便利屋を始めてみたものの、依頼がなかなか入らない。
チラシを作ってポスティングを続けているのに反応が薄く、作業をした人からの評判は悪くないのに、次の依頼につながらない。
この記事は、そうした悩みを抱える便利屋の経営者の方と、便利屋のホームページやチラシを任されている方に向けて書いています。
最初に、便利屋に頼もうとしている人が、電話をかける直前にどこで迷っているのかを整理します。
次に、何をどの順番で直せば、初めての人が安心して頼んでくれるのかを見ていきます。
読み終えたときに、自社のチラシかホームページで最初に直す場所が1つ決まっている。
そこをこの記事のゴールにしています。
Q&Aサイトで見かけた、ある便利屋の悩み
先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。
チラシの反応が悪いのは、白黒だからか
投稿者は、その年から便利屋を始めたばかりの方でした。
チラシを作ってポスティングをしているものの、反応がいまひとつ。
白黒で刷ったのがいけないのか、と書かれていました。
ホームページはまだ無く、集客はポスティングだけ。
作業をした人からの評価は悪くないのに、集客だけが迷走している、何かよい方法やおすすめのサイトがあれば教えてほしい、という相談でした。
回答者が返した一言
回答の1つは、短いものでした。
便利屋は本業や副業として毎年たくさんの人が始めているので、個人なら地道に町内から始めてはどうか。
そして、作業の評価はよくて当たり前で、大切なのは評価より信頼だ、と続けていました。
厳しい言い方ですが、この一言は、便利屋の集客の核心を突いています。
頼む側からの質問もあった
同じQ&Aサイトには、頼む側からの質問もありました。
家具の組み立てと部屋の模様替えをしたいが手が足りず、便利屋に手伝いを頼みたい。
ただ、便利屋に頼んだことがないので、どうやって選べばよいのか分からない、という質問です。
これに対して、地元に店舗を構えて営業している便利屋をすすめる回答が寄せられていました。
店舗を持たず、車1台でネットだけで集客している業者の中には、悪い評判が立つとすぐに名前を変えて営業を続ける者もまぎれている、という理由です。
これは9割の便利屋が陥る罠です
便利屋を始めた人と、便利屋に頼もうとしている人。
2つの質問を並べると、どこで話がすれ違っているのかが見えてきます。
便利屋は、腕の前に信頼で選ばれる
便利屋に頼む仕事の多くは、家の中に入ったり、大切なものを運んだり、留守の間に作業をしたりする仕事です。
頼む人が最初に気にするのは、作業の上手さより先に、この人を家に上げて大丈夫か、名前を変えて消えてしまう業者ではないか、です。
便利屋は、作業の評価より先に、頼む前の信頼で選ばれています。
チラシの色を変えても、この信頼の問題は解決しません。
「何でもやります」は、何を頼めるか分からない
もう1つのすれ違いが、「何でもやります」という打ち出し方です。
便利屋のチラシの多くは、できることをずらりと並べ、最後に「何でもご相談ください」と書いています。
けれども、頼む人の頭の中にあるのは、「電球が替えられない」「家具が組み立てられない」「庭の草が伸びてしまった」といった、自分の困りごとの具体的な場面です。
「何でもやります」と書かれていても、自分のこの困りごとを頼んでよいのかは分かりません。
作業の評価は、頼んだ人の中にしか残らない
相談者は、作業の評価は悪くないと書いていました。
その評価は、実際に頼んだ人の中には確かに残っています。
けれども、まだ頼んだことのない人には、その評価はまったく見えません。
まだ頼んだことのない人に届くのは、チラシとページに書かれた言葉と写真だけです。
頼んだ人の中にある評価を、頼む前の人に見える形に置き換えることが、便利屋の集客の仕事だと言えます。
| 読んでいるあなたの状況 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 開業したばかりで依頼が来ない | 頼む前の信頼が伝わっていない | 顔と所在と、地元で続けている理由を書く |
| チラシの反応が落ちてきた | できることの一覧で、困りごとの場面が無い | 頼まれることの多い場面を具体的に書く |
| 作業の評判はよいのに次につながらない | 作業のあとに名前を覚えてもらえていない | 作業のあとに次の困りごとの頼み方を渡す |
| マッチングサイトの依頼が値段で決まる | 料金以外の違いが見えていない | 料金の決まり方と、断る仕事を書く |
| ホームページがまだ無い | 名前で検索されたときの受け皿が無い | まず1枚、信頼の材料をそろえたページを作る |
表のどの行に近いかを1つ決めておくと、この先の話を自社に当てはめやすくなります。
チラシが読まれるのは、ほんの数秒
ポスティングされたチラシは、郵便受けから取り出されたあと、ほんの数秒で読むか捨てるかを決められます。
その数秒のうちに、自分の困りごとと同じ場面と、どこの誰なのかが目に入れば、チラシは冷蔵庫に貼られます。
目に入らなければ、色がついていても、ほかのチラシと一緒に捨てられます。
冷蔵庫に貼られたチラシは、困りごとができた日に、ようやく電話につながります。
便利屋に頼もうとする人が、電話の前に確かめていること
では、便利屋に頼もうとしている人は、電話をかける前に何を確かめているのでしょうか。
依頼のきっかけで多いのは、電球や蛍光灯の交換、家具の組み立てや移動、庭の草むしりや木の枝切り、引っ越しの手伝い、そして一人暮らしの親の家の用事です。
自分の困りごとを、頼んでよいのか
最初の疑問は、自分の困りごとを便利屋に頼んでよいのか、です。
電球1個の交換を頼むのは申し訳ない、こんな小さなことで来てもらえるのか、と遠慮する人は少なくありません。
逆に、大きな家具の処分のように、そもそも便利屋が引き受けてよいのか分からない仕事もあります。
自分の困りごとと同じ場面が書かれていれば、人は「ここに頼んでよいのだ」と安心します。
どこの誰なのか
次に確かめるのが、どこの誰なのか、です。
Q&Aサイトの回答にあったように、名前を変えながら営業を続ける業者の話は、頼む人の間でも知られています。
事務所や店舗の住所、代表者の顔と名前、地域でどれくらい続けているか。
これが分かるだけで、頼む前の不安は大きく減ります。
料金は、どう決まるのか
3つ目が料金です。
便利屋の仕事は、困りごとによって作業の中身がまったく違うので、料金も1つに決まりません。
だからこそ、頼む人は、料金がどう決まるのか、見積もりは無料か、作業のあとに増えることはないか、を知りたがります。
作業の間、どうなるのか
4つ目が作業の間のことです。
何人で来るのか、何時間くらいかかるのか、家にいなければならないのか、留守の間に作業をしてもらえるのか。
一人暮らしの高齢の親の家の用事を頼む子どもの世代は、自分が立ち会えないぶん、ここを特に気にします。
頼んだあとに、また頼めるのか
最後が、頼んだあとのことです。
便利屋に頼む人は、一度頼んで安心できたら、次の困りごともその人に頼みたいと考えます。
知らない人を家に上げるたびに不安になるより、一度信頼した人に何度でも頼みたいと思うのは自然なことです。
とくに一人暮らしの高齢の方は、毎回違う人が来ることを嫌がります。
同じ人が来てくれるかどうかは、頼む前から気にされているのです。
同じ人がまた来てくれるのか、次はどうやって頼めばよいのかが分かると、頼む前の心配がやわらぎます。
| 頼もうとする人が確かめること | 見つからないときに起きること | チラシやホームページに置くもの |
|---|---|---|
| 自分の困りごとを頼んでよいか | 遠慮して、自分で何とかしようとする | 頼まれることの多い場面と、小さな用事も歓迎だという一文 |
| どこの誰なのか | 名前を変える業者ではと警戒する | 住所、代表者の顔と名前、続けている年数 |
| 料金はどう決まるのか | 後で高く言われるのではと身構える | 料金の決まり方と、見積もりの進め方 |
| 作業の間のこと | 立ち会えないので頼めない | 人数、時間、立ち会いの要否、作業の報告 |
| また頼めるのか | 一度きりの依頼で終わる | 次に頼むときの連絡先と、同じ人が来るかどうか |
便利屋の集客が難しくなっている理由
最初に、便利屋を取り巻く状況を確かめておきます。
始めやすいので、同じ地域に同業が増えている
便利屋は、特別な資格が無くても始められる仕事です。
Q&Aサイトの回答にもあったように、本業として、副業として、農家の冬の仕事として、毎年たくさんの人が始めています。
始めやすいぶん、同じ地域に同業が増え、チラシも似たような内容が並ぶようになりました。
頼む側から見ると、どの便利屋も同じように「何でもやります」と書いていて、違いが分かりません。
一人暮らしの高齢者が増え、頼まれる中身が変わってきた
その一方で、便利屋に頼みたい人も増えています。
内閣府の令和8年版高齢社会白書によると、一人暮らしの高齢者は次のように増えてきました。
「65歳以上の一人暮らしの者は男女共に増加しており、昭和55年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%となり、令和32年には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれている。」
電球の交換や家具の移動、庭の手入れなど、以前は家族がやっていた用事を、頼める人がいない家が増えているのです。
| 時点 | 一人暮らしの男性の割合(65歳以上の男性に占める) | 一人暮らしの女性の割合(65歳以上の女性に占める) |
|---|---|---|
| 昭和55年 | 4.3% | 11.2% |
| 令和2年 | 15.0% | 22.1% |
| 令和32年(見込み) | 26.1% | 29.3% |
内閣府の令和8年版高齢社会白書をもとに、この記事で表にしました。
頼む人も、頼む人の家族も、慎重になっている
高齢の方が一人で暮らす家には、残念ながら悪質な業者も近づいてきます。
そのため、頼む本人だけでなく、離れて暮らす子どもの世代も、便利屋を選ぶときに慎重になっています。
親の家の用事を頼むために便利屋を探す子どもは、どこの誰なのか、料金はどう決まるのか、作業の様子をどう知らせてくれるのかを、厳しい目で確かめます。
頼みたい人は、どこに頼めばよいかを知らない
一人暮らしの高齢の方の多くは、便利屋という仕事があることは知っていても、近くにどんな便利屋があるのかを知りません。
電球が替えられない、重いものが動かせないと困ったとき、まず思い浮かべるのは、近所の知り合いや、離れて暮らす子どもの顔です。
子どもが検索して便利屋を探し、親の代わりに連絡をしてくることも少なくありません。
便利屋のページは、頼む本人と、その家族の両方に読まれることを考えて書く必要があります。
便利屋にも、許可が要る仕事がある
もう1つ、便利屋の集客で見落とされがちな前提があります。
「何でもやります」と言っても、法律で許可が要る仕事があるということです。
家庭のごみの回収には、市町村の許可が要る
いちばん身近なのが、不用品や粗大ごみの回収です。
環境省は、不用品回収業者について調べた結果を公表した際に、次のように説明しています。
「家庭から排出される一般廃棄物を業として収集運搬することは、原則として市町村長から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた者しか行うことができない」
そして、許可の無い業者に不用品の処分を頼むことは、違法な行為を助長するおそれがあり、料金のトラブルが起きるおそれもある、と利用者に呼びかけています。
同じ発表では、「無料回収」と称して高額な料金を請求する悪質な事業者がいることにも触れています。
「無料回収」という言葉は、警戒されている
環境省の発表によれば、「無料回収」と称して高額な料金を求める業者の存在が、以前から問題になってきました。
このため、頼む人の中には、「無料」という言葉そのものに身構える人もいます。
便利屋のチラシに「不用品を無料で引き取ります」と書くと、許可の有無にかかわらず、こうした業者と同じに見られるおそれがあります。
買い取りには、古物商の許可が要る
不要なものを買い取って売る場合は、古物営業法にもとづく古物商の許可が要ります。
Q&Aサイトでも、便利屋を始める人が古物商の許可を取る予定だと書いていました。
ただし、古物商の許可は買い取りのための許可で、家庭のごみを回収してよいという許可ではありません。
できないことを書くのは、信頼の材料になる
許可が要る仕事のうち、自社が許可を持っていないものは、引き受けられません。
これを書くと、依頼が減るように思えるかもしれません。
けれども、頼む人から見ると、できないことをはっきり書いている便利屋は、決まりを守る便利屋です。
市町村の粗大ごみの出し方を案内したり、許可を持つ業者に頼むよう伝えたりするだけでも、頼む人はこの便利屋は信用できると感じます。
| 頼まれやすい仕事 | 必要になるもの | ページでの書き方 |
|---|---|---|
| 家庭の不用品や粗大ごみの回収 | 市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可 | 許可が無ければ引き受けないこと、出し方の案内はできること |
| 不要品の買い取り | 古物商の許可 | 許可の番号と、買い取れるものの範囲 |
| 電気の配線の工事 | 電気工事士の資格 | 資格が無ければ、照明器具の交換までにとどめること |
| 家具の組み立てや移動 | 特別な許可は不要 | 大きさや階段の有無で人数が変わること |
| 庭の草むしりや枝切り | 特別な許可は不要 | 切った枝や草の処分の扱い |
決まりを知っている人ほど、便利屋を厳しく見る
自治体の広報や消費生活のお知らせで、許可の無い不用品回収の注意を目にした人は少なくありません。
こうした人は、便利屋のチラシに「不用品回収」と書かれていると、許可を持っているのかを確かめます。
許可の番号が書かれていなければ、その便利屋そのものを避けるかもしれません。
決まりを知っている人ほど、決まりを守る便利屋を探しているのです。
仕事の入り口ごとに、見られているものが違う
次に、便利屋がどんな入り口から仕事を得ているのかを整理します。
マッチングサイトからの依頼
暮らしの困りごとを頼めるマッチングの仕組みは、便利屋にとって身近な入り口です。
頼みたい人に見つけてもらいやすい一方で、料金と口コミの星の数が一覧で並ぶので、値段で比べられやすくなります。
Q&Aサイトには、マッチングの仕組みに登録したら、そこを通さずに受けてはいけないのか、という質問も寄せられていました。
仕組みの決まりを守ったうえで、そこで出会った人に、自社の名前と顔を覚えてもらうことが大切です。
紹介や仲介の業者からの依頼
ネットの広告で依頼を集め、地元の便利屋に仕事を回す仲介の業者もあります。
Q&Aサイトの回答にもあったように、仲介の手数料が高いと、地元の便利屋は頼んだ人に高い料金を求めざるを得なくなります。
頼んだ人から見ると、仲介を通した高い料金は、地元の便利屋の評判として残ります。
地元での口コミと紹介
便利屋の仕事の多くは、最後は地元での口コミと紹介で回っていきます。
一度頼んで安心した人が、近所の人や、同じ悩みを持つ友人に名前を伝えるのです。
この口コミを受け止める場所として、名前で検索したときに見つかるページが要ります。
| 仕事の入り口 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| チラシやポスティング | 地域の家に直接届く | 「何でもやります」だけでは頼む場面が伝わらない |
| マッチングサイト | 頼みたい人に見つけてもらいやすい | 料金と星の数で比べられる |
| 仲介の業者 | 自分で集客しなくても仕事が来る | 手数料の分、頼んだ人の払う料金が上がる |
| 地元での口コミと紹介 | 信頼が先に立っている | 名前で検索されたときの受け皿が要る |
| 自社のホームページ | 顔と所在と約束を自分の言葉で伝えられる | 育つまでに時間がかかる |
どの入り口を使うにしても、頼む人が最後に確かめるのは、名前で検索して出てくる自社のページです。
依頼が増えないときに、多くの便利屋がやってしまうこと
ここからは、依頼が増えないときに便利屋がよく打つ手と、その後に起きることを見ていきます。
どれも一見まっとうな手ですが、頼む前の信頼には手をつけていません。
間違い1 チラシの色やデザインを変える
最初の相談者は、チラシが白黒だから反応が悪いのではないか、と考えていました。
色を変えれば目には留まりやすくなるかもしれません。
けれども、目に留まったあとに読まれる中身が同じなら、電話をかける人の数は大きく変わりません。
頼む人が知りたいのは、自分の困りごとを頼んでよいのか、どこの誰なのか、料金はどう決まるのか、です。
この3つがチラシに書かれていれば、白黒でも電話はかかってきます。
チラシを直すときは、まず自分のチラシを、便利屋を知らない人の目で読み直してみてください。
困りごとの場面、どこの誰なのか、料金の決まり方の3つが、数秒で目に入るかどうかを確かめます。
目に入らないなら、色やデザインより先に、この3つを書き足すことが先です。
間違い2 できることを全部並べる
できることを全部並べ、最後に「何でもご相談ください」と書くのも、よく見かけるやり方です。
並べるほど、頼む人は自分の困りごとがどれに当たるのか迷います。
しかも、許可が要る仕事まで「できること」に並べてしまうと、決まりを知っている人からは、かえって信用されなくなります。
並べるより、頼まれることの多い場面を数少なく選び、その場面を具体的に書くほうが伝わります。
間違い3 料金の安さを打ち出す
同業が増えた地域では、料金の安さで目立とうとする便利屋も出てきます。
1時間いくら、最低料金いくら、と大きく書くやり方です。
ところが、便利屋の仕事は困りごとによって作業の中身が違うので、安い料金だけを見せても、頼む人は自分の場合にいくらになるのかが分かりません。
安さで集まった依頼は、ほかの便利屋がもっと安い料金を出したときに、そちらへ移っていきます。
値下げの競争では、手間をかける便利屋ほど、手元に残るものが少なくなります。
間違い4 見積もりを勝手に投げ込む
Q&Aサイトには、庭の枝が道路まで伸びている家に、勝手に見積もりの金額を書いたチラシを入れてもよいか、という質問もありました。
回答は、別にかまわないという短いものでした。
法律の上で問題が無くても、頼んでもいないのに自宅の庭を見て金額を書かれた人が、どう感じるかは別の話です。
見られていたと感じた人は、警戒こそすれ、電話をかけようとは思いません。
間違い5 訪問や電話で売り込む
依頼が少ないとき、近所を回ってあいさつをしたり、訪問で仕事を探したりする便利屋もいます。
地元に顔を知ってもらうこと自体は大切です。
けれども、一人暮らしの高齢の方の家を突然訪ねることは、悪質な業者と同じ形に見えてしまいます。
顔を知ってもらうなら、地域の集まりや、作業をした家の近所へのあいさつのような、頼む人が安心できる場面を選びます。
間違い6 屋号や連絡先を頻繁に変える
うまくいかないと、屋号を変えたり、チラシの電話番号を変えたりして、やり直そうとする人もいます。
Q&Aサイトの回答にあったように、名前を変えながら営業を続けるのは、悪質な業者の典型的なやり方として知られています。
悪気が無くても、屋号や連絡先がたびたび変わる便利屋は、頼む人から見ると同じ種類の業者に見えます。
同じ名前で、同じ場所で、同じ顔で続けていることそのものが、便利屋にとっていちばんの信頼の材料になります。
うまくいかないときほど、名前は変えずに、チラシとページの中身を変えることです。
名前を守り続けた年数は、あとからお金では買えない信頼になります。
間違い7 仲介の業者に頼りきる
自分で集客するのが大変だからと、仲介の業者から回ってくる仕事だけに頼る便利屋もいます。
仕事が回ってくるうちは楽ですが、手数料の分だけ頼んだ人の払う料金は上がり、作業をした自分の名前は残りません。
次に同じ家から頼まれるときも、仕事は仲介の業者を通って回ってきます。
| よくある打ち手 | しばらく後に起きること | 代わりにすること |
|---|---|---|
| チラシの色やデザインを変える | 目に留まっても、中身が同じなので電話は増えない | 困りごとの場面と、どこの誰かを書く |
| できることを全部並べる | 頼みたいことがどれか迷わせ、許可の要る仕事まで混ざる | 頼まれることの多い場面を数少なく選ぶ |
| 料金の安さを打ち出す | 自分の場合の料金が分からず、安さで移られる | 料金の決まり方と、見積もりの進め方を書く |
| 見積もりを勝手に投げ込む | 見られていたと感じて警戒される | 頼まれてから見に行く |
| 訪問や電話で売り込む | 悪質な業者と同じ形に見える | 地域の集まりや、作業した家の近所で顔を知ってもらう |
| 屋号や連絡先を頻繁に変える | 名前を変える業者と同じに見える | 同じ名前と場所と顔で続ける |
| 仲介の業者に頼りきる | 料金が上がり、自分の名前が残らない | 自社の名前で検索されたときのページを持つ |
間違い8 作業のあとに何も渡さない
作業が終わったら、料金を受け取って帰るだけ、という便利屋も多くあります。
頼んだ人は、その場では満足していても、半年後に別の困りごとができたときには、便利屋の名前を思い出せません。
チラシも手元に残っていなければ、また一から探すことになり、別の便利屋に頼むかもしれません。
作業のあとに何を渡すかで、次の依頼が来るかどうかが決まります。
どの打ち手も、便利屋の都合から始まっている
表に並べた7つの打ち手は、どれも便利屋の側の都合から始まっています。
目立ちたい、入り口を増やしたい、安く見せたい、早く仕事が欲しい、やり直したい、集客の手間を省きたい。
頼む人が知りたい「この困りごとを頼んでよいのか」「どこの誰なのか」「料金はどう決まるのか」には、どれも答えていません。
手を広げるほど、信頼の材料は薄まる
依頼が少ないと、あれもこれもと手を広げたくなります。
けれども、チラシの中身を広げ、入り口を増やし、料金を下げるほど、頼む人から見た便利屋の顔はぼやけていきます。
何でも引き受ける、どこでも頼める、いつでも安い。
そのどれもが、どこの誰なのかという問いへの答えを薄めてしまいます。
手を広げる代わりに、頼まれることの多い場面と、引き受けない仕事と、顔と所在を、深く書いていくほうが、信頼の材料は厚くなります。
回答者の「評価より信頼」を、形にする
Q&Aサイトの回答者は、作業の評価はよくて当たり前で、大切なのは評価より信頼だ、と書いていました。
では、信頼はどうやって形にすればよいのでしょうか。
答えは、頼む人が電話の前に抱えている不安を、その順番どおりに1つずつ消していくことです。
自分の困りごとを頼んでよいのか、どこの誰なのか、料金はどう決まるのか、作業の間はどうなるのか、また頼めるのか。
次の章では、その並べ直し方を具体的に見ていきます。
売れるサイトはみな謙虚という考え方
ここで、この記事の軸になる考え方をお伝えします。
合同会社謙虚では、中小企業のホームページを見直すときに「売れるサイトはみな謙虚」という言葉を使っています。
事業者が言いたいことを引き算し、訪れた人が知りたいことを、知りたい順に置く。
選ばれている事業者のホームページやチラシは、この形になっています。
便利屋の謙虚さは、「できないこと」を書くことに表れる
便利屋の場合、この考え方は、はっきりした形をとります。
それが、できないことを書く、という姿勢です。
「何でもやります」は、便利屋が言いたいことです。
頼む人が知りたいのは、自分の困りごとを頼んでよいのか、そして、この便利屋は決まりを守る相手なのか、です。
できないことを正直に書く便利屋は、できることも信じてもらえます。
「何でも」を引き算すると、困りごとの場面が残る
チラシやページから、できることの一覧と「何でもご相談ください」をいったん外してみてください。
そこに、頼まれることの多い困りごとの場面を、具体的に置いていきます。
一覧を減らすと依頼の入り口が狭くなるように思えますが、実際には逆です。
自分と同じ場面を見つけた人は、そこから電話をかけ、ついでにほかの困りごとも相談してくれます。
頼まれることの多い場面を、具体的に書く
最初に直すのは、チラシの見出しとページの最初の画面です。
困りごとは、場面の言葉で書く
「家具の組み立て」と書くより、「通販で買った棚が、説明書を見ても組み立てられない」と書くほうが、頼む人の頭の中にある言葉に近くなります。
「草むしり」と書くより、「夏のあいだに庭の草が膝の高さまで伸びてしまった」と書くほうが、自分のことだと感じてもらえます。
頼まれることの多い場面を、多くても5つか6つに絞り、それぞれを場面の言葉で書きます。
小さな用事も歓迎だと、はっきり書く
電球1個の交換や、重い家具を少し動かすだけの用事は、頼む人が遠慮しがちです。
「電球1個の交換でもうかがいます」と一文書いておくだけで、遠慮していた人が電話をかけてくれます。
小さな用事で一度頼んで安心した人は、次に大きな用事ができたときにも、同じ便利屋に頼みます。
一人暮らしの親の家の用事を、場面として書く
離れて暮らす子どもの世代に向けて、一人暮らしの親の家の用事を、場面として書いておきます。
「高い場所の電球を替えてほしい」「季節の家電の出し入れを手伝ってほしい」「庭の手入れを定期的にお願いしたい」。
そして、作業の様子を写真つきで子どもに知らせることができるかを書きます。
自分が立ち会えない子どもにとって、この報告は頼む決め手になります。
| 困りごとの場面 | チラシやページでの書き方 | 添えるとよいこと |
|---|---|---|
| 電球や照明器具の交換 | 「高い場所の電球が替えられない」 | 電球1個でもうかがうこと |
| 家具の組み立てや移動 | 「通販で買った棚が組み立てられない」 | 大きさによって人数が変わること |
| 庭の草むしりや枝切り | 「庭の草が膝の高さまで伸びてしまった」 | 切った草や枝の処分の扱い |
| 引っ越しの手伝い | 「荷造りと部屋の片付けを手伝ってほしい」 | 運ぶ量で時間が変わること |
| 一人暮らしの親の家の用事 | 「離れて暮らす親の家の用事を頼みたい」 | 作業の様子を写真で知らせること |
| 季節の家電の出し入れ | 「扇風機やこたつの出し入れがつらい」 | 決まった時期に定期でうかがえること |
季節ごとに、頼まれる場面を入れ替える
便利屋に頼まれる困りごとは、季節によって変わります。
春は引っ越しの手伝い、夏の前は庭の草と扇風機の出し入れ、秋は落ち葉と網戸、冬の前はこたつの出し入れと大掃除の手伝い。
チラシを配る時期に合わせて、見出しに置く場面を入れ替えると、同じ枚数でも反応が変わります。
ページの最初の画面も、季節に合わせて場面を入れ替えておきます。
引き受けない仕事を、理由と一緒に書く
次に、引き受けない仕事を書きます。
許可の要る仕事は、持っていなければ書かない
家庭の不用品や粗大ごみの回収は、市町村の許可が要る仕事です。
許可を持っていないなら、「家庭のごみの回収は、市町村の許可が要るためお引き受けしていません」と書きます。
そのうえで、市町村の粗大ごみの申し込み方を案内したり、運び出しだけを手伝ったりできるなら、そのことを添えます。
頼む人は、断られたことより、決まりを守って正直に教えてくれたことを覚えています。
資格の要る作業も、同じように書く
電気の配線の工事のように、資格の要る作業も、資格が無ければ引き受けないことを書きます。
照明器具の交換まではできるが、壁の中の配線は電気工事士の資格を持つ人に頼む必要がある、という書き方です。
できる範囲とできない範囲の境目が分かると、頼む人は安心して相談できます。
危ない作業も、はっきり断る
高い屋根の上の作業や、大きな木の伐採のように、危険が大きく、専門の道具が要る作業もあります。
引き受けない場合は、その理由と、どんな専門の業者に相談すればよいかを書きます。
無理をして引き受け、事故やけがにつながれば、便利屋にとっても頼んだ人にとっても不幸です。
| 引き受けない仕事 | 理由 | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 許可の無い家庭のごみの回収 | 市町村の許可が要る | 粗大ごみの申し込み方の案内、運び出しの手伝い |
| 壁の中の電気の配線 | 電気工事士の資格が要る | 照明器具の交換まで |
| 高い屋根の上の作業 | 危険が大きく専門の道具が要る | 専門の業者に相談するよう案内する |
| 大きな木の伐採 | 危険が大きく専門の道具が要る | 手の届く範囲の枝切り |
断るときの言い方も、決めておく
ページに引き受けない仕事を書いておいても、電話で頼まれることはあります。
そのときの断り方を、あらかじめ決めておきます。
「申し訳ありません、その作業は許可が要るためお引き受けできません。市の粗大ごみの受付に申し込むと、決まった日に回収してもらえます」という言い方です。
断ったうえで、できることを1つ伝えると、電話をかけてきた人は次の困りごとのときにまた連絡してくれます。
顔と所在と、続けている理由を見せる
3つ目に、どこの誰なのかを見せます。
住所と、代表者の顔と名前
事務所や店舗の住所、代表者の顔写真と名前を、チラシとページの目立つ場所に置きます。
店舗を構えていなくても、どの地域を拠点にしているのか、どこに連絡すればつながるのかをはっきり書きます。
Q&Aサイトの回答が、地元に店舗を構えている便利屋をすすめていたのは、簡単に名前を変えられないからでした。
店舗が無い場合も、同じ名前で、同じ顔で、この地域で続けていくという意思を、言葉で書いておきます。
便利屋を始めた理由と、前の仕事
便利屋を始めた理由と、前にどんな仕事をしていたのかを書きます。
Q&Aサイトには、土木や水道の職人として長く働いてきた経験を生かして便利屋を始めたい、という質問もありました。
前の仕事の経験は、便利屋のどんな作業に生きているのかと一緒に書くと、頼む人は安心して任せられます。
保険に入っているかを書く
作業の途中で家具や床を傷つけたときに備えて、賠償の保険に入っているかどうかも書いておきます。
補償の範囲と、何かあったときの連絡先を書いておくと、頼む人は安心して家に上げられます。
作業の前に、すでにある傷を一緒に確かめて写真に撮ることも、補償の揉めごとを防ぐために書いておきます。
地域で続けてきた年数と、作業の様子
開業からの年数と、地域でどんな作業をしてきたのかを書きます。
作業をした家の了解をもらえたら、作業の前と後の様子を、個人が分からない形で載せます。
同じ町の名前が出てくると、頼む人は近所で頼まれている便利屋だと感じます。
地域の集まりで顔を知ってもらう
チラシとページに加えて、地域の集まりで顔を知ってもらう方法もあります。
町内会の行事の手伝いや、地域の清掃の活動に参加すると、便利屋の顔と名前を覚えてもらえます。
売り込みの場にするのは避け、地域の一員として手を動かすことに徹します。
顔を知っている人が、困りごとができたときに思い出してくれる。
回答者が言った「地道に町内から始める」とは、こういうことです。
料金は、決まり方と見積もりの進め方を書く
4つ目に、料金を書きます。
料金の決まり方を書く
便利屋の料金は、作業の時間、人数、使う道具、出た草や枝の量などで決まります。
その決まり方を、頼む人に分かる言葉で書きます。
よく頼まれる場面については、目安の時間と人数を書いておくと、頼む人は自分の場合を想像できます。
見積もりは、作業の前に出す
見積もりをいつ出すのか、見積もりに料金がかかるのかを書きます。
そして、見積もりの金額から作業の途中で増えることがあるのか、あるならどんな場合で、作業の前にどう知らせるのかを書きます。
頼む人がいちばん恐れているのは、作業が終わってから、思っていたより高い料金を言われることです。
その場で決めなくてよいと書く
見積もりのあとに、その場で頼むかどうかを決めなくてよいことを書きます。
家族と相談してから決めてかまわない、と添えておくと、一人暮らしの高齢の方も、その家族も安心します。
料金の例を、場面ごとに書く
料金の決まり方と一緒に、よく頼まれる場面ごとの例を書いておくと、頼む人は自分の場合を想像しやすくなります。
たとえば、通販の棚の組み立てなら1人で1時間ほど、庭の草むしりなら広さによって2人で半日ほど、という書き方です。
時間と人数の目安が分かれば、頼む人は料金のおおよその見当をつけられます。
当日の流れと、作業のあとを書く
最後に、作業の当日の流れと、作業のあとのことを書きます。
到着から作業の前まで
到着したら、あいさつをし、困りごとの場所を一緒に見て、作業の中身と料金をもう一度確かめます。
すでにある傷や汚れがあれば、一緒に確かめて写真に撮っておきます。
料金が変わりそうなときは、ここで理由を説明し、了解をもらってから作業に入ります。
作業の間と、作業のあと
作業の間、家にいてもらう必要があるのか、留守の間に作業をしてもよいのかを書きます。
作業が終わったら、頼んだ人と一緒に仕上がりを確かめます。
離れて暮らす家族から頼まれた作業なら、作業の前と後の写真を家族に送ります。
作業の報告を、短い言葉で残す
作業が終わったら、何をしたのか、気になったことは何かを、短い言葉でメモにして渡します。
「棚を組み立て、壁に固定しました。下の段には重いものを置いてください」といった一言です。
このメモがあると、頼んだ人は家族に作業の中身を説明しやすくなり、便利屋の名前も一緒に伝わります。
次に頼むときの頼み方を渡す
作業のあとに、次の困りごとができたときの頼み方を渡します。
電話番号と名前を書いた小さな紙を、冷蔵庫に貼れる形で渡すと、困ったときに探さずに済みます。
季節の家電の出し入れや庭の手入れのように、決まった時期に頼まれる用事なら、次の時期に声をかけてよいかを聞いておきます。
一度頼んで安心した人が、次もまた同じ便利屋に頼む。
この繰り返しが、便利屋の仕事を支える土台になります。
| 当日の段階 | 便利屋がすること | 頼んだ人に伝えること |
|---|---|---|
| 到着 | あいさつと、困りごとの場所の確認 | 作業の中身と料金をもう一度確かめる |
| 作業の前 | すでにある傷や汚れを一緒に見て撮る | 料金が変わる場合は理由を説明する |
| 作業中 | 床や家具を守りながら作業する | 立ち会いの要否と、作業の見通し |
| 作業のあと | 一緒に仕上がりを確かめる | 家族にも写真で報告できること |
| 帰るとき | 次に頼むときの連絡先を渡す | 次の時期に声をかけてよいか |
便利屋の状況によって変わるところ
ここまでの話は、ひとりか少人数で営業している便利屋を想定してきました。
状況によって、力を入れる場所が少し変わります。
開業したばかりで、ホームページがまだ無い
最初の相談者のように、ホームページがまだ無い便利屋は、まず1枚だけでよいので、信頼の材料をそろえたページを作ります。
代表者の顔と名前、拠点の地域、頼まれることの多い場面、引き受けない仕事、料金の決まり方。
チラシを見た人が名前で検索したとき、このページが見つかれば、電話をかける前の不安の多くは消えます。
チラシには、そのページの場所を小さく載せておきます。
フランチャイズに加盟している
フランチャイズに加盟している便利屋は、本部の看板とは別に、自分の顔と地域の話を載せる場所を持ちます。
本部の決まりで自分のページを持てない場合も、地図のアプリの店舗の情報や、本部のページの中の店舗紹介の欄を、自分の言葉で埋めます。
職人の仕事から便利屋を始めた
大工や水道、電気などの職人の仕事から便利屋を始めた人は、前の仕事の経験がそのまま強みになります。
ただし、資格の要る作業と要らない作業の境目は、ほかの便利屋以上にはっきり書いておきます。
できることが多いぶん、頼む人はどこまで頼めるのかを知りたがるからです。
定期の用事を引き受けたい
庭の手入れや季節の家電の出し入れのように、定期の用事を引き受けたい便利屋は、定期で頼む場合の流れを書いておきます。
どれくらいの間隔でうかがうのか、毎回同じ人が行くのか、急な予定の変更はどう連絡するのか。
一人暮らしの親を持つ子どもの世代は、定期でうかがってもらえること自体に、見守りの安心を感じます。
ただし、見守りを約束するような書き方は、責任を負いきれない場合があるので、できる範囲を正直に書きます。
直したあとに見る数字
チラシやページを直したら、効いているかどうかを数字で確かめます。
電話や問い合わせの数と、どこで知ったか
いちばん大事なのは、電話や問い合わせの数です。
問い合わせを受けたときに、どこで名前を知ったかを必ず聞き、チラシ、名前での検索、地図のアプリ、マッチングサイト、紹介に分けて記録します。
チラシを直したなら、直す前と後の4週間ずつを比べます。
繰り返しの依頼と、紹介の数
一度頼んでくれた人が、また頼んでくれた数と、紹介で来た依頼の数を数えます。
この2つが増えていけば、信頼が地域に積み上がっている証拠です。
| 見る数字 | 数え方 | 下がっていたら見直す場所 |
|---|---|---|
| 電話や問い合わせの数 | 週ごとに数え、直す前と後を比べる | チラシの見出しと、困りごとの場面の書き方 |
| どこで名前を知ったか | 問い合わせのたびに聞いて記録する | 反応の少ない入り口を続けるかどうか |
| 繰り返しの依頼の数 | 前に頼んだ人からの依頼を数える | 作業のあとの頼み方の渡し方 |
| 紹介で来た依頼の数 | 紹介者の名前を聞いて記録する | 作業のあとの報告と、家族への写真 |
数字が伸びないときに、やめてしまわない
チラシやページを直しても、すぐに電話が増えるとは限りません。
便利屋に頼む困りごとは、ある日突然やって来るものなので、チラシが冷蔵庫に貼られてから電話が来るまでに、数か月かかることもあります。
少なくとも季節を1つまたぐまでは、直した中身を続けてみることです。
よくある質問
Q1. チラシはカラーにしたほうがよいですか
色より中身が大切です。
頼まれることの多い場面、どこの誰なのか、料金の決まり方が書かれていれば、白黒でも電話はかかってきます。
同じ地域の便利屋のチラシを何枚か並べてみると、どれも同じような見出しになっていることに気づくはずです。
その中で、困りごとの場面とどこの誰なのかが書かれたチラシは、それだけで目立ちます。
Q2. 「何でもやります」と書かないと、依頼が減りませんか
頼まれることの多い場面を具体的に書くほうが、自分のことだと感じた人から電話がかかってきます。
電話をかけてきた人は、ついでにほかの困りごとも相談してくれるので、依頼の幅が狭まることはあまりありません。
Q3. 不用品の回収を頼まれたらどうすればよいですか
家庭のごみの回収には、市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。
許可を持っていなければ引き受けず、市町村の粗大ごみの出し方を案内するか、運び出しだけを手伝えるかを伝えます。
引き受けない仕事をはっきり書いておくと、こうした電話そのものが減り、断る手間も省けます。
Q4. 料金は安くしたほうがよいですか
安さだけを打ち出すと、自分の場合の料金が分からず、かえって身構えられます。
料金の決まり方と、見積もりの進め方、作業の途中で料金が変わる場合の扱いを書くほうが、安心して頼んでもらえます。
Q5. 店舗が無いと信用されませんか
店舗が無くても、拠点の地域と連絡先、代表者の顔と名前、同じ名前で続けていく意思をはっきり書けば、信頼の材料になります。
屋号や連絡先をたびたび変えないことも、大切な信頼の材料です。
まとめ
便利屋は、始めやすいぶん同じ地域に同業が増え、どこも「何でもやります」と書いています。
その一方で、一人暮らしの高齢者が増え、便利屋に頼みたい人と、その家族は慎重になっています。
頼む人は、作業の上手さより先に、この困りごとを頼んでよいのか、どこの誰なのか、料金はどう決まるのかを確かめています。
頼まれることの多い場面を具体的に書き、引き受けない仕事を理由と一緒に書き、顔と所在を見せ、料金の決まり方と当日の流れを約束する。
Q&Aサイトの回答者が言った「評価より信頼」は、こうして形にできます。
白黒のチラシでも、ページが1枚しか無くても、この順番で書かれていれば、頼む人は電話をかけてくれます。
便利屋の集客で大切なのは、目立つことより、頼む前の不安を1つずつ消していくことです。
より詳しい考え方や、ほかの業種での例は、合同会社謙虚のトップページでもご紹介しています。
今日できる点検
最後に、今日のうちに確かめられることを表にまとめます。
| 点検すること | 確かめ方 | できていなかったら |
|---|---|---|
| 困りごとの場面が書いてあるか | チラシの見出しを読む | 頼まれることの多い場面を場面の言葉で書く |
| 引き受けない仕事が書いてあるか | 許可や資格の要る仕事と照らし合わせる | 理由と、代わりにできることを書く |
| 顔と所在が見えるか | チラシとページの最初を見る | 住所、代表者の顔と名前を目立つ場所に置く |
| 料金の決まり方が書いてあるか | 料金の欄を読む | 決まり方と、見積もりの進め方を書く |
| 次に頼むときの頼み方を渡しているか | 作業のあとに渡している紙を見る | 冷蔵庫に貼れる連絡先の紙を作る |
いま配っているチラシを手に取り、見出しに困りごとの場面が書いてあるかを確かめてください。
「何でもやります」だけなら、そこが最初に直す場所です。
次に配る分から、頼まれることの多い場面を1つだけ見出しに置いてみてください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
初回は無料・60分・オンライン完結・その場で契約のお願いはいたしません


