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LPを改善しても問い合わせが増えない、直す順番を間違えている9割の企業へ

2026 8/23

制作会社に頼んでランディングページを作った。公開してからも手は止めていない。ボタンの色を緑から赤に変え、見出しの文言を練り直し、ファーストビューの写真を差し替えた。それを半年で十数回繰り返している。A/Bテストもかけている。それでも成約率がまったく動かない。テストの結果は毎回「誤差の範囲」で、どちらのパターンが勝ったのかさえはっきりしない。広告費は月に何十万円も出ていくのに、問い合わせフォームの通知は週に一件届くかどうか。もう、どこを直せばいいのか分からない。ある経営者から、言葉を選びながら、そんな相談を受けた。

この相談を読んで「うちもまったく同じだ」と感じた方は、たぶん少数派ではない。むしろ、LPを持っている会社のかなりの割合が、同じ場所で足踏みしている。私はこれを、9割が踏む罠と呼んでいる。数字に厳密な根拠があるわけではないが、実際に相談に来る会社の顔ぶれを見ていると、体感としてそれくらいの比率になる。作った、直した、テストした、それでも増えない。この三拍子がそろっている。

まず、はっきりさせておきたいことがある。あなたの努力が足りないから増えないのではない。むしろ逆で、努力の量は十分すぎるほどある。色を変え、言葉を変え、画像を変え、テストを回す。ここまで手を動かしている会社は、正直そう多くない。多くの会社はLPを一度作ったら放置する。あなたは放置しなかった。それなのに結果が出ない。だとすれば、疑うべきは努力の量ではない。疑うべきは、努力を注ぐ場所と順番のほうだ。そう考えるのが自然だ。

もう少し数字で状況を描いてみる。月に広告費を四十万円かけ、LPへの訪問者が二千人いるとする。このうち問い合わせが月に四件なら、成約率は〇・二パーセントだ。ここでボタンの色を変えて、仮にクリックが一割増えたとしても、増える問い合わせはコンマ何件という単位にしかならない。通知が一件届くか届かないかの差だ。一方で、入り口で去る人の割合を八割から六割に下げられたら、同じ訪問者数のまま、その先へ進む人が一・五倍になる。手を入れる場所が変われば、動く桁が変わる。半年間、あなたが磨いてきたのは前者の世界で、いま必要なのは後者の世界に手を伸ばすことだ。

例え話をする。蛇口をひねっても水がちょろちょろとしか出ないとき、蛇口のレバーを何度も回したり、蛇口の色を塗り替えたりしても、水量は変わらない。原因が元栓の締まりや配管の詰まりにあるなら、手を入れる場所がそもそも違うからだ。LPのボタンの色や文言は、この蛇口のレバーにあたる。目に見えていて、いじりやすくて、いじった気になれる。だからそこばかり触ってしまう。けれど、成約率を決めているのは、もっと手前にある「元栓」のほうだ。

もう少し具体的に言う。あなたのLPを初めて見た訪問者は、最初の3秒で「これは自分に関係がある話か」を判断している。ここで「自分ごとだ」と思ってもらえなければ、その先の文章がどれだけ整っていても、ボタンがどれだけ押しやすくても、指はそっと戻るボタンへ動く。逆に、この3秒で「これは自分の困りごとの話だ」と伝わっていれば、多少ボタンの色が地味でも、多少文章が長くても、人は読み進めるし、最後に行動する。成約率の大半は、この入り口の一瞬で決まっている。

この入り口の一瞬で何が起きているかを、もう少し丁寧に見てみる。訪問者は、あなたのLPを目当てに来たわけではないことがほとんどだ。何かに困って検索し、たまたま広告や検索結果からたどり着いた。頭の中には「早く自分の悩みを解いてくれる場所を見つけたい」という一つの目的しかない。その状態で開いた画面に、会社のロゴが大きく置かれ、「創業二十年の実績」「業界トップクラスの技術力」と自社の宣言が並んでいると、訪問者は一瞬で「ここは自分の悩みの話をしていない」と感じ取る。悪気なく置いた自社紹介が、入り口で人を追い返す壁になっている。この壁の存在に、作った側はなかなか気づけない。自分の会社の話が主役になっているページは、社内で見るぶんには何の違和感もないからだ。

ボタンの色を変えるA/Bテストが「誤差の範囲」にしかならないのは、当然の結果だ。入り口で9割の人が「自分には関係ない」と判断して去っているとき、残った1割の中で赤ボタンと緑ボタンのどちらが少し押されやすいかを比べても、全体の数字はほとんど動かない。分母がすでに削られたあとの、小さな差の取り合いをしているからだ。テストが悪いのではない。テストをかける階層が、成約率を左右する階層とずれている。

この記事では、なぜこの足踏みが起きるのかという業界側の構造から入り、多くの会社がやってしまう間違った改善とその行き着く先をたどり、そのうえで、私が「売れるサイトはみな謙虚」と呼んでいる考え方に沿って、直す順番をどう組み替えるかを具体的に示す。読み終えたとき、次に触るべき一箇所がはっきり見えているはずだ。今日まで回してきたテストや修正は、決して無駄ではない。順番を入れ替えるだけで、同じ労力が別の結果を生み始める。まずは、なぜこの罠がこれほど多くの会社で起きるのか、そこから見ていく。

順番の決め方は、直す順番を、効くまでの日数で決めるをあわせてご覧ください。

目次

なぜ「直しているのに増えない」が起きるのか

原因を個人の努力不足に求めても、この問題は解けない。もっと根の深いところ、つまり業界のお金の流れそのものに理由がある。まずはそこを冷静に見ておきたい。犯人探しをしたいわけではない。構造を知らないまま同じ相手に同じ頼み方を続けると、同じ結果が返ってくるだけだからだ。

制作会社が受け取る報酬は、たいていの場合「LPを一枚作ること」に対して支払われる。三十万円、五十万円という制作費は、納品した瞬間に確定する。そのLP経由で問い合わせが月に何件入ったかは、報酬の額に関係しない。極端に言えば、公開後にまったく成約しなくても、制作会社の売上は一円も減らない。つまり彼らが報われるのは「作り終えること」であって、「売れること」ではない。ここに最初のずれがある。

広告代理店も似た構造を抱えている。代理店の報酬は、多くが広告費の何パーセントという形で決まる。運用手数料と呼ばれるものだ。すると、あなたが広告に月百万円使えば、代理店の取り分は月に二十万円といった具合に、出稿額に比例して増える。成約が一件も出なくても、広告費さえ回り続ければ代理店の売上は立つ。彼らが報われるのは「予算を消化し、運用を回し続けること」であって、あなたの手元に何件の問い合わせが残ったかとは、直接ひもづいていない。

この二つを並べると、絵が見えてくる。作る側は作れば報われる。回す側は回せば報われる。どちらも、あなたが本当にほしい「成約数」で報われる仕組みにはなっていない。悪意があるという話をしているのではない。まじめに働いているプロほど、自分が報われる指標に向かって最適化する。それが健全なプロの姿だ。ただ、その指標があなたのゴールとずれているから、まじめに働けば働くほど、あなたの成約数からは遠ざかっていくことがある。

だから「もっと改善しましょう」という提案は、たいてい作る側や回す側の得意技の範囲で出てくる。制作会社なら「デザインをもう少し今風にしましょう」「あしらいを整えましょう」と言う。デザインを直すのは彼らの仕事だから、そこに話が寄る。代理店なら「配信面を増やしましょう」「予算を積み増して検証しましょう」と言う。予算が増えれば手数料も増えるから、そこに話が寄る。どちらの提案も、その会社が報われる方向を向いている。あなたの成約という一点だけが、いつも会話の中心から少し外れている。

ここで一つ、たとえ話を挟む。家を建てるとき、大工は良い家を建てれば報われる。建てた家に住んで、あなたの暮らしが豊かになったかどうかで大工の報酬が上下することはない。それでも家づくりが成立するのは、良い家という中間の成果物が、住み心地とだいたい一致しているからだ。ところがLPの場合、きれいなLPという成果物と、成約するLPという結果は、必ずしも一致しない。むしろ、見た目の完成度が高いのに一件も売れないLPは、いくらでもある。成果物と結果のあいだに、この深い溝がある。作る側はその溝の手前まで責任を負い、あなたは溝の向こう側で成約数を数えている。溝をまたぐ設計を、いつのまにか誰も担当していない。

もう一つ見落とされがちな事情がある。作る側も回す側も、あなたの顧客が実際にどんな言葉で悩みを検索し、どんな不安で申し込みを止めているかを、あなたほど深くは知らない。知らなくても仕事は成立してしまうからだ。デザインは顧客理解がなくても整えられる。広告の配信設定は顧客の本音を知らなくても組める。結果として、見た目と配信は磨かれていくのに、肝心の「客が何に困っていて、何を言われたら動くのか」という中身は、誰の担当でもないまま宙に浮く。あなたのLPで足りていないのは、たいていこの中身のほうだ。

では、この構造の中で発注する側は何もできないのかというと、そうではない。構造を知っていれば、頼み方を変えられる。作る側に「成約するLPを作ってほしい」と丸投げしても、彼らが報われる指標は変わらないから、返ってくるのはやはりきれいなLPだ。代わりに、成約を決める中身、つまり客が何に困っていて何を言われたら動くのかを、発注する側が用意して渡す。その中身を形にする技術は、制作会社のほうがずっと高い。役割を分けるのだ。中身の設計は自社が握り、その表現はプロに任せる。この分担にたどり着けるかどうかで、同じ制作費から返ってくるものが変わる。多くの会社が中身の設計まで丸投げしてしまい、結果として誰も設計しないまま、見た目だけが仕上がっていく。

ここまで読むと、半年間まわしてきた色替えや文言テストが、なぜ数字を動かさなかったのかが見えてくる。あなたは、作る側と回す側が報われる土俵の上で、彼らの得意技を借りて改善を続けていた。その土俵の上には、成約を決める本当のレバーが最初から置かれていない。だから、いくら丁寧にプレーしても点が入らなかった。次の章では、この構造の中であなたが無意識に選ばされてしまう、間違った解決策の典型と、その先に待っている結末を具体的にたどっていく。

多くの会社がやってしまう改善と、その行き着く先

構造が分かったところで、その土俵の上で人がどんな手を打つのかを見ていく。相談に来る会社の話を聞くと、打ち手はおどろくほど似ている。順番にたどると、自分がいまどのあたりで止まっているかが分かるはずだ。

最初に手が伸びるのは、ボタンの色と文言だ。「申し込む」を「無料で相談する」に変える。緑のボタンを目立つオレンジにする。マイクロコピーを添える。ここまでは一時間もあればできるし、いじった実感がある。だが、これで成約率が二倍になることはまず起きない。前の章で書いたとおり、入り口で人が去っているなら、出口のボタンをどう磨いても拾える人数は限られる。数字が動かないと、次は「テストのやり方が甘いのでは」と考えて、A/Bテストの精度を上げにいく。

A/Bテストそのものは正しい道具だ。問題は、何をテストするかにある。ボタンの色、見出しの語尾、写真の人物の表情。こうした細部を延々と比べても、多くの場合、統計的に意味のある差は出ない。月に問い合わせが数件という母数では、AとBの差が偶然なのか実力なのかを見分けるだけのデータがそもそも溜まらない。三週間回して「Bが少し良い気がする」で終わり、また別の細部のテストへ移る。この繰り返しに半年、一年と溶けていく。テストをしている手応えだけが残り、成約数は動かない。

A/Bテストで見落とされがちな落とし穴が、もう一つある。細部のテストは、勝ったパターンを選び続けても、たどり着ける天井が最初から低いという点だ。緑のボタンと赤のボタンで勝ったほうを採り、次に太字の見出しと細字の見出しで勝ったほうを採る。これを積み上げても、それはもともと通過してきた一割の人の中で、より押しやすい形を探しているだけだ。入り口で去った九割は、このテストの視界にそもそも入っていない。低い天井の下で、何センチ高く跳べるかを競っている。跳躍力を鍛えても、天井そのものは上がらない。半年後に「やれることは全部やった」と感じるのは、この低い天井の下をくまなく探し終えたからで、天井を突き破ったからではない。

数字が動かない焦りは、たいてい広告費の増額に向かう。「露出が足りないから増えないのだ」と考えるのは自然な発想だ。予算を月三十万から六十万に上げる。すると訪問者は確かに二倍近くになる。ところが成約率が低いままだから、増えた訪問者の大半も入り口で去る。問い合わせは一・二倍にしかならず、一件あたりの獲得単価はむしろ悪化する。穴の空いたバケツに注ぐ水を増やしている状態だ。バケツの穴、つまり入り口で人が去る理由に手をつけないまま水量だけ増やすと、こぼれる量が増えるだけで手元には残らない。

次に出てくるのが、作り直しだ。「このLPはもう古い、一から作り替えよう」と、別の制作会社に頼む。新しいLPは確かに見た目が今風になる。だが、作り替える側もまた「作れば報われる」土俵の住人だから、直すのはやはりデザインと構成の見た目で、客の困りごとという中身には手が入らない。数か月と数十万円をかけて、前より少しきれいな、けれど同じ場所で人が去るLPが出来上がる。そして数か月後、また同じ相談をすることになる。

こうした打ち手に共通しているのは、どれも「自分たちの側」をいじっている点だ。自社のボタン、自社の文言、自社のデザイン、自社の広告予算。視線がずっと自分の側に向いている。画面の向こうにいる一人の訪問者が、いま何に困っていて、何が引っかかって指を止めたのか。そこへ視線が向いていない。改善の対象が全部こちら側にあるから、いくら熱心にいじっても、相手の心が動く場所には届かない。

この「自分の側ばかりいじる」状態には、厄介な副作用がある。手を動かすたびに、改善したという実感だけは積み上がっていくことだ。今週はボタンを直した、来週は写真を替えた、その次はテストを回した。作業ログは埋まり、報告できることも増える。前に進んでいる感覚がある。ところが成約数という一点だけが、ずっと同じ場所にとどまっている。この実感と結果のずれが、袋小路を長引かせる。もし何をやっても手応えがまったく無ければ、人は早い段階でやり方そのものを疑う。実感があるからこそ、やり方は正しくて量が足りないだけだと思い込み、同じ方向にさらにアクセルを踏んでしまう。

行き着く先はだいたい二つに分かれる。一つは、消耗して手を止めてしまうパターン。「LPなんて所詮こんなものだ」とあきらめ、広告も絞り、集客の主導権を他人まかせにしていく。もう一つは、外注先を次々に変えながら同じ改善を繰り返すパターン。会社は変わっても土俵は同じだから、結果も変わらない。どちらの道も、費やした時間とお金のわりに手元に成約が積み上がらない。この袋小路から抜けるには、いじる対象をこちら側から相手側へ、視線ごと移すしかない。今日まで触ってきたボタンや文言は、いったん脇に置く。手を止めろという話ではない。手を伸ばす先を変えるだけだ。次の章で、その具体的なやり方に入る。

直す順番を組み替える「売れるサイトはみな謙虚」

ここからが本題だ。私は成果の出るLPに共通する態度を、売れるサイトはみな謙虚という言葉でまとめている。謙虚というのは、遠慮して自社の良さを引っ込めるという意味ではない。画面の主役の座を、自社から客へ返すという態度のことだ。多くのLPは無意識に自社を主役にしている。うちの技術はすごい、うちの実績は豊富だ、うちのこだわりはこうだ。主役が自社になっているページの前で、訪問者は「で、それが自分の何の役に立つのか」を自力で翻訳させられる。その翻訳の手間に耐えられず、人は去る。主役を客に返すと、この翻訳の手間が消える。

具体的な作業は四つだ。一つ目、主役を客に返す。ページの語り口を「うちは」から「あなたは」へ寄せる。実績や技術は、客が抱える困りごとを解くための道具として、客の物語の中に置き直す。二つ目、最初の一言を客の困りごとにする。ファーストビューの見出しを、自社の宣言から、客がいま口にしている悩みの言葉へ変える。「成約率が上がらないLP、直す場所を間違えていませんか」のように、相手が心の中でつぶやいている言葉をそのまま置く。ここで「これは自分の話だ」と伝わるかどうかで、入り口の通過率が変わる。

三つ目、次の一歩を一つに絞る。多くのLPには、資料請求、無料相談、電話、メルマガ登録と、出口がいくつも並んでいる。選択肢が増えるほど人は迷い、迷った人は決めないまま去る。いま一番動いてほしい行動を一つだけ残し、他は思い切って下げる。四つ目、不安を先回りして消す。客が申し込みを止める瞬間には、たいてい具体的な不安がある。「しつこく営業されないか」「費用が後から膨らまないか」「うちの規模でも相手にしてもらえるか」。この声を想像して、ページの中で先に答えておく。不安が一つ消えるたびに、指はボタンへ近づく。

この四つを、なぜこの順番でやるのかにも理由がある。人がLPを読む順路と、手を入れる順路をそろえるためだ。訪問者はまずファーストビューの一言を見て、自分ごとかを判断する。ここを通れば、次に「これは誰のための、何の話か」という主役の位置を読み取る。納得したら「では自分は何をすればいいのか」と次の一歩を探し、最後に「でも大丈夫だろうか」と不安が頭をよぎる。読み手がつまずく順に、手前から一つずつ石を取り除いていく。手前でつまずいている人に、奥の石をどけて見せても意味がない。ボタンの色は、この四つの石を全部どけて、人が最後の一歩まで歩いてきた後の、仕上げの調整でしかない。だから最後に回す。

この四つを、色や文言の微調整より先に手をつける。順番がすべてだ。入り口の一言と主役の位置を直してから、最後にボタンの色を調整する。逆にしてはいけない。下の表に、同じLPを前にしたときの、よくある改善と謙虚な改善の分かれ方を並べた。

改善のときに見ている層と、自分に投げている問い よくある改善のやり方(視線が自分の側に向いたまま動く) 謙虚な改善のやり方(主役を客に返して視線を向こうへ移す)
ファーストビューの一言をどう決めるか、という一番手前の判断 自社のサービス名や「業界No.1」といった宣言を大きく置き、見た目の印象を整えることに時間をかける 客がいま検索窓に打ち込んでいる悩みの言葉をそのまま見出しにして、三秒で自分ごとだと伝わる状態を作る
このページの主役は誰か、という語り口の根っこの部分 うちの技術・実績・こだわりを主語にして語り、読み手に価値の翻訳を丸ごと任せてしまっている あなたの困りごとを主語にして語り、実績や技術はその困りごとを解く道具として客の物語の中に置き直す
訪問者に次にとってほしい一歩を、いくつ用意するか 資料請求・電話・メルマガ・無料相談を横並びに置き、選択肢の多さが親切さだと思い込んでいる いま一番動いてほしい一歩だけを目立たせ、他の出口は思い切って下げて、迷って離脱する人を減らす
客が申し込みを止める瞬間の不安に、どう向き合うか 不安には触れず良い面だけを並べ、疑問は問い合わせ後に個別に答えればよいと後回しにしている しつこい営業や追加費用など、止まる理由を想像して先に文章で答え、不安を一つずつ消してから誘導する
改善がうまくいったかを、何の数字で判断するか ボタンのクリック率や滞在時間など、手前の細かい指標が少し動いたことをもって改善できたと判断する 入り口の通過率と最終的な問い合わせ件数を軸に置き、成約という一点に効いたかどうかで良し悪しを決める

表の右側は、どれも視線が画面の向こうの一人へ向いている。左側は、視線が自社の側にとどまっている。半年間まわしてきた改善が右と左のどちらだったかを思い返すと、数字が動かなかった理由がはっきりするはずだ。やることは、今日から視線を向こうへ移し、四つの作業を上から順に片づけるだけだ。表の右側の四行は、どれも特別な予算も外注も要らない。必要なのは、客が何に困っているかを思い出す時間と、その言葉をページに置く手だけだ。次の章で、着手の順番と、よく出る疑問への答えをまとめる。

結論:直す順番を変えれば、同じ労力が別の結果を生む

最後にもう一度、話を一本にまとめる。LPを改善しても問い合わせが増えないとき、たいてい足りないのは努力の量ではない。足りないのは、直す順番だ。ボタンの色や文言、A/Bテスト、広告費の増額は、どれも入り口を通過した人にしか効かない。入り口で去られている状態では、その先をどれだけ磨いても拾える人数は増えない。だから順番を入れ替える。最初の一言を客の困りごとにし、主役を客に返し、次の一歩を一つに絞り、不安を先に消す。この四つを、細部の微調整より先に片づける。

ここで一つ、勘違いされやすい点を補っておく。主役を客に返すというのは、自社の実績や技術を隠すという話ではない。実績は、客の困りごとを解ける根拠として、むしろ堂々と出す。置く場所と語る順番を変えるだけだ。「創業二十年」を冒頭に宣言する代わりに、「二十年ぶんの失敗事例を見てきたから、あなたのLPが去られている理由が三秒で分かる」と、客の得になる形に翻訳して差し出す。同じ事実でも、主語を自社から客に移すと、宣言が根拠に変わる。謙虚な態度と、自社の強みを出すことは、両立する。むしろ、客の物語の中に置き直された強みのほうが、そのまま並べた強みより深く伝わる。

いきなり全部をやろうとしなくていい。今日できる一歩は、ファーストビューの見出しを一行だけ書き換えることだ。自社の宣言を消し、客がいま口にしている悩みの言葉を置く。それだけで入り口の通過率が動き始める。通過率が上がってから、はじめてボタンの色を調整する。順番を守ると、これまで回してきたテストや修正が、今度はちゃんと数字に乗ってくる。今日までの労力は無駄ではなかった。使う場所を手前へずらすだけでいい。

一行だけ書き換えたら、二週間そのまま走らせて、入り口を通過した人の数を見る。フォームの通知の数だけでなく、LPを最後まで読んだ人の割合や、二枚目の画面へ進んだ人の割合を見ておくと、入り口が動いたかどうかが早く分かる。数字が動いたら、次の石、つまり主役の位置に手を入れる。動かなかったら、置いた見出しがまだ自社の宣言に寄っていないかを疑う。一度に一箇所だけ触り、二週間待って測る。この地味な進め方が、半年で十数回いじって何も動かなかった日々から抜け出す、一番の近道になる。焦って複数箇所を同時に触ると、何が効いたのか分からなくなり、また元の袋小路へ戻ってしまう。

もし、自社のLPのどこを最初に直すべきか、客の困りごとをどう言葉にすればいいかを一緒に整理したいなら、私たちの考え方や事例をまとめてある。売れるサイトはみな謙虚という一貫した見方で、直す順番の相談に乗っている。

▶ 合同会社謙虚のトップページはこちら(https://kenkyo.ai/)

よくある質問

Q. A/Bテストはもうやめたほうがいいのでしょうか

やめる必要はない。道具として正しく、使いどころを選べば効く。問題は、多くの会社が入り口の設計をそのままにして、ボタンの色や語尾という細部だけをテストしている点にある。月に問い合わせが数件という母数では、細部の差は統計的に見分けられず、結果はいつも誤差の範囲で終わる。先にファーストビューの見出しと主役の位置を直し、入り口の通過率が上がって訪問者の数がまとまってから、細部のテストに移る。この順番なら、テストが初めて意味のある差を返してくれる。

Q. LPを一から作り直すべきか、いまのものを直すべきか、どちらですか

多くの場合、作り直しより先に、いまのLPの入り口だけを直すほうが早く効く。作り直しは数か月と数十万円がかかるうえ、作る側の得意技はデザインと構成の見た目にあるため、客の困りごとという中身が抜け落ちたまま、きれいなだけで同じ場所で去られるページが出来上がりやすい。まずは見出しの一行、主役の語り口、出口の数、不安への先回りという四点を、いまのページの上で直してみる。それで数字が動くなら、土台は生きている。動きの手応えを見てから、作り直しの必要性を判断しても遅くない。

Q. 制作会社や代理店に、この考え方をどう伝えればいいですか

相手が報われる指標が、あなたの成約数とずれていることを頭に置いて頼むといい。制作会社には「デザインを整える前に、ファーストビューの見出しを客の悩みの言葉に変えたい」と、具体的な一点を渡す。代理店には「予算を積む前に、入り口の通過率を上げたい」と、目的の順番を先に共有する。丸ごと任せてしまわず、直す順番と測る指標をこちらが握る。プロの技術は、向ける先さえ正しく指定すれば強力に働く。主導権を渡さず、成約という一点で会話を続けることが、遠回りを防ぐ近道になる。相手を疑ってかかる必要はない。ただ、相手が報われる指標とあなたのゴールが違う場所にあることを忘れず、こちらから目的地を指し示す。それだけで、同じ発注先が返してくるものが変わってくる。

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