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ホームページのリニューアルで問い合わせは増えない、その前に決めるべき一つのこと

2026 8/23

先日、Q&Aサイトでこんな相談を見かけました。「5年前に作ったホームページが古くさくなってきた。スマホで見づらいし、デザインも今どきではない。リニューアルを考えているが、150万円という見積もりが妥当なのか、そもそも作り直して問い合わせが増えるのか分からない」。中堅の建設会社を営む方からの、投資判断に迷う声でした。金額が大きいだけに、失敗できないという緊張感が文面ににじんでいました。

この相談には、多くの経営者が抱える不安が凝縮されています。古びたサイトを放置している後ろめたさ。かといって大金を投じて外すのが怖い気持ち。そして「本当にこれで結果が変わるのか」という、答えの出ない問い。私の経験から先にお伝えすると、この状態のままリニューアルに踏み切ると、8割の会社が「きれいになったのに、問い合わせは前と変わらない」という結末を迎えます。150万円をかけて、見た目だけが新しくなる。

なぜ、そうなるのか。リニューアルという言葉が、ほとんどの場合「デザインの入れ替え」を意味しているからです。スマホ対応にする、写真を差し替える、今風のレイアウトにする。どれも見た目の更新です。ところが、あなたのサイトが問い合わせを生まない本当の理由は、たいてい見た目の古さにありません。「誰に、何を伝え、どう動いてもらうか」という中身の設計が、そもそも定まっていない。ここを放置したまま外側だけ塗り替えても、結果を生む力は宿りません。

たとえるなら、閉店の続く商店街の店が、看板だけを新しくするようなものです。看板は立派になった。でも、店の中で何を売っているのか、なぜその店を選ぶべきなのかが伝わらなければ、客足は戻りません。リニューアルの見積書に並ぶのは、たいてい看板の作り直しの費用です。肝心の「何を売る店なのか」を決める工程は、そこに含まれていないことが多いのです。

ここで少し立ち止まって、自問してみてください。あなたが今のサイトに感じている不満は、本当に「デザインが古いこと」でしょうか。それとも「問い合わせが来ないこと」でしょうか。この二つは、まったく別の問題です。前者を直してもらう相手は制作会社ですが、後者を直すのに必要なのは、まず自社の中で「何を、誰に、どう伝えるか」を言葉にすることです。ここを取り違えると、デザイン会社に後者の解決まで期待して、期待外れに終わります。

実際、私が見てきた「リニューアルして失敗した」という会社のほとんどは、発注の動機が「なんとなく古くなったから」でした。明確な目的がないまま、見た目を新しくすること自体がゴールになっていた。だから、公開した瞬間に達成感だけが残り、その後の数字は誰も追わない。半年後にアクセス解析を開いて、問い合わせが一件も増えていないことに気づく。150万円の投資が、社内アルバムの更新で終わってしまうのです。

もちろん、スマホで見づらいサイトを放置していいわけではありません。今や訪問者の7割以上がスマホから見ています。読みづらさは確かに機会損失です。ただ、それは「直すべき理由の一つ」であって、「作り直せば問い合わせが増える理由」ではありません。この違いを曖昧にしたまま話を進めると、スマホ対応というもっともらしい大義名分の陰で、肝心の中身の設計がまた素通りされてしまいます。

もう一つ、リニューアルには見えにくい落とし穴があります。今のサイトが積み上げてきた検索エンジンからの評価を、作り直しでいったんリセットしてしまう危険です。URLの構造が変わり、ページが統廃合され、これまで検索で表示されていたページが消える。その結果、リニューアル直後にアクセスがかえって落ちる会社は珍しくありません。見た目を良くしたのに、来る人が減る。これは、事前の設計がないまま「作り直し」だけを目的にすると起きがちな事故です。

この記事では、リニューアルを考えている経営者が投じたお金を無駄にしないために、作り直しの前に必ず決めておくべき一つのことをお伝えします。私たちが「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいる考え方に沿って、150万円のデザイン費を払う前に、ゼロ円で着手できる最も大切な工程から順に説明していきます。見積書にハンコを押すのは、それを読み終えてからでも遅くありません。むしろ、そのほうがずっと安全です。急いで発注して数百万を失うより、数日かけて準備を整えるほうが、結果として早く成果にたどり着きます。慌てて動きたくなる気持ちこそ、いったん脇に置いてください。焦りは、たいてい高い買い物の入口になります。

目次

「リニューアル」という商品が、中身の議論を飛ばす理由

リニューアルの相談をすると、なぜ話がいつもデザインに寄っていくのか。ここにも、Web制作という商売の構造が関わっています。前提として知っておくと、見積書の読み方が変わります。

制作会社にとって、リニューアルは新規制作と並ぶ主力商品です。既存のサイトがある会社は「作り直したい」という動機をすでに持っているので、営業がしやすい。そして提案の中心は、目に見えて分かりやすいデザインの刷新になります。「レスポンシブ対応で、スマホでも美しく」「今のトレンドを取り入れた洗練された印象に」。こうした言葉は、発注側にも成果がイメージしやすく、契約に結びつきやすい。売る側と買う側の利害が、見た目の話でぴたりと一致してしまうのです。

一方で、「誰に何を伝えるか」という中身の設計は、提案に乗りにくい性質があります。理由は単純で、工数の見積もりが立てにくいからです。デザインなら「トップページ一式で◯万円」と値付けできますが、「あなたの会社が客に伝えるべき一言を一緒に考える」という作業は、何時間で終わるか読めません。読めない作業は、見積書に載せづらい。だから、多くの提案書では中身の設計が省かれ、「原稿はお客様からご支給ください」の一行で片付けられます。

この「原稿は支給してください」が、リニューアル失敗の分かれ道になります。発注側は、自社で伝えるべきことを整理できていないから作り直しを頼んでいるのに、その肝心の中身は「そちらで用意して」と戻されてしまう。結局、今のサイトの文章をほぼそのまま新しいデザインに流し込むことになります。器は新しく、盛り付ける中身は前のまま。これで結果が変わらないのは、当然と言えます。

制作会社を責めているのではありません。彼らはデザインとコーディングの専門家であって、あなたの事業の強みや客の悩みを、あなた以上に言葉にできるわけではないからです。餅は餅屋という言葉のとおり、事業の中身を最もよく知っているのは、経営者であるあなた自身です。だから、中身の設計だけは外注に丸投げできない。ここを他人任せにした瞬間に、リニューアルは看板の塗り替えに縮んでしまいます。

さらに見落とされやすいのが、検索評価という資産の扱いです。今あるサイトが5年かけて積み上げてきた、検索エンジンからの信頼があります。特定のキーワードで表示される、被リンクが付いている、といった目に見えない資産です。作り直しでURLの構造を大きく変えたり、ページを削ったりすると、この資産が引き継がれずに消えることがあります。デザインの提案には熱心でも、この移行設計まできちんと説明する制作会社は、実はそれほど多くありません。

だから、リニューアルの相談を受けたとき、あなたが最初に確かめるべきは「デザインをどう新しくするか」ではありません。「今のサイトの何を残し、何を変え、何を客に伝える器にするのか」です。この問いに自社で答えを出してから発注すれば、制作会社は本来の力を発揮します。答えを持たずに発注すれば、彼らは彼らの得意な領域、つまり見た目だけを磨いて納品します。どちらになるかは、発注する側の準備で決まります。

ここで、発注前に制作会社へ投げかけてほしい質問があります。「このサイトで、どんな客に、何を伝え、最後にどう動いてもらう想定ですか」。この問いに、具体的な言葉で答えが返ってくる会社なら、中身の設計まで一緒に考えてくれる相手です。逆に「そこはお客様のご要望に合わせて」と曖昧に濁されたら、その提案はデザイン工事の見積もりだと考えたほうがいい。悪い相手という意味ではありません。担当できる領域が見た目に限られている、というだけのことです。その線引きを、発注する側が理解しておく必要があります。

もう一点、リニューアルの動機を社内で言葉にしておくことも大切です。「古くなったから」という感覚的な理由のまま進めると、判断の基準が最後まで曖昧なままになります。「問い合わせを月に何件増やしたいのか」「どの客層に届けたいのか」を数字と言葉で決めておく。この基準があれば、提案の一つひとつを「それはこの目的に効くのか」で判断できます。基準のない発注は、営業トークの心地よさで流されがちです。心地よい提案と、効く提案は、いつも同じ顔をしているとは限りません。むしろ、耳に痛い指摘をしてくれる相手のほうが、あなたの成果を本気で考えていることも多いのです。

次の章では、この準備をしないまま踏み切った会社が、具体的にどんな失敗をたどるのかを見ていきます。あなたの見積書が同じ道を指していないか、照らし合わせてみてください。

高い金をかけて空振りする、三つのリニューアル

準備のないリニューアルは、決まったパターンで空振りします。ここでは、実際によく見る三つの失敗と、その結末を具体的にたどります。どれも、真面目に良くしようとした結果として起きるところに、この問題の根深さがあります。

一つ目は、デザインだけを今風にするパターンです。最も多い失敗がこれです。プロが作った洗練されたデザインに生まれ変わり、公開した日は社内が沸きます。取引先からも「きれいになったね」と言われる。ところが、肝心の問い合わせ数は前と変わりません。文章が前のままだからです。訪問者が最初に読む一言が「私たちは地域に根ざした企業です」のままなら、どれだけ写真が美しくても、来た人は「で、自分に何をしてくれるの?」と感じて去ります。見た目の満足と、成果は別物です。

二つ目は、システムや機能に金をかけるパターンです。「せっかく作り直すなら」と、高機能なCMSを導入し、会員機能や予約システム、多言語対応を盛り込む。見積もりは膨らみ、200万、300万と積み上がります。ところが、そのほとんどの機能が使われないまま眠ります。訪問者が求めているのは高度な機能ではありません。自分の困りごとを解決してくれるのか、そのシンプルな答えです。使わない機能の保守費だけが、毎年重くのしかかる。豪華な厨房を作ったのに、出す料理は決めていない状態に似ています。

三つ目は、競合サイトを真似るパターンです。「同業のあの会社のサイトが良さそうだから、ああいう感じで」と発注する。結果として、業界中のサイトが似た顔になります。同じような写真、同じようなキャッチコピー、同じような構成。訪問者から見ると、どこも同じに見えて、選ぶ理由が消えます。真似ることは、相手の土俵で戦うことです。しかも、真似た時点で相手より一歩後ろにいる。差別化のためのリニューアルが、同質化を招く皮肉な結果になります。

四つ目として、これら三つが組み合わさる最悪のパターンもあります。今風のデザインに、使わない高機能を盛り込み、競合の真似をした構成で、数百万をかけて作り直す。全部入りの豪華なサイトが完成し、社内の期待は最高潮に達します。そして公開後、数字は微動だにしない。期待が大きかったぶん、落胆も深くなり、「Webはうちには向いていない」という結論だけが社内に刻まれます。この誤った結論が、その後何年もの機会損失を生みます。本当は入口の設計を一つ直すだけで動いたかもしれないのに、可能性ごと封印されてしまうのです。

この三つに共通するのは、どれも「自社が何を客に約束する会社なのか」という一番大事な問いを飛ばしている点です。デザイン、機能、他社の真似。全部、その問いから目をそらす方向を向いています。答えの出ていない問いを抱えたまま、周辺の豪華さで埋め合わせようとする。埋め合わせるほどに、コストは膨らみ、伝わらなさは深まっていきます。

そして、静かなダメージが残ります。溶けた制作費が数百万。使われない機能の保守費が毎年。さらに、作り直し直後に検索評価が下がってアクセスが落ち、回復に半年から一年かかることもある。見た目を良くしたはずが、数字の上ではむしろ後退している。この「良くしたのに悪くなった」という現象が、経営者を最も混乱させ、Webへの不信を決定的にします。

なぜ、こうも同じ失敗が繰り返されるのか。理由は、失敗が公開の瞬間には見えないからです。作り直したサイトは、公開した日には確かに新しく、美しく、達成感がある。問題が表面化するのは、その二、三か月後、数字を見返したときです。けれどその頃には、制作費はすでに支払われ、担当者の関心も次の仕事へ移っている。誰も「なぜ増えなかったのか」を検証しないまま、記憶から薄れていく。だから学びが蓄積されず、次のリニューアルでも同じ道をたどる。この時間差が、失敗を見えにくくしている正体です。

対策はシンプルです。作り直しの前に「公開後3か月で、問い合わせを何件にしたいか」という目標を紙に書いておくこと。そして公開後、その数字を必ず見返すこと。目標を先に決めておけば、成果が出なかったときに「問題はデザインになく、伝える一言のほうにあった」と正しく振り返れます。振り返りができれば、次の一手が打てる。検証をあらかじめ組み込んでおくことが、同じ失敗を二度繰り返さないための、いちばん確実な保険になります。

冒頭の相談者が迷っていた150万円も、この分かれ道の入口にありました。準備なく発注すれば、これら三つのいずれかに着地する確率が高い。逆に、発注前に一つの工程を通しておけば、同じ150万円がまったく違う成果を生みます。その工程を、次の章ではっきりさせます。お金の話をする前に、ゼロ円でできる、そして最も効く準備の話です。

売れるサイトはみな謙虚——作り直す前に「伝える一言」を決める

では、150万円を払う前に決めるべき一つのこととは何か。それは、あなたのサイトが訪問者に伝える「たった一言」です。私たちはこの考え方を「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいます。会社が舞台の中央から一歩下がり、主役の座を訪問者に返す。その姿勢を、リニューアルの設計図に落とし込んでいきます。

具体的な作業は、紙一枚から始められます。まず、あなたの理想の客を一人、頭に思い浮かべてください。その人が今どんなことで困っていて、夜どんな不安を抱えているか。次に、その困りごとに対して、あなたの会社が差し出せる解決を、専門用語を使わずに一文で書きます。「◯◯にお困りの方へ。◯◯なら、◯◯を解決します」。この一文が、リニューアル後のトップページで最初に見える言葉になります。デザインは、この一言を最も伝わる形で見せるための器にすぎません。

一文を書くとき、つい欲張って複数の強みを詰め込みたくなります。技術力もあり、対応も早く、価格も良心的で、実績も豊富。全部本当のことでしょう。けれど、全部を言うと、何も伝わりません。伝わる一言は、一つに絞ったときにだけ生まれます。あなたの理想の客が、最も強く反応する一点はどれか。そこだけを残し、他は削る。削った強みは、後のページで補足すればいい。最初の一言は、たった一つの約束に絞る勇気が要ります。

順番が肝心です。多くの会社は、デザインを決めてから中身を流し込みます。売れるサイトは逆をいきます。伝える一言を先に決めて、その一言が最も刺さるようにデザインを設計する。この順番なら、制作会社に渡すのは「支給する原稿」ではなく「サイトの背骨」になります。背骨が通っていれば、デザイナーはそれを活かす見せ方を考えられる。丸投げされた原稿を体裁よく並べるのとは、出来上がりの力がまるで違います。

伝える一言が決まったら、次に訪問者にたどってほしい一本の道を描きます。トップページで足を止めた人が、どのページを読み、最後にどのボタンを押すのか。この道筋を一本に絞り、その途中で客が抱く不安を先回りして消していく。料金の目安、対応できる範囲、しつこい営業はしないという約束。これらをどのページのどこに置くかを、作り直しの前に地図として描いておきます。この地図があれば、リニューアルは看板の塗り替えから、成果を生む導線の再設計に変わります。

同時に、守るべき資産をはっきりさせます。今のサイトで検索から人が来ているページはどれか。問い合わせにつながっている入口はどこか。これらを洗い出し、リニューアル後もURLを引き継ぎ、内容を残す。捨てるのは、誰にも読まれず、成果も生んでいないページだけです。この見極めをしておけば、作り直しでアクセスを落とす事故を避けられます。攻めの設計と守りの設計、その両方を発注前に手元に持っておく。これが準備の中身です。

ここで大切なのは、これらの作業に一円もかからないことです。紙とペン、そして自社の事業への理解があれば、今日から着手できます。150万円のデザイン費を払う前に、ゼロ円のこの工程を通す。順番を守るだけで、同じ予算から返ってくる成果が変わります。むしろ、この設計図ができていれば、そもそも150万円もかけずに、今のサイトの一部を直すだけで十分なケースも少なくありません。全部を作り直す必要が、本当にあるのかどうかも、ここで初めて冷静に判断できます。

この紙一枚を作る作業には、社内を巻き込む価値もあります。営業担当や現場のスタッフは、客が実際にどんな言葉で困りごとを口にするかを知っています。「お客様がよく言う一言は?」「決め手になった理由は?」と聞いて回るだけで、机上では出てこない生きた言葉が集まります。その言葉こそ、トップページの最初の一文に使うべき素材です。経営者が一人で考え込むより、現場の声を拾うほうが、はるかに刺さる一言にたどり着けます。リニューアルを、社内が客を見つめ直すきっかけに変えられるのです。

謙虚という言葉が指しているのは、豪華さを競うのをやめ、客の視点から迷いを削ることです。作り直しの豪華さで問題を覆い隠すのをやめて、伝える一言と一本の道筋を、地味でも確実に整える。冒頭の相談者に必要だったのも、150万円の見積書へのハンコより先に、この紙一枚でした。この一枚を持って初めて、その見積もりが高いのか妥当なのか、本当に必要なのかを見極められます。設計図のないまま金額だけを眺めても、高い安いの判断はできません。判断の物差しを、まず自分の手で作る。それが、大きな投資を守る最初の一歩になります。

見積書にハンコを押す前に、紙一枚を

ここまでの話を、一本の線でまとめます。ホームページのリニューアルで問い合わせが増えないのは、作り直しの大半が「デザインの入れ替え」に留まるからです。制作会社は見た目の刷新で稼ぎ、中身の設計は「原稿は支給してください」と発注側に戻される。器だけ新しく、盛る中身は前のまま。これで結果が変わらないのは、当たり前のことです。

だから、順番を入れ替えます。150万円の見積書にハンコを押す前に、紙一枚で三つを決める。一つ、訪問者に伝えるたった一言。二つ、足を止めた人が最後のボタンまでたどる一本の道。三つ、守るべき検索評価と、残すべきページ。この三つは、一円もかけずに、今日から自社で着手できます。デザインの話は、これが決まってからで遅くありません。

この準備には、思わぬ副産物もあります。伝える一言を言葉にしようとすると、自社の強みや、客が本当に求めているものを、経営者自身が改めて見つめ直すことになります。この作業を通ると、リニューアルの目的が「古いから作り直す」から「この客に、この一言を届けるために整える」へと変わる。目的が変われば、見積書の中で何が必要で何が過剰かも、自分の目で判断できるようになります。

もう一つ、順番を守ることで得られる安心があります。伝える一言と導線の地図が手元にあれば、複数の制作会社から相見積もりを取ったときに、比べる軸が生まれます。同じ設計図を渡して「これを実現するといくらか」を聞けば、金額の差が何の差なのかが見えてくる。設計図を持たずに相見積もりを取ると、各社バラバラの提案が並び、結局いちばん見た目が良い提案書を選んでしまいます。判断の軸を自分の手に握っておくことが、過剰な出費を防ぐ最大の防波堤になります。

そして、しばしば起こることがあります。紙一枚を書き終えた経営者が、「全部を作り直す必要はなかった」と気づくのです。今のサイトのトップの一言を書き換え、問い合わせへの導線を一本に整えるだけで、150万円をかけずに反応が動き出すケースは、決して珍しくありません。作り直しは、その検証をしてからでも間に合います。売れるサイトはみな謙虚だという言葉は、豪華さより先に、伝わることを整えよという意味です。

順番を守った会社と、守らなかった会社の差は、一年後にはっきり表れます。守らなかった会社は、きれいなサイトを眺めながら「Webは効かない」とつぶやいている。守った会社は、地味でも問い合わせが少しずつ増え、次はどの言葉を試そうかと前を向いている。同じ予算、同じ業種でも、投じる順番が違うだけで、行き着く場所がこれほど変わります。あなたが今、見積書を前に感じている迷いは、その分かれ道に立っている証拠です。迷えるうちに、紙一枚から始めてください。

もし、自社にとっての「伝える一言」をどう定めればいいのか、どのページを残しどう作り直すべきか、一人で判断するのが難しいと感じたら、一度こちらをのぞいてみてください。私たちが「売れるサイトはみな謙虚」という考え方で、リニューアルをどう成果につなげているのか、その全体像を無料でお伝えしています。

▶ 合同会社謙虚のトップページはこちら(https://kenkyo.ai/)

見積書のハンコは、その紙一枚を書き終えてからでも、決して遅くありません。むしろ、そのほうがずっと安く、確実に、あなたの投資は報われます。

よくある質問

Q. スマホ対応だけでも、先にやったほうがいいですか?

スマホで見づらい状態は機会損失なので、対応の価値はあります。ただ、スマホ対応と「伝える一言の設計」は別の作業です。対応するついでに、トップの最初の一文を客の困りごとへ書き換えておくと、同じ工事で反応まで改善できます。見やすくするだけで終わらせず、何を伝えるかも一緒に見直すのがおすすめです。

Q. リニューアルの見積もりが妥当かどうか、どう判断すればいいですか?

金額そのものより、その提案に「誰に何を伝えるか」の設計が含まれているかを見てください。デザインとコーディングの費用だけで、中身の設計が「原稿は支給」となっていれば、成果は発注側の準備次第になります。伝える一言と導線の地図を自社で用意し、それを実現する見積もりかどうかで判断すると、過不足が見えてきます。

Q. 作り直すと検索順位が下がると聞きました。本当ですか?

設計を誤ると下がります。URLの構造を大きく変え、これまで検索から人が来ていたページを削ると、積み上げた評価が引き継がれずに落ちることがあります。逆に、成果を出しているページのURLと内容を残し、移行を丁寧に設計すれば、大きな下落は避けられます。作り直しの前に、残すページを決めておくことが、この事故を防ぎます。

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