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地域名を入れたページの作り方 量産せずに検索から問い合わせを受け取る設計

2026 8/22
crowd

「八王子市 外壁塗装」「大宮駅 税理士」「岡崎市 リフォーム」。こうした探し方をしている人は、もう調べ物の段階を終えています。何を頼むかは決まっていて、あとは誰に頼むかを決めるだけ。だから地名を足して検索します。近くの会社の中から選びたいという意思が、その2語に出ています。

ところが、こうして探されている側の会社に、その地名を書いたページが1枚も無いことがよくあります。会社概要に住所は載っている。対応エリアの欄に市の名前も並んでいる。それでも、その地名を主題にしたページは無い。検索する人が使った言葉と、サイトが持っている言葉が、どこでも重なっていない状態です。

では地名入りのページを作ればいいのかというと、ここで多くの会社が別の穴に落ちます。1枚作った文章を土台にして、地名の部分だけ入れ替えたページを何十枚も並べる。この作り方は検索エンジンに評価されません。評価されないだけで済めばまだよく、サイト全体の見え方まで落ちることがあります。

この記事は、その両側を扱います。地名入りのページは持つべきだという話と、量産してはいけないという話は、一見すると矛盾します。矛盾を解くのは枚数と中身の考え方です。何枚を、どの地名で、何を書いて作るのか。読み終えたときに、自社が最初に作る1枚がどの地域のものか決まっている状態を目指します。判断に使う材料は、どれも社内にあるものだけで足ります。新しく買うものはありません。

先に結論を書いておきます。多くの中小企業にとって、地名を主題にしたページの適正な枚数は3枚から5枚です。この枚数を決めているのは予算の都合ではありません。その地域について書ける材料がどれだけあるかで決まります。材料が尽きた地域のページは、作った瞬間から量産ページと同じ扱いを受けます。そして、材料は社内に眠っていることがほとんどです。

目次

地名を足して検索する人は何を考えているのか

検索の言葉は、探している人の進み具合を映します。同じ業種を探していても、言葉の組み立て方で段階が変わります。ここを取り違えると、ページの中身が的外れになります。

言葉の型で相手の位置がわかる

「外壁塗装 とは」と打つ人と、「外壁塗装 八王子」と打つ人では、必要としているものがまるで違います。前者は判断材料を集めている最中で、まだ誰にも問い合わせる気がありません。後者は、頼む会社の候補を作っている最中です。前者に向けて丁寧な解説を書いても、後者の役には立ちません。

地名が入った検索は、ほぼ例外なく後者です。相場を知りたいだけの人は地名を入れません。地名を入れるのは、実際に自分の家や自分の会社に来てもらう前提が立っているからです。地名は、その人が動く準備を終えている合図として読むのが正しい。

探し方は「近い」の一言では終わらない

近くの会社を探しているのだから、距離だけが判断材料かというと、そうとは限りません。距離は入り口の条件で、そこから先は別の物差しが働きます。この地域での実績はあるか。うちと同じような家をやったことがあるか。この道は通れるのか。駐車場はどうするのか。地域を絞って探す人ほど、細かい実務の疑問を抱えています。

この疑問群こそが、地名入りページの中身になります。距離が近いことを書くだけのページは、この段階の人には何も足しません。住所を見れば距離はわかるからです。

検索する人が声に出さない条件

検索窓に打ち込まれるのは2語でも、頭の中にはもっと多くの条件が並んでいます。急いでいるのか、時間はあるのか。過去に一度失敗しているのか、初めてなのか。近所の目を気にしているのか。相見積もりを取る前提なのか。

これらは検索語には現れません。現れないまま、ページを読んで満たされるかどうかで判断されます。だからページ側は、検索語に答えるだけでは足りず、その裏側にある条件にも触れる必要があります。

検索の型 いま起きていること 次にすること
業種名のみ やり方や相場を調べている段階で、依頼先はまだ考えていない 解説記事で受ける。地名ページは向かない
業種名+地名 依頼先の候補を作っている。近隣の会社を並べて比べる直前 その地名を主題にしたページを1枚用意する
業種名+地名+条件 条件が固まっていて、外れる会社を除外したい 条件への回答をページ内に書く。対応可否をはっきり示す
会社名+地名 すでに名前を知っていて、実在と評判を確かめている 会社概要と実績ページを整える。地名ページの役目は薄い
地名+「近く」「周辺」 地図を見ながら探している。移動距離を先に確認したい 地図枠の情報を整える。ページは補助に回る

手のひらで探す人と机で探す人

地名を足した検索の多くは、移動中や外出先で行われます。画面が小さく、読む姿勢も落ち着いていません。この状態で長い前置きを読ませようとすると、途中で閉じられます。

この型のページは、最初の画面で結論を出す必要があります。どこまで対応しているか、いつ動けるか、連絡先はどこか。この3点が上のほうにあると、急いでいる人でも判断できます。じっくり読む人は下まで読み進めるので、詳しい説明は下に置けば足ります。

一方で、机に向かって調べている人もいます。相見積もりを取る前提で、複数の会社を並べて比べている。この人は下まで読みます。両方に応えるには、上から下へ向かって情報が細かくなる並びにするのが素直です。

季節と時期で探し方が変わる

地域に根ざした商売ほど、需要に季節の波があります。台風の後に屋根の相談が増える。年度末に引っ越しが集中する。冬の前に暖房の点検が動く。この波は、検索の言葉にも出ます。

波が読めているなら、その時期に合わせてページを手入れします。台風の後に見られるページなら、緊急時の対応について書いた部分を上へ動かす。この程度の調整でも、読む人の役に立ち方が変わります。

比べられている相手は同業だけとは限らない

地名を足して探している人が並べているのは、必ずしも同業他社だけではありません。自分でやるという選択肢、しばらく様子を見るという選択肢、家族や知人に頼むという選択肢。これらも候補として並んでいます。

だからページの中では、頼んだ場合に何が変わるかにも触れる必要があります。他社との違いを説明する前に、そもそも頼む価値があるかに答える。この順序を飛ばすと、比較の土俵にすら上がりません。

読んでいる人の状況 いま起きていること ページ側で次にすること
外出先で急いで探している 前置きが長く結論まで届いていない 対応範囲と連絡先を上のほうへ動かす
机で複数社を並べて比べている 比較に使える具体が書かれていない 事例と手順と期間を数字で書き足す
季節の事情で急に探し始めた その時期の関心事に触れていない 緊急時の対応を書いた部分を上へ動かす
自分でやるかどうか迷っている 頼む価値そのものに答えていない 頼んだ場合に変わることを先に書く
家族に相談してから決める 他の人に見せられる形になっていない 要点をまとめた部分を1か所に作る

地名ページが効く業種と効かない業種

地名入りのページはどの会社にも必要かというと、そうとは限りません。効く業種と効かない業種があり、そこを見誤ると労力が丸ごと無駄になります。判定の物差しはひとつです。取引の中で、人か物が物理的に移動するかどうか。

お客様が来る商売

店舗を構えていて、お客様が足を運ぶ商売は、地名がそのまま集客の条件になります。飲食店、美容室、整体院、歯科、学習塾、ジム、車の整備工場。この型では、通える距離かどうかが最初の関門です。だから検索する側も、まず地名で絞ります。

この型で強く効くのは、市区町村名よりも駅名や地区名です。通うことを前提にしているので、頭の中の地図が細かい。「市内」という括りでは大雑把すぎて、自分が通えるかどうかの判断には使えません。

こちらが行く商売

職人や技術者が現地に出向く商売も、地名が効きます。外壁塗装、屋根工事、水回りの修理、造園、害虫駆除、引っ越し、ハウスクリーニング。ここでは移動時間と出張範囲が実務上の制約になっていて、対応可能かどうかが最大の関心事です。

この型は市区町村名との相性が良い。出張範囲を市の単位で切っている会社が多く、探す側もその単位で考えるからです。加えて、地域ごとの建物の事情に触れられると、ページの説得力が一気に増します。海が近い地域の塩害、雪が積もる地域の屋根、古い住宅地の道幅。こうした話は、その地域で仕事をしていないと書けません。

士業と相談業

税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、弁護士。この領域は少し複雑です。手続きの多くは訪問せずに進められるようになった一方で、依頼する側は「会って話せる相手」を求める傾向が残っています。特に相続や事業承継のように、家族の事情を話す必要がある案件ほど、近さが効きます。

ここでの地名の使い方は、管轄との組み合わせが有効です。法務局、税務署、家庭裁判所、労働基準監督署。手続きの管轄は地域で決まっていて、そこに触れられると実務を知っている相手だと伝わります。地名を書くだけのページとの差は、この一点で開きます。

地名を足しても意味が薄い商売

一方で、地名が判断材料にならない商売もあります。全国どこからでも同じように受けられるもの。画面越しで完結する制作や開発、通信販売、遠隔の相談業。この型で地名ページを作っても、検索する人がそもそも地名を付けて探していません。

ただし例外があります。同業が地元に集まっている場合と、地元の会社と取引したい発注者がいる場合です。BtoBの領域では、担当者が近くにいることを条件にする発注が今も残っています。この場合は、地名ページに意味が出ます。判断は、自社への問い合わせが実際にどの範囲から来ているかを数えるのが早い。

商売の型 地名の効き方 作るべきページ
お客様が店に来る 強く効く。通える距離が最初の関門になる 駅名や地区名を主題にしたページを数枚
こちらが現地に行く 強く効く。出張範囲の明示がそのまま需要に当たる 市区町村名を主題にしたページを主要エリアぶん
士業や相談業 中程度に効く。会える安心と管轄の知識が判断材料になる 拠点の市と、管轄が異なる隣接エリアに1枚ずつ
全国対応で完結する ほぼ効かない。検索する人が地名を付けていない 地名ページは作らず、課題別のページに力を回す
地元発注が残るBtoB 条件付きで効く。発注側の社内規定に左右される 実際の取引先が集まる地域に絞って1枚から2枚

拠点が複数ある会社の考え方

支店や店舗が複数ある会社は、話が一段複雑になります。それぞれの拠点にページを持たせるのか、本体のサイトの中で地域別に分けるのか。

基本は、拠点ごとに1枚を持たせる形です。住所と電話番号と営業時間が違うので、書き分ける材料が最初から揃っています。そこに、その拠点が担当する地域の話を足していきます。拠点ページと地域ページを兼ねる形が、最も無理がありません。

気をつけるのは、拠点の数だけ同じ構成のページを並べたときに、結局は量産と同じ形になることです。拠点ごとに、スタッフの顔ぶれ、扱っている案件の傾向、その地域で多い相談を書き分けます。書き分けられないなら、拠点の一覧ページ1枚に集約するほうが健全です。

加盟店として看板を借りている場合

本部のサイトの中に加盟店のページが用意されていて、そこに地名が入っている。この形はよくあります。本部側のページは、加盟店の数だけ同じ構成で並んでいることが多く、そこに独自の情報を足せる余地は限られます。

この場合、自社で別にサイトを持つ判断が要ります。本部のページは連絡先と場所の確認に使い、自社のサイトでは地域の事例や現場の話を書く。役割を分けると、両方が機能します。

ただし、本部との取り決めで表示できる内容に制限がある場合があります。着手する前に、どこまで書いてよいかを確認しておきます。

訪問販売と紛らわしくならないために

地域を絞って営業していることを強く打ち出すと、業種によっては警戒されます。特に住宅に関わる工事では、近所で工事をしているという入り方に不信感を持つ人が一定数います。

ページ側でできるのは、実在の確認材料を揃えることです。事務所の外観の写真、代表者の名前と顔、許可や登録の番号、加入している保険。地域を絞ることと、素性を明かすことは、必ず組みで行います。

自社の形 判断のしかた 気をつけること
拠点が1つだけ 拠点の市を1枚目にして周辺へ広げる 拠点から遠い地域まで一度に広げない
拠点が複数ある 拠点ごとに1枚を持たせ地域の話を足す 同じ構成を並べると量産と同じ形になる
加盟店として営業している 本部のページと自社サイトで役割を分ける 表示してよい内容の範囲を先に確認する
事務所を持たず出張だけ 通常の検索結果の側で戦う設計にする 実在しない住所は登録できない
住宅に関わる工事をしている 地域を絞ると同時に素性を明かす 許可の番号や保険の加入を書き添える

地名を入れ替えただけのページが評価されない仕組み

ここが本題です。地名ページが効くとわかると、次に浮かぶのは「では対応エリア全部ぶん作ろう」という発想です。市内の全町名、沿線の全駅、隣接する市を含めて100枚。文章の型はひとつ作って、地名の部分だけ入れ替える。作業としては半日で終わります。

この作り方は、検索エンジンが最も長く対策してきた種類の行為に当たります。名前が付いていて、誘導ページと呼ばれます。検索結果に大量に現れることだけを目的として作られ、たどり着いた人を結局は同じ場所へ流すページ群を指します。地名だけを入れ替えた量産ページは、この定義に正面から当てはまります。

「重複しているから」という理解は不正確

量産ページが評価されない理由を、内容が重複しているからだと説明されることがあります。これは半分だけ当たっています。重複は結果であって、問題の中心は別のところにあります。

中心にあるのは、ページを開いた人がそのページからしか得られないものを何も持ち帰れないという点です。八王子のページを読んでも、立川のページを読んでも、書いてあることは同じ。地名の部分だけが違う。つまり、そのページが存在する理由が検索結果に出ること以外にありません。評価されない理由は、似ていることそのものよりも、そのページが誰の役にも立っていないことにある。

この違いは実務に効きます。重複が問題だと考えると、言い回しを変えて似ないようにする方向へ進みます。同義語に置き換え、文の順番を入れ替え、地域の一般的な説明を足す。手間はかかりますが、読む人にとっての価値は増えていません。だから結果も変わりません。

実際にサイトで何が起きるか

量産したページ群は、公開直後にはいくらか検索結果に現れます。この時期に手応えを感じて、さらに枚数を増やす判断をしてしまう会社があります。数か月かけて起きるのは次のような流れです。

まず、量産した中の大半が検索結果から消えます。インデックスに入らないページが増え、Search Consoleの対象範囲の欄に「クロール済み – インデックス未登録」や「検出 – インデックス未登録」が積み上がります。次に、残ったページも順位が定まらず、上下を繰り返します。

そして厄介なのが3番目です。サイト内で本当に読ませたかったページ、たとえば施工事例やサービス紹介のページが、100枚の薄いページに埋もれます。検索エンジンが1つのサイトを見て回る量には限りがあり、薄いページが大量にあると、力を入れたページに回る分が減ります。量産の副作用は、量産したページの外に出ます。

人の手による対処が入る場合もある

自動的な評価の低下に留まらず、審査担当者の判断で対処が入ることもあります。この場合はSearch Consoleに通知が届き、該当する部分または全体が検索結果から外れます。復帰させるには、問題のページを削除または作り直したうえで、再審査を申請する必要があります。

件数として多いわけではありませんが、起きたときの損害は大きい。地名ページを100枚並べるという判断は、その可能性を自分から引き受ける判断でもあります。

境目はどこにあるのか

作っていいページと、作ってはいけないページの境目を、はっきり言葉にしておきます。判定は次の問いで足ります。そのページを読んだ人が、他のどのページからも得られなかった情報を1つでも持ち帰れるか。

八王子のページに、八王子の現場でしか起きない話が書いてある。立川のページには、立川の現場の話が書いてある。この状態なら枚数が多くても問題は起きません。逆に、10枚しか作っていなくても、中身が地名の入れ替えだけなら同じ扱いを受けます。問題は枚数よりも中身の側にある。ただし現実には、中身を書き分けられる枚数には限りがあるので、結果として枚数の上限が決まります。

いま自社がやっていること 起きていること 次にすること
地名だけ入れ替えたページが多数ある 大半がインデックスに入らず、主要ページの評価まで薄まっている 反応が無いページを削除し、残す数枚に情報を集約する
言い回しを変えて似ないようにしている 重複の判定は避けられても、読む人への価値が増えていない その地域固有の事実を1ページにつき3つ以上探して足す
地名ページが1枚も無い 地名を足した検索で候補にすら入っていない 問い合わせが最も多い地域から1枚だけ作る
対応エリア一覧に地名を並べているだけ 網羅の意思は伝わるが、個別の検索には当たらない 一覧は残し、上位数地域だけ個別ページへ切り出す
Search Consoleに通知が届いている 審査担当者の判断で対処が入り、該当範囲が検索結果から外れている 該当ページを削除または作り直し、再審査を申請する

文章を機械に書かせても判定は変わらない

地名ごとの文章を自動で書かせれば量産の問題は解けるのではないか、という相談を受けることがあります。解けません。判定の対象は、どうやって書いたかという点にはありません。そのページが読む人の役に立つかどうかだけを見られます。

手で書こうが機械に書かせようが、書かれている内容が地域の一般的な説明であれば、価値は同じです。逆に、自社が持っている材料を機械に整理させて文章の形にするのは、有効な使い方になります。材料が先で、書き方は後。この順序は変わりません。

実務上の注意もあります。地域の事実を機械に補わせると、実在しない施設や誤った制度名が混ざることがあります。地名が絡む記述は、書き上がった後に自分の目で1つずつ確かめます。

似た地名のページ同士がぶつかる

量産のもう1つの副作用が、自社のページ同士が同じ検索語で競合することです。「◯◯市 業種」と「◯◯市△△町 業種」のページを両方持つと、検索エンジンはどちらを出すか決めかねます。結果として、日によって出るページが入れ替わり、どちらも安定しません。

この状態を避けるには、地名の粒度を1段階に揃えます。市の単位で作ると決めたら、その中の町名では作らない。駅で作ると決めたら、市の単位のページは一覧ページに留める。粒度が混ざると、必ずぶつかります。

薄いページはサイト全体の印象を作る

検索エンジンは、1ページごとの評価だけでなく、サイト全体としての質も見ています。薄いページが全体の大半を占めていると、そのサイト自体が信頼しにくい対象になります。

これは、量産していないページにも影響します。時間をかけて書いた事例のページが、なかなか検索結果に出てこない。原因を探しても、そのページ自体には見つからない。原因が別の場所にある典型が、この形です。薄いページを消すことが、良いページを押し上げる手になる場合があります。

やってしまいがちな手 実際に起きること 代わりにすること
地域ごとの文章を機械に書かせる 書き方が変わっただけで中身は同じ 自社の材料を集めてから整理に使う
地域の事実を機械に補わせる 実在しない施設や誤った制度名が混ざる 地名が絡む記述を1つずつ自分で確かめる
市と町名の両方でページを作る 自社のページ同士が同じ検索語でぶつかる 地名の粒度を1段階に揃える
薄いページを残したまま良い記事を足す 良い記事が検索結果に出てこない 薄いページを先に減らす
反応が無いので枚数を増やす 薄いページの比率がさらに上がる 枚数を止めて既存の追記に回る

「地名を入れれば上がる」という誤解の出どころ

地名を入れるだけで順位が上がるという理解は、いまも根強く残っています。この理解には出どころがあります。検索エンジンが言葉の一致を重く見ていた時期に、地名を入れるだけで効果が出た経験が、そのまま知識として残っているからです。

いまは、言葉が一致しているかよりも、そのページが検索した人の用を足すかが重く見られます。地名の一致は、候補に入るための入場券のようなもので、順位を決める理由にはなりません。入場券を何枚も集めても、席は増えません。

この誤解が残っていると、努力の方向が「地名を増やす」に向かいます。町名を並べる、見出しに地名を詰める、対応エリアのページを増やす。どれも入場券を集める作業で、席を取る作業ではありません。

近さは検索エンジンが自分で判断している

もう1つ知っておくべきことがあります。検索する人がどこにいるかは、検索エンジンの側が把握しています。だから、地名を打たずに業種名だけで検索しても、近くの会社が優先して出ます。

これは、地名ページの役割を狭めます。「近い会社を出す」という仕事は、検索エンジンが既にやっているからです。地名ページに残された仕事は、近い会社の中で選ばれる理由を示すことになります。

この観点で自社のページを読み返すと、書くべきことが変わります。近いことを説明する記述は要りません。その地域で何をやってきたかを書く記述が要ります。

地域の情報を持つのは検索の外でも効く

地域ごとの材料を集めて文章にしておくと、検索の結果以外の場面でも使えます。見積もりに添える資料、初回の訪問で渡す説明、地域向けの案内。同じ材料が何度も働きます。

逆に言えば、エリアページのために集める材料は、ページのためだけの作業ではありません。検索の順位が思ったように動かなくても、集めた材料は残ります。この点が、量産との決定的な違いです。量産したページを消すと、後には何も残りません。

よくある理解 実際に起きていること 努力を向ける先
地名を入れれば順位が上がる 地名の一致は候補に入る条件でしかない その地域で何をやってきたかを書く
地名を多く入れるほど強い 不自然な繰り返しは逆に働く 必要な場所にだけ地名を置く
近いことを書けば選ばれる 近さは検索エンジンが自分で判断している 近い会社の中で選ばれる理由を示す
ページを増やせば流入が増える 薄いページは検索結果にすら出ない 枚数を止めて1枚を厚くする
集めた材料はページ用の作業 見積もりや訪問の場面でも同じ材料が働く 材料を溜める仕組みを先に作る

どの地名を選ぶか

作る枚数を絞ると決めたら、次はどの地名を選ぶかです。ここで多くの会社が、拠点のある市の名前を反射的に選びます。それが正解のこともありますが、確かめずに決めると外します。

市区町村名から始める場合

市区町村名は最も素直な選択です。行政の単位なので誰にとっても意味が通じ、出張範囲の説明にも使えます。検索する人の数もまとまって存在します。

弱点は競合の多さです。同じ市内の同業が全員この単位を狙うので、後発で入ると上位に届きにくい。政令指定都市であれば区の単位まで下げると、競合が一気に減ります。人口の多い市でも、地区名まで下げる余地があります。

駅名を選ぶ場合

通ってもらう商売では、駅名が市区町村名より効くことがあります。人の頭の中の地図が、行政の区画よりも路線でできているからです。市の端に店があると、同じ市内の反対側の人には通いにくく、隣の市の駅前の人には通いやすい。この実態は市の名前では表せません。

駅名を使うときの注意は、同じ名前の駅と、駅からの距離です。徒歩何分かを正直に書き、離れているなら乗り換えや自転車での経路まで書く。駅名を掲げておいて実際は遠いページは、開いた人を落胆させます。

沿線という単位

沿線は見落とされがちですが、都市部では強い単位です。同じ路線に住んでいる人は、その路線沿いで用事を済ませる習慣を持っています。駅ごとに1枚ずつ作るのは量産に近づきますが、沿線でまとめた1枚を作り、その中で主要な駅ごとの事情に触れる形なら、無理なく成立します。

商圏を実測してから決める

ここまでの単位のどれを選ぶかは、机上で決めずに実測します。材料は社内にあります。過去の顧客名簿の住所。見積もりを出した先の所在地。問い合わせフォームに書かれた地名。これを地図に落とすと、自社の商圏が輪郭を持ちます。

この作業をすると、思い込みとのずれが必ず出ます。拠点の市より、隣の市からの依頼が多い。市内でも特定の地区に偏っている。ある路線の沿線からだけ、まとまって来ている。ずれが出たら、実測のほうを信じます。すでに来ている場所は、来やすい理由がある場所です。

隣接エリアをどう扱うか

拠点から離れた地域のページを作るかどうかは、判断が分かれます。実際に対応できるなら作る価値があります。ただし、現地に何の接点も無い地域のページを作ると、書ける中身が枯れます。地域の一般的な紹介文を並べるしかなくなり、それは量産ページと同じ道です。

目安として、その地域で仕事をした実績が1件でもあるかを条件にします。1件あれば、そこで起きた具体的な話が書けます。実績が無いなら、まだ作らない。作るのは実績ができてからで間に合います。

地名の単位 向く業種と条件 判断に使う材料
市区町村名 現地に出向く工事や修理。出張範囲を市で切っている場合 過去の施工先の市区町村ごとの件数
区名や地区名 政令指定都市や人口の多い市に拠点がある場合 市内での依頼の偏り。同業の集まり方
駅名 通ってもらう店舗型。徒歩や自転車での来店が中心 店からの実際の所要時間。来店客の最寄り駅
沿線名 都市部で複数の駅から来店がある場合 来店客の路線の分布。乗り換えの必要性
隣接する市 その地域での実績が1件以上あり、対応が続けられる場合 その地域からの問い合わせ件数と移動時間

地名の書き方が揺れると損をする

同じ地域を指す言い方は、たいてい複数あります。「◯◯市」と書くか「◯◯」と書くか。「△△区」まで入れるか。「◯◯市△△町」まで下ろすか。この揺れをページの中で放置すると、どの言い方でも中途半端にしか当たりません。

決め方は簡単です。検索する人が実際に使っている言い方に合わせます。Search Consoleで自社が表示されている検索語を見ると、どの形で打たれているかが分かります。そこに合わせて、ページの中の主要な箇所を統一します。

同時に、他の言い方も文章の中に自然に出しておきます。統一するのはタイトルと見出しで、本文の中では両方の言い方が出てきて構いません。実際の会話でも両方使うからです。

合併した市町村の旧い名前

平成の合併で名前が変わった地域は全国にあります。行政の名称は新しくなっていても、住んでいる人は旧い地名で呼び続けていることが多い。検索の言葉にも、旧い名前が残ります。

この場合、新しい市の名前でページを作り、その中で旧い地名にも触れる形にします。旧い地名だけでページを作ると、範囲が狭すぎて材料が足りません。触れておくだけで、旧い名前で探した人にも当たります。

同じ名前の地名が他県にある場合

府中、大和、白山、青葉。同じ名前の地名は各地にあります。この地域を扱うときは、都道府県名を組みで書きます。タイトルにも入れる。書かないと、他県の人が開いて帰るという無駄が生まれます。

駅の名前も同様です。同じ駅名が複数の路線や地域にあるなら、路線の名前まで書きます。

読み方が難しい地名の扱い

読み方の難しい地名は、検索の言葉が仮名で打たれることがあります。漢字で書かれたページは、仮名で探した人に当たりにくい。本文のどこかで、読み方に触れておきます。「◯◯(読み)」と書く形で足ります。

地名の事情 放置すると起きること 次にすること
市を付ける形と付けない形が混在 どの言い方でも中途半端にしか当たらない 検索語を見て主要な箇所を統一する
合併で名前が変わっている 旧い名前で探した人に当たらない 新しい名前で作り本文で旧名にも触れる
同じ名前の地名が他県にある 他県の人が開いてすぐ帰る 都道府県名を組みでタイトルに入れる
同じ駅名が複数の路線にある 別の駅を探していた人が来る 路線の名前まで書き添える
読み方が難しい地名 仮名で探した人に当たらない 本文のどこかで読み方に触れる

1枚のエリアページに何を書くか

地名を決めたら、次は中身です。ここが量産ページとの分かれ道になります。書く材料は、どの会社にも必ずあります。無いように見えるのは、社内では当たり前すぎて情報だと認識されていないからです。

その地域での実際の仕事の話

最も強いのは、その地域で実際にやった仕事の話です。どの町のどんな建物で、何を頼まれ、どこで手間取り、どう解決したか。写真があれば添える。無ければ文章だけでも構いません。

ここで書き手が迷うのは、個人情報の扱いです。番地や施主の名前は出さず、町名までに留める。これで十分に具体性は出ます。「北口から坂を上がった住宅地の、築40年ほどの木造2階建て」という書き方なら、地元の人には情景が浮かび、個人の特定にはつながりません。

その地域の物理的な事情

地域には、そこでしか起きない条件があります。これを書けるかどうかが、地元の会社と遠方の会社を分けます。

道の幅が狭くて4トン車が入れない地区がある。一方通行が多く、朝の時間帯は搬入ができない。坂が急で、高齢の方の来店が午前に偏る。海が近く、金属部分の傷みが内陸より早い。冬に凍結する路面があり、施工の時期を選ぶ。造成が古い地区で、地盤の状況が場所によって変わる。

こうした話は、その地域で何度も仕事をしていれば自然に溜まっています。溜まっているのに書かれていないのは、社内では常識だからです。社内の常識は、外から見れば貴重な情報になります。

移動と時間の具体

問い合わせる前の人が気にしているのは、来てもらえるのかと、どのくらいで来られるのかです。ここを曖昧にしたままだと、電話で聞かれます。聞くのが面倒な人は、聞かずに別の会社へ行きます。

拠点からその地域までの所要時間。緊急のときにどのくらいで動けるか。定期的に近くを回っている日があるか。駐車スペースが必要な作業なら、どういう条件が要るか。店舗型なら、駅からの経路、目印になる建物、駐車場の有無と台数、自転車を停められるか。

地域の制度と窓口

業種によっては、自治体の制度が判断材料になります。住宅の改修に補助の制度がある自治体、ごみの分別と回収の決まりが特殊な自治体、申請の窓口が支所に分かれている自治体。これらは市区町村ごとに違うので、書くだけで地域固有の情報になります。

ただし制度の内容は変わります。金額や条件を細かく書くと、翌年には古い情報になる。制度の名前と、担当する窓口の名称、確認の必要があることを書くに留めるのが安全です。年度が変わったら見直す、という運用も一緒に決めておきます。

その地域のお客様から実際に出た質問

問い合わせの電話やメールで、その地域の方から繰り返し出る質問があるはずです。マンションが多い地区なら管理組合の話、古い住宅地なら近隣への挨拶の話、店舗が並ぶ通りなら営業中の作業の可否。

これをそのままページに書きます。同じ地域の別の人も、同じことを気にしています。実際に出た質問を材料にすると、書き分けが自然にできます。地域が違えば出る質問も違うからです。

入れなくてよいもの

逆に、入れる必要のないものもはっきりさせておきます。市の人口、面積、歴史、名所、特産品。こうした一般的な紹介は、その地域の人が最もよく知っている情報です。書いても誰の役にも立たず、字数を埋めているだけだと見なされます。量産ページがまず頼るのがこの手の文章で、頼った時点で量産ページと同じ扱いに近づきます。

ページに入れる要素 入れる理由 社内での探し方
その地域での施工や対応の事例 他のページから得られない情報になり価値が出る 過去の作業日報と請求書から地域別に抜き出す
道路や建物など物理的な事情 実務を知っている相手だと伝わる 現場に出る社員に「あの地区で困ることは」と聞く
拠点からの所要時間と対応の速さ 問い合わせ前の最大の不安に答えられる 実際の移動記録から往復の時間を測る
自治体の制度と窓口の名称 市区町村ごとに違うので自然に書き分かれる 自治体の公式サイトで該当の制度を確認する
その地域から実際に出た質問 同じ地域の別の人も同じことを気にしている 問い合わせの記録を地域別に並べ直す
市の人口や名所の紹介 入れない。地元の人が最もよく知っている 書きかけていたら削る

写真の選び方

エリアページに置く写真は、その地域で撮ったものにします。素材集の写真を並べても、どの地域のページでも同じ絵になり、量産の印象を強めます。

撮る対象は、施工した現場、店舗の外観、駅からの経路の目印、作業に使う車両。難しい撮影は要りません。手元の端末で撮ったもので足ります。むしろ、作り込まれていない写真のほうが、その場で撮ったという実感が伝わります。

注意点は2つあります。他人の家や車の番号が写り込まないこと。撮影と掲載について、施主の了解を取っておくこと。この2点を守れば、写真は最も手軽に地域固有の情報を足す手段になります。

お客様の声をどう載せるか

その地域のお客様からいただいた言葉は、そのままページの材料になります。住んでいる地区、家の状況、頼んだ内容、感じたこと。地域が違えば内容も違うので、書き分けが自然に成立します。

載せるときは、いただいた言葉を整えすぎないことです。文章として綺麗になるほど、作られたものに見えます。表記の間違いを直す程度に留めます。

名前の扱いは、本人の希望に沿います。頭文字だけにする、地区名だけにする、伏せる。どの形でも構いませんが、どこまで開示してよいかは必ず確認します。

1枚の長さの目安

エリアページの長さに決まりはありません。ただ、実務的な目安はあります。短すぎると、他のページとの差が出ません。長すぎると、書ける材料が足りなくなって一般的な文章で埋め始めます。

材料が尽きたところが、そのページの適正な長さです。無理に伸ばした部分は、読む人にも分かります。足りないと感じたら、字数を足すよりも材料を取りに行きます。

並び順の決め方

上から順に、その地域の人が知りたい順で並べます。多くの場合は、対応の可否と範囲、その地域での実績、地域固有の事情、よくある質問、連絡先という並びになります。

会社の紹介や理念を上に置きたくなりますが、そこは読む人の関心の外です。読み進めて信頼が積み上がった後のほうが、同じ内容でも受け取られ方が良くなります。

更新の跡を残す

ページの中に、いつ時点の情報かを書いておきます。自治体の制度や、対応の可否は変わるからです。読む人にとっても、更新されているページのほうが信頼できます。

ページの要素 手を抜いたときに起きること 次にすること
写真 素材集の絵が並び量産の印象が強まる その地域で撮った写真に差し替える
お客様の声 整えすぎて作られたものに見える いただいた言葉のまま載せる
ページの長さ 一般的な文章で埋め始める 材料を取りに行き尽きたところで止める
並び順 会社の紹介が上に来て関心が離れる 対応の可否と実績を先に置く
更新の時期 古い制度の情報が残り信頼を落とす いつ時点の情報かを書き年に一度見直す

1枚目に書く内容を組み立ててみる

ここまでの話を、実際の組み立てに落とします。市区町村の単位で1枚作る場合の並びです。自社の材料に合わせて順番を入れ替えて構いません。

最初に、その地域に対応していることと、拠点からの所要時間。次に、その地域での施工や対応の事例を3件から5件。1件ごとに、建物や状況、頼まれた内容、かかった日数、気をつけた点を書きます。次に、その地域に特有の事情。道、建物、気候、制度。次に、その地域から実際に出た質問への回答。最後に、連絡の手段と、その後の流れ。

この並びで書くと、地名を消しても成立する部分がほとんど残りません。それが狙いです。

下書きができたら3つの目で読む

書き上げたら、公開の前に3通りの読み方をします。

1つ目は、地名を消して読む読み方です。どの地域の話か分からなくなったら、材料が足りていません。2つ目は、その地域に住んでいる人の目で読む読み方です。知っていることばかり書いてあると感じたら、一般的な紹介文が多すぎます。3つ目は、急いでいる人の目で読む読み方です。上から順に読んで、最初の画面で対応の可否が分かるかを見ます。

3通りとも通ったら、公開して構いません。通らなかった箇所が、そのページで最初に直す場所です。

公開してからが本番になる

エリアページは、公開した時点が完成ではありません。その地域での仕事が増えるほど、書ける内容が増えます。事例を足し、質問を足し、写真を入れ替える。この積み上げが、同じ地域を狙う他社との差になります。

他社が量産したページを放置している間に、こちらは1枚を厚くし続ける。数年単位で見ると、この差は追いつかれにくい形で開きます。量産と手入れの違いは、時間が経つほど大きくなります。

1枚目に置く順番 そこに書くこと 材料の出どころ
対応の可否と所要時間 その地域に伺えることと拠点からの時間 実際の移動記録
その地域での事例 状況と内容と日数と気をつけた点を3件から5件 作業日報と請求の記録
その地域に特有の事情 道と建物と気候と自治体の制度 現場に出る社員への聞き取り
実際に出た質問への回答 その地域の人が繰り返し聞くこと 問い合わせの記録
連絡の手段とその後の流れ 手段の選択肢と返信の目安と工程 社内の対応手順

対応エリア一覧ページとの使い分け

多くのサイトには、すでに「対応エリア」というページがあります。市の名前が箇条書きで並んでいるページです。このページを個別のエリアページとどう使い分けるかは、混同されがちなところです。

一覧ページが担う役割

一覧ページの役割は、範囲を示すことです。この会社はどこまで来てくれるのか。自分の住所が範囲に入っているか。この確認だけのために開かれます。

だから一覧ページは、網羅的であるべきです。個別ページを作らない地域も含めて、対応できる範囲を全部書く。ここで漏れがあると、範囲内なのに諦めてしまう人が出ます。

一覧ページは検索では戦えない

一方で、一覧ページが「◯◯市 + 業種」の検索で上位に出ることは、ほぼありません。地名が20も30も並んだページは、どの地名についても中心的な内容を持っていないからです。検索エンジンから見ると、そのページの主題が定まっていません。

ここを理解しておくと、一覧ページに期待しすぎずに済みます。一覧ページは、すでにサイトに来た人が範囲を確かめるための道具です。検索から人を連れてくる役目は、個別のページが担います。

2つのページのつなぎ方

一覧ページから個別ページへは、リンクを張ります。個別ページがある地域だけリンクにして、無い地域は文字のまま並べる。この形にすると、どの地域に力を入れているかが構造として伝わります。

逆方向、つまり個別ページから一覧ページへのリンクも要ります。八王子のページを開いた人が、実は隣の日野市に住んでいたという場合に、行き先を示せるからです。

階層をどう作るか

置き場所は、一覧ページの下に個別ページをぶら下げる形が素直です。住所の並びとページの並びが一致していると、人にも検索エンジンにも構造が伝わりやすくなります。

逆に、個別のエリアページをトップページの直下にばらばらに置くと、関係が読み取れなくなります。数枚のうちは問題になりませんが、後から増やすときに整理がつかなくなります。

一覧ページだけで足りる場合

すべての会社が個別ページを持つべきかというと、そうとも限りません。対応エリアが1つの市に収まっていて、その市の中で地区による違いも大きくない。この場合は、一覧ページと、地名を織り込んだトップページで足ります。無理に個別ページを切り出すと、トップページと内容がぶつかります。

自社の状況 いま起きていること 次にすること
対応エリアが1つの市に収まる 個別ページを作るとトップページと内容がぶつかる 一覧とトップページに地名を織り込むだけにする
複数の市にまたがって対応している 一覧ページが地名の検索に当たっていない 依頼の多い上位3地域を個別ページへ切り出す
一覧ページから個別へリンクが無い 力を入れている地域が構造として伝わらない 個別ページのある地域だけリンクにする
個別ページが階層の外に散っている 関係が読み取れず後から整理できない 一覧ページの下へ配置し直して転送を設定する
一覧に対応外の地名まで並べている 問い合わせが来ても断ることになり手間が増える 実際に対応できる範囲まで一覧を絞る

Googleビジネスプロフィールとの役割分担

地名を絡めた集客の話をすると、必ず地図の枠が出てきます。検索結果の上のほうに、地図と店舗の一覧が出るあの領域です。ここへの対策と、エリアページの制作は、しばしば混同されます。両者は別の枠を取りに行く別の施策で、役割も違います。

枠が違うので競合しない

地図の枠に出るかどうかは、Googleビジネスプロフィールの登録内容と、その事業所の情報がどれだけ整っているかで決まります。エリアページを作っても、地図の枠の順位は直接には動きません。逆に、地図の枠で上位にいても、その下の通常の検索結果には別の基準で並びます。

この2つは取り合いをしません。両方に出れば、検索結果の中で自社が占める面積が増えます。片方だけを整えて、もう片方を放置している会社が多い。

ビジネスプロフィールが担うもの

地図の枠は、住所を持つ事業所の情報を扱います。営業時間、電話番号、写真、口コミ、道順。「いま開いているか」「どう行けばいいか」「評判はどうか」に答える領域です。

強みは即時性と、行動までの短さです。地図から電話をかけたり、道順を出したりできます。弱みは、載せられる情報の量と形式が決まっていることです。自社の考え方や、込み入った事情の説明には向きません。

エリアページが担うもの

エリアページは、量にも形にも制限がありません。事例を長く書ける。地域の事情を説明できる。よくある質問を並べられる。「この会社に頼んで大丈夫か」という判断のための材料を、必要なだけ置ける場所です。

弱みは、行動までが遠いことです。読んでから問い合わせるまでに一段階あります。だからページの中に、次にどうすればいいかをはっきり置いておく必要があります。

拠点が無い地域はどう扱うか

ここが実務で最も判断に迷うところです。事務所を置いていない地域では、ビジネスプロフィールの登録ができません。実在しない住所を登録する行為は認められておらず、発覚すれば掲載が止まります。

出張して対応する形の事業には、サービス提供地域を設定する仕組みが用意されています。ただし、これで地図の枠に出やすくなるかは別の話です。拠点の無い地域で戦えるのは、通常の検索結果の側だけだと考えておくのが現実的です。ここでエリアページの出番が来ます。

2つをつなぐ

両方を持っているなら、つないでおきます。ビジネスプロフィールの案内先として該当地域のエリアページを指定する。エリアページの中に、地図と道順への案内を置く。写真の内容を両方で揃える。営業時間の表記を一致させる。表記がずれていると、確認する側の不安になります。

知りたいこと 地図の枠が答えるもの エリアページが答えるもの
いま開いているか 営業時間と混雑の状況を即時に示す 受付の時間帯と緊急時の連絡方法を説明する
どう行けばいいか 地図と道順を直接表示する 駅からの経路や駐車場の条件を文章で補う
評判はどうか 利用者の口コミと評価を並べる その地域での事例と対応の経緯を示す
自分の家まで来てくれるか サービス提供地域の設定で範囲を示す 所要時間と対応の条件を具体的に書く
この会社に頼んで大丈夫か 写真と基本情報で最低限の判断材料を出す 考え方と手順と料金の目安の説明で判断を助ける

サービス別のページとの掛け合わせ

もう1つ混同されやすいのが、サービス別のページとの関係です。「外壁塗装」というページと、「◯◯市の外壁塗装」というページが両方ある状態をどう整理するか。

役割は違います。サービス別のページは、何をどこまでやるかを説明する場所です。工程、使う材料、期間、保証の範囲。ここは地域に関係なく共通です。エリアページは、その地域での事情と実績を書く場所です。

掛け合わせのページを作りたくなりますが、ここは慎重に進めます。サービスが5種類、地域が5か所あると、掛け合わせで25枚になります。これは量産と同じ形です。掛け合わせで作るなら、実際に依頼の多い組み合わせだけに絞ります。

リンクの張り方

エリアページからサービス別のページへ、サービス別のページからエリアページへ。両方向にリンクを張ります。読む人は、地域から入っても内容を知りたくなり、内容から入っても対応範囲を知りたくなります。

リンクの文言は、行き先が分かる言葉にします。「詳しくはこちら」で済ませず、行き先の内容をそのまま書く。読む人にとっても、検索エンジンにとっても、そのほうが伝わります。

口コミの中に地名が出ているか

地図の枠に集まる口コミにも、地域の情報が入ります。「◯◯町から通っています」「駅から近くて助かりました」。こうした言葉は、その事業所がどの範囲の人に使われているかを示します。

口コミの内容を操作することはできませんし、してはいけません。できるのは、口コミをお願いするときに、何について書いてほしいかを伝えることです。どこから来たか、何を頼んだか、どうだったか。この3点を伝えておくと、内容の濃い口コミが集まりやすくなります。

写真と営業時間を両方で揃える

地図の枠に載せる情報と、エリアページに書く情報がずれていると、確認する側の不安になります。営業時間、定休日、電話番号、対応範囲。この4点は必ず一致させます。

特に変更があったときが危ない。片方だけ直して、もう片方が古いまま残ります。変更のときは両方を見る、と手順に入れておきます。

2つのページの関係 整理しないと起きること 次にすること
サービス別ページとエリアページ 同じ内容が両方に書かれて重なる 工程の説明はサービス別に地域の事情はエリアに
サービスと地域の掛け合わせ 組み合わせの数だけページが増えて量産になる 依頼の多い組み合わせだけに絞る
両者の間のリンク 読む人が知りたい情報にたどり着けない 両方向に張り文言に行き先の内容を書く
地図の枠の口コミ 内容が薄く地域の情報が入っていない 依頼時に書いてほしい3点を伝えておく
営業時間や電話番号の表記 片方だけ更新されて食い違う 変更のときは両方を見る手順にする

地図の枠で先にできることを済ませる

拠点のある地域については、地図の枠の整備を先に済ませたほうが順序として正しい。数日で終わり、結果が出るのも早いからです。エリアページの制作に数か月かける前に、ここを埋めます。

埋めるのは、業種の区分、営業時間と定休日、電話番号、案内先のページ、対応できる内容の一覧、写真。写真は外観、内部、作業の様子、担当者の順に揃えると、実在の確認材料になります。

加えて、質問と回答の欄を使えるなら、そこにもその地域の人が聞くことを入れます。エリアページに書いた質問と回答から、短いものを選んで置けば足ります。

投稿の機能を地域の話に使う

地図の枠には、短い投稿を出す機能があります。ここに、その週にやった仕事の話を短く書きます。どの地区で、何をしたか。この積み重ねが、その事業所がどの範囲で動いているかの証拠になります。

投稿はすぐ流れていきますが、エリアページに載せる材料としては残ります。投稿のために書いた短い文章を、後でページへ移す。この流れを作ると、材料集めが日々の作業に組み込まれます。

複数の拠点がある場合の登録

拠点が複数あるなら、それぞれを別に登録します。まとめて1つにすると、どの拠点も正確な位置で出なくなります。案内先のページも、それぞれの拠点のページに向けます。

ここでよくある間違いが、全部の拠点の案内先をトップページにしてしまうことです。地図から来た人は、その拠点の情報を見に来ています。トップページに落とすと、そこから探し直しになります。

地図の枠でやること 放置したときに起きること かかる手間
営業時間と定休日を正しくする 閉まっている時間に来られて印象が落ちる 数分
外観と内部と担当者の写真を足す 実在の確認材料が足りず選ばれない 半日
質問と回答の欄を埋める 同じ問い合わせが電話で繰り返し来る 1時間
週に一度その週の仕事を投稿する 動いている実感が伝わらない 週に数分
拠点ごとに案内先のページを分ける 地図から来た人が探し直しになる 拠点ごとに数分

何枚を、どの順番で作るか

ここまでで、地名の選び方と中身は決まりました。残るのは枚数と順番です。量産してはいけないという制約の中で、では現実的に何枚なのか。この問いに答えます。

1枚目は、すでに依頼が多い地域

最初の1枚は、実測で最も依頼の多かった地域にします。理由は2つあります。書ける材料が最も多いこと。そして、そこで結果が出るかどうかで、この施策が自社に合うかを判定できることです。

依頼が多いということは、そこに需要があり、自社が選ばれる理由もある地域だということです。その地域で通用しない書き方なら、他の地域でも通用しません。1枚目は、書き方そのものを検証する材料でもあります。

2枚目と3枚目は、性格の違う地域を選ぶ

2枚目からは、1枚目と条件の違う地域を選びます。距離が遠い地域、客層が違う地域、建物の年代が違う地域。似た地域を続けて選ぶと、書く内容も似てきて、量産に近づきます。

条件を変えると、書く内容が自然に変わります。同時に、どの条件の地域で反応が出るかも見えてきます。3枚まで作って反応を並べると、次に作るべき地域の傾向が読めます。

反応が出るまでの期間

新しく作ったページが検索結果で位置を取るまでには時間がかかります。数日で判断してはいけません。少なくとも数か月は置いて、表示回数の推移を見ます。この期間に何もせず待つのが難しくて、追加で量産してしまう会社があります。

待っている間にやることはあります。1枚目のページに、新しい事例を足す。出た質問を追記する。写真を増やす。同じページを育てるほうが、新しい枚数を増やすより結果が出ます。

枚数が増えるほど効きが鈍る

枚数と成果は比例しません。書ける材料が多い地域から順に作っていくので、後に作る地域ほど材料が薄くなります。同時に、検索する人の数も、中心の地域から離れるほど減ります。

目安として、5枚を超えたあたりから明らかに鈍り始めます。10枚を超えると、材料の枯渇のほうが先に来ることが多い。ここを無理に押すと、地域の一般的な紹介文で埋めるしかなくなります。材料が尽きた時点が、そのサイトにとっての上限です。

やめどきの決め方

やめる基準を先に決めておくと、迷わずに済みます。次の3つのどれかに当たったら、枚数を増やすのを止めます。

1つ目は、書こうとしている地域での実績が無いとき。2つ目は、下書きを書いてみて、既存のページと変わる部分が地名だけになったとき。3つ目は、直近で作った2枚が、数か月経っても表示回数を得られていないとき。

止めた後にやることは、既存のページの手入れです。事例を足し、質問に答え、写真を入れ替える。この作業のほうが、11枚目を作るより成果に近い。

いま何枚目か その段階で起きること 次にすること
0枚。まだ作っていない 地名を足した検索で候補にすら入っていない 依頼が最も多い地域を実測して1枚作る
1枚目を公開した直後 数か月は表示回数が安定しない 数字を見ずに事例と質問の追記を進める
2枚目から3枚目 どの条件の地域で反応が出るか見え始める 1枚目と条件の違う地域を選んで書き分ける
4枚目から5枚目 書ける材料が薄くなり始める 新規を止めて既存ページの追記に回る
6枚目以降 地域の一般的な紹介文で埋め始めている その時点で新規を止める。埋めた文章は削る

社内の誰が書くか

エリアページが書けない最大の理由は、時間の問題よりも担当の問題です。文章を書けるのは事務の担当者で、地域の情報を持っているのは現場に出ている社員。この2人の間で情報が渡っていないと、ページは薄いまま出ます。

現実的な形は、現場の社員に材料を出してもらい、書く作業は別の人がやる分担です。現場の社員に文章まで求めると、負担が大きくて続きません。求めるのは、地区の名前と、そこで起きた具体的な出来事だけにします。

集め方も仕組みにします。作業の報告に「その地域で気づいたこと」の欄を1つ足す。これだけで、毎月材料が溜まります。材料を集める仕組みが無いと、書く人がどれだけ頑張っても薄いページになります。

時間の配分

1枚のエリアページにかける時間は、材料集めに大半を使います。書く作業そのものは、材料が揃っていれば短い。この配分を逆にすると、書きながら材料を探すことになり、結局は一般的な文章で埋めます。

目安として、材料集めに数日、書く作業に半日。この配分で考えると、月に1枚から2枚が無理のない速さです。この速さで3枚から5枚なら、数か月で揃います。

外部に頼む場合の渡し方

制作を外部に頼むなら、渡すのは地域ごとの材料です。事例の一覧、写真、現場の社員から出た話、その地域から来た質問。これを渡せば、外部の書き手でも中身のあるページが書けます。

逆に、キーワードと枚数だけを渡すと、書き手には一般的な文章を書く以外の手がありません。薄いページが出てくる原因は、書き手の力量の側にはありません。渡すものの側にあります。

1枚目を出す前に決めておくこと

着手する前に、次の4点を決めておくと迷いません。どの地域か。誰が材料を集めるか。誰が書くか。いつ判断するか。この4点が決まっていないまま始めると、途中で止まります。

着手前に決めること 決めずに始めると起きること 決め方
どの地域を1枚目にするか 拠点の市を反射的に選んで材料が足りない 過去の依頼を住所で数えて最多の地域にする
誰が材料を集めるか 書く人が地域を知らないまま書き始める 現場に出る社員に地区名と出来事だけ求める
誰が書くか 現場の社員に文章まで求めて続かない 材料を出す人と書く人を分ける
いつ判断するか 数週間で焦って量産に走る 数か月後と決めそれまでは追記だけ
材料をどう溜め続けるか 1枚目の後が続かない 作業の報告に気づきの欄を1つ足す

書き始める前に集める材料

エリアページが薄くなる原因は、文章力ではありません。材料が手元に無いまま書き始めることです。集める作業を先に済ませておくと、書くのは半日で終わります。

社内の記録から出るもの

最初に開くのは、過去の記録です。作業日報、請求の記録、見積書の控え、問い合わせの受付票。これらを地域で並べ直すと、その地域で自社が何をしてきたかが一覧になります。

並べ直す作業自体に価値があります。件数の多い地域、単価の高い地域、繰り返し依頼が来ている地域。この分布は、どの地域のページを作るかの判断材料そのものです。表計算ソフトに住所と案件の内容を並べるだけで足ります。

現場に出る人から聞き出すもの

記録に残らない情報は、人の頭の中にあります。現場に出ている社員に「あの地区で困ることはありますか」と聞くと、記録には無い話が出てきます。

道が細いので前日に停める場所を決めておく。午前中は学校の通学路になるので作業を始められない。特定の年代の家に共通する造りがあって、そこだけ手間がかかる。この種の話は、聞かないと出てきません。当人にとっては当たり前だからです。

聞き方にコツがあります。「何か書けることはないか」と聞いても出ません。「他の地域と違うところは」と比較の形で聞くと出ます。人は差分なら答えられます。

現地で拾うもの

時間が取れるなら、その地域を実際に歩きます。店舗型なら、駅から店までの経路を歩いて、目印になるものを書き留める。信号の数、坂の有無、途中の分かりにくい曲がり角。これを書いたページは、実際に来る人の役に立ちます。

出張型なら、その地域の建物の様子を見て回ります。建て売りが並ぶ新しい地区なのか、古い商店が残る通りなのか。この観察が、ページに書く前提条件を作ります。

公的な情報から拾うもの

自治体の公式サイトには、その地域固有の決まりが載っています。改修に関する制度、廃棄物の扱い、申請の窓口、道路の使用に関する手続き。業種によっては、これが顧客の関心事そのものになります。

拾うときは、必ず一次の情報に当たります。まとめサイトの記述をそのまま写すと、古い情報や誤りを引き継ぎます。制度は年度で変わるので、確認した時期も記録しておきます。

検索する人の言葉を拾う

Google Search Consoleを使うと、自社サイトが実際にどんな言葉で表示されているかが見えます。地名を含む検索語で絞り込むと、思ってもいなかった言葉が出てくることがあります。地名と組み合わされている条件の言葉に注目します。

これに加えて、検索窓に地名と業種を打ち込んだときに出てくる候補や、検索結果の下部に並ぶ関連の語も材料になります。それらは、同じ地域の人が実際に打ち込んでいる言葉です。

材料の出どころ そこから出てくるもの 集めるときの注意
作業日報と請求の記録 地域別の件数と案件の内容の分布 住所は町名までに丸めて扱う
現場に出る社員への聞き取り 記録に残らない道や建物や時間帯の事情 「他の地域と違うところは」と差分で聞く
実際に地域を歩く 経路の目印と地区ごとの建物の様子 写真を撮る場合は個人が写らない角度で
自治体の公式サイト 制度の名称と窓口と手続きの流れ 一次の情報に当たり確認した時期を記録する
Search Consoleの検索語 地名と組み合わされている条件の言葉 表示回数の少ない語も見落とさない

集めた材料を1か所に置く

地域ごとの材料は、集めた後の置き場所を決めておきます。決めていないと、聞き取りの紙が個人の手元に残り、書くときに揃いません。

形は表計算ソフトで足ります。地域名、日付、出来事、写真の場所、聞いた相手。この5列があれば、書くときにその地域の行だけ抜き出せます。次の地域のページを作るときにも、同じ形が使えます。

材料が足りているかの見分け方

書き始める前に、材料が足りているかを判定します。方法は簡単で、集めた材料から地名を抜いて読み返します。どの地域の話か分からないなら、材料が足りていません。

この判定は、書き上がった下書きにも使えます。地名を消して読んで、どの地域でも通る文章になっていたら、そのページは量産ページと同じです。書き直しの合図として、これ以上に分かりやすいものはありません。

タイトルと見出しでの地名の扱い

材料が揃ったら、置き方の話になります。地名をどこに置くかで、検索結果での見え方が変わります。ただし、置きすぎると逆に働きます。

タイトルの組み立て

タイトルには地名と業種を入れます。ここは外せません。加えて、そのページで扱う条件を1つ足すと、他社のページとの差が出ます。「◯◯市の外壁塗装」だけの会社が並ぶ中で、「◯◯市の外壁塗装 海沿いの塩害への対応」と書いてあれば、その条件を抱えた人には強く当たります。

やってはいけないのは、地名を複数並べることです。「◯◯市・△△市・□□市の外壁塗装」というタイトルは、どの地名についても中心的なページに見えません。1ページに1地名。これを守ります。

説明文の書き方

検索結果に出る説明文にも、地名と業種を入れます。ここでは、そのページを開くとどんな情報が得られるかを書きます。他のページの説明文を使い回すと、検索結果に同じ文章が並ぶことになります。

見出しに地名を入れる回数

見出しの階層の中で、地名が入るのは上位の見出しに1つか2つで足ります。すべての見出しに地名を入れると、文章として不自然になります。読んだ人が「わざと入れているな」と感じた時点で、そのページへの信頼は落ちます。

自然に地名が必要な見出しだけに入れます。「◯◯市での施工事例」「◯◯市からのご相談で多いこと」。これは中身に地名が必要な見出しなので、入っていて不自然になりません。

本文に地名を詰め込むと起きること

本文の中で地名を何度も繰り返す書き方は、以前は効果があるとされていました。いまは逆に働きます。同じ言葉が不自然な頻度で出てくる文章は、読みにくいというだけでなく、検索順位を上げる目的で書かれたものだと判定される材料になります。

目安を示すなら、地名は必要な場所にだけ書く。「当社は◯◯市で◯◯市のお客様に◯◯市ならではのサービスを」という文が出てきたら、書き直しの合図です。

ページの場所の決め方

ページの置き場所は、対応エリア一覧の下が素直です。地名の部分は、日本語をそのまま使うと機械が読める形へ変換されて長くなるので、読みやすい半角の英字に置き換えます。市の名前をローマ字にした短い形が扱いやすい。

後から場所を変えると、それまでに積んだ評価が途切れます。最初に決めた形を保つのが安全です。変える必要が出たときは、転送の設定を必ず入れます。

置く場所 入れるもの やってはいけないこと
ページのタイトル 地名と業種に加えて扱う条件を1つ 複数の地名を並べる
検索結果に出る説明文 そのページで得られる情報の要点 他のページの説明文を使い回す
上位の見出し 地名が必要な見出しにだけ入れる すべての見出しに地名を入れる
本文 文として自然に必要な回数だけ 同じ段落で地名を繰り返す
ページの場所 一覧ページの下に読みやすい英字で置く 公開後に場所を変えて転送を入れ忘れる

エリアページから問い合わせにつなげる

検索から人が来ても、そこで終わっては意味がありません。エリアページは、問い合わせの直前にいる人が読むページです。だから出口の設計は、通常の記事より重要になります。

最後に残る不安に答える

ページを最後まで読んだ人の頭には、まだ具体的な不安が残っています。しつこく営業されないか。見積もりだけで断れるか。すぐ来てほしいがいつ来られるか。作業中に家にいる必要があるか。

これらに答える一節をページの終わりに置きます。答えを書くだけで、問い合わせの前の躊躇が1段階減ります。書かないと、その不安を抱えたまま画面を閉じます。

問い合わせ先までの距離を縮める

読み終えた場所から、連絡の手段が見える状態にします。ページの一番下まで戻らないと電話番号が無い作りでは、そこで止まります。長いページなら、途中にも案内を置きます。

手段は複数用意します。電話がいい人と、文字で残したい人がいます。営業時間外に見ている人もいます。時間外でも受けられる手段があることを書いておくと、その場で動いてもらえます。

その地域向けの言葉で誘う

出口の文言も、地域に合わせられます。「◯◯市への出張は当日中に伺える日があります」「◯◯駅からお越しの際は事前にご連絡ください」。一般的な案内より、そのページを読んできた人に近い言葉になります。

フォームで聞くことを減らす

問い合わせの入力欄が多いと、そこで離脱します。最初の連絡で必要なのは、連絡先と、何に困っているかだけです。住所の詳細や希望の日時は、返信のやり取りの中で聞けます。

読み終えた人の状態 そこで起きていること 次にすること
断れるか不安で止まっている 見積もりの後に断れるか書いていない 見積もりだけで終えられることを明記する
いつ来られるか分からない 対応の時期に触れていない その地域への訪問の目安を書く
連絡先を探して戻っている ページが長く出口が最下部にしかない 本文の途中にも連絡の案内を置く
営業時間外に読んでいる 電話しか手段が無く翌日には忘れられる 時間外でも送れる手段を並べる
入力欄の多さで止まっている 最初の連絡に不要な項目まで必須にしている 連絡先と困りごとの2つに絞る

問い合わせの前に相手が確かめていること

地名で探してきた人は、問い合わせる直前にもう1段階の確認をします。この会社は実在するのか。ここに書いてあることは本当か。この確認に耐える材料が無いと、読み終えても連絡には至りません。

用意しておくものは決まっています。事務所の外観の写真、代表者の名前、設立の時期、許可や登録の番号、加入している保険。地図の枠に登録があるなら、そこへの案内も置きます。これらは会社概要のページにあるはずですが、エリアページからも1回で行ける場所に置きます。

断りやすさを書くと問い合わせが増える

問い合わせを止めているのは、多くの場合、費用への不安よりも、連絡した後に断りにくくなることへの不安です。一度話を聞いたら押し切られるのではないか。この警戒は、地域を絞って営業している会社に対してほど強く働きます。

だからページには、断ることができると書きます。見積もりだけで終えてよいこと。その後の連絡の頻度。断りの伝え方。ここまで書くと、問い合わせの敷居が明らかに下がります。問い合わせを増やすのは、押す言葉よりも退路を示す言葉です。

返信までの時間を書く

送った後にどのくらいで返事が来るかが分からないと、送る側は落ち着きません。営業日の何時までに送れば当日中に返せるか。土日はどうなるか。この情報を書くだけで、送った後の不安が消えます。

書いたら守ります。書いた時間を超える対応が続くと、そのページ全体の信頼が落ちます。守れる範囲で書きます。

その地域向けの受け方を用意する

地域によって、都合の良い連絡の手段が違うことがあります。高齢の方が多い地域なら電話の比率が高い。共働きの世帯が多い地区なら、夜間に文字で送れる手段が要る。工場や事業所が並ぶ地域なら、担当者の在席する時間帯が限られます。

この違いに合わせて、そのページでの案内の並べ方を変えます。電話を先に書くか、送信の窓口を先に書くか。順番を変えるだけの作業です。

問い合わせの後の流れを見せる

連絡した後に何が起きるかを、順を追って書きます。返事が来る、日程を決める、見に来る、見積もりが出る、返事をする。この流れが見えていると、最初の1歩が軽くなります。

特に、現地を見に来る工程があるなら、そこで何を見るか、どのくらい時間がかかるか、立ち会いが必要かを書きます。ここが分からないままだと、忙しい人ほど後回しにします。

問い合わせを止めている理由 読む人の頭にある言葉 ページに書くこと
実在するのか確かめられない ここに書いてあることは本当か 外観の写真と代表者名と許可の番号
断りにくくなるのが怖い 一度聞いたら押し切られるのではないか 見積もりだけで終えられることと連絡の頻度
返事が来るか分からない 送った後どのくらい待てばいいのか 返信までの目安の時間と休みの日の扱い
連絡しやすい手段が無い この時間に電話はかけられない その地域の生活に合う手段を先に置く
その後の流れが見えない 頼んだら何が始まるのか 連絡から見積もりまでの工程と所要時間

電話と文字の窓口を並べて置く

地域を絞って探している人の中には、その場で電話をかけたい人が一定数います。急な水漏れ、鍵の紛失、当日の予約。この人たちに文字での送信しか用意していないと、その時間だけ他社に流れます。

逆に、電話をかけるのに抵抗がある人もいます。話しながら決めるのが苦手な人、勤務中で電話に出られない人、内容を整理してから伝えたい人。この人たちには、文字で送れる窓口が要ります。

両方を並べて置き、それぞれに向く場面を短く書き添えます。「お急ぎの方はお電話で」「内容を整理してお送りいただく場合はこちらから」。この一言があるだけで、迷いが減ります。

受付時間の外に来た人を逃さない

検索は、営業時間の外にも行われます。夜、休日、早朝。この時間に読んだ人が、電話番号しか見つけられないと、翌日には忘れています。

時間外に送れる窓口を用意し、いつ返事が来るかを書いておきます。「翌営業日の午前中にご返信します」と書いてあれば、送った側は待てます。書いていないと、待っている間に別の会社に送ります。

その地域の人が使う手段に合わせる

連絡の手段の好みには、地域差と年代差があります。この判断は推測でせず、実際に来ている問い合わせの手段を数えます。電話が大半なら電話を目立たせる。文字での送信が多いなら、その窓口を上に置く。

数えると、思い込みとずれることがあります。高齢の方が多い地域だから電話だろうと考えていたら、家族が代わりに調べて送ってきていた、という例もあります。数えるのは1時間で終わります。

すでに量産してしまった場合の立て直し

読みながら、うちはもう作ってしまったと気づいた方もいるはずです。過去に制作会社に頼んで、対応エリアのページを数十枚入れてもらった。あるいは、社内で頑張って作った。この場合の手順を書きます。捨てる判断が要りますが、順序を守れば戻せます。

まず現状を数える

感覚で判断せず、数えます。Search Consoleの対象範囲の欄で、インデックスに入っていないページの数を見ます。次に、検索結果のレポートで、エリアページ群の表示回数と押された回数を1枚ずつ並べます。

この作業をすると、たいてい極端な分布が出ます。数枚だけが数字を持っていて、残りは表示回数がほぼゼロ。この分布そのものが、残すページと消すページの答えになっています。

残す枚数を決める

数字を持っているページを残します。加えて、数字は無くても書ける材料がある地域を残します。この2つの合計が、たいてい3枚から5枚に収まります。

残すと決めたページには、これから中身を足します。消すページが持っていた情報のうち使えるものは、残すページへ移します。地域が違えば移せない情報もありますが、事例や質問は移せることが多い。

消し方には手順がある

ページを消すときは、そのまま削除して終わりにしません。削除されたページに来た人が行き止まりに当たると、その経験が悪い評価になります。消すページから、対応エリア一覧ページまたは近い地域のページへ転送を設定します。

転送は、恒久的な移動を示す形式で設定します。この設定がされていないと、検索エンジンは元のページを長く探し続けます。設定した後、Search Consoleで対象範囲の欄を見て、消したページが順に処理されていくのを確認します。

戻るまでの時間

この作業の効果はすぐには出ません。消したページが検索エンジンの記録から抜けるまでに数週間から数か月かかります。その間に、残したページへの追記を進めます。

やってはいけないのは、途中で不安になって元に戻すことです。消して、追記して、待つ。この順序を最後まで通します。

制作会社に頼んで作られている場合

外部に作ってもらったページ群を消す判断は、社内でも説明が要ります。説明の材料は数字です。表示回数がゼロのページが何枚あるか。その枚数を示せば、消す判断への合意は取りやすくなります。

同時に、今後の作り方も決め直します。地域ごとの材料を社内で集めて渡す形にすれば、外部に頼んでも中身のあるページになります。材料を渡さずに枚数だけ発注すると、また同じものが出てきます。

いまの状態 起きていること 次にすること
数十枚のエリアページがある 大半が表示回数を得ていない 1枚ずつ数字を並べて残す枚数を決める
残す枚数を決めた 消すページの情報が失われかけている 使える事例と質問を残すページへ移す
ページを削除した 来た人が行き止まりに当たっている 一覧ページへの転送を恒久的な形式で設定する
転送を設定した 処理が終わるまで数週間から数か月かかる 待つ間に残したページへ追記を進める
外部に作ってもらっている 材料を渡さず枚数だけ発注していた 地域ごとの材料を社内で集めて渡す形に変える

一覧ページの中身も作り直す

個別ページを整理するときに、対応エリア一覧ページも一緒に見直します。整理の後は、この一覧が範囲を示す唯一の場所になるからです。

見直すのは3点です。実際に対応できる地域だけになっているか。個別ページのある地域にリンクが張られているか。範囲の外から相談が来た場合の案内が書かれているか。3番目は見落とされがちですが、範囲外の人にも次の行き先を示すと、印象が残ります。

過去のページに来ていた人を取りこぼさない

消したページにも、わずかながら来ていた人がいます。転送を設定すれば行き先は確保できますが、それだけだと、探していた地域の情報にはたどり着けません。

転送先を一覧ページにしておくと、そこから自分の地域を選び直せます。近い地域の個別ページへ転送する手もありますが、地域が違うと混乱を招きます。迷ったら一覧ページへ送ります。

整理の途中で新規を作らない

整理と新規制作を同時に進めると、何が効いたのか分からなくなります。消しながら作ると、数字の動きの原因が2つ重なるからです。

順序は、消す、待つ、作るの3段階にします。消した影響が落ち着いてから、次の1枚に取りかかります。焦って同時に進めた結果、判断材料を失った例を何度も見ています。

社内への説明のしかた

数十枚を消す判断は、作った当時の関係者にとっては受け入れにくい話です。説明には数字を使います。表示回数がゼロのページの枚数、インデックスに入っていないページの枚数、残す予定の枚数。

合わせて、消した後にやることも示します。消して終わりだと、後退のように見えます。残すページを厚くする計画まで含めて出すと、前に進む話として伝わります。

整理の段階 やること やってはいけないこと
現状を数える 1枚ずつ表示回数とインデックスの状況を見る 感覚で残す枚数を決める
残す枚数を決める 数字のあるページと材料のある地域を残す 作った経緯を理由に残す
情報を移す 使える事例と質問を残すページへ移す 移す前に削除してしまう
削除して転送する 一覧ページへ恒久的な形式で転送する 転送を設定せず行き止まりにする
待つ 残したページへの追記だけを進める 同時に新しいページを作り始める

公開した後に何を見て判断するか

作って終わりにすると、次の判断ができません。何を見るかを先に決めておきます。見る指標を絞るのが要点で、多くの数字を並べると判断が鈍ります。

最初に見るのは表示回数

公開して最初に動くのは表示回数です。Search Consoleの検索結果のレポートで、そのページを指定して見ます。表示回数がゼロのままなら、そもそも検索結果に出ていません。この場合はインデックスの状況を確認します。

表示回数が出ているのに押されていないなら、検索結果での見え方に問題があります。タイトルと説明文を見直します。表示回数も押された回数もあるのに問い合わせが無いなら、ページの中身か出口の問題です。どこで止まっているかで、直す場所が変わります。

どの検索語で出ているかを見る

表示回数の内訳を検索語で見ると、想定と違う語で出ていることがあります。狙った「地名+業種」から外れて、地域の一般的な語で出ている。この場合、ページの主題が地域の紹介に寄っているという合図です。

逆に、想定していなかった条件の語で出ていたら、それは需要の発見です。その条件についての記述をページに足します。ページを増やさずに、既存のページを厚くする材料になります。

判断までの期間を決めておく

公開から数週間で判断すると、必ず間違えます。検索結果での位置が定まるまでに時間がかかるからです。判断は数か月後と決めておき、それまでは追記だけを続けます。

期間を先に決めておく理由は、途中で焦らないためです。決めていないと、2週間で数字が動かないことに耐えられず、量産に走ります。

直す順番

直す場所が複数見つかったときは、順番を決めます。まずインデックスの問題。次にタイトルと説明文。次に本文の中身。最後に出口の設計。上流から直さないと、下流を直しても効きません。

問い合わせをページ単位で追う

最終的に見るのは問い合わせの件数です。ここを追うには、どのページを経由して問い合わせに至ったかが分かる状態にしておく必要があります。フォームに「どこでお知りになりましたか」という項目を足す形でも、簡易には追えます。

いま見えている数字 そこから分かること 次にすること
表示回数がゼロのまま 検索結果にそもそも出ていない インデックスの登録状況を確認する
表示回数はあるが押されない 検索結果での見え方に問題がある タイトルと説明文を書き直す
押されているが問い合わせが無い ページの中身か出口に問題がある 最後に残る不安への回答を書き足す
想定と違う検索語で出ている ページの主題が地域の紹介に寄っている 一般的な紹介文を削り事例を厚くする
想定外の条件の語で出ている 気づいていなかった需要がある その条件についての記述を既存ページに足す

順位を毎日見ない

検索での位置は日々動きます。毎日見ていると、動くたびに何かしたくなります。この衝動が、余計な修正と量産を呼びます。

見るのは週に一度、判断するのは数か月に一度。この頻度に決めておくと、無駄な手当てが減ります。見る指標も、順位よりも表示回数と押された回数のほうが安定していて判断に使えます。

直したら記録を残す

ページに手を入れたら、いつ何を直したかを残します。残していないと、数字が動いたときに何が効いたのか分かりません。分からないと、次の地域のページに学びを持ち込めません。

記録の形は簡単で構いません。日付と、直した箇所と、狙いを1行ずつ。これだけで、3枚目を作るころには自社なりの型ができます。

効かなかったときの判断

数か月見て、表示回数が伸びない場合があります。この場合に考えるべきは、そもそもその地名で探している人が少ないという可能性です。地域によっては、検索の総量が小さい。

総量が小さいなら、そのページで問い合わせを取るのは難しい。判断は、次の地域へ移るか、その地域を別の手段で攻めるかです。ページを厚くしても、探している人がいなければ結果は変わりません。ここを見誤ると、直し続けて時間を失います。

統合するか削除するか

反応の弱いページを整理するとき、削除する以外に統合という手があります。近い地域のページ2枚を1枚にまとめ、両方の事例を載せる。市の単位で2枚あったものを、地域圏の単位で1枚にする形です。

統合すると、情報が集まって1枚が厚くなります。削除より情報が失われません。どちらを選ぶかは、まとめたときに文章として自然になるかで決めます。無理にまとめると、主題の定まらないページになります。

数か月後の状態 そこから読み取れること 次にすること
表示回数が伸びている 方向は合っている 同じ作り方で条件の違う地域へ進む
表示回数が伸びない その地名で探している人が少ない可能性がある 検索の総量を確かめて別の地域へ移る
押された回数だけ低い 検索結果での見え方に問題がある タイトルと説明文を書き直す
近い地域のページが2枚とも弱い 情報が2枚に分散している 1枚に統合して事例をまとめる
何を直したか思い出せない 学びが次の地域へ持ち込めない 日付と直した箇所と狙いを1行で残す

業種別に見た1枚目の作り方

ここまでの考え方を、いくつかの業種に当てはめてみます。自社と近い型を探して、そのまま設計の下敷きにしてください。

現地に出向く工事や修理

外壁塗装、屋根、水回り、電気工事。この型の1枚目は、施工件数の最も多い市を選びます。ページの中心に置くのは、その市での施工事例です。築年数、建物の種類、頼まれた内容、実際にかかった日数。ここまで書くと、同じような家に住む人が自分に当てはめられます。

合わせて、その市の建物の傾向に触れます。造成された時期が近い地区なら、傷みの出方に共通点があります。この観察を書けるのは、その市で何件もやっている会社だけです。

通ってもらう店舗

美容室、整体院、学習塾、歯科。この型の1枚目は、来店客の最寄り駅で最も多いところを選びます。市の名前を選びたくなりますが、通う側の感覚は駅で区切られています。

ページの中心は、経路の説明と、その駅の利用者に特有の事情です。乗り換えのついでに寄れる時間帯があるか。学校帰りに通える時間に開いているか。駐輪場はどこにあるか。この情報は地図の枠には載せきれません。

士業

相続、労務、許認可。この型の1枚目は、拠点の市よりも、依頼が多くて管轄が分かれている地域を選ぶ手があります。手続きの窓口が拠点と違う地域は、その説明だけで固有の内容になります。

ページの中心は、その地域で扱った案件の型です。個人が特定されない粒度に丸めて、どういう相談が多く、どこで時間がかかったかを書きます。相談する側は、自分の状況に似た話を探しています。

飲食店

飲食店は地図の枠の影響が大きく、エリアページの効き方は他の業種より限定されます。それでも、団体での利用や、記念日の利用のように、条件が付く探し方には効きます。「地名+業種」よりも「地名+条件」で作るほうが当たります。

製造業や卸

BtoBのこの型は、地名の効き方が業種によって大きく分かれます。まず、既存の取引先の所在地を数えます。特定の工業団地や特定の市に集まっているなら、そこに1枚作る価値があります。分散しているなら、地名ページよりも技術や課題を主題にしたページのほうが効きます。

業種の型 1枚目に選ぶ地名 ページの中心に置くもの
現地に出向く工事や修理 施工件数の最も多い市区町村 築年数と建物の種類まで書いた施工事例
通ってもらう店舗 来店客の最寄り駅で最も多い駅 経路の説明とその駅の利用者に特有の事情
士業や相談業 依頼が多く管轄が拠点と分かれる地域 窓口の違いとその地域で扱った案件の型
飲食店 地名に条件を組み合わせた形 団体や記念日など条件に応じた受け方
製造業や卸 既存の取引先が集まっている地域 その地域の企業から受けている依頼の内容

不動産と住まいに関わる業種

不動産は、地名との結び付きが最も強い領域です。同時に、大手の情報サイトが検索結果を占めている領域でもあります。市の名前だけで正面から戦うのは現実的ではありません。

入り口は、条件を絞った形になります。特定の地区の住環境、通学区の事情、坂の多さ、買い物の便、駐車場の事情。地元で長く商売をしていないと書けない話が、この領域には大量にあります。1枚目は、最も詳しい地区を選び、そこを深く書きます。

介護や訪問系のサービス

訪問介護、訪問看護、家事代行。この型は、対応できる範囲が移動時間で厳密に決まります。だから対応範囲の明示が、そのまま最も重要な情報になります。

加えて、この領域では制度の話が判断材料になります。地域包括支援センターの場所、申請の窓口、自治体ごとの独自の支援。これは市区町村で違うので、書き分けが自然に成立します。相談する側は、制度に詳しい相手を探しています。

教育と習い事

学習塾や教室は、通学の範囲で決まります。駅と学区の両方が判断材料になり、どちらを主題にするかは客層で変わります。中学生が中心なら学区、社会人が中心なら駅です。

この領域で書ける固有の情報は、地域の学校の事情です。どの学校の生徒が多いか、その学校の進度や行事の時期、受験の傾向。ここに触れられると、同じ地域の保護者に強く当たります。

車と機械に関わる業種

整備工場、板金、農機具の修理。この型は、来てもらう形と出向く形の両方があります。ページには両方を書きます。持ち込みの場合の場所と時間、引き取りに伺える範囲。

地域固有の情報としては、その地域で多い車種や機械の傾向が使えます。雪の多い地域、農業が盛んな地域、坂の多い地域。使われ方が違えば、傷み方も違います。

業種の型 その地域でしか書けないもの 1枚目の選び方
不動産と住まい 地区ごとの住環境と通学区や買い物の事情 最も詳しい地区を1つ選んで深く書く
介護や訪問のサービス 自治体ごとの制度と相談の窓口 移動時間で確実に対応できる範囲から
教育と習い事 地域の学校の事情と受験の傾向 客層に応じて学区か駅かを決める
車と機械の整備 その地域で多い車種と使われ方による傷み方 引き取りに伺える範囲の中で件数の多い地域
清掃や害虫の駆除 建物の年代や周辺の環境による発生の傾向 同じ相談が繰り返し来ている地域

よくある失敗

相談を受ける中で繰り返し出会う失敗を並べます。どれも、悪気があって起きているものではありません。

型を作ってから地域を埋める

最初に文章の型を作り、後から地域ごとの情報を埋めていく手順は、量産に直結します。型が先にあると、型に収まる情報しか探さなくなるからです。

順序を逆にします。地域の材料を先に集め、集まった材料の形に合わせてページを組む。地域によってページの構成が違っていて構いません。むしろ違うほうが自然です。

一度に全部作ろうとする

予算を取って一度に作ると、後から直す余地が無くなります。1枚作って、反応を見て、次を作る。この進め方だと、2枚目は1枚目の学びを反映できます。時間はかかりますが、無駄が出ません。

作った後に触らない

公開して数か月放置されているエリアページをよく見ます。事例が1件のまま、写真も当時のまま。地域の情報は増え続けているのに、ページだけが止まっています。

新しい施工が終わるたびに、該当する地域のページへ1行足す。この習慣があるだけで、ページは毎月厚くなります。作業としては数分です。

他社のページを見て真似る

同業のエリアページを見て構成を真似ると、その会社が量産していた場合に、量産の型ごと引き継ぐことになります。上位に出ている理由が、そのページの構成にあるとは限りません。サイト全体の力で出ていることのほうが多い。

地名を入れれば上がると考える

地名を入れることは、検索に当たるための最低条件であって、上位に出る理由ではありません。上位に出る理由は、そのページが検索した人の用を足すことです。ここを取り違えると、地名を増やす方向に努力が向かいます。

対応できない地域まで広げる

集客のために対応範囲を広く見せると、来た問い合わせを断ることになります。断る手間が増えるだけでなく、断られた人の印象も残ります。範囲は実際に対応できるところまでにします。

やってしまいがちなこと そこで起きること 代わりにすること
文章の型を先に作る 型に収まる情報しか探さなくなる 地域の材料を集めてから構成を決める
予算を取って一度に全部作る 学びを次に反映する余地が無くなる 1枚作り反応を見てから次に進む
公開後に触らない 情報が増えているのにページだけ止まる 施工が終わるたびに該当ページへ1行足す
同業のページの構成を真似る 量産の型ごと引き継いでしまう 自社の材料から構成を組み立てる
対応できない地域まで載せる 断る手間が増え印象も残る 実際に対応できる範囲まで絞る

地名を含む別のドメインを取る

地域ごとに別のドメインを取って、それぞれにサイトを作る手を勧められることがあります。中小企業がこれを選ぶ理由は、ほとんど見つかりません。

理由は3つあります。1つ目は、それぞれのサイトが評価をゼロから積むことになり、時間がかかること。2つ目は、更新の手間が数倍になり、結局どのサイトも止まること。3つ目は、社名で検索したときに自社のサイトが複数並び、どれが本物か分からない状態になることです。

1つのサイトの中に階層を作って地域ページを置く形が、手間も結果も勝ります。

地名を大量に並べたページを1枚だけ作る

ページの下のほうに、対応地域の町名を何百も並べる作りを見かけます。これは量産の圧縮版で、判定のされ方も同じです。並べた地名のどれについても、そのページは中心的な内容を持っていません。

対応範囲を示したいなら、市区町村の単位で十分です。町名まで並べる必要はありません。

実績が無い地域を先に押さえる

これから伸ばしたい地域のページを先に作っておく、という発想があります。順序が逆です。実績が無い地域では書ける中身がなく、薄いページを1枚増やすだけになります。

伸ばしたい地域があるなら、まずそこで1件仕事を取ります。取り方はページ以外にもあります。1件終われば、書ける材料ができます。

近隣の同業と同じ構成にする

同じ地域の同業を見て、似た構成のページを作ると、読む人にとって選ぶ理由が消えます。地域が同じで、書いてあることも同じなら、判断材料は残りません。

同業を見るなら、書いていないことを探すために見ます。全員が書いていない話を1つ見つけて、そこを厚くする。同じ地域だからこそ、差は中身でしか作れません。

勧められることがある手 実際に起きること 代わりにすること
地域ごとに別のドメインを取る 評価がゼロから積み直しになり更新も止まる 1つのサイトの階層に地域ページを置く
町名を何百も並べたページを作る 量産の圧縮版として同じ判定を受ける 市区町村の単位までで対応範囲を示す
これから伸ばす地域を先に作る 書ける中身が無く薄いページが1枚増える 先に1件仕事を取ってから作る
同業と似た構成にする 読む人にとって選ぶ理由が消える 全員が書いていない話を1つ見つけて厚くする
地名を本文に繰り返し入れる 読みにくく順位を狙った文章だと判定される 文として自然に必要な回数だけにする

担当者が代わって作り方が引き継がれない

エリアページは、作るときよりも続けるときに人の問題が出ます。担当者が代わると、なぜその地域を選んだのか、なぜ枚数を止めたのかが分からなくなる。分からないまま引き継ぐと、次の担当者は枚数を増やす方向に動きます。

残しておくのは、選んだ地域とその理由、止めた枚数とその理由、材料の置き場所の3点です。この3点を1枚の紙にしておけば、引き継ぎで方針が壊れません。書くのに30分もかかりません。

成果が出るまで待てずに手段を増やす

数か月待つ間に、別の手段を並行して始めたくなります。始めること自体は構いませんが、同時に始めると、後でどれが効いたのか分からなくなります。

並行するなら、始めた日を記録しておきます。記録があれば、後から分けて考えられます。記録が無いと、効いていない手段にも費用を払い続けることになります。

よくある質問

対応エリアが20市あります。20枚作ってはいけませんか

20市それぞれについて、そこでしか書けない内容を持っているなら作れます。実際には、20市すべてで実績が積み上がっている会社は多くありません。実績のある地域から順に作り、材料が尽きた時点で止めるのが現実的です。残りの地域は対応エリア一覧に名前を載せておけば、範囲の確認には足ります。

拠点の無い地域のページを作ってもよいですか

その地域で実際に仕事をしているなら作れます。仕事をしていない地域のページは、書ける中身がありません。地図の枠については、拠点が無い地域では登録できないため、通常の検索結果の側で戦うことになります。

すでに作ったページを消すと順位が下がりませんか

表示回数を得ていないページを消しても、失うものはありません。むしろ、薄いページが減ることで、残したページに力が集まります。消すときは、来た人が行き止まりに当たらないよう、一覧ページへの転送を設定します。

エリアページと地図の枠は、どちらを先にやるべきですか

拠点のある地域なら、地図の枠の情報を整えるほうが早く結果が出ます。登録内容を埋め、写真を足し、営業時間を正しくする。ここは数日で終わります。エリアページは、そのうえで時間をかけて作ります。拠点の無い地域を狙うなら、エリアページから始めます。

地域の紹介文はどのくらい入れてよいですか

入れなくて構いません。市の人口や歴史や名所は、その地域に住む人が最もよく知っています。読む人にとって新しい情報が1つも無い文章は、字数を埋めているだけだと判断されます。その分量を、自社がその地域でやった仕事の話に使います。

まとめ

「地名+業種」で探している人は、依頼先を決める直前にいます。この検索に自社のページが1枚も当たっていない状態は、最も問い合わせに近い人を取りこぼしている状態です。

だからといって、地名を入れ替えたページを量産する手は取れません。それは検索エンジンが最も長く対策してきた種類の行為で、量産したページが消えるだけでなく、力を入れた他のページまで薄めます。

解き方は、枚数を絞って中身を厚くすることです。判定は1つの問いで足ります。そのページを読んだ人が、他のどのページからも得られない情報を持ち帰れるか。持ち帰れるページなら何枚あっても問題は起きず、持ち帰れないページは1枚でも同じ扱いを受けます。

現実には、書き分けられる材料の量が枚数の上限を決めます。多くの中小企業では3枚から5枚に収まります。順番は、実測で依頼の最も多い地域から。次は条件の違う地域へ。材料が尽きたら止めて、既存のページを育てる側に回ります。

地図の枠とエリアページは、別の枠を取りに行く別の施策です。拠点のある地域では地図の枠を先に整えるほうが早く、拠点の無い地域ではエリアページだけが手段になります。両方を持つと、検索結果で自社が占める面積が増えます。

今日できる点検

読み終えたその日に、10分から30分でできることを並べます。上から順に手を付けてください。

点検すること 見つかったら かかる時間
自社サイトを「地名 業種」で検索し自社が出るか確かめる 出ないなら地名を主題にしたページが必要な状態 5分
過去1年の問い合わせを住所で並べ地域ごとに数える 最も多い地域が1枚目に作るべき地域 30分
既存のエリアページの表示回数をSearch Consoleで1枚ずつ見る ゼロが並んでいるなら残す枚数を決め直す 15分
エリアページの下書きから地名を消して読み返す どの地域の話か分からないなら中身が足りていない 10分
対応エリア一覧に対応できない地名が入っていないか見る 入っていたら削って範囲を実態に合わせる 10分
現場に出る社員に「他の地域と違うところ」を1人ずつ聞く 出てきた話がそのままページの材料になる 20分

何から手を付けるか迷っている場合は、集客の手法を増やす前に確かめる1つのこともあわせてご覧ください。

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