記事を出し続けているのに、社内の会議で「それ、いくらかけていくら返ってきているんですか」と聞かれて答えに詰まる。この質問が出た時点で、その会社の記事は数か月以内に止まります。止まる理由は成果が出ていないからだと思われがちですが、実際に起きているのは別のことです。成果があるのか無いのかを判定する物差しを、社内の誰も持っていない。だから判定できず、判定できないものは「無い」と扱われて予算が消えます。
費用対効果は、ROI(投資に対してどれだけ返ってきたか)と呼ばれることもあります。呼び方はどちらでも構いません。困るのは、広告で使っているROIの計算式をそのまま記事に当ててしまうことです。
ここで扱うのは、その物差しの作り方です。広告と同じ物差しを記事に当てると、記事は毎回負けます。理由は単純で、広告は使った月のなかで結果が出るのに対し、記事は書いた月と成果の出る月が離れているからです。この時間差を前提に置かないまま月次の表に並べると、記事の列はいつまでも空欄のままになります。
公開から何か月目に何を見るのかを先に決めておく。やることはそれだけです。それだけで、社内の会話は「効果があるのか」から「今どの段階まで来ているのか」に変わります。段階の話になれば、途中でやめる判断は起きません。
費用の話も出てきますが、金額は一切書きません。相場も扱いません。扱うのは、何を費用として数えるか、何と何を比べるか、どこで見直すか、という枠組みだけです。金額は会社ごとに違いますが、枠組みは共通で使えます。
広告と記事では費用と効果の結びつき方がそもそも違う
費用対効果という言葉は、広告の世界で育った言葉です。使った額と返ってきた額を並べれば答えが出る、という前提が最初から入っています。記事にこの前提を持ち込むと、計算そのものは成立するのに、出てきた数字が実態からずれます。まずどこがずれるのかを整理します。
広告は使った月のなかで答えが出る
広告は、出稿を止めれば表示も止まります。今月使った額に対して、今月何件の問い合わせが来たか。この対応関係が月の中で閉じているので、月末に集計すれば結論が出ます。翌月に持ち越す残りもほとんどありません。
この閉じ方が、広告を扱いやすくしています。判断が早く、失敗してもすぐ止められる。数字が悪ければ来月の配分を変えればよく、経営会議で説明するときも1枚の表で足ります。多くの会社が広告から始めるのは、この扱いやすさが理由です。
ただし閉じているということは、止めた瞬間にゼロに戻るということでもあります。3年出稿を続けた会社が出稿を止めると、翌月の問い合わせは止まった分だけ素直に減ります。積み上がりが残らない構造になっています。
記事は書いた月と成果の出る月が離れている
記事は逆です。書いた月に費用が全部乗り、成果はその月にはほとんど出ません。公開した直後の記事は、検索の結果に出てくること自体がまれです。検索エンジンに認識され、内容が評価され、順位がついて、そこでようやく人が来ます。この過程に数か月かかります。
つまり4月に書いた記事の成果は、9月や10月の数字として現れます。4月の費用と4月の成果を並べた表を作れば、費用だけが立っていて成果はゼロという見た目になります。9月の表を見れば、費用はゼロなのに成果だけがある。どちらの月の表も、その記事の実態を映していません。
この時間差は、やり方が下手だから起きているのではありません。検索という仕組みの側に組み込まれた性質です。うまくやれば短くはなりますが、ゼロにはなりません。
同じ表に並べた瞬間に記事は見劣りする
問題が起きるのは、この2つを1枚の表に並べたときです。広告の行には毎月きれいに費用と件数が並び、記事の行には費用だけが並ぶ。会議に出ている全員が同じ結論に達します。記事は効率が悪い、と。
この結論は、表の作り方が生んだものです。記事の成果は表の外側、半年先の欄にあります。半年先の欄はまだ存在しないので、誰にも見えません。見えないものは会議では扱えず、扱えないものは削られます。
だから最初にやるべきなのは、記事の数字を良くすることではありません。記事を並べる表を別に作ることです。広告の表と記事の表を分ける。分けた時点で、記事が不当に負けることはなくなります。
| 観点 | 広告で起きること | 記事で起きること |
|---|---|---|
| 費用が発生する時期 | 成果と同じ月に発生する | 成果より数か月前に発生する |
| 止めたときの影響 | 翌月から成果が止まる | 止めても既存の記事は動き続ける |
| 1件あたりの単価の動き | 競合が増えると上がっていく | 本数が増えると下がっていく |
| 判断にかかる期間 | 1か月から2か月で足りる | 半年から1年を見ないと判断できない |
| 失敗したときの損失 | 使った額がそのまま損失になる | 手直しで再利用できる余地が残る |
広告と記事はどちらが優れているという話ではない
ここまで読むと記事を持ち上げているように見えるかもしれませんが、そういう話ではありません。急いで問い合わせが必要な場面では広告のほうが確実です。来月の売上が足りない会社に「半年待ってください」と言っても意味がありません。
両者は使う場面が違います。今月の穴を埋めるのが広告で、来年の土台を作るのが記事です。同じ物差しで比べようとすること自体が、判断を誤らせています。物差しを2本持てば、両方をそれぞれの土俵で評価できます。
「効果が無い」と判断される会社で実際に起きていること
記事を途中でやめた会社の話を聞いていくと、やめ方にいくつかの型があります。どれも、記事の中身とは関係のないところで判断が起きています。
3か月で止めて振り出しに戻る
一番多いのがこれです。年度の途中で始めて、3か月分の予算を使い、四半期の報告で数字が出ていないことが判明して止まる。3か月というのは、記事が動き出す直前で止める長さです。
やっかいなのは、この会社が翌年また同じことを始めることです。前回の記事は放置されたまま順位を落とし、新しい記事をまた最初から書く。3か月使って、また止める。止めては再開する会社は、いつまでも最初の3か月を繰り返しています。
積み上がる仕組みのものを、積み上がる前に毎回崩している。費用対効果が悪いのは事実ですが、その原因は記事にありません。続ける長さの決め方にあります。
公開直後の数字を見て記事の質を疑う
公開した週にアクセス解析を開いて、閲覧数がひと桁だったのを見て「この記事、質が低いんじゃないか」と言い出す。よくある光景です。ここで外注先を変えたり、書き方を変えたりする判断が入ります。
公開直後の閲覧数は、記事の質をほとんど反映していません。まだ誰にも見つかっていない状態の数字です。この時期に質を判定しようとすると、判定できないものを判定することになり、根拠のない変更を繰り返すことになります。
変更を繰り返すと、さらに時間が延びます。方針が変わるたびに、それまでの記事との一貫性が失われ、サイト全体としての評価が育ちません。早く判定しようとした結果、判定できる状態に到達するまでの時間が延びるという逆転が起きます。
成果の定義を決めないまま始めている
記事を始めるとき、何をもって成功とするかを決めていない会社があります。問い合わせを増やしたいのか、採用の応募を増やしたいのか、既存の顧客に説明する手間を減らしたいのか。目的が違えば、見る数字も違います。
決めないまま始めると、途中で目的が入れ替わります。最初はアクセスを増やす話だったのに、半年後には問い合わせの件数で評価されている。評価の軸が動くと、どんな記事を書いても届きません。目的は1つに絞り、書き残して関係者に配ります。
担当者が説明できる材料を持っていない
記事を担当している人が、聞かれたときに出せる数字を持っていない。これも止まる原因になります。上長が悪意を持って止めるわけでもありません。判断材料が無いので保留にし、保留が続いて自然消滅します。
担当者が持っているべきなのは、成果の数字ではありません。今どの段階にいて、次の段階までにあと何か月かかるのかという説明です。これは公開直後でも出せます。出せる材料があれば、会話は続きます。
逆に言えば、この材料を用意していない状態で会議に出ることが、記事を止める最大の要因になっています。数字が悪いから止まるのではありません。何も言えないから止まります。
成果が出た記事を誰も見つけられない
半年経って実際に問い合わせにつながっている記事があるのに、社内でそれが特定されていない場合もあります。問い合わせフォームの前に何を読んでいたかを記録していなければ、どの記事が効いたのかはわかりません。
この状態だと、成果が出ているのに「出ていない」と報告されます。実際に起きたことと、社内で共有されている認識がずれたまま、予算の議論だけが進みます。測定の準備をしていなかったことが、そのまま判断の誤りになります。
| 自社が当てはまる状況 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 始めて3か月以内 | 数字が動く前の段階にいる | 判断の期日を先に決めて会議の議題から外す |
| 過去に一度やめている | 前回の記事が放置され資産が目減りしている | 新規を書く前に既存記事の順位を全部並べる |
| 担当者が数字を出せない | 段階の説明ができず保留になっている | 段階と残り期間の1枚を毎月出す形にする |
| 問い合わせの経路が不明 | 成果が出ていても社内で認識されていない | フォーム到達の計測を先に入れる |
| 外注先を短期間で変えている | 方針が変わり続けサイトの一貫性が失われている | 次の判定日まで方針を固定する |
公開からの経過月数で見る指標を切り替える
ここがこの記事の中心です。記事の成果は一度には出ません。決まった順番で出ます。表示が増えて、順位が上がって、クリックされて、読まれて、問い合わせになる。この順番は飛ばせません。だとすれば、見る指標も同じ順番で切り替えるのが自然です。
公開したばかりの記事に問い合わせ件数を求めるのは、種をまいた翌日に収穫量を数えるのと同じです。その時期には、その時期に動いている数字があります。それを見ます。
| 公開からの経過 | この時期に見る指標 | この数字で判断すること |
|---|---|---|
| 0か月目から1か月目 | 検索結果に載ったかどうか | 技術的な問題で読み込まれていないかを確認する |
| 2か月目から3か月目 | 表示回数と順位の位置 | 狙った検索語で認識されているかを確認する |
| 4か月目から6か月目 | クリック数とクリック率 | タイトルと説明文が選ばれているかを見る |
| 7か月目から12か月目 | 問い合わせ数と指名検索の数 | 記事から次の行動に進んでいるかを見る |
| 13か月目以降 | 記事1本あたりの積み上がりと維持費 | 続けるか手直しするか止めるかを決める |
0か月目から1か月目は載ったかどうかだけを見る
公開して最初の1か月でやることは、検索エンジンにその記事が届いているかの確認だけです。Search Console で該当のページを指定して、認識されている状態かを見ます。認識されていなければ、原因はサイトの設定側にあります。
ここで見つかる問題は、記事の中身とは関係のないものがほとんどです。一覧に載っていない、内部から1本もつながっていない、誤って除外の設定が入っている。こうした問題は、放置すると半年経っても何も起きません。
逆に、載っていることさえ確認できれば、この時期にやることは他にありません。閲覧数を毎日見に行くのは、この時期の担当者が一番やってはいけないことです。数字は動かず、動かない数字を見続けると不安だけが積み上がります。
2か月目から3か月目は表示回数と順位の位置を見る
この時期に動き始めるのは表示回数です。クリックはまだほとんど発生しませんが、検索結果のどこかに出るようにはなります。Search Console の平均掲載順位で、狙った検索語が何位あたりにいるかを見ます。
注目するのは順位そのものよりも、どういう検索語で表示されているかです。狙った語で出ていれば、記事の中身と検索する人の意図が合っています。まったく別の語で出ている場合は、記事の主題が伝わっていないので、この段階で見出しを整理し直す価値があります。
順位は30位より下から始まることが多く、そこから少しずつ上がります。この時期に10位以内に入っていなくても、問題があるわけではありません。判断するのは、表示回数が0のまま動かない場合だけです。
4か月目から6か月目はクリックを見る
表示回数が積み上がってくると、次に見るのはクリックです。表示されているのに選ばれていないなら、原因は記事の中身より手前、検索結果に出ているタイトルと説明文にあります。
ここは手を入れれば翌週から数字が動く、珍しく反応の早い場所です。タイトルに検索した語がそのまま入っているか、説明文が記事の内容と合っているか、この2点を直すだけでクリック率が変わります。記事を1本書き足すより、既存記事のタイトルを10本直すほうが早いことがあります。
クリックが増え始めたら、その次に読まれ方を見ます。開いてすぐ戻られているのか、最後まで読まれているのか。最後まで読まれていない記事は、問い合わせにはつながりません。
7か月目から12か月目は問い合わせと指名検索を見る
ここでようやく、最初に社内で聞かれた「効果」の話ができるようになります。記事を読んだ人が問い合わせに進んだ数、資料を受け取った数、そして会社名で検索された回数です。
指名検索は見落とされがちですが、記事を読んだ人がその場では動かず、後日会社名で検索して戻ってくる動きを捉えられます。記事の効果は問い合わせフォームの中だけに現れるものではありません。会社名の検索回数が月ごとに増えていれば、記事は届いています。
この時期の問い合わせは、量としては多くありません。少ない件数を見て落胆しやすい時期でもあります。見るべきなのは、件数の絶対値より、前の3か月と比べて増えているかどうかです。
13か月目以降は積み上がりと維持費を見る
1年を超えた記事は、書いたときの費用がもう過去のものになっています。ここから先は、その記事が毎月どれだけ働いているかと、働かせ続けるのにどれだけ手間がかかっているかを見ます。
順位が落ちてきた記事、内容が古くなった記事には手直しの手間がかかります。手直しの手間が新しく書く手間を超えたら、その記事は役目を終えています。止める判断がはっきり必要になるのは、この時期だけです。
時期ごとに見てはいけない指標もある
見る指標を決めるのと同じくらい大事なのが、見ない指標を決めることです。時期に合わない数字を見ると、そのたびに間違った結論が出ます。
| 公開からの経過 | この時期に見てはいけない指標 | 見ると起きること |
|---|---|---|
| 0か月目から1か月目 | 閲覧数と問い合わせ数 | 記事の質が低いという誤った結論が出る |
| 2か月目から3か月目 | 問い合わせ数と売上 | 予算の打ち切りが議題に上がる |
| 4か月目から6か月目 | 1本あたりの獲得単価 | 分母が小さすぎて数字が暴れる |
| 7か月目から12か月目 | 単月の増減 | 季節変動を成果の変化と取り違える |
| 13か月目以降 | 公開当時にかけた費用 | すでに戻らない費用に判断が引きずられる |
なぜこの順番でしか数字は動かないのか
時期ごとに指標を切り替えると言われても、根拠がわからないと社内では通りません。数字がこの順番で動く理由を、仕組みの側から説明します。
検索エンジンに認識されるまでに時間がかかる
公開したページは、まず検索エンジンに読み込まれる必要があります。読み込まれる頻度はサイトごとに違い、更新が少ないサイトほど間隔が空きます。立ち上げたばかりのサイトでは、数週間かかることもあります。
読み込まれた後も、すぐ順位がつくわけではありません。同じ検索語で戦っている既存のページがすでにあり、その中で新しいページがどこに入るかは、実際に人が使った反応を見ながら決まっていきます。この様子見の期間が、最初の数か月です。
順位が上がる前に表示だけが増える期間がある
検索結果の2ページ目や3ページ目は、ほとんどクリックされません。しかし表示回数としては記録されます。だから順位が20位から15位に上がる過程では、表示回数だけが増えてクリックは増えないという期間が生まれます。
この期間を「動いていない」と読むと、判断を誤ります。表示回数の増加は、順位が上がっている途中である証拠です。クリックが増え始めるのは、10位前後に入ってからです。
クリックは記事の中身より手前で決まる
検索した人が最初に見るのは、タイトルと数行の説明文だけです。記事の中身がどれだけ充実していても、この2つで選ばれなければ読まれません。だからクリック率は、記事の質とは別の軸で動きます。
逆に、ここだけを整えて中身が伴わないと、開いてすぐ戻られます。戻られる記事は、時間が経つほど順位を落とします。クリックの改善と中身の改善は、両方やって初めて意味を持ちます。
問い合わせは記事の外側で決まっている
記事を最後まで読んだ人が問い合わせに進むかどうかは、記事だけでは決まりません。その先の会社概要のページ、実績のページ、フォームの入力項目の数。この経路のどこかが重いと、読んだ人はそこで止まります。
記事の問い合わせ数が伸びないとき、原因が記事にあるとは限りません。むしろ経路側にあることのほうが多いのが実情です。記事を10本書き足す前に、フォームの入力項目を減らすほうが効くことがあります。
| 止まっている段階 | いま起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| 表示回数が0のまま | 検索エンジンに認識されていない | サイトの設定と内部の導線を確認する |
| 表示は増えるが順位が20位前後 | 既存のページとの比較で様子見されている | 同じ主題の記事を増やして厚みを作る |
| 順位は10位以内だがクリックが少ない | タイトルと説明文で選ばれていない | 検索語をタイトルの前半に入れ直す |
| クリックはあるがすぐ戻られる | 冒頭で求めていた答えに届いていない | 結論を最初の3段落に移す |
| 最後まで読まれるが問い合わせが無い | 記事の外側の経路で止まっている | フォームまでの手数と入力項目を減らす |
時間差の長さは会社によって変わる
公開から何か月目に何が動くかという話をしてきましたが、この長さは全社共通ではありません。同じ内容の記事を出しても、半年で動く会社と1年以上かかる会社があります。自社がどちら寄りかを先に把握しておくと、見通しの精度が上がり、社内での約束も守りやすくなります。
サイトの運用歴で立ち上がりが変わる
何年も更新を続けてきたサイトに1本追加する場合と、今月立ち上げたサイトに1本目を置く場合では、検索エンジンの扱いが違います。前者は既存のページの評価に引っ張られて早く動き、後者は認識されるところから始まります。
この差は、担当者の力量とは無関係です。それなのに、他社の事例で語られる期間をそのまま自社に当てはめると、遅れているように見えてしまいます。比べる相手は他社ではありません。3か月前の自社です。
検索語の競争の激しさで変わる
同じ主題でも、狙う言葉によって難しさが違います。短い言葉ほど検索する人は多く、その分だけ既存のページが厚く積み上がっています。長い言い回しの言葉は検索する人が少ない代わりに、上位に入るまでの時間が短くて済みます。
始めたばかりの会社が短い言葉から狙うと、1年経っても動かないことがあります。逆に、長い言い回しから入ると、数か月で結果が出て社内の空気が変わります。最初の1年は、勝てる場所から取るほうが続きます。
商材の検討期間で成果が出るまでが変わる
読んだその日に決められる商材と、社内の稟議に数か月かかる商材では、記事を読んでから問い合わせまでの距離が違います。後者の場合、記事が上位に入ってからさらに数か月、成果として現れるまでに時間がかかります。
自社の商材が、決まるまでにどれくらいかかっているか。既存の顧客が最初の接触から契約までどれくらいの期間だったか。この期間を、記事の時間差に足して見通しを作ります。足さないと、見通しが必ず短く出ます。
更新の頻度で認識の速さが変わる
更新が止まっているサイトは、検索エンジンが読みに来る間隔が空きます。間隔が空けば、公開してから認識されるまでが延びます。月に数本を安定して出すサイトは、この最初の待ち時間が短くなります。
だから、本数が少ない場合でも、間隔を空けずに出すほうが有利です。3か月分をまとめて1日に出すより、毎月同じ本数を出すほうが立ち上がりが早くなります。
| 自社の状況 | 時間差の出方 | 次にすること |
|---|---|---|
| サイトを今年立ち上げた | 最初の認識までに数週間かかる | 見通しに3か月上乗せして社内に伝える |
| 運用歴が長く記事も多い | 既存の評価に乗って早く動く | 新規より既存の手直しを先に回す |
| 短い検索語ばかり狙っている | 1年経っても順位が動かない | 長い言い回しの語に切り替えて取り直す |
| 検討に数か月かかる商材 | 順位が上がってから成果までさらに延びる | 既存顧客の検討期間を測って見通しに足す |
| 更新が数か月止まっている | 読み込まれる間隔が空いている | 本数を減らしてでも毎月出す形にする |
何を費用として数えるか
費用対効果の計算がずれるもう1つの原因は、費用の側の数え方にあります。外に払った額だけを費用として並べると、実際にかかっているものの半分も見えていない状態で判断することになります。
外に出したお金だけでは費用にならない
請求書に載る額は、費用の一部です。記事が1本仕上がるまでに、社内では複数の人の時間が使われています。テーマを決める会議、原稿を読む時間、修正の指示を書く時間、公開の作業。これらは請求書に載りません。
載らないので、集計されず、費用として認識されません。そして認識されていない費用は、削減の対象にもなりません。一番かさんでいる部分が、一番見えていないという状態が普通に起きています。
金額に換算する必要はありません。時間で数えるだけで十分です。1本あたり社内で何時間使ったか。これを3か月分だけ記録すると、思っていた場所と違うところに時間が消えているのがわかります。
差し戻しと確認の往復が一番見えない
社内の時間のなかで、記録から漏れやすいのが往復です。原稿を読んで指摘を書き、戻ってきたものをまた読み、また指摘する。1回の往復に30分かかるとして、3往復すれば1本で1時間半以上が消えます。
この往復は、最初の指示があいまいなほど増えます。何を書いてほしいのかが固まっていないまま発注し、出てきたものを見てから「思っていたのと違う」と言う。この構造がある限り、往復は減りません。
往復の回数を記録すると、発注の仕方が原因なのか、書き手の力量が原因なのかが分かれて見えます。往復が全部の記事で同じくらい多いなら、原因は発注側にあります。
公開後の手直しも最初から費用に入れる
記事は公開して終わりではありません。半年後に順位を見て、上がっていないものに手を入れます。この手直しの時間を最初から見込んでいないと、予算を全部新規の執筆に使ってしまい、手直しに回す余力が残りません。
手直しは、新規に書くより成果が早く出ます。すでに評価が積み上がっているページに手を入れるので、動くまでの時間が短い。それなのに、多くの会社の予算は新規に偏っています。
設備側の費用も忘れずに数える
サーバーの利用料、画像の調達、計測の設定。1本あたりに割ると小さく見えますが、続けている限り毎月かかります。これらを費用から外すと、続けるほど実態との差が開いていきます。
| 費用の種類 | 見落とされやすい理由 | 次にすること |
|---|---|---|
| 外注の制作費 | 見落とされない | 本数と時期を記録しておく |
| 社内の企画と確認の時間 | 請求書に載らないため集計されない | 1本あたりの所要時間を3か月記録する |
| 差し戻しの往復 | 作業とみなされず記録に残らない | 往復回数を記事ごとに数える |
| 公開後の手直し | まだ発生していないため予算に入らない | 年間予算の一部を手直しに確保する |
| 設備と計測の維持 | 金額が小さく個別に扱われない | 月額の固定費としてまとめて計上する |
| 止めていた期間の目減り | 費用として認識されない | 中断期間の順位低下を記録に残す |
記事1本あたりの成果をどう割り振るか
費用の数え方が固まったら、次は成果の側です。問い合わせが1件入ったとき、その1件をどの記事の手柄にするか。ここの決め方で、記事の評価は大きく変わります。
最後にクリックされた記事だけを評価する問題
多くの解析の設定は、問い合わせの直前に見ていたページを成果の持ち主にします。単純で扱いやすい方法ですが、この方法だと、決まった人が最後に見るページばかりが評価されます。
実際に人が動くときは、複数の記事を読んでいます。半年前に別の記事を読んで会社を知り、比較の記事で候補に入れ、料金の説明を見て問い合わせる。最後の1本だけを評価すると、最初に出会わせた記事の価値が完全に消えます。
消えた記事は、数字の上では成果ゼロに見えます。成果ゼロの記事は削除や書き換えの候補になり、入口を自分で塞ぐことになります。実際に問い合わせが減ってから気づく、という順番になりがちです。
入口になった記事と背中を押した記事を分ける
この問題を避けるには、記事を役割で分けて数えます。最初にサイトへ入ってきたときのページと、問い合わせの直前に見たページを、別々に記録します。同じ記事が両方に出てくることもあります。
分けて見ると、記事の顔ぶれが変わります。入口として強い記事は、悩みの段階の言葉で書かれたもの。背中を押す記事は、判断の材料になるもの。この2つは書き方が違うので、混ぜて評価すると両方の改善点が見えなくなります。
割り振り方を3つ持っておく
割り振り方に唯一の正解はありません。ただ、社内で議論するときは複数の見方を並べたほうが、話が早く進みます。最後だけを見る方法、最初だけを見る方法、関わった記事に均等に配る方法。この3つで並べると、記事ごとの評価の幅が見えます。
3つの見方で順位が大きく入れ替わる記事があれば、それは経路の途中で効いている記事です。どの見方でも上位にいる記事は、間違いなく主力です。
割り振り方は決めたら変えない
複数の見方を持つのと、そのときどきで都合のいい見方を使うのは違います。報告の場で使う方法は1つに決めて固定します。方法を変えると数字が動くので、変えた瞬間に前月との比較ができなくなります。
比較できない数字は、判断の材料にはなりません。方法を変えるときは、過去の分も同じ方法で計算し直して並べます。
| 割り振りの方法 | この方法で見えること | この方法で見えなくなること |
|---|---|---|
| 最後に見た記事に全部つける | 決め手になった記事がわかる | 最初に出会わせた記事が消える |
| 最初に来た記事に全部つける | 入口として強い記事がわかる | 判断を後押しした記事が消える |
| 関わった記事に均等に配る | 経路の全体像がわかる | どの記事が決め手かがぼやける |
| 入口と直前の2つだけ記録する | 役割ごとに記事を分類できる | 途中で読まれた記事は数に入らない |
| 問い合わせ時に経路を本人に聞く | 検索以外の接点も拾える | 回答が任意なので抜けが出る |
社内で説明するときの数字の作り方
測り方が決まっても、それを社内で通せなければ記事は止まります。ここでは、報告の場に持っていく数字の組み立て方を扱います。相手は数字の専門家ではありません。投じた資源が返ってくるのかを知りたい人です。
単月の比較をやめて公開時期でまとめる
「今月の記事の成果」という切り方をすると、今月書いた記事と3年前の記事が同じ欄に入ります。これでは何を評価しているのかわかりません。
代わりに、公開した時期で記事をまとめます。4月から6月に公開した記事の群、7月から9月に公開した記事の群、というように区切って、それぞれが今どこまで来ているかを並べます。同じ時期に公開したものを追いかけると、時間差の影響を受けずに比較できます。
この形にすると、報告の内容が自然に変わります。「今月は問い合わせが2件でした」から「4月に公開した10本は、いま平均で表示回数がこれだけ、次の3か月でクリックが立ち上がる見込みです」に変わります。後者なら、相手は待つ理由を理解できます。
分母を記事の本数にしない
1本あたりいくら、という計算は、直感的でわかりやすい反面、誤解を生みます。記事は本数が増えるほど、1本あたりの効きが変わるからです。関連する記事が10本あるサイトと100本あるサイトでは、同じ内容の1本でも結果が違います。
分母に置くなら、投じた期間か、投じた総時間のほうが実態に近くなります。「半年でこれだけ投じて、いまここまで来ている」という形です。
資産として残っている量を出す
広告と比べたときに記事の側にある強みは、止めても残ることです。これは数字にできます。過去に公開した記事のうち、今月も検索から人が来ている記事が何本あるか。その記事に来た人の合計が何人か。
この数字は、今月何もしなくても出ます。今月の作業とは無関係に働いている部分が、記事の資産としての価値です。広告の欄には決して現れない数字なので、比較の場で出す価値があります。
上長が聞きたいのは「あとどれくらいか」
報告で一番効くのは、残りの見通しです。今どの段階にいて、次の段階に進むまであと何か月か。この1行があるかどうかで、会議の空気が変わります。
見通しは外れることもありますが、外れたときに「なぜ外れたか」を説明できれば、それも判断材料になります。見通しを出さないまま毎月同じ報告を続けるより、外れる可能性のある見通しを出すほうが、はるかに信用されます。
悪い数字を先に出す
順位が落ちた記事、クリックが伸びない記事は、隠さず先に出します。良い数字だけを並べた報告は、いつか必ず破綻します。破綻したときに失われるのは記事の予算だけでなく、報告する人への信用です。
悪い数字と一緒に、それに対して次に何をするかを添える。この形なら、悪い数字は報告を弱めません。むしろ、全体を把握できている証拠として受け取られます。
| 報告する相手 | その人が知りたいこと | 出す数字 |
|---|---|---|
| 経営者 | 投じた資源がいつ返るか | 公開時期ごとの進み具合と残り期間 |
| 営業の責任者 | 商談につながる人が増えるか | 問い合わせの内容と質の変化 |
| 経理と管理部門 | 今年いくら必要か | 新規と手直しに分けた年間の配分 |
| 現場の担当者 | 次に何を書けばよいか | 入口として効いている記事の一覧 |
| 自分自身 | やり方が合っているか | 往復回数と1本あたりの所要時間 |
毎月の定例に持っていく1枚をどう作るか
枠組みが決まっても、毎月作る資料が重いと続きません。ここでは、10分で作れて会議で通る1枚の中身を決めます。細かい分析は判定日にまとめてやればよく、毎月は進み具合の共有だけで足ります。
1枚に載せるのは4つだけ
載せるのは、公開時期ごとの本数、それぞれが今どの段階にいるか、次の段階までの残り期間、そして今月動かした手直しの内容です。この4つ以外は載せません。載せると質問が増え、答えられない質問が出た時点で信用が落ちます。
数字は、Search Console の画面から取れる範囲で構いません。凝った資料を作ろうとすると作成に時間がかかり、その時間が記事の費用に上乗せされます。報告の資料は、記事を書く時間を削らない範囲で作ります。
先月からの差分だけを言葉で添える
表を見せるだけでは、何が変わったのかが伝わりません。先月と比べて、どの群が次の段階に進んだか。1行でよいので言葉を添えます。「6月公開の8本のうち3本が表示回数の段階からクリックの段階に入りました」という形です。
この1行があると、進んでいることが数字を読まない人にも伝わります。逆に、進んでいない月はそれもそのまま書きます。書かずに済ませた月が続くと、後で説明できなくなります。
質問されそうなことを先に1行入れる
会議で必ず出る質問は決まっています。あとどれくらいかかるのか、いくら使ったのか、他社と比べてどうなのか。このうち答えられるものを、聞かれる前に1行入れておきます。
聞かれてから調べますと答えた回数だけ、判断は先送りされます。先送りが続けば、そのうち議題から外れます。議題から外れた施策は、次の予算に残りません。
| 1枚に載せる項目 | 載せる中身 | 載せないほうがよいもの |
|---|---|---|
| 公開時期ごとの本数 | いつ何本出したかの一覧 | 記事ごとのタイトルの羅列 |
| それぞれの現在地 | 表示の段階かクリックの段階か | 日別のアクセスの折れ線 |
| 次の段階までの残り | あと何か月かかる見通し | 根拠のない目標値 |
| 今月動かした手直し | どの記事に何をしたか | 作業時間の詳細な内訳 |
| 先月からの差分 | 段階が進んだ群の1行説明 | 順位の細かい上下 |
やめどきをどう決めるか
続けることばかり書いてきましたが、止める判断も必要です。合わないものを続けるのは、始めないことより損失が大きくなります。ここでは、どういう条件が揃ったら見直すかを決めます。
やめる基準は始める前に決める
基準を後から決めると、そのときの気分で決まります。数字が悪い月に「もう止めよう」となり、良い月に「もう少し続けよう」となる。これは判断と呼べません。ただの反応です。
始める前に、本数と期間の2つで基準を置きます。何本公開して、何か月経った時点で、どの数字がどうなっていなければ見直すか。紙に書いて関係者で共有した基準だけが、判断の役に立ちます。
本数と期間の両方が揃って初めて判断する
期間だけで判断すると、本数が足りないのに「1年やったから」と止めることになります。本数だけで判断すると、公開直後の記事ばかりの状態で評価してしまいます。
両方が必要です。ある程度の本数が、ある程度の期間を経ている。この2つが揃った時点が、最初の判定日です。それより前は判定しません。
やめる前に確かめる3つのこと
基準に届かなかったとき、すぐ止める前に確かめることがあります。1つ目は、計測が正しく動いていたか。計測が壊れていて数字が拾えていなかった例は、珍しくありません。
2つ目は、狙った検索語に人がいたか。そもそも検索されていない語で書き続けていたなら、記事の問題ではありません。語の選び方の問題です。3つ目は、記事から先の経路が生きていたか。フォームが動いていなかった、という事故も実際に起きます。
この3つを確かめてから、それでも数字が動いていないなら、やり方を変える理由があります。確かめずに止めると、次に始めたときも同じ場所で止まります。
全部やめるか一部やめるか
見直しは、全部止めるか続けるかの二択ではありません。新規の執筆を止めて手直しに全部回す、という選択があります。すでにある記事のうち、あと少しで10位以内に入りそうなものに集中する形です。
この切り替えは、費用を減らしながら成果を増やせる場面があります。止める前に、必ずこの選択肢を検討します。
| 判定日に見た状態 | 読み取れること | 次にすること |
|---|---|---|
| 表示回数も順位も動いていない | 検索エンジンに届いていないか語の選定が外れている | 設定の確認と検索語の見直しを先に行う |
| 順位は上がったが問い合わせが0 | 記事の外側の経路で止まっている | 新規を止めてフォームまでの経路を作り直す |
| 一部の記事だけ伸びている | 伸びた記事の型が自社に合っている | その型に絞って本数を増やす |
| 全体的に少しずつ伸びている | 順調に進んでいる | 方針を変えずに次の判定日まで続ける |
| 社内の時間が想定の2倍かかっている | 発注の仕方に無理がある | 本数を減らして往復を減らす形に組み直す |
測定の土台を先に整える
ここまでの話は、数字が取れていることを前提にしています。取れていなければ、どれだけ良い枠組みを持っていても機能しません。土台の確認は、記事を1本書くより優先します。
計測が抜けていると議論そのものが無駄になる
問い合わせが発生したことを記録できていないサイトは、思っているより多くあります。フォームの送信後にページが切り替わらない作りだと、送信された事実が記録に残りません。
この状態で半年運用すると、成果があったかどうかを後から調べる手段が無くなります。記録は遡って作れません。始める前の1日で終わる作業を省いたせいで、半年分の判断材料が消えます。
フォームの到達と送信完了を分けて測る
フォームまで来た人の数と、実際に送信した人の数は別です。この2つを分けて測ると、問題がどちらにあるかがすぐわかります。到達が少なければ記事側、到達はあるのに送信が少なければフォーム側です。
フォーム側の問題は、直すのが早い部類に入ります。入力項目を減らす、必須の印を減らす、送信ボタンの文言を変える。記事を書き足すより、はるかに短い時間で数字が動きます。
記事ごとの入口と出口を分ける
解析の設定で、そのページから入ってきた人の数と、そのページから次に進んだ人の数を、記事ごとに見られるようにしておきます。この2つがあれば、記事の役割を後から分類できます。
設定は最初に一度やれば済みます。運用を始めてから追加すると、それ以前のデータが取れないので、判定に使える期間が短くなります。
検索の側の数字も揃えておく
Search Console を接続していないサイトでは、表示回数も検索語も見られません。最初の数か月で唯一動く指標がこれなので、接続していなければ、その期間は完全に見えないまま過ぎます。
| 土台の項目 | 抜けていると起きること | 次にすること |
|---|---|---|
| 問い合わせの完了の記録 | 成果があっても後から確認できない | 送信完了を記録する設定を入れる |
| フォーム到達の記録 | 記事側の問題かフォーム側かが切り分けられない | 到達と完了を別々に記録する |
| 検索の表示回数と検索語 | 最初の3か月が完全に見えない | Search Console を接続して所有権を確認する |
| 記事ごとの入口の記録 | 入口として効いている記事が特定できない | ページ単位で入口の数を出せる形にする |
| 電話と対面の問い合わせ | 検索経由の成果が過小に見える | 受付時に知ったきっかけを1問だけ聞く |
数字が伸びないときに見る場所
実際の運用では、どこかの段階で必ず止まります。止まった場所ごとに、見るべき場所は決まっています。
表示回数が増えないとき
まず疑うのは、狙った検索語に人がいるかどうかです。社内で使っている言葉が、検索する人の言葉と違っていることがよくあります。業界の中の言い方で書いていると、その語では誰も検索していません。
次に疑うのは、記事の主題が1つに絞れているかです。1本の記事で3つの話題を扱うと、どの検索語でも中途半端な評価になります。1本1主題まで絞ると、表示回数は動き始めます。
表示はあるのにクリックが無いとき
順位が10位より下なら、クリックが少ないのは自然です。順位が上位なのにクリックが無い場合だけ、タイトルと説明文を見ます。
タイトルの前半に検索語が入っているか、説明文が記事の中身と合っているか、他の検索結果と並べたときに違いがあるか。この3点を確認します。並んでいる結果が全部似た言い回しなら、違う切り口の言葉を入れるだけで選ばれ方が変わります。
クリックはあるのに問い合わせが無いとき
読んだ人が次に進めていない状態です。記事の最後に何も置いていない、置いてあるが記事の内容とつながっていない、進んだ先のページが記事と別の話をしている。このどれかが起きています。
記事の内容と、その先の案内の内容を並べて読んでみると、つながっていないことが多くあります。費用の測り方を読んだ人に、いきなり制作の申し込みを見せても進みません。読み終えた人が次に知りたいことを置くのが原則です。
一時的に順位が落ちたとき
順位は毎日動きます。1週間単位で見ると上下しますが、これに反応して記事を書き換えると、かえって不安定になります。見るのは月単位の平均です。
3か月続けて落ちているなら、内容が古くなっているか、競合が新しい記事を出したかのどちらかです。この場合は手直しの対象になります。
| 止まっている症状 | 疑う場所 | 次にすること |
|---|---|---|
| 表示回数が3か月動かない | 検索語の選び方と記事の主題 | 1本1主題に絞り検索される言葉に直す |
| 上位なのにクリック率が低い | タイトルと説明文 | 検索語を前半に置き説明文を書き直す |
| すぐ戻られる | 冒頭の3段落 | 結論を最初に置いて答えを先に出す |
| 最後まで読まれるが進まない | 記事の最後と次のページ | 読み終えた人が次に知りたい内容を置く |
| 3か月続けて順位が落ちている | 内容の古さと競合の動き | 情報を更新して見出しを組み直す |
よくある質問
記事の効果が出るまで何か月かかりますか
サイトの状態と検索語の競争の激しさで変わるので、一律の答えはありません。ただし、公開して1か月で判断できることは何もない、という点は共通しています。最初の判定を行うのは、ある程度の本数が半年以上経過した時点です。それより前は、段階の確認だけを行います。
すでに運用歴の長いサイトに追加する記事は、これより早く動くことがあります。新しく立ち上げたサイトは遅くなります。自社がどちらなのかを先に把握しておくと、見通しの精度が上がります。
広告と記事のどちらを先にやるべきですか
来月の売上が足りない状況なら広告です。記事は、その状況を解決しません。一方で、広告だけを続けている限り、止めた月にゼロに戻る構造からは抜けられません。
現実的な進め方は、広告で当面を支えながら、記事を並行して積み上げることです。記事が働き始めたら、広告の配分を少しずつ移します。どちらか一方に寄せる判断は、今の資金の余裕で決まります。
何本くらい書けば成果が見えますか
本数の目安を単独で答えるのは危険です。同じ主題の周辺に厚みができているかどうかが効くので、ばらばらの主題で本数だけ増やしても、厚みは生まれません。
目安として持つなら、1つの主題について中心となる記事と、その周辺を説明する記事が揃っている状態を1つの単位と考えます。この単位がいくつあるか。単位が1つも完成していないなら、本数がいくつあっても評価の時期には入っていません。
本数と成果は比例しません。関連の薄い記事をばらばらに増やしても、どの検索語でも中途半端なままです。増やす前に、いま伸びている記事がどの主題に属しているかを見ます。その主題の周辺に足すほうが、新しい主題を開くより早く動きます。増やす方向を決めてから本数を増やします。
社内で書くのと外に出すのはどちらが安く済みますか
金額の比較はここでは扱いませんが、判断の材料は挙げられます。社内で書く場合、費用は時間として発生します。この時間が本来の業務を圧迫すると、記事以外の場所で損失が出ます。
外に出す場合、請求書の額に加えて、指示を書く時間と確認の時間が社内に残ります。この残る部分を数えていないと、外に出したのに社内の負担が減らない、という状態になります。比べるときは、どちらも社内に残る時間まで含めて並べます。
費用対効果が合わないとわかったらすぐ止めるべきですか
止める前に、計測が動いていたか、検索語の選定が妥当だったか、記事から先の経路が生きていたか、この3点を確認します。この3点のどれかが原因だった場合、記事のやり方を変えても結果は変わりません。
3点を確認した上で、新規の執筆を止めて既存の手直しに全部回す選択肢も検討します。すでに評価が積み上がっているページに手を入れるほうが、動くまでの時間が短くて済みます。全部を止めるのは、これらを試した後で構いません。
まとめ
記事の費用対効果が測れない原因は、記事の側にはありません。広告のために作られた物差しを、性質の違うものに当てているところにあります。広告は使った月のなかで結果が閉じ、記事は書いた月と成果の月が離れる。この違いを表の作り方に反映させないまま比べると、記事は毎回負けます。
やることは、公開からの経過月数で見る指標を切り替えることです。最初の1か月は載ったかどうかだけ、2か月目から3か月目は表示回数と順位、4か月目から6か月目はクリック、7か月目から12か月目で問い合わせと指名検索、それ以降は積み上がりと維持の手間。この順番は、検索という仕組みの側で決まっているので飛ばせません。
費用の側は、請求書に載る額だけを数えるのをやめます。社内の企画と確認の時間、差し戻しの往復、公開後の手直し。ここまで含めて初めて、実際にかかっているものが見えます。成果の側は、最後に見た記事だけを評価する方法から離れて、入口になった記事と背中を押した記事を分けて記録します。
そして、やめる基準は始める前に決めます。本数と期間の両方が揃った日を判定日と決めておき、それより前は判定しない。判定日に届かなかったときは、計測と検索語の選定と経路の3点を確認してから、新規を止めて手直しに回す選択肢を先に検討します。
ここまでの話に、特別な道具は出てきません。必要なのは、記事を並べる表を広告と分けることと、判定日を先に決めておくことだけです。この2つがある会社は、途中で止まりません。止まらない会社の記事だけが、資産になります。
今日できる点検
読み終えたその日に、1つだけ手をつけるとすれば以下のどれかです。全部やる必要はありません。上から順に、自社に当てはまるものを1つ選んでください。
| 点検する場所 | 確認の仕方 | 当てはまったら次にすること |
|---|---|---|
| 問い合わせの記録 | 先月の問い合わせ件数を解析の画面で出せるか | 送信完了を記録する設定をその日のうちに入れる |
| 検索の数字 | Search Console で自社サイトの表示回数が見られるか | 接続して所有権の確認まで済ませる |
| 記事の一覧 | 公開した記事を公開月ごとに並べた表があるか | 公開日と検索語を入れた1枚の表を作る |
| 判定日 | いつ判定するかを関係者と共有しているか | 本数と期間で判定日を決めて書き残す |
| 社内の時間 | 1本あたり社内で何時間使ったか答えられるか | 次の1本から所要時間と往復回数を記録する |
| 記事の次の一手 | 記事の最後が次のページとつながっているか | 読み終えた人が次に知りたい内容に差し替える |
どれから手をつけるべきか迷う場合は、記録が残っていない項目を優先します。記録は遡って作れないので、着手が遅れるほど判断できる材料が減ります。逆に、記録さえ残っていれば、分析はいつでもやり直せます。
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