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【紹介頼みが限界】口コミが細っても新規が獲れる会社の条件

2026 8/24

先日、Q&Aサイトでこのような切実な悩みを拝見しました。「創業して十五年、これまで新規の営業らしい営業はほとんどしてきませんでした。既存のお客様が別のお客様を連れてきてくださって、口コミと紹介だけで仕事が回っていたんです。ところがこの数年、その紹介が目に見えて減ってきました。長く付き合ってきた取引先の担当者が定年で入れ替わったり、会社そのものが廃業してしまったり。頼りにしていた紹介元が一社また一社と細っていく。今さら新規開拓のやり方なんて分かりませんし、ホームページも名刺代わりに作ったまま何年も放置しています。このままでは先細りだと頭では分かっているのに、いったい何から手をつければいいのか、途方に暮れています」。

読みながら、思わず背筋が伸びました。これは一人の経営者の弱音で片づけていい話ではありません。腕がいいから、仕事が丁寧だから、だからこそお客様が次のお客様を連れてきてくれた。その良い循環で十五年も食べてこられたということは、実力が本物である何よりの証拠です。にもかかわらず、その一番の強みだったはずの循環が、今まさに逆回転を始めている。何も悪いことをしていないのに、地面がゆっくり傾いていくような感覚。この不安の質感は、経験した人にしか分からないものだと思います。

紹介というのは、こちらから頼んで生まれるものではありません。お客様が自発的に「あの会社、いいよ」と言ってくださって初めて成立します。だからこそ質の高い仕事につながりやすく、成約率も高く、値引き交渉も起きにくい。営業コストはほぼゼロ。これほど効率のいい集客の仕組みは、正直ほかにありません。長年これで回してきた経営者が「新規開拓なんて必要ない」と考えてきたのは、むしろ合理的な判断だったとすら言えます。

問題は、その仕組みが誰かの善意と記憶に支えられている点にあります。紹介してくれる人がいなくなれば、蛇口はぴたりと止まる。しかもその蛇口は、こちらの努力とは関係のないところで閉じていきます。担当者の定年、取引先の世代交代、廃業、業界再編。相手側の事情で、こちらが何も変わっていなくても供給が細る。十五年前に三十社あった紹介元が、気づけば十社になり、五社になっている。残った数社に頼る比率が上がるほど、その一社が抜けたときの打撃は大きくなります。

数字にしてみると、この細り方の怖さがはっきりします。仮に年間の受注が三十件、そのうち二十五件が紹介経由だったとします。紹介の八割を占めていた主要な三社が、五年のあいだに担当者の交代や廃業で順に離れていく。すると紹介経由の二十五件が、十五件になり、十件を切っていきます。売上に置き換えれば、何も失敗していないのに二年で三割減という数字が現れる。しかもこの減少は、来月の受注が読めないという形でボディーブローのように効いてきます。固定費は変わらないのに入りだけが細るので、手元の資金が静かに削られていく。気づいたときには、新しい打ち手に投じる体力さえ残っていない、という事態にもなりかねません。

もっと怖いのは、細り始めてから慌てても、すぐには立て直せないことです。新規開拓は、種をまいてから芽が出るまでに時間がかかります。今日ホームページに手を入れても、問い合わせが来るのは数か月先。紹介が細ってきたと実感した時点で動き出しても、その空白期間を埋める手立てが手元にない。多くの会社が「まだ大丈夫」と先延ばしにし、本当に苦しくなってから初めて重い腰を上げる。そして、間に合わないと知る。この時間差こそが、紹介頼みの経営に潜んだ最大の落とし穴です。

さらに厄介なのは、紹介で回ってきた会社ほど、「自分たちがなぜ選ばれてきたのか」を言葉にできていないという事実です。お客様が勝手に良さを説明して連れてきてくれたので、自分から良さを語る必要がなかった。営業トークを磨く機会も、選ばれる理由を文章にする機会もないまま来てしまった。だから、いざ初対面の見込み客に向き合ったとき、何をどう伝えればいいのか分からない。手元にある実力を、言葉に翻訳する筋肉が育っていないのです。

この記事は、そういう会社のために書いています。飛び込み営業を根性で再開しましょう、という精神論を語るつもりはありません。広告費を突っ込んで一発逆転を狙う話でもありません。これまで紹介で選ばれてきた「本当の理由」を掘り起こし、それを検索から訪れる初対面の相手にも伝わる言葉に変えて、ホームページという二十四時間働く場所に置く。人の善意に代わって、サイトそのものが先に信頼をつくる状態を目指します。

十五年やってこられた実力は、消えてなくなったわけではありません。それを伝える経路が、たまたま一本しかなかった。その経路が細ってきただけのことです。ならば、新しい経路を一本、自分の手で通せばいい。次の章から、なぜ紹介が細ると立て直しがこれほど難しくなるのか、その構造を一枚ずつはがしていきます。まずは、敵の正体をはっきり見るところから始めましょう。

目次

なぜ紹介が細ると、こんなにも立て直せないのか

紹介が減っただけなら、話は単純です。減った分をどこかで補えばいい。ところが実際にやってみると、多くの経営者がここで立ちすくみます。減った分を埋める方法が、まったく思いつかないのです。この「思いつかなさ」には、はっきりした構造上の理由があります。長年の紹介依存が、会社の中にいくつもの空洞を残していったからです。

一つめの空洞は、選ばれる理由を言葉にしてこなかったツケです。紹介という仕組みでは、良さを語る役割をお客様が代わりに引き受けてくれます。「あそこは無理を聞いてくれる」「納期を絶対に守る」「困ったとき夜でも電話に出てくれた」。そうやって既存客が具体的な体験を添えて推薦してくれるから、こちらは黙っていても信頼された状態で商談が始まる。これは非常にありがたい反面、自分の口で自社の価値を説明する訓練を、十五年ものあいだ一度もしてこなかったことを意味します。

いざ紹介が途切れて、何の前情報もない相手と向き合ったとき、この空洞が牙をむきます。「御社の強みは何ですか」と聞かれて、とっさに出てくるのが「丁寧にやってます」「誠実が信条です」といった、どの会社でも言える言葉ばかり。嘘ではないのに、相手の心はまるで動かない。なぜなら、丁寧さも誠実さも、聞き手からすれば確かめようのない自己申告だからです。紹介者が体験談で保証してくれていた「確からしさ」が、初対面の場では丸ごと抜け落ちる。その穴を自分の言葉で埋められないことに、そこで初めて気づくのです。

二つめの空洞は、名刺代わりに作ったまま放置されたホームページです。紹介中心で回っていた会社にとって、サイトは「相手が名前で検索したとき、会社が実在すると分かればいい」程度の位置づけでした。だから会社概要と事業内容が並んでいるだけで、更新は数年止まったまま。制作年がそのまま社長の危機感の温度計になっています。紹介客はもともと信頼して来るので、多少そっけないサイトでも問題は起きませんでした。

しかし新規の見込み客は、まったく逆の入り方をします。誰かの推薦を手にせず、自分の困りごとを検索窓に打ち込んでたどり着く。彼らが最初に見るのは社長の顔でも過去の実績でもなく、そのホームページ一枚です。そこに「自分の悩みを分かってくれそうだ」という手応えがなければ、三秒で離脱してブラウザのタブを閉じる。放置されたサイトは、来てくれた見込み客を毎日静かに追い返す装置として稼働し続けています。しかも本人は、その取りこぼしの存在にすら気づけません。

三つめの空洞が、いちばん根が深い。担当者との属人的な関係だけで成り立っていた取引構造です。紹介の多くは、会社対会社の契約という以上に、人対人の信頼でつながっています。先方の田中さんが自分を信頼してくれているから仕事が来る。ところが田中さんが定年を迎えると、その信頼は後任に自動では引き継がれません。後任の若手からすれば、前任者が贔屓にしていた出入り業者の一つにすぎない。相見積もりを取られ、価格で比較され、これまで一度もなかった値引き要求が飛んでくる。

この属人性は、紹介元が廃業したときにさらに残酷な形で表れます。取引先が一社たたむと、そこから枝分かれしていた二次三次の紹介ルートまで一緒に消える。一本の木が倒れると、その木にぶら下がっていた実がすべて落ちるようなものです。紹介ネットワークは平時には強力な資産ですが、いったん縮小局面に入ると、連鎖的に崩れていく脆さを抱えています。

この三つの空洞は、平時にはまったく見えません。紹介が回っているあいだは、選ばれる理由を語れなくても、サイトが古くても、担当者頼みでも、何一つ困らないからです。むしろ余計な手間をかけないぶん、本業に集中できて業績も安定する。だからこそ厄介なのです。問題が表面化するのは、供給が細って初めて。しかもそのときには、言葉を磨く時間も、サイトを作り直す時間も、新しい関係を育てる時間も、すべてが同時に足りなくなっている。平時に見えなかった弱点が、いちばん余裕のない局面で一斉に噴き出す。順調だった年月が長いほど、この噴き出し方は激しくなります。

これら三つの空洞に共通するのは、いずれも「自社の価値を、自分の力で、初対面の相手に届ける経路」を持たないまま来てしまった点です。紹介という一本の太い水路に頼りきって、ほかの水路を掘ってこなかった。水路が一本しかない灌漑は、その一本が詰まった瞬間に田んぼ全体が干上がります。悪いのは怠慢だからではありません。一本で十分に潤っていたあいだは、二本目を掘る動機がどこにもなかった。うまくいっていたことが、そのまま次の弱点になった。この皮肉こそが、紹介依存の正体です。

だからこそ立て直しには、単なる「営業の再開」を超えた作業が要ります。抜け落ちた紹介者の役割、つまり「この会社は信頼できると、先に保証してくれる存在」を、別の何かで代替しなければならない。その代替を人海戦術でやろうとして、多くの会社が次の章で触れる間違った道に迷い込みます。空洞の正体が見えた今、次は、やってはいけない打ち手を先につぶしておきましょう。

焦って手を出すと、たいてい失敗する打ち手

紹介が細ってきたと気づいた経営者が、最初に思いつく打ち手はだいたい決まっています。そしてその大半が、労力とお金を吸い取った末に、期待した成果を返してくれません。順番に、なぜうまくいかないのかを見ていきます。ここで踏みとどまれるかどうかが、その後の消耗を大きく左右します。

まず多いのが、飛び込み営業やテレアポの再開です。「昔はこれで取れた」という記憶を頼りに、リストを買ってきて片っ端から電話をかける。あるいは名刺入れを持って一日中歩き回る。気持ちは分かります。動いている実感が得られるからです。しかし今の時代、面識のない相手からの電話は、用件を言い終える前に切られます。受付で止められ、担当者につながらない。運よくつながっても「今は間に合っています」で終わる。一日五十件かけてアポが一件取れれば上出来という世界で、十五年営業から離れていた社長が心を折られずに続けるのは、現実的にほぼ不可能です。

テレアポの本当の問題は、成約率の低さそのものではありません。かけている時間、本業の手が止まることです。社長が現場の最前線でもある小さな会社では、営業に半日使えば、その半日ぶんの制作や施工や対応が丸ごと後ろにずれます。既存客へのサービス品質が落ちれば、皮肉にも、残っている数少ない紹介の芽まで枯らしかねない。新規を追いかけたせいで足元の信頼を削る。これが飛び込み・テレアポの隠れた代償です。

次にありがちなのが、広告に急に大きなお金をかけることです。リスティング広告を出せば、明日にでも問い合わせが来るはずだと期待する。ところが広告は、受け皿がそろって初めて機能します。クリックした人が着地するのは、あの放置されたホームページです。せっかく費用を払って人を連れてきても、着地先が「自分の悩みを分かってくれそうだ」と思わせられなければ、その人はすぐ戻るボタンを押す。穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、注いだそばから漏れていきます。

広告費というのは、サイトの説得力に比例して効きも変わります。一件の問い合わせを取るのにいくらかかるか、その単価は着地ページの出来しだいで数倍に開く。土台を整えないまま広告に踏み込むと、費用対効果の悪さに耐えきれず、数か月で「うちには広告は合わなかった」と結論づけて撤退する。撤退した瞬間、問い合わせはゼロに戻ります。お金で買っていた集客は、お金を止めれば消える。資産が何も残らないのが、この打ち手のいちばん痛いところです。

三つめが、異業種交流会や名刺交換会に足しげく通う道です。人とのつながりから紹介が生まれた成功体験があるだけに、また人脈を広げれば流れが戻ると考える。実際、交流会には一定の意味があります。ただ、そこで配った名刺の多くは、翌週には相手の引き出しの奥で眠ります。会が終わるたびに「いい出会いがあった」と手応えを感じるのに、三か月経っても一件の受注にもつながらない。夜の会合が増えて体は疲れ、会費だけがかさむ。動いている充実感と、成果が出ている事実は、まったくの別物です。

これらの打ち手に共通する落とし穴は、どれも「こちらから相手に飛びかかる」形をしている点です。面識のない相手に、こちらの都合とタイミングで割り込む。相手はまだ課題を感じていないか、感じていても今すぐではない。準備の整っていない相手を無理に振り向かせようとするから、確率が極端に低くなり、消耗だけが積み上がります。紹介がうまくいっていたのは、相手が「頼みたい」と思ったそのタイミングで、信頼された状態で登場できていたからでした。飛び込み型の営業は、その最も美味しい条件を、すべて捨てにいく行為なのです。

もう一つ見落とされがちなのが、こうした打ち手はどれも「成果が出るまで走り続ける前提」で設計されている点です。テレアポは母数を積むほど確率が安定し、広告は運用を続けるほどデータがたまり、交流会は顔を出し続けるほど覚えてもらえる。理屈のうえでは正しい。ところが社長が現場も兼ねる会社に、走り続けるだけの時間と資金の余裕はありません。中途半端なところで息切れして止めると、それまでの投入分がまるごと水の泡になる。続けられないやり方に手を出すと、成果が出ないだけでは済まず、投じた分まで丸ごと失う。この「途中でやめると全部消える」性質が、消耗をいっそう深くします。

しかも、これらを試して疲れ果てたあとには、もっと厄介な副作用が残ります。「やっぱり新規開拓は自分たちには向いていない」という誤った学習です。本当は手法の選び方を間違えただけなのに、努力の総量に成果が見合わなかった経験が、挑戦そのものへの拒否反応を植えつける。一度こうなると、次に正しい打ち手を勧められても「どうせまた同じだろう」と腰が引ける。間違った努力は、成果が出ないだけで済まず、その先の正しい一歩まで奪っていきます。

では、飛びかからずに、相手が「頼みたい」と思ったそのときに信頼された状態で現れるには、どうすればいいのか。答えは、細ってしまった紹介者の役割を、別のものに肩代わりさせることにあります。次の章で、その具体的な考え方と、私たちが実際に使っている方法をお話しします。

紹介者の代わりに、サイトが信頼を先につくる

紹介がなぜ強かったのかを、もう一度だけ分解してみます。紹介の本質は「第三者が、あなたに代わって信頼を保証してくれること」でした。見込み客はまだあなたを知らないのに、信頼する誰かの一言だけで、警戒を解いた状態で会いに来る。この「先に信頼が渡っている」という一点が、紹介の成約率を支えていた全部です。だとすれば、立て直しの方向は明確になります。人による保証が細ってきたなら、その保証を別の形で肩代わりさせればいい。その肩代わりを担えるのが、正しくつくり込まれたホームページです。

多くの経営者がここで誤解します。「立派なサイトを作れば、会社の実績や技術力をアピールできる」と考えてしまう。ところが初対面の見込み客は、あなたの会社の自慢話には一切興味がありません。彼らが知りたいのはただ一つ、「この会社は、自分のこの困りごとを分かってくれて、解決してくれるのか」だけです。ここに、紹介で選ばれてきた会社が持つ最大の武器が眠っています。あなたは十五年のあいだ、お客様の困りごとに向き合い、それを実際に解決し続けてきた。その解決の実績こそ、初対面の相手が一番聞きたい話なのです。

そこで私たちが提唱しているのが、「売れるサイトはみな謙虚」という考え方です。売れないサイトは、判で押したように会社が主語になっています。「弊社は創業十五年」「私たちの技術力は」「当社の強みは」。読み手の見込み客は置き去りにされ、会社の独演会を延々と聞かされる。一方で売れるサイトは、徹底してお客様を主人公の座に置きます。主語はいつも「あなた」。あなたが今どんなことで困っていて、どんな未来を望んでいて、その未来へどう案内するのか。会社は主役の座を降り、主人公を目的地まで導く案内役に徹する。この主語の入れ替えが、謙虚という言葉に込めた核心です。

考えてみれば、優れた紹介者は、まさにこの謙虚な語り方をしていました。紹介してくれる人は「あの会社はすごい」とは言いません。「あなたのその悩みなら、あそこがぴったりだよ」と、聞き手を主語にして語る。相手の困りごとを起点に、解決先として会社を差し出す。だから響く。紹介者が自然にやっていた語りの型を、そのままサイトに移植する。これが、細った紹介を代替する現実的な設計図になります。

具体的に何を載せるのか。まず、見込み客が抱えている困りごとを、彼ら自身が使っている言葉で書き出します。専門用語で言い換えず、お客様が電話口で最初に口にする生の表現をそのまま拾う。「前に頼んだところが対応してくれなくて困っている」「何社かに聞いたけど話が通じなかった」。この一文を読んだ瞬間、見込み客は「ここは自分の状況を分かっている」と感じ、はじめて先を読む気になります。紹介者が「あなたのその悩みなら」と切り出したのと、まったく同じ効果です。

次に、その困りごとをあなたがどう解決してきたかを、具体的な手順と実例で示します。抽象的な「丁寧な対応」で終わらせず、「初回にこういう順番で状況を確かめ、こういう基準で判断し、こう進める」という道筋を見せる。第二章で触れた、自己申告では届かない「確からしさ」を、ここで手順の具体性が肩代わりします。読み手は手順を追ううちに、頼んだあとの流れを頭の中で先に体験できる。この疑似体験が、紹介者の体験談と同じ役割を果たすのです。

さらに、これまで関わったお客様がどう変わったかを、お客様の声として載せます。会社が自分で「うちは優秀です」と言えば自慢ですが、実際のお客様が「困っていた状態から、こう楽になった」と語れば、それは第三者の保証に変わります。紹介の核心だった「第三者による信頼の受け渡し」を、サイトの中に組み込む作業です。顔写真や実名まで出せれば理想ですが、業種の事情で難しければ、具体的な状況描写だけでも説得力は十分に生まれます。

この設計でつくったサイトは、二十四時間、あなたに代わって働き続けます。夜中に困りごとを検索した見込み客が、あなたのサイトにたどり着き、「ここは分かってくれそうだ」と感じて問い合わせフォームを開く。あなたが寝ているあいだに、サイトが紹介者の役割を果たしている。しかも紹介と違って、この経路は相手の廃業や担当者の定年で細ることがありません。自分の手で掘った水路だから、自分で維持できる。紹介という他人任せの一本水路に、自前で管理できる二本目が加わる。これが、先細りを反転させる分岐点になります。

大切なのは、ゼロから新しい強みをつくる話ではないという点です。十五年かけてお客様の困りごとを解決してきた実績は、すでにあなたの手の中にあります。足りなかったのは、その実績をお客様主語の言葉に翻訳して、初対面の相手に届く場所へ置くことだけでした。掘り起こすべき宝は、外を探しても見つかりません。あなたのこれまでの仕事の中に、とうに埋まっています。次の章で、この考え方に寄せられるよくある疑問に答えながら、最初の一歩を具体的にお示しします。

最初の一歩は、宝の掘り起こしから始まる

ここまでの話を、一本の線でつなぎ直します。紹介と口コミで十五年回ってきたのは、あなたの実力が本物だったからです。細ってきたのは、実力が落ちたせいではありません。それを届ける経路が、他人任せの一本しかなかったからです。立て直しの道は、飛び込み営業でも広告への一発逆転でもありません。これまで選ばれてきた本当の理由を掘り起こし、それをお客様主語の言葉に翻訳して、二十四時間働くホームページに置く。紹介者が果たしてくれていた「信頼を先に渡す」役割を、自前の水路に肩代わりさせる。順番さえ間違えなければ、これは今日からでも始められます。

明日いきなりサイトを作り替える必要はありません。最初にやるべきは、既存のお客様に「なぜうちに頼んでくれたのか」「どこが決め手だったのか」を、あらためて聞くことです。長く付き合っているお客様ほど、あなた自身が当たり前だと思って見過ごしてきた強みを、はっきり言葉にしてくれます。その生の言葉こそ、サイトに載せるべき第一級の素材です。掘り起こす宝は外にはなく、これまでの仕事の中に、もう埋まっています。

聞き取った言葉は、そのまま宝の地図になります。「見積もりが早くて助かった」「無理な相談にも一度も嫌な顔をされなかった」「他社で断られた案件を引き受けてくれた」。こうした一言一言が、あなたが十五年かけて積み上げてきた強みの輪郭を、あなた自身より正確に描き出してくれます。それを検索から来る初対面の見込み客に向けて、彼らが使う言葉に並べ替えてサイトに置く。この作業には、新しい設備投資も、大きな広告予算も要りません。必要なのは、これまで当たり前にやってきたことを、あらためて言葉にして外に出す手間だけです。もっとも価値のある材料が、いちばんお金のかからない場所に眠っている。ここに、紹介で選ばれてきた会社の勝ち筋があります。

先細りは、気づいた時点で動けば必ず反転させられます。怖いのは、細っていく感覚に慣れてしまい、動くべき時期を先送りすることだけです。一本目の水路が完全に干上がる前に、二本目を掘り始める。その一歩を、どうか今日から。

よくある質問

Q. ホームページを作り替えれば、本当に紹介の減少を埋められますか?

一晩で埋まる魔法ではありませんが、方向としては確実です。紹介の本質は「第三者があなたの信頼を先に保証してくれること」でした。お客様を主語にして困りごとと解決の道筋を丁寧に示したサイトは、その保証役を肩代わりします。検索でたどり着いた初対面の見込み客が「ここは自分の状況を分かってくれる」と感じて問い合わせる状態を、少しずつ作れます。紹介と違い、この経路は相手の廃業や担当者交代で細りません。自分で掘り、自分で維持できる。だからこそ長期的な土台になります。

Q. 十五年、自社の強みを言葉にしてきませんでした。今から見つけられますか?

むしろ、あなたほど見つけやすい立場の人はいません。紹介で選ばれ続けたという事実そのものが、強みが確かに存在した証拠だからです。ないものを新しく作る話ではありません。すでに機能してきた強みを言葉にする作業です。手がかりは既存のお客様が握っています。「なぜ数ある会社の中でうちを選び、続けてくれたのか」を数人に尋ねてみてください。あなたが見過ごしていた決め手が、相手の口から具体的な言葉で返ってきます。その言葉を集めれば、サイトの背骨はほぼ出来上がります。

Q. 広告や飛び込み営業と、何がどう違うのですか?

土台を作るか、土台の上で消費するかの違いです。広告は費用を止めた瞬間に問い合わせがゼロに戻り、手元に資産が残りません。飛び込み営業は社長の時間を奪い、本業と既存客対応を圧迫します。お客様主語で作り込んだサイトは、一度整えれば二十四時間働き続け、しかも改善するほど成果が積み上がる資産になります。広告を併用する場合も、着地するサイトの説得力が高いほど費用対効果は大きく変わる。つまりサイトの整備は、ほかのあらゆる集客手段の効きを底上げする土台の工事にあたります。

Q. まず何から手をつければいいですか?

既存客へのヒアリングから始めてください。決め手や、困っていた状態がどう変わったかを、相手の言葉のまま書き留める。次にその声を、初対面の見込み客が検索で使う言葉に並べ替え、困りごと・解決の手順・お客様の変化という順にサイトへ載せていきます。全部を一度に完璧にする必要はありません。トップページの一番上に「あなたのこの悩みを、こう解決します」と一文置くだけでも、放置サイトとは別物になります。小さく始めて、反応を見ながら磨いていくのが、消耗せず続けるコツです。

紹介という一本の水路が細っても、あなたの十五年の実力は少しも減っていません。その実力を初対面の相手にも届く言葉に変え、自分の手で二本目の水路を通す。その設計を私たちがどう考え、どう形にしているかは、こちらのページにまとめています。

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