問い合わせフォームの送信ボタンを押した直後、画面に「送信ありがとうございました」の1行だけが出る。多くの会社のサイトがこうなっています。フォームを設置する作業としては、これで完了しています。
ただ、その画面を見ている人の状態を思い浮かべると、話が変わります。会社名と名前とメールアドレスを打ち込み、相談したいことを自分の言葉で書き、迷ったうえで送信ボタンを押した直後です。その会社への関心が、その日のうちで最も高くなっている瞬間に読まれる唯一のページが、この1画面です。
ここで何を渡すかによって、翌日に届く返信メールへの反応が変わります。返信を待つ間の不安が減っていれば、メールは開かれますし、日程調整もすんなり進みます。1行だけの画面を見せた場合、送った人は「本当に届いたのか」「いつ返事が来るのか」を自分で想像しながら待つことになります。想像した時間より返信が遅ければ、その時点で他社を探し始めます。
この記事では、問い合わせ後のサンクスページに何を書くかを、そのまま使える文例つきで整理します。読み終えたときに、自社の完了画面に足す文が1つ決まっている状態を目指します。
サンクスページは送信ボタンを押した人が読む唯一のページ
サンクスページは、フォームの送信や申し込みが終わった人だけが到達するページです。問い合わせ完了画面、送信完了ページ、受付完了ページなど、呼び方はサイトによって違いますが、役割は同じです。
1行で終わっている会社が多い理由
フォームを設置するとき、多くの制作現場では「送信できたことを伝える」までを仕様として扱います。標準の設定のまま公開すれば、確かに送信の成否は伝わります。作業としては欠けていません。
抜け落ちているのは、送った人がその後に何を考えるかという視点です。フォームを作る側は、送信が成功したかどうかを気にします。送る側が気にしているのは、送信が成功したかどうかに加えて、この先どうなるのかという時間の話です。この2つは重なりません。
この画面が読まれる時間はごく短い
サンクスページに人が留まる時間は長くありません。送信という目的を果たした直後なので、書いてあることが薄ければ数秒で閉じられます。だからこそ、置く情報は絞る必要があります。長い会社紹介や、記事の一覧を並べても読まれません。
読まれる可能性があるのは、いま自分に起きていることの続きに関わる情報だけです。返事はいつ来るのか。誰から来るのか。自分は何かする必要があるのか。この3つに答える文が最も強く働きます。
| 自社の完了画面の状態 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| フォームの上部に小さく文字が出るだけ | 送信できたか分からず、同じ内容をもう一度送る人が出る | 独立したページへ遷移する設定に変える |
| 専用ページはあるが「ありがとうございました」の1行のみ | 返事を待つ間の不安がそのまま残る | 返信の時期と次の流れを書き足す |
| 送信後にトップページへ戻る | 送信の成否が伝わらず、電話での確認が発生する | 受付が完了した事実を明言する文を置く |
| 感謝と返信時期までは書いてある | 最低限は満たしていて、離脱は減っている | 待ち時間に読めるものを1つ足す |
| 感謝と返信時期と次の一歩まで書いてある | 返信前に理解が進み、初回の会話が早く進む | 到達数が正しく数えられているかを確認する |
「送信ありがとうございました」の1行が読み手に残すもの
1行しか書かれていない画面を見た人の頭には、答えの出ない問いがいくつも残ります。その問いは、そのまま待ち時間のあいだ持ち越されます。
届いたかどうかが確信できない
画面が切り替わったこと自体は分かります。それでも、入力の途中でメールアドレスを打ち間違えていたかもしれない、必須の項目を飛ばしていたかもしれないという感覚は残ります。確信が持てない人の一部は、同じ内容をもう一度送ります。受け取る側の管理画面に同じ問い合わせが2件並ぶとき、原因はたいていここにあります。
待つ時間の長さが分からない
返事がいつ来るか書いていないと、送った人は自分の基準で待ちます。急いでいる人ほど基準は短くなります。その日の夕方までに何もなければ、翌朝には別の会社のフォームを開いています。返信の遅さで失注するより、待ち時間の長さを伝えていないことで失注するほうが件数としては多くなります。
手を動かす先がない
問い合わせを送った人は、その瞬間だけ前のめりになっています。その勢いを受け止める先が画面上に何もないと、関心は自然に下がります。翌日の返信が届くころには、送ったこと自体をうっすらとしか覚えていない状態になります。
| 送った人が抱える不安 | いま起きていること | この画面に置く一文 |
|---|---|---|
| 本当に送信できたのか | 二重送信や電話での確認が起きる | 「この画面が表示された時点で、お問い合わせは当社に届いています」 |
| いつ返事が来るのか | 自分の基準で待ち、超えると他社を探し始める | 「1営業日以内に、担当者からメールでご連絡いたします」 |
| 誰が返事をするのか | 差出人の分からないメールとして扱われる | 「担当は◯◯が務めます」 |
| 電話がかかってくるのか | 知らない番号への警戒が続く | 「こちらからお電話することはございません」 |
| 返信を見落とさないか | 迷惑メールに振り分けられ、商談が消える | 「迷惑メールフォルダもあわせてご確認ください」 |
| この後、自分は何をすればいいのか | 画面を閉じ、サイトから離れる | 「お待ちいただく間に、◯◯をご覧いただけます」 |
書くべきこと1|いつ返事が来るのかを書く
サンクスページに足す1文を1つだけ選ぶとしたら、返信の時期です。ここが決まると、送った人の待ち方が変わります。
「順次ご連絡いたします」は時間を伝えていない
よく見かける「担当者より順次ご連絡いたします」という書き方には、時間の情報が入っていません。順次というのは、社内の処理の順番を説明した言葉です。読む人が知りたいのは、自分がいつまで待てばいいのかという1点です。
時間を書くと守れなくなるのが怖い、という理由でぼかしている会社もあります。守れる範囲で長めに書けば済みます。実際に返せている時間より少しだけ長めの数字を書き、書いた時間より早く返す。これだけで、待つ側の体感は大きく変わります。
営業日で書くか、時間で書くか
返信の速さに自信があるなら「当日中」「数時間以内」と時間で書きます。担当が1人で外出も多い体制なら、営業日で書いたほうが安全です。営業日で書く場合は、土日祝日をどう扱うかまで添えます。金曜の夜に問い合わせた人が月曜まで待つことになると分かっていれば、その人は待ちます。
書いた時間を守れる体制があるか先に確かめる
数字を決める前に、過去1か月分の問い合わせと返信の時刻を並べてみます。実測から決めれば、書いた数字は自然に守れます。感覚で「1営業日以内」と書いて、実際は3日かかっているという状態が最もよくありません。
| 自社の返信体制 | いま起きていること | サンクスページに書く文 |
|---|---|---|
| 問い合わせを見たらその場で返せる | 早さが売りになるのに伝わっていない | 「原則として当日中にご返信いたします」 |
| 担当が1人で、外出や訪問が多い | 返信が翌日以降にずれることがある | 「1営業日以内にご返信いたします。土日祝日にいただいた分は翌営業日の対応です」 |
| 内容によって調べる時間が必要 | 回答が遅れる案件で不信を招く | 「受付のご連絡を当日中に、詳しいご回答を3営業日以内にお送りします」 |
| 繁忙期は返信が滞る時期がある | 平時の基準を書くと守れない月が出る | 長めの営業日数を書き、実際は早く返す |
| 返信の速度を誰も把握していない | 書く数字を決められない | 過去1か月の返信時刻を数え、実測から決める |
書くべきこと2|次に何が起きるのかを書く
返信が来る時期の次に効くのが、その返信で何が起きるのかという説明です。見積もりが届くのか、日程の候補が来るのか、まず質問が返ってくるのか。ここが分かっていると、送った人は返信を待つ姿勢を作れます。
返信メールの中身を先に予告する
「担当者よりご連絡します」だけだと、届くものの中身が想像できません。「まず3つほど確認のご質問をお送りします」と書いてあれば、質問が来ることは織り込み済みになります。予告された内容が届くと、人はその会社の段取りを信用します。
見積もりなのか面談なのかで書き分ける
問い合わせの種類によって、次に起きることは違います。1つのフォームで複数の用件を受けているなら、サンクスページには最も件数の多い用件の流れを書き、他の用件についても一言添えます。フォームを用件ごとに分けているなら、サンクスページも分けたほうが精度が上がります。
相手が用意しておくものがあれば伝える
面談の前に見ておいてほしい資料や、手元にあると話が早い数字があるなら、この画面で伝えます。待ち時間は、相手にとって手が空いている時間です。ここで準備が進めば、初回の会話は1段深いところから始まります。
| 問い合わせの種類 | 送った人が知りたいこと | 書く文 |
|---|---|---|
| 相談・課題のヒアリング | いきなり売り込まれないか | 「まず現状をうかがうご質問をメールでお送りします。ご返信いただいてから日程のご相談に進みます」 |
| 見積もり依頼 | 金額の目安がいつ分かるか | 「ご要望を確認のうえ、お見積もりを3営業日以内にお送りします。仕様が固まっていない段階では概算をお出しします」 |
| 資料請求 | 資料がどこから届くのか | 「ご入力のメールアドレス宛に、資料の閲覧先をお送りします。郵送はいたしません」 |
| 面談・打ち合わせの申し込み | 日程がいつ決まるのか | 「候補日を3つ挙げたメールをお送りします。ご都合の合う日をお選びください」 |
| 採用への応募 | 選考がどう進むのか | 「書類の確認に5営業日ほどいただきます。結果は合否にかかわらずご連絡します」 |
書くべきこと3|電話がかかってくるのかを明示する
この項目を書いている会社はほとんどありません。それでいて、送った人が気にしている度合いは高いところです。
電話番号を書いた人が身構える理由
フォームに電話番号の入力欄があると、多くの人は「かかってくるかもしれない」と考えます。仕事中に知らない番号から着信があるのを避けたい人は、その時点で入力をためらいます。番号欄が必須になっているせいで送信をやめる人がいるのは、この不安が理由です。
サンクスページで方針を書いても、送信前の離脱は止められません。それでも、送信した人が持ち帰る印象は変わります。次に問い合わせるときの心理的な負担も下がります。
電話する方針なら、時間帯を聞いておく
電話で連絡する会社なら、そう書きます。あわせて、都合のよい時間帯を返信で教えてほしいと添えます。かける側にとっても、つながらない番号に何度もかける手間が減ります。
電話しない方針なら、それをはっきり書く
連絡をメールに限っているなら、そう明記します。「こちらからお電話することはございません」の1文は、読んだ人の緊張を確実に下げます。方針として決まっていることを書くだけなので、コストもかかりません。
| 自社の連絡方針 | いま起きていること | サンクスページに書く文 |
|---|---|---|
| 連絡はメールのみ | 方針が伝わらず、警戒したまま待たれる | 「ご連絡はメールのみです。こちらからお電話することはございません」 |
| 基本はメール、急ぎのときだけ電話 | 予告のない着信に出てもらえない | 「原則メールでご連絡します。お急ぎの内容と判断した場合のみ、お電話することがあります」 |
| 電話で連絡する | 不在が続き、往復の回数が増える | 「お電話でご連絡します。ご都合のよい時間帯を、自動返信メールへのご返信でお知らせください」 |
| 担当によって連絡手段が違う | 社内で説明が揃わない | 連絡手段を1つに決めてから書く |
| 電話番号を必須にしている | 入力をためらって送信をやめる人がいる | 入力欄を任意に変え、その旨をフォーム側にも書く |
書くべきこと4|自動返信メールと迷惑メールフォルダ
問い合わせを送ると、多くのサイトは自動返信メールを出します。この自動返信が届かない事故は、思っているより高い頻度で起きています。
届かない原因は数えられる範囲に収まる
自動返信が読まれない原因は、いくつかの型に分かれます。メールアドレスの打ち間違い、迷惑メールフォルダへの振り分け、携帯電話会社の受信設定、会社側の受信フィルター、送信元の設定不備です。どれもサンクスページに一言書いておくだけで、送った人が自分で確かめられます。
差出人の表示名とアドレスを先に伝える
「差出人は◯◯、アドレスは◯◯からお送りします」と書いておけば、探すときの手がかりになります。迷惑メールフォルダの中から目当ての1通を見つけるのは、差出人が分かっていれば簡単です。分かっていなければ、探すこと自体をあきらめます。
届かなかった人の逃げ道を1本だけ用意する
自動返信が届かなかったとき、送った人が取れる行動を1つ書いておきます。別の連絡先を書くか、もう一度送ってもらうかのどちらかです。逃げ道が無いと、その人は静かに消えます。届かなかったという事実は、こちら側からは見えません。
| メールが届かない原因 | いま起きていること | サンクスページに書く案内 |
|---|---|---|
| メールアドレスの打ち間違い | 返信のしようがなく、問い合わせが宙に浮く | 「30分経っても届かない場合は、アドレスの入力に誤りがあった可能性があります」 |
| 迷惑メールフォルダへの振り分け | 返信に気づかないまま日数が過ぎる | 「迷惑メールフォルダもご確認ください。差出人は◯◯です」 |
| 携帯電話会社の受信設定 | パソコンからのメールが届かない | 「携帯電話のアドレスをご利用の場合は、受信の許可設定をご確認ください」 |
| 会社側の受信フィルター | 社内の設定で弾かれ、担当者に届かない | 「社内のフィルター設定によっては届かないことがあります」 |
| それでも届かないとき | 連絡が途切れ、そのまま終わる | 「お手数ですが、◯◯までご一報ください」と代わりの連絡先を1つ書く |
書くべきこと5|待っている間に読めるものを1つ渡す
ここまでの4つは、不安を減らす情報です。5つ目は、関心が高い状態を活かす情報になります。
渡すものは1つに絞る
複数のリンクを並べると、どれも押されません。渡すものは1つに絞ります。選ぶ基準は、その人が問い合わせた内容と地続きであることです。会社紹介の動画や、実績の一覧のような広い内容は、この場面では弱くなります。
相談内容と地続きのものを選ぶ
ホームページの改善について相談してきた人には、改善の手順をまとめたものを渡します。料金を知りたくて問い合わせた人には、費用の考え方を説明したものを渡します。渡すものと相談内容の距離が近いほど、開かれる確率は上がります。
記事の一覧を並べても読まれない
「関連記事」として5本も6本も並べる作りをよく見かけます。この場面の読み手は、選ぶ気力を持っていません。1つの見出しと、1行の説明と、1つのリンク。この形が最も反応します。
| 問い合わせの内容 | 送った人が待ち時間に知りたいこと | 渡すもの |
|---|---|---|
| サイトから問い合わせが来ない | 自分のサイトの何が問題なのか | 自分で確かめられる点検の手順を1つ |
| 費用の目安を知りたい | 何によって金額が変わるのか | 費用の決まり方を説明したもの |
| 他社と比較している | 選ぶときの基準 | 依頼先を選ぶときに確認する項目の一覧 |
| 導入の可否を検討中 | 導入した会社がどう変わったか | 近い規模の事例を1件 |
| とりあえず話を聞きたい | 初回の面談で何を話すのか | 面談の流れを説明したもの |
書くべきこと6|間違えて送った人の逃げ道
送信した直後に「書き忘れた」「アドレスを間違えた」と気づく人がいます。この人たちに何も用意していないサイトが大半です。
打ち間違いは一定の割合で起きる
メールアドレスの入力欄を2つ用意して確認させる方法もありますが、入力の手間が増えて送信率が下がります。入力欄は1つのままにして、サンクスページ側で救うほうが全体としては有利です。「入力内容に誤りがあった場合は、お手数ですがもう一度お送りください」の1文で足ります。
送信内容の控えをどう渡すか
自動返信メールに送信内容をそのまま載せておくと、送った人は自分が何を書いたかを後から確認できます。面談の直前に読み返す人もいます。控えを渡すこと自体が、丁寧に扱われているという印象につながります。
そのまま使えるサンクスページの文例
ここまでの要素を組み合わせた文例を、場面ごとに示します。◯◯の部分を自社の情報に置き換えれば、そのまま使えます。
相談・見積もりの問い合わせ
「お問い合わせありがとうございます。この画面が表示された時点で、内容は当社に届いています。
1営業日以内に、担当の◯◯からメールでご返信いたします。土日祝日にいただいた分は、翌営業日の対応となります。最初のメールでは、ご状況をうかがう質問を3つほどお送りします。ご返信をいただいてから、お見積もりまたは日程のご相談に進みます。
こちらからお電話することはございません。ご連絡はすべてメールで行います。
受付の自動返信メールを、ご入力のアドレスへお送りしました。30分経っても届かない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。差出人は◯◯です。それでも見当たらない場合は、アドレスの入力に誤りがあった可能性がありますので、お手数ですがもう一度お送りください。
お待ちいただく間に、◯◯をご覧いただけます。」
資料請求
「資料のご請求ありがとうございます。ご入力のメールアドレス宛に、資料をご覧いただける案内をお送りしました。郵送はいたしません。
数分お待ちいただいても届かない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。差出人は◯◯です。
資料をご覧になったうえでご質問がありましたら、そのメールにご返信ください。担当の◯◯が1営業日以内にお答えします。営業のお電話をおかけすることはございません。」
面談・見学の申し込み
「お申し込みありがとうございます。日程の候補を3つ挙げたメールを、本日中にお送りします。ご都合の合う日をお選びのうえ、ご返信ください。
当日はオンラインで◯分を予定しています。事前にご用意いただくものはありません。お手元に現在のサイトを開ける状態でご参加いただけると、話が早く進みます。
日程が確定しましたら、参加用の案内をあらためてお送りします。」
採用への応募
「ご応募ありがとうございます。応募書類は正しく受け付けております。
書類の確認に5営業日ほどいただきます。結果は合否にかかわらず、全員にメールでご連絡します。
この期間にご連絡が行き違うことを避けるため、迷惑メールフォルダも折を見てご確認ください。差出人は◯◯です。」
| 文例に入れる部品 | その部品が消している不安 | 省いたときに起きること |
|---|---|---|
| 受付が完了した事実の明言 | 届いたかどうかが分からない | 同じ内容が二重に送られてくる |
| 返信までの日数と担当者名 | いつ誰から来るのか分からない | 返信を待たずに他社へ移る |
| 返信メールの中身の予告 | 次に何が起きるか分からない | 質問メールに返事が来ない |
| 電話の有無 | 知らない番号への警戒 | 電話に出てもらえない |
| 自動返信が届かないときの案内 | 返信を見落とすかもしれない | 気づかれないまま商談が消える |
| 待ち時間に読めるもの | この後どうすればいいか分からない | 関心が下がったまま返信日を迎える |
サンクスページは計測の起点になる
サンクスページには、文章とは別の役割があります。問い合わせが何件あったかを数える地点として使えるという役割です。
フォームの送信を数える方法として最も確実
送信ボタンが押された回数を数える方法もありますが、押しただけで送信が失敗している場合も混ざります。サンクスページに到達した回数を数えれば、送信が成立した件数に近づきます。だからこそ、サンクスページは独立したページとして作る必要があります。
直接開かれると二重に数えられる
サンクスページのURLを知っている人が、フォームを通らずに直接開くと、その分も件数に足されます。社内の担当者が確認のために開く場合もこれに当たります。件数が実感より多いときは、まずここを疑います。
対策としては、フォームを経由していないときにトップページへ戻す設定を入れるか、社内からの閲覧を計測から外す設定を入れます。Google Search Console と分析ツールの数字がずれる原因にもなります。
検索結果に出さない指定と計測は両立する
サンクスページは検索結果に出す必要がありません。ノーインデックスの指定を入れておくのが一般的です。この指定は検索エンジンに対するものなので、アクセスの計測とは無関係です。両方を同時に設定して問題ありません。
| 計測まわりの状態 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| フォームと同じURLのまま切り替わる | 到達数を数える地点が作れない | 専用のURLを持つページへ遷移させる |
| 専用ページはあるが計測の設定がない | 問い合わせ件数を管理画面から手で数えている | 到達を成果として登録する |
| 件数が実感より明らかに多い | 直接の閲覧や社内からの確認が混ざっている | 社内からの閲覧を除外し、直接の到達を弾く |
| 検索結果にサンクスページが出ている | フォームを通らない人が到達する | ノーインデックスの指定を入れる |
| 用件ごとにフォームが複数ある | どの用件が伸びているか分からない | 用件ごとにサンクスページを分ける |
サンクスページでやらないほうがいいこと
足すべきものと同じくらい、置かないほうがよいものがあります。
別の商品の売り込みを重ねる
関心が高い瞬間だからと、他の商品やサービスの案内を並べる作りがあります。問い合わせた用件への返事がまだ来ていない段階で別の話を始めると、扱いが軽いという印象を与えます。渡すものは、問い合わせた内容の続きに限ります。
共有を促す
購入後の商品なら共有を促す意味もありますが、問い合わせを送った直後の人に共有をお願いするのは筋が通りません。まだ何も受け取っていない段階です。
サイト内へのリンクを張り巡らせる
他のページへのリンクを並べると、サイト内を回遊してもらえそうに見えます。実際には、送信を終えた人の集中はすでに切れています。リンクを増やすほど、どれも押されなくなります。
| 置かれがちなもの | いま起きていること | 代わりに置くもの |
|---|---|---|
| 他の商品やサービスの案内 | 用件への返事より前に売り込まれた印象が残る | 問い合わせた内容と地続きのもの1つ |
| 共有を促すボタン | まだ何も受け取っていないので反応が出ない | 返信までの流れの説明 |
| 多数のリンク | 選択肢が多く、どれも押されない | リンクを1本に絞る |
| 会社の沿革や理念の長文 | 読まれずに閉じられる | 担当者の名前と連絡手段 |
| すぐに閉じてよいという案内だけ | 関心が高い時間を使わないまま終わる | 待ち時間に手を動かせるもの |
サンクスページの作り方
ここからは実際に作る手順です。使っているフォームの仕組みによって設定の場所は違いますが、考え方は共通しています。
独立したページとして作る
まず、専用のURLを持つページを1枚用意します。固定ページとして作るのが簡単です。URLは半角の英数字にして、内容が分かる短いものにします。用件ごとにフォームが分かれているなら、サンクスページも同じ数だけ用意します。
フォームの遷移先として指定する
フォームの設定画面に、送信後の遷移先を指定する項目があります。ここに作ったページのURLを入れます。プラグインや外部のフォームを使っている場合も、同じ役割の設定項目が必ずあります。
サイトの見た目と揃える
サンクスページだけ見た目が違うと、別のサイトに飛ばされたように見えます。ヘッダーとフッターを含め、他のページと同じ体裁にします。文字だけの素っ気ない画面になっているサイトは、この設定が抜けています。
| 作業の段階 | 確認すること | 抜けていると起きること |
|---|---|---|
| ページを作る | 専用のURLを持っているか | 到達数を数えられない |
| 遷移先を指定する | 送信後に確実に切り替わるか | 送信できたか伝わらない |
| 見た目を揃える | 他のページと同じ体裁か | 別のサイトに見えて不安を与える |
| 検索避けを設定する | ノーインデックスの指定が入っているか | 検索から直接到達され、件数が狂う |
| 自動返信を設定する | 差出人名と本文が意図どおりか | 迷惑メール扱いされ、読まれない |
公開する前に、自分で1回送って確かめる
設定が終わったら、必ず自分で送ってみます。画面の目視だけで済ませた結果、登録が全件失敗していたことに長時間気づかなかった例が実際にあります。
実際に送信して画面とメールの両方を見る
テストの内容を書いて送信し、サンクスページに切り替わることを確かめます。続いて、自動返信メールが届くかを確かめます。届いたメールの差出人名、件名、本文の文字化けの有無まで見ます。管理者宛の通知メールが届いているかも同時に確認します。
スマートフォンでも同じ手順を踏む
問い合わせの多くはスマートフォンから来ます。画面の幅が狭いときに文章が読みにくくなっていないか、リンクが押しやすい大きさかを確かめます。携帯電話会社のアドレスに自動返信が届くかどうかも、この段階で試しておきます。
3か月に1回は同じ検証を繰り返す
サイトの更新やプラグインの更新で、フォームが静かに壊れることがあります。壊れても画面上は普通に見えるため、問い合わせが減ったことでしか気づけません。定期的に自分で1通送る習慣をつけておくと、この事故を防げます。
| 検証する項目 | 確かめ方 | 問題があったときの対処 |
|---|---|---|
| サンクスページへの遷移 | 実際に送信して画面を見る | フォームの遷移先の設定を見直す |
| 自動返信メールの到達 | 受信箱と迷惑メールフォルダの両方を見る | 送信元の設定と差出人アドレスを見直す |
| 管理者宛の通知 | 社内の受信箱を確認する | 宛先の指定と受信フィルターを見直す |
| スマートフォンでの表示 | 手元の端末で送信まで通す | 文字の大きさとリンクの間隔を調整する |
| 到達数の計測 | 分析ツールでテスト分が数えられたか見る | 成果の登録設定を見直す |
よくある質問
サンクスページは検索結果に出したほうがいいですか
出さないほうがよいページです。検索から直接到達されると、問い合わせをしていない人が件数に混ざります。ノーインデックスの指定を入れておきます。この指定を入れても、アクセスの計測には影響しません。
フォームの上に文字を出すだけでは足りませんか
送信の成否を伝えるという意味では足ります。足りないのは、到達数を数える地点が作れないことと、書ける情報量が少ないことの2点です。返信までの流れや自動返信の案内まで書こうとすると、フォームの上の小さな領域では収まりません。
用件ごとにフォームを分けている場合、サンクスページも分けるべきですか
分けたほうがよくなります。用件によって次に起きることが違うので、書く内容が変わります。件数を用件ごとに把握できるという利点もあります。作る手間は増えますが、1枚を複製して文面を差し替えるだけなので、大きな負担にはなりません。
返信までの日数を書いて、守れなかったらどうしますか
守れる数字を書くのが前提です。過去の返信時刻を数えて、実測より少し長めの数字を選びます。それでも遅れることがあるなら、遅れた時点で「確認に時間をいただいています」という短いメールを1通入れます。何も来ない時間が続くことが最も嫌われます。
問い合わせのあと、何日で連絡すればいいですか
早いほど話が進みます。時間が経つほど、送った人の関心は下がり、他社との比較も進みます。当日中に何らかの反応を返すのを基本にして、詳しい回答が必要な場合は「受付の連絡を当日、詳しい回答を後日」という2段構えにします。
まとめ
サンクスページは、問い合わせを送った人の関心が最も高い瞬間に読まれる、たった1枚のページです。ここに置くべきものは、その人が待ち時間に抱える不安への答えです。
書く内容は6つに整理できます。受付が完了した事実、返信までの日数と担当者、返信メールで何が起きるか、電話の有無、自動返信が届かないときの案内、待ち時間に読めるもの。この6つを1画面に収めれば、送った人は落ち着いて返信を待てます。
あわせて、このページは問い合わせ件数を数える地点にもなります。専用のURLを持つページとして作り、検索結果に出さない指定を入れ、到達数を成果として登録します。設定が終わったら、自分で1通送って画面とメールの両方を確かめます。
今日から手をつけるなら、返信までの日数を書き足すところからで十分です。1行を1文に増やすだけで、返信への反応は変わります。
今日できる点検
手元でサイトを開き、次の順に確かめてください。所要時間は20分ほどです。
| 点検する場所 | 確かめること | その場でできる直し方 |
|---|---|---|
| 問い合わせフォーム | 自分で1通送り、専用ページに切り替わるか | 切り替わらないなら遷移先の設定を入れる |
| サンクスページの本文 | 返信までの日数が書いてあるか | 実測に基づく日数を1文で書き足す |
| サンクスページの本文 | 電話の有無が書いてあるか | 方針を1文で書き足す |
| 自動返信メール | 受信箱に届き、差出人名が正しいか | 届かないなら送信元の設定を見直す |
| サンクスページの下部 | 渡しているものが1つに絞れているか | リンクが複数あるなら1本に減らす |
| 分析ツール | 到達数が成果として数えられているか | 成果の登録と社内からの閲覧の除外を設定する |
6つのうち1つでも空欄が見つかったら、そこが今日直す場所です。すべて埋まっていれば、次はフォームの入力項目そのものを見直す番になります。
数字の見方については、順位を取っても人が来ないときに見る数字もあわせてご覧ください。
自社のマーケティング課題を根本から解決しませんか?
ウェブサイトから要素を引き算し、訪れた人が迷わず次の一歩に進む形へ組み直す。初回60分のオンラインで御社のサイトを一緒に読み、どこから直すべきかをお伝えします。手順をまとめた無料の診断と解説動画もご用意しています。
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