非エンジニアでもできる!Difyを使った「社内問い合わせ対応AI」の作り方
「会社のWi-Fiパスワードって何だっけ?」「経費精算の締め切りはいつ?」「有給申請のやり方を教えて」
総務や人事、情シスの担当者は、毎日こうした「社内からの同じような問い合わせ」に時間を奪われています。
これらを自動化する「社内問い合わせ対応AI」は、企業の生産性向上の第一歩です。
本記事では、ノーコードツール「Dify」を使って、誰でも簡単に「自社専用の社内問い合わせ対応チャットボット」を作る手順をわかりやすく解説します。
ステップ1:社内の「よくある質問(FAQ)」を整理する
AIは魔法ではありません。元となる知識(データ)を与えなければ正しい回答はできません。まずは社内のルールや過去の問い合わせ内容をテキストやPDFにまとめます。
- 対象となるデータ: 就業規則、経費精算マニュアル、社内システムの操作手順書など。
- フォーマット: PDF、Word、テキストファイル、またはNotionなどのツールにまとめられた文章。
Difyは非常に優秀なので、データが多少荒削りでも文脈を読み取ってくれますが、見出しをつけて整理しておくと回答の精度がさらに上がります。
ステップ2:Difyの「ナレッジ」にデータを登録する
データを準備したら、Difyの画面を開いてAIに学習させます。
プログラミングは一切不要です。
- Difyのトップ画面から「ナレッジ」タブを開き、「データセットを作成」をクリックします。
- 準備したPDFやテキストファイルをドラッグ&ドロップでアップロードします。
- 「保存して処理」ボタンを押すと、Difyが自動的に文章を分割し、AIが検索しやすいデータベース(ベクトルデータベース)に変換してくれます。
数分待つだけで、社内ルールを完璧に記憶したAI専用の「脳みそ」が完成します。
ステップ3:チャットボットを作成し、ナレッジと連携する
脳みそ(ナレッジ)ができたら、それを使って会話する「窓口(チャットボット)」を作ります。
- Difyのトップから「スタジオ」を開き、「最初から作成」→「チャットボット」を選択します。
- 画面上部にある「コンテキスト(文脈)」という設定欄に、先ほど作成したナレッジを追加します。これで、このチャットボットは回答する前に必ず社内ルールを検索するようになります。
AIの「役割」を決める(システムプロンプトの設定)
次に、AIがどのようなトーンで、どのように振る舞うかを指示する「システムプロンプト」を設定します。
※ここでは一般的なアシスタントとしてのダミー例をご紹介します。
【設定例】
あなたは当社の親切な総務・情シス担当アシスタントです。
提供されたコンテキスト(社内マニュアル)の情報に基づいてのみ回答してください。
もしコンテキストに該当する情報がない場合は、勝手に推測せず「その質問については分かりかねます。総務部(info@example.com)へ直接お問い合わせください」と案内してください。
このように設定することで、「AIが知ったかぶりをして間違った社内ルールを答えてしまう(ハルシネーション)」というリスクを完全に防ぐことができます。
ステップ4:テストと社内への公開
設定が終わったら、画面右側のテスト用チャットウィンドウで「名刺の発注方法を教えて」などと質問してみましょう。AIがナレッジから該当箇所を見つけ出し、正確に答えてくれれば成功です。
Difyには、作成したチャットボットを「Webページ」としてそのまま公開する機能や、「Webサイトに埋め込むコード」を発行する機能が標準で備わっています。発行されたURLを社内ポータルやチャットツール(Slack等)のリンク集に貼るだけで、その日から全社員が使えるようになります。
まとめ
Difyを使えば、これまで数百万円の開発費がかかっていた「社内専用AIチャットボット」が、非エンジニアの手でその日のうちに完成します。まずは「総務のFAQ」といった小さな範囲からスタートし、少しずつナレッジを増やしていくのが成功の秘訣です。
