地域で水道工事や水回りの修理を営んでいて、腕には自信がある。
それなのに、個人のお客様からの電話がなかなか増えない。
チラシを配っても反応が読めず、ネットの広告は安さと速さを競う世界に見えて手が出しにくい。
この記事は、そうした状況にいる地元の水道工事店や、水回り修理の小さな事業者の方に向けて書いています。
市町村の指定給水装置工事事業者として登録している会社も、これから登録を考えている方も含みます。
水道の仕事の集客には、ほかの業種にない事情が1つあります。
お客様が最初から業者を疑ってかかっている、という事情です。
水回りの修理で高額な請求を受けたという相談が国の機関に積み上がり、報道でも繰り返し取り上げられてきました。
その結果、まじめに仕事をしている地元の業者まで、電話をかける前の段階でふるいにかけられています。
この記事では、その疑いがどこから来ているのかを公的な資料で確かめます。
そのうえで、役所や国民生活センターが利用者に向けて出している注意書きを、そのまま自社サイトの設計図として使う方法を順番に見ていきます。
読み終えたときに、自社のサイトで最初に書き足す1行が決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、ひとりで営む水道屋さんの奥様の相談
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
投稿したのは、ご主人が個人で水道の設備業を営んでいるという奥様でした。
小さな事業者の方なら、きっと身に覚えのある内容だと思います。
夫婦でチラシを配っても、手応えがつかめない
ご主人は水回りの修理やリフォーム、詰まりの対応を中心に、すべて1人で現場を回しているそうです。
1人で動く以上、遠くまでは行けません。
だから市内と隣の市に絞って、近所の方に知ってもらいたいと考えていました。
仕事は工務店から回ってくるものと、個人のお客様から直接受けるものの両方があり、大きな修理受付の窓口には属していないとのことでした。
いまは夫婦でチラシをポスティングしたり、郵便局にチラシを置かせてもらったりしている。
そのうえで、どの年代にどの方法が届くのか、どんな広告なら警戒されずに頼んでもらえるのかを知りたい、という質問でした。
回答に並んだ、利用者の側の本音
この質問には、利用者の立場からの回答がいくつか付いていました。
ある回答者は、ポスティングされたチラシにはどこか怖い印象があり、だまされそうだと感じると書いていました。
その人は、困ったときは市役所などが載せている指定業者のページから電話をする、と続けています。
別の回答者は、水道局や役所に尋ねて業者を探すと答えていました。
日々の作業の様子を発信している業者には、なんとなく信頼が持てるという声もありました。
同業の回答者が書いていたこと
いちばん長い回答を寄せたのは、自身も個人で水道業を営んでいるという方でした。
その方は、良い評判が立つまでには数年かかると前置きしたうえで、地図検索に口コミが付いてから、それを見ての電話が増えたと書いていました。
住所や電話番号だけでなく顔写真まで出して商売している、だから悪い評判など論外だ、という一文もありました。
困って電話をくれた人には、お金にならない相談でも笑顔で応じて帰ってくるそうです。
この相談から読み取れること
利用者の回答と同業者の回答は、同じところを指していました。
お客様は、頼む前に「この業者は大丈夫か」を確かめたがっている。
そして確かめる手がかりとして、役所の名簿や口コミや顔の見える発信を探している、という点です。
チラシの配り方や広告の出し方より先に、その確かめたい気持ちにどう応えるかが問われています。
利用者はいま、疑ってかかるところから業者を探し始める
なぜお客様は、そこまで警戒するのでしょうか。
国民生活センターの資料を見ると、その理由がはっきり数字に出ています。
国民生活センターが数えた相談の伸び
国民生活センターは2021年10月に、水回り修理などの緊急対応をめぐるトラブルについて注意喚起を公表しました。
その資料では、トイレの修理や水漏れ・排管の詰まりの修理、鍵の修理、害虫の駆除などをまとめて「暮らしのレスキューサービス」と呼んでいます。
国民生活センターによると、この分類に寄せられた相談件数は次のように増えていました。
| 年度 | 相談件数 | 相談のうち電子広告が関わる割合 |
|---|---|---|
| 2016年度 | 2,437件 | 19.2% |
| 2017年度 | 2,805件 | 21.7% |
| 2018年度 | 3,386件 | 25.6% |
| 2019年度 | 3,771件 | 28.9% |
| 2020年度 | 5,882件 | 41.1% |
数字は、国民生活センターが全国の消費生活センターの相談を集めたデータベース(全国消費生活情報ネットワークシステム)の2021年8月末までの登録分です。
4年で相談件数は2倍を超え、ネットの広告が関わる相談の割合も2割弱から4割強まで上がりました。
同じ資料は、相談事例について次のように書いています。
「インターネット上の広告がきっかけのトラブルが増加しています」
安い料金を掲げた広告を見て呼んだところ、広告とかけ離れた請求を受けたという相談が多いそうです。
水漏れや詰まりで困っている人は年齢が高い
国民生活センターは2025年2月にも、内閣府の消費者委員会へこの分野の概況をまとめた資料を出しています。
その資料によると、水漏れ・排管等の詰まりの修理に関する相談の契約当事者について、平均年齢が62.3歳、女性が61.2%と示されていました(2024年12月末までの登録分)。
職業では無職が36.8%で、いちばん多い区分でした。
日中に家にいて、水が止まらない台所の前で慌てて業者を探す。
水道の仕事のお客様には、そうした方が多く含まれているということです。
数字が地元の業者に意味すること
相談の多くを生んでいるのは、ごく一部の業者です。
それでも、お客様の側からは、どの業者がその一部なのかは見分けがつきません。
だから全員を同じように疑い、確かめられる業者から順に電話をかけていきます。
疑われること自体は、まともな地元の業者にとって不利な話ではありません。
確かめられる材料を先に出せる業者ほど、選ばれやすくなるからです。
| お客様の状態 | いま起きていること | 業者の側でできること |
|---|---|---|
| 水が止まらず慌てている | 検索結果の上から順に電話する | 電話の前に読める短い確認事項を置く |
| 前に高い請求を受けた経験がある | 料金の説明を最初に聞きたがる | 料金が決まる順番をサイトに書く |
| 家族から業者に気をつけてと言われている | 役所の名簿で名前を探す | 指定番号と自治体名をサイトに書く |
| 急ぎではないが不安がある | 近所の評判や口コミを探す | 施工の記録と顔の見える情報を出す |
| 工務店や管理会社から紹介された | 社名で検索して確かめる | 紹介された人向けの入口を用意する |
慌てた人が検索してから電話をかけるまでに起きていること
水道のトラブルは、たいてい予定外の時間にやってきます。
夜にトイレが詰まる、休日の朝に台所の下が水浸しになる。
そのとき、お客様は落ち着いて業者を比べる余裕を持っていません。
相談の現場が見ている課題
国民生活センターが消費者委員会に出した2025年2月の資料には、「相談現場から見た課題」という節があります。
相手方の業者について、こう書かれていました。
「郵便を送ってもレンタルポストだったり、住所もレンタルオフィスとなっているケースが見受けられる」
解決の難しさについては、慌てた状態でたまたま見つけた業者に頼むため、お客様が広告の内容や業者の説明を覚えていない、と指摘しています。
ネットの広告については、次のように整理していました。
「低価格、すぐに現場に行く、といった内容が記載されていることが多いが、現場で提示された作業の必要性や金額の妥当性等について客観的に検証しにくい」
検索結果のサイトと、実際に来る業者が別のことがある
同じ資料には、お客様が検索してから業者が来訪するまでの流れを描いた図が載っています。
検索結果の上位に出たサイトの電話番号にかけると、サイトを運営する会社の委託先や提携先が来ることがある。
サイトの会社と来訪した業者の関係が分からないケースもある、と書かれていました。
お客様からすれば、電話をかけた相手と玄関に立っている人が同じかどうかすら分からない、ということになります。
安さと速さの言葉が並ぶ理由
慌てている人は、検索結果の中で目に入った言葉だけで判断します。
だから広告の側も、最低料金の安さと到着までの速さを大きく書きます。
この2つは、慌てている人の判断材料として目立つからです。
ただ、国民生活センターの指摘のとおり、安さと速さは現場に来てからの説明を検証する手がかりにはなりません。
お客様が本当に知りたいのは、来た人が何者で、どの順番で料金が決まるのか、という点です。
| 広告でよく見る言葉 | お客様が後で困った点 | 地元の業者がサイトで代わりに見せるもの |
|---|---|---|
| 最低料金を大きく表示 | 現場で作業が次々に足された | 料金が決まる順番と、追加の前に必ず確認すること |
| 最短で駆けつけます | 誰が来るのか分からなかった | 実際に伺う人の名前と顔 |
| 見積もり無料 | 断ったら作業費を求められた | どこから費用が発生するかの線引き |
| 24時間受付 | 電話の相手と来た人が別だった | 電話に出る人と伺う人が同じかどうか |
| 地域対応 | 住所に行っても事務所がなかった | 所在地と、事務所や倉庫の写真 |
役所はすでに「確かめること」を利用者に配っている
ここからが、この記事の中心になる考え方です。
お客様が業者を疑うとき、何を確かめればよいかは、役所や国の機関がすでに文章にして配っています。
その文章を読めば、お客様がサイトのどこを見て判断するのかが分かります。
国民生活センターの助言
2021年10月の注意喚起では、修理を頼む前にしておくことが挙げられていました。
「インターネット上の広告の金額表示をうのみにしない」
「地元の工務店や自治体の管工事組合など信頼のおける事業者を探しておく」
国の機関が、困る前に地元の業者を探しておくようにと、お客様に勧めているわけです。
地元の業者にとっては、平時のうちに見つけてもらう機会がそこにあります。
札幌市水道局の注意事項
札幌市水道局は、水道工事を申し込む際の注意事項をサイトに載せています。
工事の契約はお客様と指定給水装置工事事業者の間で結ぶもので、水道局は関与できない、と最初に断ったうえで、次のように書いています。
「指定事業者によって工事内容、金額が異なる場合があります。」
だから複数の指定事業者から見積もりを取って比べるように、と勧めています。
さらに「見積もりなどが有料となる場合もありますので、事前にご確認ください。」とも添えていました。
神奈川県営水道の注意喚起
神奈川県営水道は、悪質な業者や詐欺への注意を呼びかけるページを設けています。
水道局の職員を装った訪問や、ネットで見つけた修理業者からの高額な請求の事例を並べたうえで、次の一文がありました。
「工事を依頼する前に、登録の有無や見積りが有料か無料かなどを必ずご確認ください。」
消費者庁のチラシ
消費者庁は2021年8月、水回りの修繕を行う訪問販売業者に、特定商取引法にもとづく9か月間の業務の一部停止を命じました。
消費者庁が公表したチラシによれば、お客様への呼びかけは次のとおりです。
「訪問後に依頼時よりも高価な修理を提案される場合は、急いで契約せずに他の業者にも費用相場を照会するなど、費用等の契約条件をよく確認しましょう!」
注意書きを並べると、確認項目の一覧になる
4つの文章を並べてみると、お客様が確かめるように言われている項目はほとんど重なっています。
| 発信元 | お客様に求めている確認 | 自社サイトで答える場所 |
|---|---|---|
| 国民生活センター | 広告の金額をうのみにせず、地元の信頼できる業者を探しておく | 会社の紹介と所在地のページ |
| 札幌市水道局 | 指定事業者かどうか、見積もりが有料か、工事内容の説明を受ける | 指定番号と料金の決まり方のページ |
| 神奈川県営水道 | 登録の有無と、見積もりが有料か無料か | 最初の画面と問い合わせの直前 |
| 消費者庁 | 高い修理を勧められたら急いで契約せず、条件を確かめる | 追加作業の前に必ず確認する旨の説明 |
| 千葉県営水道 | 営業時間や修繕対応の可否を名簿で見て選ぶ | 対応時間と対応する作業のページ |
お客様は、この一覧を頭の片隅に置いてサイトを読んでいます。
答えが書いてあるサイトは安心して電話がかけられ、書いていないサイトは閉じられます。
指定工事店の制度は何を保証し、何を保証しないのか
確認項目の中でも、いちばん名前が挙がるのが指定給水装置工事事業者の登録です。
この制度を正しく説明できると、それだけでサイトの信頼が上がります。
5年ごとの更新制になった
水道法の改正で、2019年10月1日から指定給水装置工事事業者の指定に5年の有効期間が設けられました。
千葉県営水道は、この更新制について「指定給水装置工事事業者の資質の維持・向上を目指して」導入されたと説明しています。
同じページでは、届け出のあった事業者について、営業時間や漏水などの修繕に対応できるかどうか、対応する工事の種類を名簿に順次載せていくとも書いていました。
その狙いは、次の一文にまとめられています。
「お客様は目的に合わせて、指定給水装置工事事業者を選びやすくなります。」
指定がなくてもできる修理がある
一方で、指定がなければ一切の修理ができないわけではありません。
水道法施行規則の第13条は、指定事業者以外が行っても給水を止められない「軽微な変更」を定めています。
「単独水栓の取替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替え(配管を伴わないものに限る。)」
蛇口のパッキン交換のような作業は、この範囲に入ります。
指定は料金や応対の良さまでは約束しない
札幌市水道局が書いていたとおり、契約はお客様と事業者の間のもので、水道局は関与しません。
指定は工事を適正に施行できると認めた登録であって、料金の妥当さや応対の丁寧さまで役所が保証するものとは違います。
だからこそ、指定番号を載せたうえで、料金の決まり方や伺う人の情報を自社の言葉で補う必要があります。
| 項目 | 指定の登録で分かること | 自社サイトで補うこと |
|---|---|---|
| 工事の資格 | 給水装置工事を施行できると認められている | どの自治体の指定か、指定番号 |
| 有効期間 | 5年ごとに更新されている | 更新を続けている年数 |
| 料金 | 分からない | 料金が決まる順番と、追加の前の確認 |
| 応対 | 分からない | 伺う人の名前と顔、説明の手順 |
| 対応時間 | 名簿に載る場合がある | 受けられる時間と受けられない時間 |
電話が鳴らないときに、よく選ばれる打ち手とその行き着く先
個人のお客様からの電話が増えないとき、たいていの事業者が同じような手を打ちます。
どれも理屈の上では筋が通っていて、やってみたくなるものばかりです。
ただ、疑ってかかるお客様の目で見直すと、逆の効果を生むものが混じっています。
広告の最低料金を下げて目立たせる
検索結果で目立つために、最低料金を小さく見せる。
一見すると分かりやすい打ち手ですが、お客様の側から見ると、国民生活センターが注意を呼びかけている広告とそっくりの形になります。
慌てていない日のお客様ほど、その表示を見て身構えます。
しかも、最低料金で終わる作業は実際には多くありません。
現場で料金が上がれば、正当な理由があっても、お客様の頭の中では注意喚起の事例と重なってしまいます。
到着の速さを大きく書く
駆けつけの速さは、1人や少人数で回している事業者にとって約束しにくい部分です。
現場が重なれば、どうしても遅れます。
約束した時間に遅れると、それだけで信用を失います。
速さを売りにすると、自分たちの働き方に合わない約束を背負うことになります。
口コミの数だけを急いで増やす
Q&Aサイトで回答していた同業の方は、地図検索の口コミが付いてから電話が増えたと書いていました。
口コミが効くのは確かです。
ただ、作業の途中で口コミを頼んだり、書いてくれたら特典を付けると持ちかけたりすると、お客様に不信感を残します。
口コミは仕事の結果として付くもので、数を急ぐと中身が薄くなります。
サイトを作り直して見た目を整える
古いサイトを新しくすると、見栄えは良くなります。
しかし、お客様が確かめたい項目に答えていなければ、電話の数は変わりません。
施工写真を大きく並べても、誰が来るのか、見積もりは有料なのか、という問いへの答えがなければ、お客様は閉じてしまいます。
打ち手を比べると何が違うのか
| 打ち手 | お客様の目にどう映るか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 最低料金を目立たせる | 注意喚起で見た広告と同じ形に見える | 料金が決まる順番を書く |
| 到着の速さを約束する | 約束が守られないと信用を失う | 受けられる時間と範囲を正直に書く |
| 口コミを急いで集める | 頼み方次第で不信感が残る | 作業後に感想を自然にもらう流れを作る |
| サイトの見た目を整える | 確かめたい答えがないと閉じられる | 確認項目に上から答える |
| 大きな受付窓口に加わる | 自社の名前が覚えてもらえない | 自社の名前で探してもらえる情報を出す |
手を打つ順番を間違えると、費用だけが積み上がる
これらの打ち手は、どれも費用か手間がかかります。
確かめたい答えが書かれていないサイトに広告で人を送っても、閉じられる数が増えるだけです。
先にサイトの中身を整え、そのあとで人を送る。
順番を入れ替えるだけで、同じ費用から得られる電話の数は変わってきます。
チラシとポスティングが警戒される理由と、それでも紙が効く場面
最初の相談で、奥様はご夫婦でポスティングを続けていました。
この打ち手には、良い面と注意したい面の両方があります。
「だまされそう」という感覚の正体
回答者の1人は、ポスティングされたチラシに怖い印象があると書いていました。
これは、消費者庁や国民生活センターの事例を見ると理由が分かります。
国民生活センターの2025年2月の資料には、「見積もり・出張無料」と書かれたポスティングのチラシを見て蛇口の水漏れの見積もりを頼んだところ、断ったあとで蛇口を外した作業の費用を求められたという70歳代の方の事例が載っていました。
紙のチラシは、良い業者も悪い業者も同じ形で郵便受けに入ります。
お客様は、チラシそのものでは見分けられないのです。
年配の方には紙が届くという声もある
一方で、別の回答者は、回覧板を挟むバインダーに10年以上広告を載せていて、年配の方には印象が良く、最初のきっかけになりやすいと書いていました。
同業の回答者も、近所で評判の水道屋さんは高齢の方には特にチラシが効くようだと書いています。
紙は、年齢の高いお客様が多い水道の仕事では、今も入口として働きます。
紙とサイトをつなぐと、疑いが確認に変わる
紙のチラシを見たお客様は、そのまま電話をかけるとは限りません。
社名で検索するか、家族にスマートフォンで調べてもらいます。
そのときにサイトで確認項目への答えが見つかれば、チラシへの警戒は安心に変わります。
チラシの役目は、社名を覚えてもらうところまでで十分です。
確かめてもらう仕事は、サイトに任せればよいのです。
| 紙の種類 | 届きやすい相手 | サイトとのつなぎ方 |
|---|---|---|
| ポスティングのチラシ | 戸建てに住む年配の方 | 社名と指定番号を大きく書き、検索してもらう |
| 回覧板や地域の会報 | 町内会に加わっている世帯 | 地域の名前と顔写真を載せる |
| 冷蔵庫に貼れる磁石 | 緊急時にすぐ電話したい方 | 受付時間と、時間外の連絡先を書く |
| 工務店や管理会社に置く案内 | 紹介を受けた方 | 紹介された方向けのページを用意する |
紙を配る前に確かめておくこと
チラシを刷り直す前に、自社の名前で検索して出てくるページを一度開いてみてください。
チラシに書いた内容と、サイトに書いてある内容が食い違っていないかを見ます。
指定番号、所在地、受付時間の3か所が一致していれば、紙を見たお客様が検索したときに迷いません。
食い違いがあれば、それだけで疑いが深まります。
売れるサイトはみな謙虚という考え方を水道の仕事に当てはめる
ここまでの話をまとめると、お客様が確かめたいことは役所の注意書きにすでに書かれている、ということになります。
それをサイトにどう落とし込むかを考えるときに役立つのが、売れるサイトはみな謙虚という考え方です。
主役は困っているお客様で、業者は案内役
水道のトラブルに見舞われた方の頭の中は、自分の家の水のことでいっぱいです。
業者の歴史や設備の自慢を読みたいわけではありません。
知りたいのは、この人に頼んで大丈夫か、このあと何が起きるのか、という2点です。
サイトの主役をお客様に置き、業者は「ここから先はこう進みます」と道を示す役に回る。
これが、謙虚なサイトの基本の形です。
自分を大きく見せる言葉を削る
「地域で一番」「どこよりも安い」といった言葉は、疑ってかかるお客様にはむしろ警戒の材料になります。
謙虚なサイトは、できることとできないことを並べて書きます。
できないことを先に書いてある業者は、それだけで信用されやすくなります。
役所の確認項目に、上から順に答えるページの組み方
では、実際にどんな順番でページを組めばよいのでしょうか。
お客様の動きに沿って並べると、次のようになります。
1. 誰が伺うのかを最初の画面で見せる
国民生活センターの資料にあったとおり、お客様は電話の相手と来る人が同じかどうかも分からない状況を恐れています。
最初の画面に、実際に伺う人の名前と顔写真、事務所の所在地を置きます。
1人で営んでいるなら、「お電話に出るのも、伺うのも私です」と書けば、それが大手にない強みになります。
2. 指定番号と、どの自治体の指定かを書く
神奈川県営水道が書いていたとおり、お客様は登録の有無を確かめるように言われています。
指定給水装置工事事業者であれば、どの市町村の指定で、指定番号は何番かを書きます。
自治体の名簿のページへの道順を添えれば、お客様は自分で照らし合わせられます。
3. 見積もりが有料か無料か、どこから費用が生じるかを書く
札幌市水道局と神奈川県営水道の両方が、見積もりが有料か無料かを確かめるよう求めていました。
有料なら有料と書き、どの作業から費用が生じるのかの線引きを示します。
点検のために部品を外す場合は、その前に必ず声をかけると書いておくと、国民生活センターが紹介していた事例のような行き違いを防げます。
4. 追加の作業の前に、何をどう説明するかを書く
消費者庁のチラシは、訪問後に高い修理を勧められたら急いで契約しないよう呼びかけていました。
それなら業者の側から、追加の作業が必要なときは作業の前に理由と内容を説明し、その場で決めなくてよいと伝える、と書いておきます。
お客様が身構えているところを、先回りしてほどくわけです。
5. 受けられる時間と地域、受けられない作業を書く
千葉県営水道が名簿に載せていく項目は、営業時間と修繕に対応できるかどうか、対応する工事でした。
サイトにも同じ項目を書きます。
夜間に出られないなら出られないと書き、そのときの止水の方法を案内しておくと、それだけで役に立つ業者として覚えてもらえます。
| 確認項目 | ページに書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 誰が伺うか | 名前、顔写真、所在地 | お電話に出るのも、伺うのも私です |
| 登録の有無 | 指定した自治体と指定番号 | ◯◯市の指定給水装置工事事業者です |
| 見積もり | 有料か無料か、費用が生じる線 | 部品を外す前に必ずお声がけします |
| 追加の作業 | 説明の手順と、決めなくてよいこと | その場でお決めいただかなくて大丈夫です |
| 受付時間 | 受けられる時間と地域 | 夜間は止水の方法をご案内します |
料金は金額を並べるより、決まる順番を見せて信頼を得る
水道の仕事のサイトで、いちばん悩むのが料金の見せ方です。
この記事では具体的な金額には触れませんが、見せ方の考え方は整理できます。
最低料金だけを大きく書くと疑われる
ここまで見てきたとおり、最低料金を前に出した広告は、注意喚起の事例とよく似た形をしています。
お客様は最低料金を見ると、そこから上がっていく展開を想像します。
料金が決まる順番を書く
お客様が知りたいのは、自分の家の場合に何で料金が変わるのか、です。
伺って状況を見る、原因と作業の候補を説明する、料金を書いた見積もりを渡す、了承をもらってから作業する。
この順番を書いておくだけで、お客様は「勝手に作業を進められることはない」と分かります。
よくある作業の幅を言葉で示す
パッキンの交換で済む場合と、配管から直す必要がある場合とでは、作業の重さが違います。
金額を書かなくても、どんな状態ならどの程度の作業になるのかを言葉で示せます。
| 料金の見せ方 | お客様の受け取り方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 最低料金だけを大きく書く | 上がっていく展開を想像する | 避けたい |
| 料金が決まる順番を書く | 勝手に進まないと分かる | すべてのサイト |
| 作業の重さを言葉で分ける | 自分の家の場合を想像できる | 修理の種類が多い場合 |
| 見積もりの有料無料を明記する | 呼んでも大丈夫か判断できる | 最初の画面と問い合わせの直前 |
緊急の電話と、平時の相談を分けて受ける
水道の仕事には、今すぐ来てほしい電話と、いずれ相談したい問い合わせの2種類があります。
この2つを同じ入口で受けると、どちらにとっても使いにくくなります。
出られない時間を正直に書く
1人で回している場合、夜間や作業中は電話に出られません。
それを隠して24時間受付と書くより、出られない時間を書いておく方が信頼されます。
出られない時間には、元栓の閉め方や応急の止水の方法を案内しておきます。
平時のうちに「うちの水道屋さん」を決めてもらう
国民生活センターは、困る前に地元の信頼できる業者を探しておくよう、お客様に勧めていました。
平時の相談の入口を用意しておくと、急ぎでない点検や交換の相談が入ります。
一度来てもらって安心できた業者は、次の緊急時に真っ先に思い出されます。
工務店や紹介からの仕事も、サイトが下支えする
最初の相談のご主人も、工務店から仕事を受けていました。
紹介で仕事が回ってくる場合も、サイトは役に立ちます。
紹介された人は、社名で必ず確かめる
工務店や管理会社から名前を聞いたお客様は、たいてい社名で検索します。
そこで確認項目への答えが並んでいれば、紹介した側の顔も立ちます。
取引先に向けたページも用意する
同業の回答者は、ガス屋さんやリフォーム会社など、物件の持ち主から相談を受ける先に声をかけると、小回りの利く業者を探していることが多いと書いていました。
得意な作業や対応できる範囲を取引先向けにまとめたページがあれば、声をかけたあとに確かめてもらえます。
| 仕事の入口 | 相手が確かめること | 用意するページ |
|---|---|---|
| 個人のお客様の緊急の電話 | 誰が来るか、料金の決まり方 | 最初の画面と料金の考え方 |
| 個人のお客様の平時の相談 | 近所の業者か、信頼できるか | 施工の記録と地域の紹介 |
| 工務店からの紹介 | 紹介先として恥ずかしくないか | 会社の紹介と指定番号 |
| 取引先の開拓 | 得意な作業と対応の範囲 | 取引先向けの案内 |
よくある質問
Q1. 指定給水装置工事事業者でないと、サイトで信頼を得るのは難しいでしょうか
指定がなくても、水道法施行規則が定める軽微な変更、たとえば単独の蛇口の取り替えやパッキンの交換は行えます。
その場合は、自社ができる作業の範囲をはっきり書き、配管を伴う工事は指定事業者と組んで行うなど、できないことの扱いも書いておきます。
範囲を正直に書いてある業者は、それだけで疑いの目をくぐり抜けやすくなります。
これから指定を受けるつもりがあるなら、手続きの予定をサイトに書いておくのも1つの方法です。
指定を受けたら、その日のうちに指定番号を書き足しましょう。
Q2. 顔写真を載せるのに抵抗があります
抵抗があるのは自然なことです。
ただ、国民生活センターの資料が示すように、お客様は誰が来るのか分からない状況を恐れています。
顔写真が難しければ、作業着姿の後ろ姿や、社用車と事務所の写真でも、実在する事業者だという手がかりになります。
名前と所在地だけは、必ず書いておきましょう。
顔を出している業者は、Q&Aサイトの同業の回答者が書いていたように、悪い評判を立てられない立場に自分を置いています。
お客様はそのことを、言葉で説明されなくても感じ取ります。
Q3. 料金をまったく書かないと、かえって不安にさせませんか
料金を書かない場合でも、料金が決まる順番と、見積もりが有料か無料かは必ず書きます。
お客様が恐れているのは、知らないうちに作業が進んで請求が膨らむことです。
作業の前に説明して了承をもらう、という手順が書かれていれば、金額が書かれていなくても安心して電話できます。
電話口で、伺ったうえでお見積もりをお渡しします、と伝える流れも書いておくと、電話をかける前の迷いが減ります。
Q4. 口コミはどうやって集めればよいですか
作業が終わって、お客様に結果を確かめてもらった後に、感想を書いていただけたら励みになります、と伝える程度で十分です。
特典と引き換えにしたり、作業の途中で頼んだりすると、お客様に不信感が残ります。
Q&Aサイトの同業の回答者のように、日々の仕事を積み重ねた結果として口コミが付くのを待つ方が、長い目で見て効きます。
書いていただいた口コミには、短くても返事を書きましょう。
返事の言葉づかいも、次のお客様が業者の人柄を確かめる材料になります。
Q5. 大きな修理受付の窓口に加わった方が早くありませんか
加わると仕事の数は増えるかもしれません。
ただ、お客様は窓口の名前で覚えるので、自社の名前は残りにくくなります。
地元で長く続けたいなら、自社の名前で探してもらえるサイトを1つ持っておくことをおすすめします。
窓口から回ってきた仕事のお客様が、次は直接電話をくれる道を作っておけるからです。
窓口の仕事と自社の仕事を両方続ける場合も、自社のサイトでは自社の名前と顔で確認項目に答えておきます。
まとめ
水回りの修理をめぐる相談は、国民生活センターの集計で2020年度に5,882件まで増え、そのうち41.1%にネットの広告が関わっていました。
お客様が業者を疑ってかかるのは、この流れの結果です。
水漏れや詰まりの相談をしているお客様の平均年齢は62.3歳で、慌てて業者を探す方が多く含まれています。
けれども、何を確かめればよいかは、役所と国の機関がすでに文章にしてお客様に配っています。
誰が来るのか、登録はあるのか、見積もりは有料か、追加の作業の前に説明があるか、受けられる時間はいつか。
この確認項目に、サイトの上から順に答えていく。
それが、まじめに仕事をしている地元の水道屋さんが選ばれるための、いちばん確かな道です。
派手な言葉で自分を大きく見せる必要はありません。
困っているお客様を主役に置き、自分は案内役に徹する。
売れるサイトはみな謙虚という考え方は、疑われやすい水道の仕事でこそよく効きます。
今日できる点検
| 点検すること | 確かめ方 | 足りなかったときにすること |
|---|---|---|
| 誰が伺うかが最初の画面で分かるか | スマートフォンで自社サイトを開き、最初の画面だけを見る | 名前と顔写真か事務所の写真を置く |
| 指定番号と自治体名が書いてあるか | 自治体の名簿と見比べる | 指定番号と名簿への道順を書く |
| 見積もりが有料か無料か書いてあるか | 問い合わせボタンの直前を読む | 有料か無料か、費用が生じる線を書く |
| 追加の作業の前の説明手順があるか | 料金の説明のページを読む | 作業の前に説明し、その場で決めなくてよいと書く |
| 受付時間と出られない時間が書いてあるか | 夜間に電話した人の目で読む | 出られない時間と止水の方法を書く |
| チラシとサイトの内容が一致しているか | 手元のチラシとサイトを並べる | 指定番号と所在地と受付時間をそろえる |
まずは自社の名前で検索して、出てきたページを開いてみてください。
水が止まらず慌てている方の気持ちで、最初の画面を読みます。
「この人に頼んで大丈夫か」の答えが見つからなかったら、そこが最初に書き足す場所です。
今日のうちに、誰が伺うのかを書いた1行だけでも足してみてください。
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