ホームページにアクセス解析を入れました。管理画面を開くと、数字がたくさん並んでいます。ユーザー、セッション、表示回数、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間。
それで、どこを見ればいいのか。
この状態で止まっている経営者は、かなりの数います。入れたのに開かなくなった、あるいは開いても「今月は先月より少し多い」で終わっている。アクセス解析が役に立たないのではなく、見る数字を決めていないだけです。
この記事では、アクセス解析で何が分かって何が分からないのかを線引きし、最初に見る3つの数字を決め、読み間違えやすい場所を先に外します。個人が特定できるのか、地域はどこまで分かるのか、無料でどこまでできるのかにも答えます。
結論:見る数字は3つで足ります
アクセス解析の画面には、数十の指標が並んでいます。そのうち、ホームページから問い合わせや予約を増やしたい会社が見るべきものは3つです。
| 順 | 見る数字 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 1 | 検索から来た人の数 | 知らない人に届いているか |
| 2 | その人が、どのページに着地したか | どの記事が入口になっているか |
| 3 | 問い合わせや予約に、何人が進んだか | 届いた人が、次の一歩に進んでいるか |
残りは、この3つを説明するための数字です。最初から全部を見ようとすると、どれも読めないまま終わります。
3番から作ってください
順番として、3番の計測を先に作ります。1番と2番が増えたかどうかを言えるのは、ここが動いてからです。
そして、3番の計測が入っていない会社は、思っているより多くあります。入っていないことに気づくまでに、半年かかることがあります。数字が0のとき、起きていないのか、記録されていないのかが、画面からは区別できないからです。
アクセス解析とは何か。1文で言うと
ホームページに来た人が、どこから来て、どのページを見て、何をして帰ったかを記録する仕組みです。
やっていることは単純で、ページの中に小さな記録用のプログラムを1つ置いておき、そのページが開かれるたびに「開かれた」という記録を送っています。ボタンが押されたときや、フォームが送信されたときにも、同じように記録を送れます。
だから、置いていないページは記録されません
ここが最初のつまずきです。記録用のプログラムが動くのは、置いたページの中だけになります。
予約のページだけが別のサービスにある、問い合わせフォームだけが外部のサービスを使っている。この場合、そこで起きたことは記録の外に落ちます。「予約が0件」という表示は、予約が無かったことの証明になりません。
どこまで分かって、どこから先は分からないのか
いちばん多い誤解がここにあるので、先に線を引きます。
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| 何人が来たか(おおよその数) | その人が誰か(氏名、会社名、連絡先) |
| どこから来たか(検索、SNS、直接など) | 検索で打ち込んだ言葉の全部 |
| どのページを、どの順に見たか | 画面の前で何を考えていたか |
| スマートフォンか、パソコンか | 使っている人の年齢や性別(推定はあるが実測ではない) |
| おおよその地域(市区町村まで) | 正確な住所 |
| どのボタンが押されたか(設定すれば) | 設定していない行動 |
右の列を期待して導入すると、必ず失望します。アクセス解析は、集団の傾向を数えるための道具です。人を特定する用途からは外れます。
個人は特定できるのか
「どこの会社の誰が見に来たか分かる」と聞いたことがあるかもしれません。ここを正確に整理します。
標準のアクセス解析では、特定できません
一般的なアクセス解析の仕組みは、個人を識別する情報を集めない設計になっています。氏名もメールアドレスも電話番号も、記録の外です。
記録されるのは、ブラウザに割り当てられた区別のための番号だけです。この番号で分かるのは、同じ人が2回来たときに「同じブラウザだ」ということまでになります。
法人名が分かる仕組みは、別のものです
「どの会社から見に来たか分かる」というサービスは存在します。これは、企業が使っている回線に割り当てられた番号を、企業名の一覧と照らし合わせる仕組みです。標準のアクセス解析とは別のサービスになります。
ただし、当たるのは大きな会社の回線を使っている場合に限られます。自宅から、スマートフォンから、小さな会社からの閲覧は、ほぼ範囲の外です。
個人情報を自分から入れてしまう事故に注意してください
ここは実際に起きます。問い合わせフォームを送信したあとの完了ページに、入力された名前やメールアドレスがそのまま表示される作りになっていることがあります。
この場合、その文字列がアクセス解析にも記録されます。集めない設計になっているはずの場所に、自分から個人情報を送り込むことになります。
確かめ方は簡単です。テストで問い合わせを送信し、完了ページのアドレス欄を見てください。そこに入力した内容が入っていたら、作りを直す必要があります。
同意の取り方についても、決めておいてください
日本では、個人関連情報の第三者提供にあたる場面や、外部送信について利用者に知らせる義務が定められています。海外からの訪問がある場合は、その地域の規定も関係します。
実務としては、プライバシーポリシーに「アクセス解析を使っていること」「何を記録しているか」「拒否する方法」を書いておくのが最低限の形です。難しく考えず、まず書いてあるかどうかを確かめてください。
地域は、どこまで分かるのか
市区町村までは、おおよそ分かります。ただし、精度は思っているより低いものです。
回線の場所であって、その人の場所ではありません
地域の判定は、接続に使われた回線の情報から推測しています。だから、次のようなずれが起きます。
- 携帯回線の場合、基地局や通信事業者の設備がある場所として記録されることがある
- 会社から見た場合、本社所在地として記録されることがある
- 一部の通信サービスを使っている場合、まったく別の都市になる
市区町村の数字を、そのまま商圏の分析に使わないでください。都道府県の単位で傾向を見る程度が、実用の範囲です。
それでも使える場面が1つあります
店舗や事務所のある地域から、実際に人が来ているかどうかの確認には使えます。全国から少しずつ来ていて、地元からはほとんど来ていない。この形が見えたら、書いている内容が地元向けになっていないということです。
無料でできるのか
できます。多くの会社にとって、無料の範囲で足ります。
| 無料でできること | 費用がかかる場面 | |
|---|---|---|
| 訪問数と流入元 | すべて | — |
| ページごとの閲覧 | すべて | — |
| 問い合わせや予約の計測 | 設定すればできる | 設定を外注する場合 |
| 検索された言葉 | 別の無料ツールで見る | — |
| 画面の見られ方の記録 | 無料の範囲があるサービスが多い | 記録の件数が多い場合 |
| 数年前まで遡った比較 | 保存期間に上限がある | 長期保存が要る場合 |
費用がかかりやすいのは、設定を人に頼む部分です。道具は無料で、手間に費用がかかります。ここを取り違えて「有料版にすれば分かるようになる」と考えると、お金だけが出ていきます。
入れる前に、何を数えるかを決めてください
ここを飛ばすと、あとで必ずやり直しになります。
数えるものは、多くて4つです
- 問い合わせフォームの送信が完了した
- 予約ページのボタンが押された
- 電話番号がタップされた(スマートフォンの場合)
- 資料や案内の申し込みが完了した
この4つのうち、自社にあるものを選びます。売上に近い順に並べて、いちばん近いものを1つ目にします。
「見られた」を数えないでください
よくあるのが、問い合わせページが表示された回数を成果として数える形です。表示された時点では、まだ何も起きていません。
数えるのは、送信が完了したことです。この2つの差が、そのまま「フォームで止まっている人の数」になります。ここを分けて数えていると、フォームに問題があるかどうかも同時に分かります。
画面に並ぶ言葉の意味を、対応表にします
数字が読めない原因の半分は、言葉の意味が分からないことにあります。よく出るものだけ並べます。
| 画面の言葉 | 意味 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ユーザー | 来た人の数(ブラウザの単位) | 同じ人がスマートフォンとパソコンで来ると2人になる |
| セッション | 1回の訪問。30分の無操作で区切られる | 1人が3日連続で来れば3になる |
| 表示回数 | ページが開かれた回数 | 同じ人が同じページを2回開けば2 |
| エンゲージメント率 | 10秒以上見た、2ページ以上見た、何かが起きた訪問の割合 | 1ページで用が足りた訪問も、低い側に入る |
| 平均エンゲージメント時間 | 画面が手前に表示されていた時間の平均 | 最後のページの時間は正確に測れない |
| 直帰 | 1ページだけ見て帰ること | 目的が果たされた場合も同じ形になる |
| 参照元 | どこから来たか | 生成AIからの訪問は、まとめて別扱いになることがある |
| ランディングページ | その訪問で最初に開かれたページ | これが入口。閲覧数の上位とは別物 |
| コンバージョン | 数えると決めた行動が起きたこと | 設定しなければ、永久に0のまま |
ユーザーとセッションの違いだけ、押さえてください
この2つを混ぜると、数字が急に増えたり減ったりして見えます。
人の数を知りたいならユーザー、訪れた回数を知りたいならセッションです。去年と比べるときは、どちらか一方に決めて、ずっとそれで比べてください。比較が成り立つのは、基準をそろえた場合だけです。
コンバージョンは、自分で決めるものです
「何が起きたら成果とするか」を自分で決めて、設定して、初めて数え始まる数字です。
ここを知らないまま「コンバージョン0」の画面を見続けている会社が、実際にあります。0なのではなく、まだ何も数えていない状態です。
道具は3種類あり、役割が分かれています
「アクセス解析ツール」と一括りにされますが、性質の違うものが3つあります。役割を混同すると、同じことを2つの道具で見ようとして混乱します。
| 種類 | 分かること | いつ使うか |
|---|---|---|
| 訪問を数えるもの | 何人が、どこから来て、何をしたか | 常に。これが土台 |
| 検索側のもの | どんな言葉で表示され、何回押されたか | 記事を書く前と、順位を確かめるとき |
| 画面の動きを記録するもの | どこまで読まれたか、どこが押されたか | 特定のページを直すとき |
3つ目は、必要になってから入れてください
画面の動きを記録する道具は、見ていて面白いものです。人がどこで止まったか、どこを押そうとしたかが分かります。
ただ、これは「どのページを直すか」が決まってから使う道具です。決まっていない段階で入れると、記録を眺めるだけで時間が過ぎます。1つ目と2つ目で直す場所を決めてから、3つ目を開いてください。
2つ目を飛ばさないでください
いちばん多い抜けが、検索側のツールを登録していないことです。無料で、登録は10分ほどで終わります。
「順位が取れていないのか、表示はされているのに押されていないのか」を切り分けられるのは、ここを登録してからです。訪問を数える道具が見ているのは、来た人のことだけになります。
入れ方の手順
まだ入れていない場合の手順です。作業としては、記録用のプログラムを全ページに置くだけです。
置き方は、3つあります
| 方法 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| サイトを作るサービスの設定欄に入れる | その機能がある場合 | いちばん簡単。まずここを探す |
| タグを管理する仕組みを経由する | 数えたいものが複数ある場合 | 後から足すのが楽になる |
| ページの元になるファイルに直接書く | 他の方法が使えない場合 | 更新のときに消えることがある |
2つ目を選ぶと、あとで「電話番号のタップも数えたい」となったときに、サイトを触らずに足せます。数えるものが1つだけなら、1つ目で足ります。
入れたあと、必ず自分で確かめてください
入れた直後に、自分のスマートフォンからサイトを開きます。管理画面の「いま見ている人」の欄に、自分が出てくれば動いています。
そして、問い合わせフォームにテストで1件送ります。翌日、数が1増えていることを確かめます。数字を信じてよいのは、この2つを確かめたあとです。
自分と社員の閲覧を、除いておいてください
会社の回線からの閲覧を除外する設定があります。入れておかないと、社内の人がサイトを開くたびに数字が増えます。
訪問数が少ないうちは、この影響が大きく出ます。月100件の訪問のうち30件が社内からだった、ということが実際に起きます。
着地ページの一覧を見て、何を直すか
数字が読めるようになったら、最初にやる作業がこれです。
手順
- 検索から来た人が最初に開いたページを、上位10件出す
- その10件を、実際に自分で開く
- それぞれのページに、次の一歩への案内があるかを見る
- 無いページに、案内を1つ足す
これだけです。新しい記事を書くより、いま来ている人に案内を出すほうが先です。入口になっているページに案内が無い状態は、扉を開けたまま誰も迎えに出ていないのと同じです。
案内は、そのページの内容に合わせてください
全ページに同じ案内を貼る形は、あまり効きません。読んでいる内容と、案内の中身がつながっている必要があります。
費用について調べている人が読むページには費用の相談へ、やり方を調べている人が読むページには手順の資料へ。読んでいたことの続きになっているかどうかで、押される率が変わります。
直したら、3か月は触らないでください
変更の効果が数字に出るまで、時間がかかります。数が少ないうちは特にそうです。
1週間ごとに直していると、何が効いたのかを言えないまま時間が過ぎます。直したら日付を記録して、3か月後に比べてください。
最初に見る3つの数字を、どう読むか
1つ目:検索から来た人の数
流入元の一覧で、検索にあたる区分を見ます。ここが、知らない人に届いている量です。
合計の訪問数を見ないでください。合計には、自分と社員の閲覧、取引先の閲覧、機械による巡回が混ざっています。これらが増えても、売上は動きません。
見るのは検索からの数と、その推移です。先月と今月ではなく、去年の同じ月と比べてください。多くの業種で、月ごとの上下は季節によるものだからです。
2つ目:どのページに着地したか
検索から来た人が、最初に開いたページの一覧です。ここに何が並ぶかで、いま何が入口になっているかが分かります。
トップページばかりが並んでいる場合は、社名や店名で検索されている状態です。来ているのは、すでに知っている人だけになります。
記事のページが並んでいたら、そこが入口です。その記事に、次の一歩への案内が入っているかを確かめてください。入口になっているページに案内が無いのは、いちばんもったいない状態です。
3つ目:問い合わせや予約に、何人が進んだか
先に決めた4つのうち、実際に起きた回数です。
ここが1桁のあいだは、率で考えないでください。3件が2件になっても、その月がそうだっただけです。率の変動が意味を持つのは、母数が増えてからです。
読み間違えやすい場所を、先に外します
閲覧数が多いページが、良いページとは限りません
閲覧数の上位に、会社概要や採用情報が並ぶことがあります。これは、すでに来ることを決めた人が確認のために開いているページです。
数が多いから強化しよう、と考えないでください。見るべきは、検索から最初に開かれたページのほうです。
平均の滞在時間は、そのまま読めません
最後に開いたページの滞在時間は、正確に測れない仕組みになっています。ページを閉じた時刻を記録できないためです。
だから、1ページだけ見て帰った人の滞在時間は、記録上ほぼ0になります。この人たちが混ざると、平均は実態より短く出ます。
滞在時間が使えるのは、同じページの前後を比べるときだけです。他のページや業界の平均と並べる用途には向きません。
直帰率が高いことは、悪いとは限りません
1ページだけ見て帰る人が多い状態を、悪い数字だと考えがちです。ところが、そのページで用が足りていれば、そうなります。
営業時間を調べに来た人、電話番号を確認しに来た人。この人たちは1ページで帰ります。目的が果たされたことと、離脱は、数字の上では同じ形に見えます。
0という数字には、2つの意味があります
この記事でいちばん伝えたい部分です。
問い合わせや予約の数が0だったとき、考えられる原因は2つあります。1つは、本当に誰も進まなかった場合。もう1つは、進んだが記録されていない場合です。画面の上では、この2つがまったく同じ形に見えます。
私たちも、これで半年を無駄にしました
自社のサイトで、案内のボタンが押された回数を長く0だと見ていました。原因は、そのボタンに記録の仕組みが入っていなかったことでした。押されていなかったのではなく、押されても記録されない作りになっていたのです。
数字を読む前に、計測が動いているかを確かめてください。順番が逆だと、動いているものを止めてしまいます。
確かめ方は、自分で1回やってみることです
テストで問い合わせを送信し、その翌日に記録が1件増えているかを見ます。増えていなければ、記録の仕組みがまだ入っていない状態です。
この確認は10分ほどで終わります。ところが、やっている会社はごく少数です。スクリーンショットを眺めて確かめた気になるのが、いちばん危ない形です。実際に送って、実際に増えるかを見てください。
検索された言葉は、アクセス解析では分かりません
「どんな言葉で検索して来たのか」を知るには、別の道具が要ります。検索エンジン側が渡していないためです。
これを見るには、検索エンジンが提供している別の無料ツールを使います。役割が分かれています。
| アクセス解析 | 検索側のツール | |
|---|---|---|
| 分かること | 来たあとの動き | 来る前の動き |
| 主な数字 | 訪問、閲覧、問い合わせ | 表示回数、クリック、順位、検索語 |
| どちらを先に見るか | 2番目 | 1番目 |
| 数字が反映されるまで | ほぼ当日 | 3〜4日遅れる |
順位が取れていないのか、順位は取れているのにクリックされていないのか。この切り分けができるのは、検索側のツールだけです。まずこちらを見てから、アクセス解析を開いてください。
順位も表示回数も変わっていないのにクリックだけが減っている場合は、ゼロクリック検索の正体で切り分けの手順を扱っています。
比べる期間は、両方とも同じだけずらしてください
検索側のツールは、直近の3〜4日ぶんが未確定のまま出ます。「今週と先週」を比べると、今週だけが少なく見えます。
比較するときは、両方の期間を同じだけ後ろにずらしてください。この一手間で、存在しない下落を追いかけずに済みます。
機械による訪問が、数字を膨らませます
ホームページには、人以外の訪問があります。検索エンジンの巡回、情報を集める仕組み、そして目的のはっきりしない自動の巡回です。
実際に5倍に見えたことがあります
自社で運用しているサイトの1つで、訪問数が急に増えたことがありました。中身を見ると、その大半が特定の国からの機械的な訪問でした。日本からの訪問だけに絞ると、増加はほとんど消えました。
数字を見るときは、国で絞ってください。日本国内向けの商売なら、日本からの訪問だけを見ます。この1つの操作で、読み間違いの大半が消えます。
本物かどうかは、検索側のツールで裏を取る
訪問が増えたとき、それが本物なら、検索側のツールでも表示回数とクリックが増えているはずです。片方だけが増えているなら、人ではない可能性が高くなります。
生成AIから来た人を、どう数えるか
ここ1年で増えた質問です。ChatGPTなどの生成AIに聞いた人が、そこからサイトに来ることがあります。この訪問を数えられるかどうか。
数えられますが、実態より少なく出ます
参照元の一覧に、生成AIのサービス名が入った訪問が記録されます。ここを見れば、来た人数は分かります。
ただ、この数字は実態を下回ります。理由は2つあります。1つは、AIの答えを読んだ人がリンクを押さず、あとで社名を直接検索して来ることが多いためです。もう1つは、答えを読んだだけで来店や電話に進む人がいるためです。どちらの経路も、参照元の外を通ります。
だから、2つ目の見方を組み合わせます
社名や店名での検索が増えているかを、検索側のツールで見てください。生成AIで知った人は、そのあと名前で調べます。
参照元の数字と、名前での検索の数字。この2つが同時に増えていれば、届いています。片方だけを見て0だと判断しないでください。
いちばん精度が高いのは、人に聞くことです
問い合わせや来店のときに「どこで知りましたか」と聞いて、答えを記録する。この記録が、どの数字より正確です。
選択肢は4つで足ります。紹介、検索、AIに聞いた、それ以外。ここで「AIに聞いた」が出始めたら、書いているものが届いています。
生成AIに引用されるために何を書けばよいかは、LLMO対策に新しい道具は要りませんにまとめました。
見る頻度と、遡る範囲
| 頻度 | 見るもの | かける時間 |
|---|---|---|
| 週に1回 | 問い合わせや予約の件数だけ | 2分 |
| 月に1回 | 検索からの訪問数と、着地したページの上位10件 | 15分 |
| 3か月に1回 | 去年の同じ期間との比較 | 30分 |
毎日開かないでください。1日ごとの上下から読み取れることは、ほとんどありません。毎日見ていると、意味のない変動に反応して、効いているものを止めることになります。
やらなくていいことが、4つあります
1つ目:全部の指標に目を通すこと
画面に並んでいる指標の大半は、大きなサイトのために用意されたものです。月の訪問が数百から数千の規模だと、差が出るところまで届きません。
2つ目:他社との比較を探すこと
業界の平均値が紹介されていることがありますが、集計の条件が自社とずれています。比べる相手は、去年の自社です。
3つ目:報告用の資料を作ること
社内向けに毎月の資料を作っている場合、それに何時間かかっているかを数えてください。見る数字が3つなら、資料は3行で足ります。
4つ目:解析のために新しい道具を増やすこと
いま入っている道具を使い切っていない段階で、別の道具を足しても、見ない画面が2つになるだけです。足す前に、いま入っているもので3つの数字が取れているかを確かめてください。
業種によって、見る数字が変わります
予約が入口になる商売
美容室、クリニック、飲食店、教室。この形では、予約が外部のサービスで完結することが多くあります。だから、自社サイトの記録の外で決着します。
この場合は、予約ページへのボタンが押された回数を数えてください。そして、予約サービス側の数字と突き合わせます。2つを並べて初めて、どこで人が減っているかが見えます。
問い合わせから商談になる商売
製造業、法人向けのサービス、工務店。この形で見るべきものは、問い合わせの件数の先にあります。
件数と、そのうち商談になった数を分けて記録してください。件数が増えても商談が増えていないなら、来ている人がずれています。
店舗に来てもらう商売
サイトを見た人が、そのまま来店することがあります。この動きは記録の外を通ります。
だから、来店時に「どこで知りましたか」と聞いて記録してください。この記録のほうが、アクセス解析より正確です。紙の記録でかまいません。
月の訪問が100人以下のときは、解析より先にやることがあります
正直に書きます。訪問が少ない段階で、アクセス解析から得られるものはごくわずかです。
月に80人の訪問で、問い合わせが1件。この数字から読み取れるのは、そこまでです。1件が2件になっても、改善と偶然を区別する方法がありません。
この段階で見るのは、1つだけです
計測が動いているかどうか。それだけです。
あとは、書く作業に時間を使ってください。分析する対象が無い状態で分析を始めると、分析が仕事になります。これは実際によく起きます。数字を見ている時間のほうが、記事を書いている時間より長い会社があります。
それでも、計測だけは先に作っておく理由
あとから遡って記録することができないからです。半年後に訪問が増えたとき、「増える前はどうだったか」を比べるには、いま記録が始まっている必要があります。
だから、順番はこうなります。計測を作る。あとは開かない。書く。3か月経ってから、初めて開く。
制作会社から届くレポートを、どう読むか
毎月レポートが届いているが、何が書いてあるのか分からない。この相談は多く受けます。
最初に確かめるのは、成果の数字が入っているかです
訪問数、閲覧数、順位。この3つだけが並んでいるレポートは、数字を並べただけの状態です。
問い合わせや予約が何件あったか。その数字が入っていなければ、次のレポートから入れてもらってください。入れられないと言われた場合、その計測がそもそも作られていない可能性があります。
順位の報告は、単独では読めません
「◯◯という言葉で3位になりました」という報告があったとき、確かめることが1つあります。その言葉が、月に何回検索されているかです。
誰も検索していない言葉で1位を取ったところで、人は来ないままです。私たちも、これを長くやっていました。450本の記事で上位を取っていながら、届いていた人はごくわずかでした。順位の数字と、表示回数の数字は、必ず組で見てください。
比較の期間が、毎回同じかを見てください
今月は前月と比べ、来月は前年と比べ、その次は3か月平均と比べる。基準が動くレポートは、良い数字が出る比べ方を毎回選んでいる可能性があります。
比べ方を1つに決めてもらってください。前年の同じ月と比べる形が、いちばん季節の影響を受けにくくなります。
数字が説明されているかどうかで、判断できます
訪問が減った月に、その理由が書かれているか。書かれていないレポートは、数字を転記しているだけです。
減った理由は、たいてい説明できます。季節、検索エンジン側の変化、特定のページの順位変動。説明されていて、次に何をするかが1行書いてあれば、そのレポートは機能しています。
1年後に振り返るために、いま残しておくこと
数字だけを残すと、1年後には読めなくなります。何をした月なのかが分からないためです。
変更の記録を、1行ずつ残してください
紙でも表計算でも大丈夫です。次の3つを書きます。
- 日付
- 何を変えたか(ページを追加した、案内を入れ替えた、料金の書き方を変えた)
- なぜ変えたか
これがあると、1年後に数字を見たときに「この月から上がっているのは、あれをしたからだ」と分かります。記録が無いと、上がった理由も下がった理由も、永久に推測のままになります。
検索エンジン側の大きな変化も、同じ欄に書いてください
検索の仕組みが大きく更新されると、順位が全体的に動くことがあります。この時期を記録しておくと、自社の変更による影響と切り分けられます。
自社の変更と外の変化が同じ月に重なると、原因を取り違えます。両方を1つの表に並べておくだけで、それを防げます。
90日の進め方
| 時期 | やること | 終わったときの状態 |
|---|---|---|
| 1〜7日目 | 問い合わせと予約の計測を作る。テストで送信して、記録が増えるか確かめる | 0が本物かどうかを判断できる |
| 8〜14日目 | 国を日本に絞る設定にする。検索側のツールを登録する | 読み間違いの元が消えている |
| 15〜30日目 | 着地ページの上位10件を出し、案内が入っているかを1件ずつ見る | 入口になっているページが分かっている |
| 31〜90日目 | 月に1回だけ開く。去年の同じ月と比べる | 数字が習慣になっている |
1〜7日目がいちばん大事です。ここを飛ばして数字を眺め始めると、すべての判断が疑わしくなります。
よくいただく質問
ホームページのアクセス解析で、どこまで分かりますか
来た人の数、来た経路、見たページ、使った端末、おおよその地域までです。氏名や連絡先は範囲の外になります。
設定を足せば、どのボタンが押されたか、どのフォームが送信されたかも分かります。あとから遡って見られるのは、設定した行動だけです。だから、何を数えるかを先に決めます。
誰が見に来たか、個人は特定できますか
標準の仕組みでは特定できません。氏名やメールアドレスを記録しない設計になっています。
法人名が推定できるサービスは別に存在しますが、当たるのは大きな会社の回線からの閲覧に限られます。自宅やスマートフォンからの閲覧は範囲の外です。
アクセス解析は無料でできますか
できます。訪問数、流入元、ページごとの閲覧、問い合わせの計測まで、無料の範囲で足ります。
費用がかかりやすいのは、設定を外部に頼む部分と、数年前まで遡って比較したい場合です。道具ではなく、手間に費用がかかります。
アクセス解析の見方が分かりません。どこから見ればいいですか
3つだけ見てください。検索から来た人の数、その人が最初に開いたページ、問い合わせや予約に進んだ数です。
画面の他の場所は、当面すべて無視して大丈夫です。3つが読めるようになってから、必要なものだけ足します。
訪問数が急に増えたのですが、喜んでいいですか
まず、国で絞ってください。日本以外からの訪問が増えている場合、機械による巡回である可能性が高くなります。
次に、検索側のツールで表示回数とクリックも増えているかを見ます。両方が増えていれば本物です。片方だけなら、機械による訪問です。
使っているサービスの標準機能で足りますか
サイトを作るサービスに、簡易の解析機能が付いていることがあります。訪問数の推移を見る程度なら足ります。
ただし、問い合わせや予約を数える機能が無いことが多いので、そこは別に用意してください。3つ目の数字が取れるかどうかで判断します。
数字が思ったより少ないのですが、何が悪いのでしょうか
まず、計測が動いているかを確かめてください。そのうえで少ないなら、順位の問題か、そもそも検索されていない言葉で書いている可能性があります。
順位が取れているのに表示回数が少ないなら、後者です。私たちも同じ状態でした。1位を取っても、月に数回しか表示されない言葉があります。書く前に検索需要を確かめる手順は、SEO対策とは何かにまとめました。
過去のデータは、どこまで遡れますか
保存期間に上限があります。既定のままだと、比較したい時期のデータが消えていることがあります。
導入したら、保存期間の設定を最初に確認してください。あとから伸ばせるのは、これから貯まる分だけです。
まとめ
アクセス解析の画面には数十の指標が並んでいますが、見るのは3つで足ります。検索から来た人の数、その人が最初に開いたページ、問い合わせや予約に進んだ数です。
そして、3つ目の計測を先に作ってください。ここが動いていないと、他のすべての数字が読めなくなります。0という数字は、起きていない場合と、記録されていない場合の両方で、まったく同じ形に見えます。
分かることと分からないことの線も、先に引いておきます。人数と経路とページは分かります。誰かまでは届きません。地域は市区町村まで出ますが、精度は粗いままです。
数字を見るときは、国を日本に絞ってください。機械による訪問が混ざると、実態の何倍にも見えます。そして、検索された言葉はアクセス解析では分からないので、検索側の無料ツールと組で使います。
まず、10分だけ使ってください
自分のサイトの問い合わせフォームに、テストで1件送信してみてください。翌日、記録が1件増えているかを見ます。
ここから始めてください。増えていれば、その日から3つの数字が読めるようになります。増えていなければ、いま見ている数字はすべて宙に浮いています。
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