きます。3行目がいちばん見落とされます。自社に材料が無い話題は、他社の記事を読んで書き直す形になりやすく、そのやり方は Google が自己評価の問いで避けるよう挙げている形と重なります。
選ぶときに気をつける4つのこと
読者の知識量を決めてから書く
同じ話題でも、初めて調べる人と、すでに詳しい人では使う言葉が違います。Google のスターター ガイドにもその旨が書かれています。記事の冒頭で、どちらに向けて書くかを決めてください。両方に向けて書こうとすると、どちらにも届かない文章になります。
大きい言葉から入らない
検索数の大きい言葉は、打った人の目的がばらつきます。目的がばらつくと、書くべき中身が決まりません。新しくサイトを育てる段階では、目的のはっきりした長めの言葉から入るほうが、記事も書きやすく、上位も取りやすくなります。
社内で同じ言葉を重ねない
同じ言葉を狙った記事が2本以上あると、検索側がどれを出すか決めきれません。新しい記事を立てる前に、その言葉で自社サイト内を検索して、すでに扱っていないかを確かめてください。重なっていた場合は、1本にまとめるか、答える問いを分けます。
詰め込みはやめる
狙った言葉を本文に繰り返し入れる作業について、Google のスターター ガイドにはこう書かれています。
同じ言葉を何度も繰り返すことは(多少変化を持たせても)ユーザーをうんざりさせてしまうほか、キーワードの乱用は Google のスパムに関するポリシーに違反することにもなります
回数を数えて散らす作業は、ここでやめて構いません。タイトルについても同じで、「タイトルリンクの作成方法」というドキュメントでは、キーワードの乱用、定型文の使い回し、中身と一致しないタイトルが避けるべきものとして挙げられています。
公開したあとに見る数字の順番
記事を出したら Search Console を開きます。見る順番が決まっています。
| 順 | 見る数字 | 読み取ること | 低いときにやること |
|---|---|---|---|
| 1 | 表示回数 | そもそも画面に出ているか | 言葉の選び方を見直す |
| 2 | 平均掲載順位 | 候補に入っているか | 内容の厚みを足す |
| 3 | クリック率 | タイトルと説明文が読まれているか | タイトルを書き直す |
多くの人が2行目から見始めます。順番としては1行目が先です。私たちが23倍の差に気づけなかった理由も、順位だけを見ていたことにありました。順位が良くても表示回数が2桁に届かないなら、直すのは記事ではなく言葉のほうです。
判断できる状態になるまで、公開から2か月から3か月ほどかかります。1週間で上下した数字は、通常の変動と区別が付きません。
SEOキーワード選定に関するよくある質問
関連キーワードとは何ですか
中心の言葉と一緒に打ち込まれる、意味のつながった言葉のことです。検索窓の候補表示や、検索結果の下部に並ぶ語句から拾えます。本文に散りばめる材料としてではなく、見出しを決める材料として使ってください。読者が迷っている場所が、そこに出ています。
ビッグキーワードとロングテールキーワードの違いは何ですか
打ち込む人の数と、目的のはっきり具合が違います。短く一般的な言葉は打つ人が多く、目的がばらつきます。長く具体的な言葉は打つ人が少なく、目的がはっきりしています。問い合わせにつながりやすいのは後者です。順番としても後者から入ります。
キーワード選定に有料のツールは必要ですか
始める段階では、検索窓の候補表示、Google キーワードプランナー、Search Console の3つで足ります。すべて費用がかかりません。有料の道具が効いてくるのは、記事が100本を超えて、どれを書き直すか選ぶ段階に入ってからです。
1つの記事に、いくつ言葉を入れればよいですか
数える作業そのものが不要です。Google は、ページに語句をそのまま使う必要はないと公式に書いています。決めるのは、その記事が答える問いを1つに絞ることです。問いが1つなら、関連する言葉は自然に本文へ入ります。
すでに公開した記事の言葉は、変えてよいですか
表示回数が2桁に届いていない記事であれば、書き直す価値があります。反対に、すでに上位で表示回数も出ている記事は、そのまま置いてください。順位が付いている記事に手を入れると、下がる場合があります。試すなら1本だけ書き換えて、4週間ほど推移を見てから広げます。
まとめ:手順より先に、需要を確かめてください
6段階の手順を、もう一度短く並べます。
- 記事が答える問いを1つに決める
- 検索窓の候補と関連の語句から、周辺の言葉を集める
- 検索結果が同じかどうかで、まとめるか分けるかを決める
- 需要の大小を比べる。小ささだけで切り捨てない
- 上位のページを読み、書かれていない話を探す
- 需要・接続・勝ち目の3つで、今月書くものを決める
この6つの前に、30秒の確認を置いてください。候補が3件以上出るかどうか。ここが0件のまま6段階を完璧にこなしても、私たちの実測のように、1位を取って月2回しか表示されない状態になります。
手順を丁寧にこなす力と、届く人数を増やす力は別のものでした。私たちは3つのドメインを並べて測るまで、この違いに気づけませんでした。1つのサイトだけを運用していると、比べる相手がいないからです。今日から入れられるのは、書き始める前の30秒です。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
生成AIに引用されるページを、お話しいただくだけでお作りします。お時間をいただくのは初回15分のヒアリングだけです。まず1ページ、無料でお作りします。
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