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飲食店のLLMO対策|生成AIが見ているのは、自店のホームページではありません

2026 8/24
条件で絞られる飲食店の選ばれ方

「◯◯駅の近くで、4人で入れる個室のある和食の店を教えて」。生成AIにこう尋ねて店を決める人が出てきました。そこで自店の名前が出るかどうか。

調べるとLLMO対策という言葉が出てきますが、飲食店の場合、他の業種とは事情が違います。いちばん大きな材料が、自店のホームページではないためです。

合同会社謙虚は、ウェブサイトから要素を引き算して、訪れた人が迷わず次の一歩へ進む形へ組み直す仕事をしています。3つのドメインを並行して運用し、何を変えると数字が動くかを測り続けています。

この記事では、飲食店で何が材料になっていて、どこから手を付ければいいのかをお伝えします。結論を先に言うと、ホームページを作り込むより先にやることがあります。

目次

結論:材料は、自店のサイトの外にあります

生成AIが「この地域で条件に合う店」を答えるとき、参照しているものの中心は自店のホームページではありません。

使われているのは、地図サービスに登録された情報と、グルメ系のサイトに載っている情報です。営業時間、席数、個室の有無、予算帯、支払い方法、禁煙かどうか。この項目が埋まっていない店は、条件付きの質問で候補に上がりません。

これは不利な話に聞こえますが、逆でもあります。ホームページを持っていない店でも、ここを埋めれば候補に入れます。費用はかかりません。

やることは3つに絞れます

順 やること かかる時間 効きはじめ
1 地図サービスの項目を、条件で絞られる順に埋める 2時間 その日から
2 口コミに返信する 1件5分 数日
3 自店サイトに、条件を文章で書く 3時間 1〜2か月

1つ目から順にやってください。3つ目から始めると、効きはじめまで数か月かかります。

客は、生成AIに何と聞いているか

検索窓に打つ言葉と、生成AIに話しかける言葉は、長さも中身も違います。

検索窓に打つ言葉 生成AIに聞く言葉
◯◯駅 居酒屋 ◯◯駅の近くで、8人で入れる居酒屋を探しています。飲み放題があると助かります
◯◯市 ランチ 子連れでも入りやすい、◯◯市のランチのお店を教えてください
接待 和食 個室 取引先との会食で使える和食の店を探しています。個室があって、静かなところがいいです
◯◯ グルテンフリー 小麦アレルギーがある家族と行けるお店を、◯◯周辺で探しています

右の列を見てください。すべてに条件が付いています。人数、同伴者、目的、制約。生成AIに聞く人は、条件を並べたうえで答えを求めます。

ここが飲食店にとって重要な点です。条件で絞られるということは、条件が登録されていない店は最初から外れるということです。味も価格も評価される前に、候補から消えます。

聞かれ方は、大きく4つに分かれます

  • この条件で入れる店はどこか(人数・個室・時間帯・アレルギー)
  • この目的に合う店はどこか(接待・デート・子連れ・記念日)
  • この料理を食べたいがどこがいいか(ジャンルから探している)
  • この店はどうか(すでに候補があり、確かめている)

1つ目と2つ目が、いちばん多くなっています。この2つは、店名を知らない状態の質問です。ここで候補に入れるかどうかが、新規のお客様の数を決めます。

いま自店が出てくるかを、10分で確かめる

対策を始める前に、現状を確かめてください。費用はかかりません。

生成AIを開いて、上の4つの型で質問を投げます。このとき、店名では聞かないでください。店名で聞けば出ます。お客様は店名を知らない状態で聞いています。

  • 「◯◯駅の近くで、◯人で入れる◯◯の店を教えてください」
  • 「◯◯市で、◯◯な場面に使えるお店はありますか」
  • 「◯◯周辺で、◯◯に対応しているお店を探しています」

出てこなかったときに、控えること

自店が出てこなかった場合、代わりに何が出てきたかを控えてください。そして、出てきた店の情報を1軒ずつ見てください。

ほとんどの場合、次のどれかが揃っています。

  • 地図サービスの項目が、細かいところまで埋まっている
  • 口コミに、店からの返信が付いている
  • メニューが写真ではなく文字で載っている
  • 自店サイトに、席数や個室の条件が文章で書かれている

3つ目が、見落とされがちです。メニューを画像だけで載せている店が非常に多くあります。画像の中の文字は、材料として使いにくくなります。

地図サービスの項目を、埋める順番

いちばん早く効くのがここです。ただし、埋める順番があります。条件として使われやすい項目から埋めてください。

優先 項目 どの質問で使われるか
1 営業時間(臨時休業を含む) ほぼすべての質問
2 席数と、個室の有無 人数の条件が付く質問
3 予算帯(昼・夜それぞれ) 予算の条件が付く質問
4 提供している料理のジャンル 料理から探す質問
5 設備(禁煙・駐車場・子ども連れ可) 同伴者の条件が付く質問
6 支払い方法 接待や会食の質問
7 メニューの登録 料理名で探す質問

1つ目が、いちばん多く外れています

営業時間そのものは登録してあっても、臨時休業や年末年始が反映されていない店が多くあります。

この情報は、そのまま回答に使われます。閉まっている日に「営業しています」と案内されると、来店したお客様が閉まった扉の前に立ちます。その体験は口コミに書かれます。

週に1度、翌週の予定を確認する時間を決めてください。5分で終わります。

7つ目のメニュー登録が、効く割にやられていません

料理名を1つずつ登録する作業です。手間がかかるので後回しにされますが、ここが効きます。

「◯◯市で、本格的な麻婆豆腐が食べられる店」のような、料理名を指定した質問に対応できるのは、メニューが文字で登録されている店だけです。

すべてを登録する必要はありません。自店の看板になる料理と、他店にあまり無い料理から、10品ほど入れてください。

口コミへの返信が、そのまま材料になります

生成AIが店について答えるとき、口コミの内容も読まれます。点数だけではありません。

返信があると、店の姿勢が文章として存在します

口コミに店からの返信が付いていると、その返信も文章として扱われます。点数の低い口コミに、事実に基づいた落ち着いた返信が付いている状態は、悪い材料ではありません。

むしろ、返信が1件も無いほうが不利になります。店の姿勢を示す文章が、どこにも存在しないためです。

返信の書き方には、型があります

低い評価への返信で、やってはいけないことが2つあります。

1つ目は、反論することです。事実が違っていても、その場で言い返す形にすると、読んだ人には言い争いに見えます。読んでいるのは投稿者ではなく、これから来ようとしている人です。

2つ目は、定型文を貼ることです。全部の返信が同じ文面だと、読んでも何も分かりません。材料としての価値もありません。

効く形は、指摘された点に触れて、いまどうしているかを書くことです。「席の間隔が近いというご指摘をいただきました。現在は◯◯の時間帯に限り、席の配置を変えて対応しております」。指摘が事実なら、認めて、対応を書く。これが読み手の判断を助けます。

点数を上げようとしないでください

口コミの投稿をお客様に依頼する行為は、各サービスの規約で制限されていることがあります。それ以前に、依頼して集めた口コミは内容が似通うので、材料としての価値が上がりません。

返信するほうが、早く、規約にも触れません。

アレルギーと食事制限は、聞かれる割に答えている店が少ない

生成AIへの質問で増えているのがここです。そして、答えられる情報を出している店が非常に少ない領域です。差がつきやすい場所です。

実際に来ている質問

  • 小麦や卵のアレルギーがある家族と行ける店を探している
  • 宗教上の理由で食べられないものがある人を案内したい
  • 肉や魚を食べない人が一緒でも、選べるものがある店を知りたい
  • 子どもの離乳食を持ち込んでよい店を探している

この種の質問は、条件が外せません。対応できる店が見つからなければ、その集まり自体が別の日に延びます。だから探す側は真剣で、見つけたらすぐ決めます。

「できません」も、書く価値があります

ここが重要です。対応できない場合も、書いてください。

「共通の調理器具を使用しているため、重度のアレルギーをお持ちの方への対応はいたしかねます」。これは正確な情報であり、材料として使われます。そして、来店してから断ることになる事態を防ぎます。

逆に、何も書いていない状態がいちばん不利です。対応できるかどうかが分からない店は、条件付きの質問で候補に上がりません。

書き方の型

書くこと 例
対応できる範囲 事前にご連絡いただければ、乳製品を除いたコースをご用意できます
必要な連絡の期限 ご来店の3日前までにお知らせください
対応できない範囲 共通の調理器具を使うため、混入の完全な回避はできかねます
持ち込みの可否 お子様の離乳食のお持ち込みは可能です

4行を書くだけです。これを書いている店が周りに何軒あるか、確かめてみてください。ほとんど無いはずです。

グルメサイトへの依存を、どう考えるか

飲食店から必ず出る話なので、触れておきます。

掲載をやめる判断は、材料の観点では慎重に

掲載を続けるかどうかは、費用と予約数の話なので、ここでは踏み込みません。ただ、生成AIの材料という観点では、掲載されている情報も参照されています。

やめる場合、そこに載っていた条件の情報が失われます。席数、個室、予算帯、設備。この情報が地図サービスと自店サイトに揃っていない状態でやめると、条件付きの質問で候補から外れます。

順番としては、先に地図サービスと自店サイトを埋めてから判断してください。

自店サイトにしか書けないことがあります

グルメサイトは項目が決まっているので、そこに収まらない情報は載りません。自店サイトの役割は、そこからはみ出す部分です。

どういう素材をどこから仕入れているか。どういう場面で使われることが多いか。何人までなら貸切にできるか。アレルギーの相談にどこまで応じられるか。

この種の情報は、条件で絞る質問の答えとして使われます。そして、他店が書いていない情報ほど、材料としての価値が上がります。

LLMOという言葉そのものの整理は、LLMO対策に新しい道具は要りませんでまとめています。

第1の門と第2の門。順番を間違えると効きません

生成AIの回答に自店が出るまでには、通る門が2つあります。

第1の門 第2の門
何が起きる場所か 情報源として拾われる 回答の中で引用される
飲食店でやること 地図サービスと自店サイトに条件を書く 書き方を整える
効きはじめ その日〜2か月 拾われた後

検索エンジン側の公式ドキュメントによれば、AIによる回答に引用されたリンクの多くは、自然検索の上位から来ています。拾われていないページは、書き方を整えても読む相手がいません。

飲食店の場合、第1の門の大半が地図サービス側にあります。だから、そこから手を付けます。

自店サイトで、検索需要のある言葉の作り方

地図サービスを埋め終えたら、次は自店サイトです。飲食店で効くのは掛け算です。

掛け算の型 例 探している人の状態
地域 × 場面 ◯◯駅 接待 個室 目的が決まっている
地域 × 人数 ◯◯市 30人 貸切 幹事をしている
地域 × 制約 ◯◯ 子連れ 座敷 条件が外せない
料理 × 疑問 コース 何品 目安 選び方が分からない

2つ目の型が、飲食店ではいちばん強くなります。幹事は、条件を満たす店を探して、見つけたらすぐ決めます。比較に時間をかけません。条件が明記されている店が選ばれます。

書く前に、10秒で確かめてください

狙う言葉を決めたら、検索窓に打ち込んで、下に出る候補の数を見てください。

候補の数 意味 どうするか
0件 誰も打っていない その言葉では作らない
1〜2件 実在するが末端 単独のページにせず、別のページの見出しで拾う
3件以上 下に広がりがある ここを狙う

自社ではこれを、3つのドメインを並行して運用して確かめました。書いているのは同じ人間で、記事の作り方も公開の頻度も同じです。変えているのは、狙う言葉の選び方だけです。

直近28日の実測 言いたいことから選んだ側 検索されている言葉から選んだ側
公開している記事 450本 653本
10位以内に入った記事 43本 157本
10位以内1本あたりの表示回数 2.0回 46.2回

23倍の差が出ました。順位はどちらも取れていて、クリック率もどちらも正常です。違ったのは、その順位が何回画面に出たかだけでした。

第2の門。引用されやすい書き方は、測られています

2024年にKDDという国際会議で発表された、Aggarwalらによる「Generative Engine Optimization」という研究があります。生成AIの回答に引用されやすくなる書き方を、施策ごとに比べたものです。

書き方 引用されやすさの変化
専門家の発言などを直接引用する +41.0%
数字を入れる +30.6%
文章を読みやすく整える +28.0%
出典を明記する +27.5%
キーワードを詰め込む −8.3%

1つ、この研究について正直にお伝えします。実験に使われたプログラムには、実在しない情報源を作ってよいという指示が含まれていました。つまりこの数値は、本物の出典を付けた場合ではなく、出典らしきものが付いている場合の効果です。自社では同じことをしていません。

飲食店で、この4つをどう書くか

施策 飲食店での書き方
直接引用 生産者や仕入れ先の言葉を、そのまま引く
数字を入れる 席数、個室の定員、コースの品数、提供までの時間
出典を明記 産地、品種、仕入れ先の名称を具体的に書く
読みやすく整える 「何人で使えますか」の形で見出しを立てる

2行目が、飲食店ではいちばん取り組みやすくなります。「広い個室があります」ではなく「最大12名まで入る個室が2部屋あります」と書く。同じ事実でも、条件で絞る質問への答えとして使えるのは後者だけです。

キーワードの詰め込みは、逆に下がります

表の最終行を見てください。唯一マイナスです。

「◯◯駅 居酒屋 ◯◯駅 個室 ◯◯駅 飲み放題」のように地名と業態を並べる書き方が、いまだに行われています。効かないだけでなく、下がる方向に働きます。

業態によって、先に埋める項目が変わります

業態 いちばん多い聞かれ方 先に埋める項目
居酒屋・宴会 この人数で入れるか 席数・個室・貸切の可否・飲み放題
和食・接待向け 静かに話せるか 個室・支払い方法・コースの内容
カフェ・喫茶 作業や長居ができるか 電源・通信環境・滞在時間の目安
ラーメン・定食 いま開いているか、混んでいるか 営業時間・提供までの時間・券売機の有無
焼肉・鉄板 子連れで入れるか 座敷・煙の処理・子ども用の設備
レストラン・記念日 特別な対応ができるか アレルギー対応・記念日の演出・予約方法

カフェは、他業態と条件が違います

カフェで聞かれるのは、料理そのものより滞在の条件です。電源があるか、通信環境があるか、何時間いてよいか。

ここを明記していない店が多くあります。長居されたくない事情があるなら、それも書いてください。「お席は90分でお願いしております」。条件を書くことは、合わないお客様を先に外すことでもあります。

ラーメンと定食は、時間の情報が効きます

この業態で聞かれるのは、いま行けるかどうかです。営業時間の正確さが、他業態より重く効きます。

加えて、注文から提供までの目安を書いておくと、昼休みの限られた時間で探している人に届きます。「ご注文から5分ほどでお出しします」。この1行が判断を変えます。

予約の受け方が、候補に残るかどうかを分けます

条件で絞られて候補に残ったあと、もう1つ関門があります。予約できるかどうかです。

電話だけの店は、そこで外れることがあります

生成AIに店を尋ねる人は、その場で決めたい人です。営業時間外に調べていることも多くあります。電話しか受け付けていない店は、その時間に予約できません。

そして、生成AIが答えるときに「予約はネットでできます」と書ける店と、「電話でお問い合わせください」としか書けない店では、読んだ人の動きが変わります。

ネット予約を入れる判断は、手数料の話もあるので一律には言えません。ただ、入れていない場合は、せめて予約可能な時間帯を明記してください。「17時以降は営業中のため、お電話がつながりにくくなります」。この1行があると、かけ直してもらえます。

当日でも入れるかどうかを書いてください

「今から入れる店」を探している質問が、思ったより多くあります。ここに答えられる情報を出している店は多くありません。

書き方は簡単です。「ご予約なしでもご案内できますが、金曜と土曜の18時から20時は満席になることが多くなっております」。いつなら入れて、いつは難しいか。これだけで、条件付きの質問に答えられます。

キャンセルの扱いも書いておく

接待や記念日で探している人は、失敗を避けたいので条件を細かく確認します。キャンセル料の発生時期、人数変更の締め切り。

これを書いておくと、迷っている人の判断が進みます。書いていない店は、確認の手間を理由に候補から外れます。

満席が続いている店は、やる意味があるか

「予約が埋まっているので集客はいらない」という声をいただきます。ここは分けて考えてください。

効くのは、客数ではなく客の中身です

席数が決まっている以上、来店数を増やすことが直接の目的にならない店はあります。ただ、条件を明記すると来る客の中身が変わります。

条件を読んで来た客は、その店を選んだ理由を持っています。何を出す店なのか、どういう場面に向いているのかを分かったうえで来ます。結果として、こちらの説明が短くなり、注文が早く決まります。

逆に、条件を書いていない店には、合わない客も来ます。子連れで来られて座敷が無い、大人数で来られて席が割れる、静かに話したかったのに賑やかだった。この不一致は、そのまま低い評価の口コミになります。

断る条件を書くほうが、評価が上がることがあります

「小学生未満のお子様のご入店はご遠慮いただいております」「2時間の入れ替え制です」「大人数のご予約は承っておりません」。

こう書くと客が減ると思われがちですが、減るのは合わない客だけです。そして、条件を読んで納得して来た客は、満足しやすくなります。

満席が続いている店ほど、ここを書く価値があります。断る手間が減り、評価が安定します。

単価を上げたい場合も、書き方で変わります

生成AIに「予算1人あたり◯◯円くらいで」と条件を付けて聞く人がいます。予算帯を登録していない店は、この質問で候補に上がりません。

上の帯を取りにいくなら、その帯で登録して、その価格である理由を書いてください。仕入れ、産地、調理にかかる時間、席の余裕。理由が書かれていない高い店は、条件だけで比べられて外れます。

開店したばかりの店は、順番が変わります

口コミがまだ無い、実績もまだ無い状態です。ここは他の店と手順が違います。

先にやるのは、条件の登録だけです

開店直後は、書ける内容が限られます。だから、書けることを完璧に埋めてください。営業時間、席数、個室、予算帯、料理のジャンル、設備、支払い方法。

この7つが埋まっているだけで、条件付きの質問の候補には入れます。口コミの数は、その後の話です。

「新しくできた店」という質問があります

「◯◯駅の近くに最近できた店を教えて」という聞かれ方があります。開店直後にしか使えない入口です。

開店日を明記してください。地図サービスにも、自店サイトにも。いつ開いた店なのかが書かれていないと、この質問の候補になりません。

最初の口コミへの返信を、丁寧に書いてください

口コミが3件しか無い時期は、その3件が全部読まれます。数が少ないぶん、1件の重みが大きくなります。

ここでの返信は、後から来る客が全員読むものだと思って書いてください。定型文を貼ると、それが店の第一印象になります。

やらなくていいことが、3つあります

1つ目:AI向けの案内ファイルの設置

サイトの内容をAI向けに要約したファイルを置く施策です。検索エンジン側は、公式ドキュメントで、検索自体がこれを使っていないと明言しています。

ある調査では、137,210のドメインを調べた結果、設置されたファイルの97%に一度もリクエストが来ていませんでした。

2つ目:AI専用の構造化データ

これを入れたから回答に出るという性質のものではありません。検索エンジン側も、順位を決める要素ではないと説明しています。

ただし、営業時間や住所やメニューの構造化データには別の意味があります。地図サービスや検索結果に正しい情報を渡す役割があるので、そちらは入れておく価値があります。

3つ目:毎日の投稿

SNSや地図サービスへの投稿を毎日続ける、という指導があります。回数そのものを評価する仕組みは示されていません。

効くのは、回数ではなく登録されている条件の正確さです。毎日投稿する時間があるなら、席数と個室の定員とメニューを登録し終えるほうが早く効きます。

外国からの客に、どこまで対応するか

観光地や都市部の店では、生成AIに日本語以外で質問されることがあります。ここに手を広げるかどうかの判断です。

全面的な多言語化は、優先度が低くなります

サイト全体を翻訳する作業は、費用も手間もかかります。そして、生成AIは日本語のページを読んで、他の言語で答えることができます。翻訳ページが無いと候補に上がらない、という関係ではありません。

だから、全面的な多言語化を先にやる必要はありません。日本語のページを正確に整えるほうが先です。

効くのは、条件の部分だけです

ただし、外国からの客が確かめたい条件は、日本人と少し違います。ここだけは書いておくと効きます。

  • 現金以外の支払いに対応しているか
  • 英語のメニューがあるか、写真付きのメニューがあるか
  • 予約なしで入れるか
  • 喫煙できるか、できないか

この4つは、日本語で書いてあれば十分です。生成AIがその情報を読んで、質問した言語で答えます。

やらないほうがいいこと

機械翻訳したページを、確認せずに公開することです。料理名や食材の訳が誤っていると、アレルギーの事故につながることがあります。

翻訳するなら、食材と調理法の部分だけは人が確認してください。それ以外の部分は、日本語のままで構いません。

効果は、順番に3つ測ります

順 測るもの 手間 分かること
1 生成AIに聞いて、出方を控える 月に10分 いま出ているか
2 地図サービスの表示回数と経路検索の数 月に10分 見つけられているか
3 予約時に「何で知ったか」を聞く 一言足すだけ 来店につながったか

3つ目が、いちばん精度が高くなります

電話予約なら一言聞くだけ、ネット予約なら選択肢を1つ足すだけです。「インターネットで検索して」に加えて、「生成AIに聞いて」を並べてください。

生成AIの回答を読んで、その場ではリンクを押さず、後から店名で検索して予約する人がいます。その予約は、解析上は検索経由として記録されます。だから解析の数字は実態より小さく出ます。

0という数字には、2つの意味があります

測って0だったとき、来ていないのか、記録されていないのかを先に切り分けてください。

自社では、これで一度つまずいています。日報に「クリック0人」と出続けていたので押されていないと判断していましたが、実際は計測の仕掛けが1行も入っていませんでした。押されても記録されない状態だったということです。

90日の進め方

店主または店長が、営業と並行して進める前提です。

時期 やること この時点で分かること
1週目 生成AIに4つの型で質問して、出方を控える いまの立ち位置
1週目 地図サービスの項目を、上から6つ埋める 条件付きの質問で候補に入る
2週目 看板になる料理を10品、メニューに登録する 料理名の質問に対応できる
3〜4週目 既存の口コミに、古いものから返信する 店の姿勢を示す文章ができる
5〜8週目 自店サイトに、条件のページを2〜3枚作る 検索の管理ツールに表示が出はじめる
9〜12週目 仕入れ先や産地を、具体名で書き足す 他店が書いていない材料が増える
毎週 翌週の営業時間を確認する 誤った案内が出るのを防ぐ

1週目に2つ入れているのは、地図サービスの作業がその日のうちに反映されるためです。いちばん早く効きます。

よくいただく質問

ホームページを持っていませんが、対策できますか

できます。飲食店の場合、材料の中心が地図サービスとグルメサイトにあるためです。

ただし、他店が書いていない情報を出せるのは自店サイトだけです。仕入れの話、使われ方の話、対応できる範囲の話。条件で並んだときに選ばれる理由は、ここから生まれます。順番としては後ろですが、いずれ必要になります。

写真を増やせば出るようになりますか

写真は、人が見て決めるときに効きます。ただ、生成AIが条件で絞るときの材料にはなりにくくなります。

画像の中に書かれた文字も同じです。メニュー表を写真で載せている店は、料理名で探されたときに候補に上がりません。写真は残したまま、文字でも書いてください。

複数店舗ある場合、どう作ればいいですか

地図サービスの登録は、店舗ごとに分けてください。地域名を含む質問で候補に上がるのは、その地域に紐づいた情報です。

自店サイトも、店舗ごとのページを分けます。ただし、コースの説明や仕入れの話まで店舗ごとに複製しないでください。同じ内容のページが複数あると、自店のページ同士が同じ検索結果で競合します。共通の説明は1枚にまとめて、各店舗のページからリンクを送る形にしてください。

効果はどのくらいで出ますか

地図サービスの項目を埋める作業は、その日から効きます。口コミへの返信は数日です。

自店サイトのページは、検索結果に安定して出るまで早くて2か月、遅いと半年です。ここを短くする方法はありません。だから、先に始めます。

すでに検索上位にあるページも書き換えるべきですか

先ほどの研究には続きがあり、施策の効果が検索順位によって反転することが報告されています。すでに上位にあるページに同じ施策を足すと、下がる方向に働く場合があります。

3位以内に入っているページは、触らないでください。触るなら、検索結果に出ているタイトルと説明文の調整だけにとどめてください。

まとめ

飲食店のLLMO対策について、お伝えしたことを整理します。

いちばん大きな材料は、自店のホームページではありません。地図サービスとグルメサイトに登録された条件です。条件が埋まっていない店は、味も価格も評価される前に候補から消えます。

やることは3つです。地図サービスの項目を条件で絞られる順に埋めること、口コミに返信すること、自店サイトに条件を文章で書くこと。上から順にやってください。

そして、書くときは具体的な数字にしてください。「広い個室があります」ではなく「最大12名まで入る個室が2部屋あります」。条件で絞る質問への答えとして使えるのは、後者だけです。

まず、10分だけ使ってください

生成AIを開いて、お客様が打ちそうな質問を4つ投げる。自店が出てくるか、出てこないなら代わりに何が出てくるかを控える。

そして、出てきた店の情報を1軒ずつ見てください。自店との違いが、そのまま次にやることになります。

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