「◯◯駅 美容室 おすすめ」と打ち込む人は、まだたくさんいます。ただ、その手前で生成AIに「くせ毛がひどくて朝のセットに30分かかる。◯◯駅の近くで、相談に乗ってくれる美容室はありますか」と聞く人が増えました。返ってくるのは、2〜3店の名前と、それを挙げた理由です。
そこに自店の名前が入っているかどうか。入っていないとしたら、原因は知名度より、AIが読める場所に、自店のことばで書かれた文章が1つも無いことにあります。
この記事では、いま自店が出てくるかを10分で確かめ、出てこない原因を切り分け、今日のうちに1か所だけ直すところまでを具体的にたどります。読み終えたときに、次に何を書くかが1つ決まっている状態を目指します。
何をすべきかの判断は、検索エンジン側が公式に出しているLLMOの見解をあわせてご覧ください。
結論:やるのは、預けたままの情報を自店に取り戻す作業です
美容室とサロンには、他の業種にない事情が1つあります。自店の情報のほとんどが、自店のサイトの外にあることです。
大手の予約サイトには、メニューも、価格も、スタイリストの一覧も、写真も、口コミも、きれいに整理されて載っています。一方、自店のホームページは営業時間と地図とメニュー表で止まっている。この状態でAIに「◯◯駅 縮毛矯正 上手い店」と聞かれると、AIが読んで答えの材料にするのは、当然ながら情報が厚いほう、つまり予約サイト側です。
そして予約サイトに載っているのは、どの店も同じ枠に同じ項目を埋めた文章です。差が出るのは、枠の外だけです。
やることは3つに絞れます
| 順 | やること | かかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | いま自店が出てくるかを、生成AIに実際に聞いて確かめる | 10分 |
| 2 | いちばんよく相談される施術について、自店のサイトに1ページ書く | 2〜3時間 |
| 3 | 地図サービスの情報を、自店サイトの記載と一致させる | 30分 |
順番を入れ替えないでください。1番を飛ばして2番から始めると、すでに出てきている店が、出てくるための作業をやり直すことになります。
お客さんは、生成AIに何と聞いているか
まず、聞かれ方が検索とは変わっている点を押さえます。ここを取り違えると、書くページの見出しがずれます。
検索と生成AIでは、ことばの長さが変わります
検索窓には、単語を並べます。「渋谷 美容室 縮毛矯正」のような形です。生成AIには、文章で状況を説明します。
「6年くらい縮毛矯正をかけ続けていて、毛先がチリチリになってきました。もうかけないほうがいいのか、それとも別の方法があるのか、渋谷あたりで相談できる美容室を教えてください」
この長さの質問に、そのまま答えている文章を持っている店が引用されます。この答えが書いてあるのは、メニュー表の外です。
聞かれ方は、大きく4つに分かれます
| 型 | 質問の例 | 答えを持っているべき場所 |
|---|---|---|
| できるかどうか | ブリーチを3回している髪に、黒染めはできますか | 施術ごとの説明ページ |
| どちらを選ぶか | 髪質改善と縮毛矯正は、何が違いますか | 比べるページ |
| 店を選ぶ | ◯◯駅で、白髪染めで頭皮がしみない店はありますか | 施術ページ+地図サービス |
| 相場と時間 | 髪質改善は、どのくらい時間とお金がかかりますか | 料金と所要時間のページ |
4つのうち、いちばん来店に近いのは3つ目です。ただし3つ目に届くのは、1つ目と2つ目に答えている文章があって、AIが「この店は、この施術について詳しい」と判断したあとになります。
いま自店が出てくるかを、10分で確かめる
推測で進めないでください。実際に聞けば、10分で分かります。
手順
生成AIを開いて、次の4つをそのまま打ち込みます。◯◯には最寄り駅か地域名、△△には自店でいちばん多い施術名を入れてください。
- ◯◯で、△△が上手な美容室を3つ教えてください。選んだ理由も教えてください
- △△をやりたいのですが、どんな店を選べばいいですか。◯◯周辺で候補があれば教えてください
- (自店名)はどんな美容室ですか
- (自店名)と、◯◯にある他の美容室の違いを教えてください
1つ目と2つ目で自店が出てくるかどうかが、いまの立ち位置です。3つ目と4つ目は、AIが自店をどう理解しているかの確認です。
出てこなかったときに、控えておくこと
自店の名前が出なかったら、落胆する前に、代わりに何が出てきたかを控えてください。控えるのは店名より、AIが挙げた理由のほうです。
「カウンセリングに時間をかけている」「髪の状態によっては施術を断ることを明記している」「使用する薬剤の種類を公開している」。こうした理由が並ぶはずです。
それが、いまその質問で選ばれている条件です。そして自店のサイトには、その条件についての記述が無い。次に書くページは、ここから決まります。
予約サイトに情報を預けたままだと、何が起きるか
ここが美容室とサロンにいちばん強く効いている構造なので、少し丁寧に説明します。
引用されるのは、まとめている側です
生成AIは、質問に答えるために、その話題について厚く書かれた場所を探します。「◯◯駅の美容室」という話題について、いちばん厚い情報を持っているのは、その地域の店を数十件まとめている予約サイトです。
だからAIは、まずそこを読みます。そして、そこに載っている自店の紹介文を材料にします。
その紹介文は、決められた文字数の枠に、決められた項目を埋めたものです。どの店の紹介文も、構造がまったく同じです。同じ形をしたものが50件並んでいると、AIは特定の1件を選ぶ理由をそこから見つけられなくなります。
自店のサイトが「営業時間とメニュー表」で止まっている
予約サイトに情報がそろっているので、自店のサイトは連絡先の確認用でよい。長くこの判断が正しかったのは事実です。予約はほとんど予約サイト経由で入っていたからです。
ただ、AIに聞く人が増えた時点で、この判断の前提が崩れました。AIは、店が自分で書いた文章を、まとめサイトの紹介文より重く扱います。書いた人がその仕事をしている人だと判断できるからです。
自店のサイトに何も書いていないと、AIが自店について語れる材料は、他人が要約した紹介文だけになります。
預けた情報は、書き換えられません
もう1つあります。予約サイトの紹介文は、枠と項目が向こうの都合で決まります。書けるのは、その枠に入る内容だけです。
「この髪の状態のかたには、施術をお断りしています」。こういう文章は、集客を目的とした枠からはみ出します。ところが、AIに引用されるのは、まさにこの種の文章です。理由は後で説明します。
第1の門と第2の門。順番を間違えると効きません
やることを決める前に、いま自店がどちらの段階にいるかを見分けてください。ここを取り違えたまま作業すると、効かない施策に時間を使います。
| 第1の門 | 第2の門 | |
|---|---|---|
| 何が起きる場所か | AIが答えを作るとき、候補として拾われるか | 拾われた中から、引用されるか |
| 効くこと | 検索で見つかる状態を作る。従来のSEOとほぼ同じ | 書き方を変える。出典、数字、具体的な説明 |
| ここが弱いと | 何を書いても、そもそも読まれない | 読まれてはいるが、他店が引用される |
自店がどちらの門にいるかを見分ける
先ほど打ち込んだ3つ目の質問、「(自店名)はどんな美容室ですか」の答えで分かります。
店名を入れても「そのお店の情報は見つかりませんでした」と返ってくるなら、第1の門です。まだ拾われていない段階なので、書き方を工夫しても読まれずに終わります。まず、自店のサイトが検索で見つかる状態を作ってください。
店名を入れれば正しく説明が返ってくるのに、「◯◯で△△が上手な美容室」では出てこない。この場合は第2の門です。読まれてはいるが、選ばれる理由が書かれていない状態です。ここからは、書き方の話になります。
髪と肌の話には、書けない表現があります
美容室とサロンには、医療機関ほどではないものの、表現の制約があります。ここを知らずに「AIに引用されやすい書き方」だけを追うと、法令に触れます。先に整理します。
効能効果の言い切りは書けません
医薬品医療機器等法(薬機法)は、化粧品や美容機器について、認められた範囲を超えた効能効果をうたうことを禁じています。
「髪が生えます」「シミが消えます」「痩せます」。この形は法令に触れます。「髪のダメージを修復します」も、化粧品に認められた表現の範囲を超えます。
書けるのは、手ざわりや見た目の変化として説明する形です。「乾かしたあとのまとまりが変わります」「指どおりが変わります」。実際に起きることを、起きるとおりに書く。書き方を狭めているようで、そのままAIに引用されやすい形になります。
「No.1」と最上級は、根拠を持っていないと書けません
景品表示法は、実際より著しく優良だと見せる表示を禁じています。「地域No.1」「日本一の技術」といった表現は、客観的な調査に基づいた根拠と、その調査の出所を示せない限り書けません。
ここも、書けないことがそのまま得になります。AIが評価するのは、最上級の形容より根拠のほうです。根拠の無い断定が多い文章は、引用の材料として扱われにくくなります。
書けないぶん、書けることがはっきりします
効能を言い切れない。最上級も使えない。では何を書くのか。
使う薬剤の種類と、それを選ぶ理由。施術にかかる時間。持ちの目安。どういう髪の状態だと向かないか。カウンセリングで何を聞いて、何を見ているか。
どれも法令に触れず、しかもAIが求めている具体性そのものです。制約の中で書けるものが、そのまま第2の門を通る材料になっています。
施術のページを、どう書くか
いちばん効くページなので、書き方を具体的にお伝えします。まず1つだけ作ってください。自店でいちばん相談の多い施術を選びます。
見出しは、お客さんのことばのまま置きます
「縮毛矯正メニューのご案内」ではなく、「縮毛矯正を何年も続けていて、毛先が傷んできたとき、まだかけていいのか」と置きます。
お客さんが打ち込むことばを、そのまま見出しにしてください。施術の正式名は、本文の中で「これは一般に縮毛矯正と呼ばれる施術です」と添える形にします。
順序が逆になると、探している人からもAIからも遠ざかります。店の中で使っていることばと、お客さんが打ち込むことばは、多くの場合ちがいます。
並べる順番は、お客さんが知りたい順です
| 順 | 書くこと | 目安の長さ |
|---|---|---|
| 1 | いまの髪の状態で、この施術ができるかどうか | 3〜4行 |
| 2 | その施術で、髪に何が起きるのか | 1段落 |
| 3 | 当日の流れと、かかる時間 | 1段落 |
| 4 | 持ちの目安と、次にいつ来ることになるか | 1段落 |
| 5 | 施術の前後で、やってよいこと、やらないほうがよいこと | 箇条書き |
| 6 | この施術をお断りする髪の状態 | 3〜5行 |
1番を先頭に置いてください。お客さんが最初に知りたいのは、自分の髪でできるかどうかです。ここを最後に書くと、そこまで読まれずに離脱されます。
5番を書いている店は少数です。ところが、ここがよく読まれます。「当日シャンプーしていいか」「翌日結んでいいか」は、実際に聞かれている質問だからです。
6番が、この記事でいちばん伝えたい部分です
「この施術をお断りする髪の状態」を書いてください。
ブリーチを何回もしている髪。過去の施術から日が浅い場合。頭皮に傷や炎症がある場合。自店が実際に断っている条件を、そのまま書きます。
断る基準を書いている店は、AIに引用されやすくなります。理由は単純で、それが判断の材料になるからです。
お客さんがAIに聞いているのは「どこの店がいいか」ではなく、多くの場合「自分の髪でこれができるのか」です。その問いに答えられる文章を持っている店だけが、答えの中で名前を挙げられます。
「できない」と書くことが、なぜ効くのか
ここは直感に反するところなので、根拠を添えます。
生成AIが答えを作るとき、どういう書き方をした文章が引用されやすいかは、測られています。2024年に発表された研究では、同じ内容の文章を書き方だけ変えて比較したところ、専門家の言を引用として入れた文章は引用されやすさが41.0%上がり、具体的な数値を入れた文章は30.6%、参照した出典を明記した文章は27.5%上がりました。逆に、狙ったことばを本文に詰め込んだ文章は8.3%下がっています。
この結果に共通しているのは、「検証できる形で書かれているか」です。断る条件は、検証できます。「丁寧なカウンセリング」は、読んだ人には確かめようのない言葉です。
そして実務の面でも効きます。断る条件を先に書いておくと、その条件に当てはまる人は来店を見送ります。来店してから断ることになる回数が減ります。集客の記事が、そのまま業務の負担を減らします。
スタイリストの個人ページが、いちばん引用されやすい
店の紹介ページより、スタイリスト個人のページのほうが引用されます。
AIは、書いた人が誰かを見ています。名前があり、経歴があり、得意な施術がはっきりしていて、その人が書いた文章がある。この4つがそろっているページは、店名だけのページより重く扱われます。
個人ページに入れるもの
- 名前と、美容師としての年数
- 得意な施術と、それを得意だと言える理由(習得した技術、講習の受講歴など)
- どういう髪質の相談が多いか
- カウンセリングで必ず聞いていること
- その人が書いた、施術についての文章(1本でかまいません)
最後の1つが効きます。写真とプロフィールだけのページは、どの店にもあります。本人が書いた文章があるかどうかで、扱いが変わります。
1人サロンのほうが、実は有利です
スタイリストが1人なら、店の紹介と個人の紹介が一致するので、分けずに済みます。
大型店では「誰が書いたのか分からない文章」になりがちです。1人でやっている店は、書いたものがそのまま本人の言葉になります。この点だけを見れば、規模が小さいほうが第2の門は通りやすくなっています。
地図サービスの情報が、思ったより効きます
地図サービスに登録している情報は、AIが答えを作るときによく参照されます。ここは無料で、30分で終わります。
確かめる項目
- 店名の表記が、自店サイトと1文字も違わないこと
- 住所と電話番号の表記が、自店サイトと一致していること
- 営業時間と定休日が、いまの実態と合っていること
- 提供している施術が、実際のメニューと合っていること
- 店内の写真が、いまの内装であること
表記のゆれは、思っているより頻繁に起きています。「ヘアサロン◯◯」とカタカナで書いた場所と、アルファベットで書いた場所が混ざる。ビル名を書いたり書かなかったり。この不一致があると、AIは同じ店だと確信を持てません。
自店サイトと、記載を一致させてください
合わせる先は、自店のサイトです。地図サービスの側を自店サイトに合わせるのではなく、両方を同じ表記に統一します。予約サイトの表記も、可能な範囲で合わせてください。
口コミへの対応が、そのまま材料になります
口コミは、AIが店を評価するときに読んでいます。ただし、読まれ方に誤解があります。
点数ではなく、返信が見られています
AIが材料にしているのは、点数そのものより、そこに書かれている内容と、店がどう返しているかです。だから、平均点より先に返信の中身を見てください。
材料として機能するのは、返信がある口コミのほうです。店の姿勢を示す文章として読まれます。
返信で書いてはいけないこと
低い評価への反論は書かないでください。事実の訂正が必要な場合でも、争う形にせず、何をどう改めたかだけを書きます。
そして、来店の履歴や施術の内容を返信の中で明かさないでください。相手が自分で書いている内容であっても、店の側から個人が特定できる情報を書き足すのは避けます。
口コミの依頼より、返信のほうが早い
口コミの投稿をお客さんに依頼する行為は、各サービスの規約で制限されていることがあります。それ以前に、依頼して集めた口コミは内容が似通うので、材料としての価値が上がりません。
効くのは、すでにある口コミに返信することです。集めるより、返すほうが早く、規約の範囲にも収まります。
2つの施術を比べるページが、いちばん空いています
施術ページを1つ書いたら、次は比べるページを作ってください。ここは競合がほとんど手をつけていない場所です。
なぜ空いているのか
店の側から見ると、2つのメニューを比べる文章は書きにくいものです。片方を選ばれると、もう片方の売上が減るように見えるからです。だから多くの店は、それぞれのメニューを個別に説明して終わります。
ところが、お客さんが迷っているのはまさにそこです。「髪質改善と縮毛矯正は何が違うのか」「デジタルパーマとコールドパーマはどちらがいいのか」。この質問が生成AIに投げられたとき、答えの材料になる文章を持っている店がほとんどありません。
比べるページの書き方
| 順 | 書くこと |
|---|---|
| 1 | 2つは、何をしている施術なのか(仕組みの違い) |
| 2 | 仕上がりが、どう違うか |
| 3 | 持ちと、次の来店までの間隔の違い |
| 4 | 髪への負担の違い |
| 5 | こういう人には、こちらを勧めている |
| 6 | 迷ったときに、カウンセリングで何を見て決めているか |
5番と6番が要です。どちらが優れているかではなく、どういう人にどちらを勧めているかを書いてください。
「くせが強く、毎朝アイロンを使っているかたには縮毛矯正を勧めています。くせは弱いが、乾かしたあとの広がりが気になるかたには髪質改善を勧めています」。この形です。
この書き方だと、どちらの施術を探している人にも届きます。どちらを選ばれても、売上は残ります。
サロンの業態によって、聞かれ方が変わります
ここまで美容室を例に書いてきました。業態が違うと、質問の型も変わります。
エステとリラクゼーションは、効果の書き方が問われます
この分野は、聞かれる質問が「本当に効くのか」に集中します。ところが、効能を言い切れないので、正面から答えられません。
答えられるのは、施術の中身と回数の目安です。何をどう施術するのか、1回でどこまで、何回でどうなることが多いのか。結果を約束せず、経過を説明する。この形にすると、法令に触れずに具体的な文章になります。
そして、向かないかたの条件を書いてください。持病がある場合、服薬している場合、施術を控えていただく条件。医療行為との線引きも、はっきり書くほど信頼されます。
ネイルとまつげは、持ちと直しの質問が多い
この2つは、質問がはっきりしています。どのくらい持つのか、取れたときにどうするのか、自分で取ってよいのか、他店で付けたものを直してもらえるのか。
最後の1つは、書いている店がほとんどありません。他店で施術したものへの対応方針は、実際によく聞かれます。受けるなら条件を、受けないならその理由を書いてください。
整体と接骨は、医療との線引きが最初に来ます
柔道整復や鍼灸には、施術できる範囲と広告できる内容に法令の定めがあります。国家資格を持たないリラクゼーションとは、書ける内容が違います。
どちらの立場なのかを、最初にはっきり書いてください。ここが曖昧なページは、AIにも利用者にも判断できません。できないことを先に書くほど、できることの説明が効きます。
複数の業態を1店でやっている場合
美容室にネイルを併設している、エステとまつげを両方やっている、という店は多いはずです。この場合、1ページにまとめないでください。
質問の型が違うので、答えるページも分けます。1ページに詰め込むと、どちらの質問にも中途半端にしか答えられなくなります。
やらなくていいことが、3つあります
LLMO対策として紹介されているもののうち、美容室とサロンが今の段階で手を出さなくてよいものを挙げます。
1つ目:AI向けの案内ファイルの設置
サイトの中身をAI向けにまとめたファイルを置く、という方法が紹介されることがあります。ただ、これを読むことを表明している主要な検索エンジンや生成AIは、いまのところありません。置いても害はありませんが、優先して取り組むものではありません。
2つ目:AI専用の構造化データ
店舗の情報を機械が読める形で書いておく仕組みは、以前から有用です。ただし「AI検索のための特別な記述」というものは存在しません。既存の仕組みを正しく書けば十分です。
3つ目:文章を細切れにする作業
AIが読みやすいように文章を短く区切る、という話があります。これは逆効果になることがあります。先ほどの研究では、文章の流れをなめらかに整えた場合に引用されやすさが28.0%上がっていました。ぶつ切りにすると、この分を失います。
予約サイトをやめる必要はありません
ここまで読んで、予約サイトから離れる話だと受け取られたかもしれません。伝えたいのは逆のことです。
予約サイトは、いまも新規の来店を運んでいます。そのまま使い続けてください。この記事で言っているのは、そこに情報を預けたまま、自店の側に何も無い状態を変えましょう、ということです。
やることは、預けた情報を引き上げることではなく、預けていない種類の文章を自店に置くことです。断る条件、薬剤を選ぶ理由、カウンセリングで見ているもの。どれも予約サイトの枠には入りません。
両方あってかまいません。むしろ、両方にあって記載が一致しているほうが、AIは同じ店の情報だと判断しやすくなります。
効果は、順番に3つ測ります
やったことが効いているかを、どこで見るか。3つあり、後ろほど精度が高くなります。
| 順 | 測るもの | 見る場所 | いつから動くか |
|---|---|---|---|
| 1 | 生成AIに聞いたときに、自店が出てくるか | 実際に打ち込んで確かめる | 1〜2か月 |
| 2 | 生成AIからサイトに来た人の数 | アクセス解析の参照元 | 2〜3か月 |
| 3 | 来店時に「AIで見て」と言われた回数 | カウンセリングで聞く | 3〜4か月 |
3つ目が、いちばん精度が高くなります
カウンセリングの最初に「どこで当店をお知りになりましたか」と聞いて、答えを記録してください。予約サイト、紹介、検索、AI。この4つに分けるだけで十分です。
アクセス解析の数字より、この記録のほうが早く、正確に動きます。理由は、AIの答えを見た人がサイトを経由せず直接予約サイトから予約したり、電話をかけてきたりするからです。サイトを通らない来店は、アクセス解析には残りません。
0という数字には、2つの意味があります
「AIで見て」が0件だったとき、届いていないのか、聞けていないのかを区別してください。カウンセリングで聞く仕組みが無ければ、届いていても0になります。
まず聞く仕組みを作ってから、数字を読んでください。順番が逆だと、効いているものをやめてしまいます。
90日の進め方
| 時期 | やること | 終わったときの状態 |
|---|---|---|
| 1〜7日目 | 生成AIに4つの質問を打ち込み、控える。地図サービスの情報を自店サイトと一致させる | いまの立ち位置が分かっている |
| 8〜30日目 | いちばん相談の多い施術について、1ページ書く。断る条件を必ず入れる | 自店のことばで書かれたページが1つある |
| 31〜60日目 | スタイリストの個人ページを整える。既存の口コミに返信する | 誰が書いたか分かる状態になっている |
| 61〜90日目 | 2つ目、3つ目の施術ページを書く。1日目と同じ質問をもう一度打ち込む | 変化が測れている |
1ページ目を書くのに2〜3時間かかります。ただ、2ページ目からは早くなります。書く順番と項目が決まっているからです。
よくいただく質問
予約サイトに載せている文章を、そのまま自店サイトに貼ってもいいですか
貼らないでください。同じ文章が2か所にあると、AIはどちらが元なのか判断できず、まとめている側を選びます。
自店サイトには、予約サイトの枠に入らない種類の文章を書いてください。断る条件、薬剤を選んでいる理由、カウンセリングで見ているもの。重ねるのではなく、載せていないものを載せます。
ブログは書いたほうがいいですか
本数を増やす目的なら、書かなくてかまいません。日々の出来事や季節の挨拶は、AIの答えの材料から外れます。
書くなら、お客さんから実際に受けた質問に1本ずつ答える形にしてください。「梅雨の時期に広がるのは、なぜですか」のような質問です。質問が先にあり、それに答える形の文章だけが材料になります。
SNSに投稿していれば、LLMO対策になりますか
なりません。ただし、無駄でもありません。
生成AIが答えを作るとき、SNSの投稿が直接引用されるのはまれです。写真が中心で、判断の材料になる文章が少ないためです。ただ、SNSで店名を知った人が、あとで店名でAIに聞くという経路はあります。
SNSは名前を知ってもらう役割、サイトは選ばれる理由を置く役割。役割を分けて、両方置いてください。
効果はどのくらいで出ますか
生成AIの答えに変化が出るまで、早くて1か月、多くの場合2〜3か月です。書いたページが検索の対象として認識され、その内容が答えの材料として使われるまでに時間がかかります。
1か月で判断しないでください。この期間に「効果が無い」と判断してやめるのが、いちばん多い失敗です。
ホームページ制作会社にLLMO対策を頼むとき、何を確かめればいいですか
3つ聞いてください。
- いま自店が生成AIに出てくるかを、先に確かめてもらえますか
- 施術の内容を、うちのスタッフに取材して書いてもらえますか
- 断る条件や、向かない髪質についても書いてもらえますか
1つ目に答えられない会社は、現状を測らずに作業を始めます。2つ目に答えられない会社は、一般論だけのページを納品します。3つ目に難色を示す会社は、集客の枠の中だけで考えています。
1人でやっているサロンでも、意味はありますか
あります。むしろ有利です。
書いた文章がそのまま本人のものになるので、誰が書いたかが明確です。得意な施術も絞られているので、その領域については厚い文章を書けます。AIが選ぶのは規模ではなく、その質問に答えられる具体性です。
すでに検索の上位にあるページも、書き換えるべきですか
いいえ。上位にあるページは、そのままにしてください。
すでに高い順位を取っているページに引用されやすくする書き換えを加えると、順位が下がることが観測されています。上位にあるページは第1の門を通っています。触らずに、まだ順位の無い領域に新しく書いてください。
メニューの料金は、サイトに書いたほうがいいですか
書いたほうがよくなります。金額そのものより、何によって金額が変わるのかを書いてください。
髪の長さ、施術の回数、使う薬剤。変わる理由が書かれていると、「◯◯はいくらくらいですか」という質問に対して、AIが自店の説明を引用できます。金額だけが並んでいるページは、そこで話が終わってしまいます。
まとめ
美容室とサロンの状況を、もう一度整理します。
自店の情報のほとんどが、自店のサイトの外にあります。予約サイトには、決められた枠に埋めた紹介文が並んでいます。生成AIがその話題について読みにいくのはそちら側で、そこから特定の1店を選ぶ理由は見つかりません。
だから、預けていない種類の文章を自店に置きます。断る条件、薬剤を選ぶ理由、カウンセリングで見ているもの、施術の前後にやってよいこと。どれも集客の枠には入らないぶん、判断の材料になります。
薬機法と景品表示法があるので、効能を言い切ることも、最上級を使うこともできません。ただ、書けるものだけを書くと、それがそのまま引用されやすい文章になります。制約が、方向を決めてくれています。
やらなくていいことも3つあります。AI向けの案内ファイル、AI専用の構造化データ、文章を細切れにする作業。どれも後回しで大丈夫です。
まず、10分だけ使ってください
生成AIを開いて、お客さんが打ちそうな質問を4つ投げる。自店が出てくるか、出てこないなら代わりに何が出てくるかを控える。
ここから始めてください。出てきたものが、いまその質問で選ばれている情報源です。自店に足りていないものが、そこに書かれています。
控えた内容を見れば、次に作るページが決まります。
この記事に書いたことを、そのまま御社のページに
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OKが出るまで、何度でも直します。事実が違う、言い回しが硬い、この話は入れないでほしい。どれも遠慮なくおっしゃってください。何度お直ししても、追加の料金はいただきません。
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ページを増やしても問い合わせが来ないなら、原因はページの外にあります。その場合は、下の入口からご相談ください。
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