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ホームページに電話番号を載せるべきか 業種と体制で決まる判断基準

2026 8/20
tap

ホームページに電話番号を載せるべきか。この質問をいただくとき、ほとんどの方はすでに答えを半分持っています。載せたほうが安心されるとは思う。ただ、載せた瞬間に営業電話が鳴りっぱなしになるのが怖い。その両方が同時にある状態で止まっています。

実際、載せた結果として本業が止まっている会社があります。従業員3名の設計事務所で、代表の携帯番号をホームページに置いたところ、かかってくる電話の大半が広告枠の売り込みと求人媒体の勧誘になり、図面を引く時間が細切れになりました。逆に、載せないと決めた工務店で、近隣からの緊急の相談が競合に流れていたという例もあります。

同じ判断が、片方では正解になり、もう片方では失敗になります。電話番号を載せるかどうかは、業種と、電話を受けられる体制の2つで答えが変わります。この記事では、その2つを自社に当てはめて決められるところまで持っていきます。読み終えたとき、自社のホームページで今日どこを直すかが1つ決まっている状態を目指します。

目次

電話番号を載せるかどうかは二択で考えると決まらない

この話がいつまでも結論に至らない理由は、質問の立て方にあります。「載せる」と「載せない」の2つしか選択肢がないと思って考え始めると、どちらにも致命的な欠点が見えて、決められなくなります。

実際の選択肢は2つではありません。番号を出す深さに段階があります。トップページの右上に大きく出すのと、問い合わせページの下のほうに文字で置くのと、フォームを送信した人にだけ返信で伝えるのは、全部違う設計です。営業電話の量も、受電の負担も、この深さで大きく変わります。

選択肢は5段階ある

実務上、番号の出し方は次の5段階に整理できます。自社がいまどこにいるかを先に確かめてください。

いまの出し方 いま起きていること 次にすること
全ページの上部に大きく表示 問い合わせ数は最大になるが営業電話も最大になる 受電できる人数と時間帯を数えて妥当か確かめる
フッターと会社概要にだけ表示 探した人だけがかけてくる。営業電話は中程度 問い合わせページにも1か所足すか検討する
問い合わせページにだけ表示 比較検討を終えた人からの電話が中心になる 受付時間の記載があるか確かめる
フォーム送信後の返信でだけ伝える 営業電話はほぼ止まるが緊急の相談を取りこぼす 緊急性の高い依頼が自社にあるか棚卸しする
どこにも載せていない 信頼の面で不利になり離脱の原因になっている場合がある 代わりの連絡手段が機能しているか点検する

多くの会社は1番目か5番目、つまり両極端のどちらかにいます。間の3段階を検討しないまま極端に振れているのが、失敗の最も多い原因です。

「載せる」を決めても半分しか決まっていない

載せると決めた後にも、決めることが残っています。どの番号を載せるか。固定回線の代表番号か、担当者の携帯か、専用に取得した番号か。どこに置くか。何時から何時までと書くか。受けられなかったときにどうするか。ここまで決めて初めて運用が回ります。

番号だけ置いて残りを決めなかった場合、鳴った電話に誰も出ない状態が生まれます。これは載せていない状態より悪い結果になります。かけた相手には、電話に出ない会社という印象だけが残るからです。

載せた会社で実際に起きていること

まず、載せた場合に何が起きるかを具体的に見ていきます。良い面と悪い面の両方があり、どちらが大きく出るかは会社によって違います。

問い合わせの総数は増える

電話番号を目立つ位置に置くと、問い合わせの総数は増えます。フォームに文章を書くのが面倒な人、急いでいる人、そもそも文字を打つのが苦手な年代の人が、電話という手段で拾えるようになるからです。

特に、地域に根ざした仕事ではこの差が大きく出ます。水回りの修理、鍵の対応、葬儀、法律相談のうち緊急性の高いもの。これらは、フォームに書いて返事を待つという行動そのものが成立しません。

成約までの速度が上がる

電話で話した相手は、フォームから来た相手より早く決まります。声を聞いた時点で相性の判断がついているためです。1回の通話で条件のすり合わせまで進むこともあり、そこからの見積もり提示は形式的な手続きになります。

この効果は、単価が高く、説明に手間がかかる商材ほど強く出ます。相手が不安を抱えたまま文章のやり取りを続けると、その間に別の会社が電話で先に安心させてしまいます。

営業電話が確実に増える

悪い面のほうも確実です。ホームページに公開された番号は、営業リストを作る側から見れば無料で手に入る情報です。公開した日から数日で最初の一本が来ることも珍しくありません。

内訳はおおむね決まっています。広告媒体の枠売り、求人媒体、ホームページ制作の売り込み、補助金の申請代行、電力やインターネット回線の切り替え。業種を問わず似た構成になります。

電話の種類 いま起きていること 次にすること
見込み客からの相談 本来ほしい電話。取り逃すと売上に直結する この電話だけは必ず取れる体制を作る
既存客からの連絡 担当者へ直接つながるほうが早い性質のもの 代表番号と担当者の番号を分ける
広告や媒体の売り込み 公開の翌週から増え始め、以後ほぼ一定量で続く 受付での断り方を1文に固定して共有する
制作や集客サービスの売り込み ホームページを新しくした直後に集中する 更新直後の1か月は受電担当を決めておく
調査や名簿作成の確認 担当者名を聞き出す目的の短い電話 個人名は答えない運用を全員で統一する

電話に出られない時間が生まれる

少人数の会社では、これが最も重い問題になります。現場に出ている、施術中である、来客対応中である。そのどれもが、電話を取れない時間です。

取れなかった電話は、留守番電話に用件が残ることはあまりありません。かけた側は、出なかった時点で次の会社を検索します。電話番号を載せるという判断には、取れなかった分をどう拾うかという設計が必ずついてきます。

載せないと決めた会社で実際に起きていること

載せないほうにも、良い面と悪い面が両方あります。営業電話が止まるのは事実ですが、止まるのはそれだけではありません。

本業に向かう時間が戻る

最も分かりやすい効果です。1日に5本の営業電話があり、1本あたり3分かかっていたとすると、通話そのものの時間よりも、中断から作業に戻るまでの時間のほうが長くかかります。少人数で頭を使う仕事をしている場合、この復帰の時間が実質的な損失になります。

設計、執筆、開発、施術、調理。集中が切れると質が落ちる仕事では、電話を減らすという判断が売上に対してプラスに働くことがあります。

問い合わせの質が上がる

フォームだけにすると、問い合わせの件数は減ります。ただし、減るのは主に検討が浅い層です。文章を書いてまで問い合わせる人は、すでにある程度自社を調べています。

1件あたりの成約率で見ると、フォームからの問い合わせのほうが高くなる会社は多くあります。ここは自社の実績で確かめる価値のある部分です。

取りこぼしが見えないまま積み上がる

悪い面はこちらです。電話をかけようとして番号がなく、そのまま離脱した人は、記録に残りません。フォームの送信数は見えても、番号を探して見つからなかった人の数は見えません。

この見えなさが判断を狂わせます。フォームからの問い合わせが安定していると、うまくいっているように見えます。実際には、その裏で一定数が競合に流れていることがあります。

信頼の面で不利になる場面がある

相手が法人で、取引の前に与信を確認する立場にある場合、連絡先が問い合わせフォームだけというのは減点になります。所在地と代表者名と固定回線の番号が揃っているかどうかを見る担当者は実在します。

また、高額で、納品までの期間が長く、途中でトラブルが起きうる商材ほど、この見られ方は厳しくなります。相手は、何かあったときにすぐ連絡が取れるかを気にしています。

自社の状態 いま起きていること 次にすること
載せていて営業電話に困っている 受電の負担が本業を圧迫している 番号の出す深さを1段下げて様子を見る
載せていて問い合わせが伸びている 電話が有効に働いている状態 受けられない時間帯の受け皿だけ整える
載せていなくてフォームが安定している 取りこぼしの有無が確認できていない 問い合わせページの離脱を測って判断する
載せていなくてフォームも少ない 連絡手段の不足が原因の可能性がある まず問い合わせページにだけ番号を置く
載せるかどうかを決めていない ホームページの連絡先が中途半端になっている この記事の判断表で自社の位置を決める

業種で分かれる 電話が売上に直結する仕事とそうでない仕事

ここから判断の材料に入ります。1つ目の軸は業種です。正確には、その業種で顧客が置かれている状況です。

電話が必要になるのは相手が急いでいるとき

顧客が電話を選ぶのは、待てないときです。水漏れが起きている、鍵を失くして家に入れない、身内が亡くなった、事故に遭った。この状況にある人は、フォームに入力して返信を待つという選択をしません。

自社の顧客が問い合わせてくる瞬間を思い出してください。その人は落ち着いた状態で複数社を比較していますか。それとも、いま困っていて、最初につながった会社に頼みますか。前者なら電話の重要度は下がり、後者なら電話は生命線です。

電話が必要になるのは相手が説明を求めているとき

もう1つ、電話が有効になる状況があります。条件が複雑で、文章では確認しきれないときです。工事の範囲、相続の状況、保険の適用、法人向けの見積もり条件。前提が人によって違い、往復が何度も必要になる案件です。

この場合、電話は問い合わせの入口として働くだけでなく、商談の時間を短縮する道具として働きます。フォームで3往復するより、1本の電話で終わります。

電話がなくても困らない仕事もある

逆に、電話がほぼ使われない業種もあります。単価が明示されていて、内容が標準化されていて、購入や申し込みがそのまま完結するもの。オンラインの講座、月額の道具、通信販売の商品。ここでは電話が来ても、内容の多くは注文状況の確認になります。

また、相手が同業の専門家である場合も、電話の重要度は下がります。文章での確認に慣れており、記録が残る手段を好むためです。

業種の分類 いま起きていること 次にすること
緊急対応が中心(修理 鍵 水回り 葬儀) 電話に出られない時間がそのまま失注になっている 目立つ位置に置き取れない時間の転送を用意する
来店予約が中心(飲食 美容 治療院) 予約の手段が電話に偏り施術中に取りこぼしている 電話と予約ページを並べて置く
条件が複雑な相談(士業 工務店 保険) フォームの往復が長く商談が前に進まない 問い合わせページに置き受付時間を明記する
法人向けの継続取引 与信の確認で連絡先の不足が指摘されている 会社概要に固定回線の番号を記載する
標準化された商品の販売 電話の内容が注文確認に偏っている よくある質問を整えて番号は深い階層に置く

体制で分かれる 電話を受けられる人が何人いるか

2つ目の軸は体制です。業種の判定で「載せたほうがよい」と出ても、受けられない体制で載せると、かえって評判を落とします。

受電できる人数を正直に数える

「うちは3人います」という答えでは足りません。営業時間内に事務所にいて、電話が鳴ったら取れる人が何人いるかを数えてください。全員が現場に出る時間帯があるなら、その時間は0人です。

この0人の時間が1日のうち何時間あるか。ここが判断の分かれ目になります。半分を超えるようなら、番号を目立つ位置に置く判断は危険です。

取れなかったときの受け皿を先に決める

受電が0人になる時間があっても、受け皿があれば載せられます。留守番電話に用件を残してもらう、転送で携帯につなぐ、外部の電話代行に回す。どれを使うかを先に決めます。

留守番電話は、実際には用件が残りにくい手段です。名乗って要件を吹き込む行為そのものに抵抗があるためです。折り返す前提で使うなら、案内の文言を短くして、番号だけ残してもらう形にすると残りやすくなります。

誰が最初に取るかを決める

受電の負担が重く感じられる原因の多くは、誰が取るかが決まっていないことです。全員が「誰か取るだろう」と思っている状態では、鳴っている時間が長くなり、全員のストレスになります。

時間帯ごとに1番手と2番手を決めておくだけで、体感の負担は下がります。営業電話の断り方も、その担当者が1文を覚えておけば済みます。

受電の体制 いま起きていること 次にすること
常時1人以上が事務所にいる 電話を載せる条件は満たしている 目立つ位置に置き受付時間を添える
時間帯によって0人になる 取れない電話が失注に変わっている 不在の時間帯の転送先を決めてから載せる
代表1人がすべて受けている 作業の中断で本業の質が落ちている 問い合わせページにだけ置き深さを下げる
全員が現場に出ている 鳴っても取れず着信履歴だけが残っている 電話代行か予約ページへの切り替えを検討する
受電の担当が決まっていない 鳴っている時間が長く全員の集中が切れる 時間帯ごとに1番手と2番手を決める

自社の条件を当てはめる判断表

業種と体制の2つが揃ったところで、自社の答えを出します。以下の表で、左の列の条件に自社を当てはめてください。

まず2つの質問に答える

1つ目。自社の顧客は、問い合わせの時点で急いでいますか。2つ目。営業時間内に、電話を取れる人が常時1人以上いますか。この2つの組み合わせで、置き方が決まります。

自社の条件 いま起きていること 次にすること
顧客が急いでいる/受電できる人がいる 電話が最も効く条件が揃っている 全ページの上部に置き大きく表示する
顧客が急いでいる/受電できない時間がある 取れない電話が競合に流れている 転送か電話代行を用意してから上部に置く
顧客は急いでいない/受電できる人がいる 電話の価値は説明の短縮にある 問い合わせページと会社概要に置く
顧客は急いでいない/受電できない時間がある 載せると負担だけが増える構図になる フォームと日程調整を主役にして番号は会社概要へ
取引先が法人で与信の確認がある 連絡先の不足が取引の障害になっている 条件にかかわらず会社概要に固定回線を記載する

迷ったときの初期設定

どの行にも当てはまらない、あるいは複数にまたがる場合は、次の形を初期設定にしてください。会社概要と問い合わせページの2か所に番号を置き、受付時間を添える。トップページの上部には置かない。フォームと日程調整のページを主役にする。

この形は、信頼の面での減点を避けながら、営業電話の量を抑えられます。ここから始めて、3か月後に問い合わせの内訳を見て調整するのが安全です。

1回決めたら3か月は動かさない

置き方を変えると、問い合わせの件数と内訳が変わります。変わった直後に別の変更を重ねると、どちらが効いたのか分からなくなります。変更は1つずつ、最低3か月は据え置いて数字を見てください。

載せると決めたときの置き場所

置き場所ごとに、届く相手が違います。全部に置くのが最善とは限りません。

ヘッダーに置く場合

画面の上部、どのページを見ていても目に入る位置です。ここに置くと、記事を読んでいる途中の人からも電話が来ます。緊急対応の仕事では、これが最も強く効きます。

ただし、営業電話の量も最大になります。また、スマートフォンでは表示できる幅が狭いため、番号を置くと他の項目が押し出されます。何を優先するかを決めてから配置してください。

フッターに置く場合

画面の最下部です。会社名や所在地と並べて置くのが一般的な形です。ここは、最後まで読んだ人が連絡先を探す場所として機能します。

フッターの番号は、問い合わせを増やす力は弱い代わりに、この会社は実在するという確認の役割を果たします。信頼の面での減点を避ける目的なら、フッターと会社概要で足ります。

問い合わせページに置く場合

最も費用対効果が高い置き場所です。このページを開いている人は、すでに連絡すると決めています。ここに番号があると、フォームを書くのが面倒な層を拾えます。

置き方には注意点があります。フォームと番号を並べるとき、どちらを先に見せるかで使われる手段が変わります。電話を増やしたいなら番号を上に、フォームを増やしたいならフォームを上に置きます。

会社概要に置く場合

ここは問い合わせを増やす場所ではありません。相手が自社を調べに来る場所です。所在地、代表者名、設立年、事業内容と並んで番号があることで、実在性の確認が済みます。

法人取引がある会社は、ここを空欄にしないでください。取引の可否を判断する担当者が最初に開くのがこのページです。

置き場所 いま起きていること 次にすること
ヘッダー 問い合わせが最大になり営業電話も最大になる 受電体制が整っている場合だけ使う
フッター 実在性の確認に使われ問い合わせは少ない 会社名と所在地と並べて置く
問い合わせページ 検討を終えた相手からの電話が集まる 受付時間と並べて置き優先順位を決める
会社概要 法人取引の与信確認で見られている 固定回線の番号を空欄にしない
各記事の末尾 読んだ直後の温度が高い相談を拾える 記事の内容に合う相談窓口として置く

スマートフォンでのタップ発信をどう設定するか

いま、ホームページを見ている人の多くはスマートフォンを使っています。番号が文字として置いてあるだけだと、その人は番号を覚えて電話アプリに打ち直すことになります。この手間で一定数が離脱します。

番号をタップしたら発信できる状態にする

スマートフォンで番号の部分に触れると、そのまま発信の画面が開く。この設定を発信リンクと呼びます。制作会社に依頼するときは「番号をタップしたら発信できるようにしてください」と伝えれば通じます。

自社で更新している場合も、多くの制作システムに設定の項目があります。番号を入力する欄の近くに、電話をかけるという選択肢があるはずです。

画像で番号を作らない

デザインを整える目的で、番号を画像として作っている会社があります。この場合、タップしても何も起きません。読み上げの機能にも対応しません。検索エンジンからも番号として認識されません。

番号は文字として置いてください。見た目を整えたい場合は、文字のままで大きさと色を変える方法があります。

パソコンでの見え方も確かめる

発信リンクを設定すると、パソコンで番号をクリックしたときに通話アプリが起動することがあります。相手が驚いて閉じてしまう原因になります。

画面の幅に応じて、パソコンではクリックしても何も起きないようにする設定があります。制作会社に依頼するときは「パソコンではクリックしても反応しないようにしてください」と伝えてください。

番号の表記を統一する

区切りにハイフンを使うか、括弧を使うか。全角で書くか半角で書くか。ここが揃っていないと、検索エンジンが同じ番号として認識しないことがあります。

地図の情報や各種の登録先と表記を揃えるのが安全です。全角の数字は、発信リンクとして機能しない場合があるため、半角で統一してください。

いまの状態 いま起きていること 次にすること
番号が文字で置いてあるだけ スマートフォンの利用者が打ち直している タップで発信できる設定に変える
番号が画像になっている タップも読み上げも検索も機能しない 文字に置き換えて大きさと色で目立たせる
パソコンでも通話アプリが起動する 誤操作で驚いた利用者が離脱している 画面幅に応じて反応しない設定にする
表記が全角と半角で混在している 発信リンクが機能しない箇所がある 半角のハイフン区切りに統一する
ページによって番号が違う 古い番号が残り不通になっている 全ページを検索して1つに揃える

営業電話を減らす書き方とその限界

番号を載せたうえで営業電話を減らしたい。この要望に対して、よく使われるのが番号の横に添える一文です。効果はありますが、限界もあります。

断り書きに一定の効果はある

「営業のお電話はご遠慮ください」と番号の近くに書くと、一定数は減ります。理由は、かける側にも成約率という指標があるからです。明示的に断っている会社は、リストの優先度が下がります。

書き方によって効果が変わります。「ご遠慮ください」より、「営業目的のお電話にはお答えしておりません」のほうが強く働きます。対応しないと明示しているためです。

効果が及ばない相手がいる

限界もはっきりしています。断り書きを読まずにかけてくる相手には効きません。番号を機械的に収集して順にかけている場合、ホームページの文面は読まれていません。

また、営業だと名乗らずにかけてくる相手にも効きません。担当者の名前を確認する電話、資料を送ったという体裁の電話、行政や公的機関を思わせる名乗り。これらは断り書きの対象外として動いてきます。

断る手順を決めておくほうが効く

文面で防ぐより、受けた後の手順を短くするほうが実効性があります。用件を聞く前に「営業のお電話でしたらお断りしております」と伝えて切る。この1文を全員で共有しておくと、1本あたりの時間が大きく縮みます。

相手の話を最後まで聞いてから断ると、1本で数分かかります。最初の10秒で判定できる形にしておくのが、負担を減らす最短の方法です。

番号を分けるという方法もある

ホームページに載せる番号と、既存の取引先に伝える番号を分ける方法があります。ホームページ用の番号を新しく取得し、そちらは受付時間を絞る、あるいは転送先を限定する。

この方法の利点は、営業電話がどの経路から来ているかが分かることです。名刺やパンフレットの番号が鳴ったときと、ホームページの番号が鳴ったときで、対応を変えられます。

対策の種類 いま起きていること 次にすること
断り書きを添える 一定数は減るが読まない相手には効かない 対応しないと明示する表現に書き換える
受付時間を絞って書く 時間外の営業電話が減る 本来の顧客が困らない範囲か確かめる
断る手順を統一する 1本あたりの時間が長く負担が積み上がる 最初の10秒で判定する1文を共有する
ホームページ専用の番号を使う どの経路からの電話か区別できていない 番号を分けて経路ごとに対応を変える
フォームだけにする 営業電話は止まるが緊急の相談も止まる 顧客の緊急性を確かめてから判断する

電話を受けられない時間帯をどう扱うか

受付時間の書き方は、実は問い合わせの数に影響します。書き方1つで、時間外にかけて失望する人を減らせます。

受付時間は必ず番号の近くに書く

番号だけが置いてあり、時間の記載がない状態は、かける側にとって賭けになります。かけて出なかったとき、営業していないのか、忙しいのか、そもそも番号が生きていないのかが分かりません。

時間を明記しておけば、時間外にかけた人は納得します。そして、翌営業日にかけ直すか、フォームを使うかを選べます。この選択肢を与えるだけで、離脱がかなり減ります。

昼休みと定休日も書く

営業時間だけを書いて、昼休みを書いていないホームページは多くあります。12時台に電話して出なかった人は、そこで判断を保留します。

定休日も同様です。特に、土日が定休の会社に土曜日にかけてしまう個人客は多くいます。書いておけば、その人はフォームに回ります。

時間外の受け皿を用意する

時間外に来た相談を拾う仕組みがあると、失注が減ります。フォームへの案内、日程調整のページ、留守番電話への案内。どれか1つでいいので用意してください。

案内の書き方も大事です。「受付時間外です」で終わらせず、「受付時間外のご相談はこちらのフォームからお願いします」と、次の行き先まで書きます。

時間帯の状況 いま起きていること 次にすること
受付時間を書いていない 出なかった理由が伝わらず不信につながる 番号のすぐ横に時間を併記する
昼休みを書いていない 12時台の着信を取り逃がしている 休憩時間を明記して代替手段を添える
定休日を書いていない 休日にかけた個人客がそのまま離れている 定休日と年末年始の扱いを書く
時間外の案内がない 時間外の相談が全部消えている フォームか日程調整ページへ案内する
留守番電話が長い案内で始まる 用件を残さず切られている 案内を短くして番号だけ残す形にする

電話番号の代わりに置けるもの

載せないと決めた場合、その位置を空欄にしてはいけません。連絡したいと思った人の行き先を、必ず1つ用意します。

日程調整のページ

相手が空いている時間を選んで予約できるページです。電話の代わりとして最も近い働きをします。相手は、話したいという要望をその場で満たせます。こちらは、集中の途切れない時間帯だけを空けておけます。

使う場合は、所要時間を明記してください。15分なのか60分なのかで、予約する側の心理的な負担が大きく変わります。短い枠を用意しておくと、まず話してみたいという層を拾えます。

問い合わせフォーム

最も一般的な受け皿です。ただ、置いてあれば機能するわけではありません。入力の項目が多いほど送信率は下がります。

必須の項目は、名前と連絡先と用件の3つで足ります。会社名、部署名、役職、住所、郵便番号、業種、従業員数、予算。この種の項目を全部必須にしているフォームは、送信の直前で捨てられています。

チャットの窓口

画面の右下に出る、その場で質問できる窓口です。電話ほどの心理的な負担がなく、フォームほど書く量が多くありません。

導入するなら、応答できる時間帯を明示してください。誰も見ていない時間に質問が投げられて放置されると、電話に出ないのと同じ印象になります。営業時間内だけ表示する設定にするのが安全です。

メッセージアプリの窓口

個人客が中心の業種では、これが最も使われる手段になることがあります。予約や相談を、日常的に使っているアプリの中で完結できるためです。

ただし、通知が個人の端末に届く形にすると、時間外の対応が発生します。業務用の端末を分けるか、応答時間を明示するかを先に決めてください。

代わりに置くもの いま起きていること 次にすること
日程調整のページ 話したい相手の要望を時間差で満たせる 短い枠を用意して所要時間を明記する
問い合わせフォーム 入力項目が多く送信の直前で捨てられている 必須項目を名前と連絡先と用件だけにする
チャットの窓口 時間外の質問が放置され印象を下げている 営業時間内だけ表示する設定にする
メッセージアプリ 個人の端末に時間外の通知が届いている 業務用に分けるか応答時間を明示する
何も置いていない 連絡したい人の行き先が消えている まず1つだけ用意して問い合わせページに置く

連絡先が無いサイトはどう見られるか

信頼の観点は、感覚的な話に見えて、実は判断の分かれ目になることが多い部分です。

個人客は「本当にある会社か」を見ている

ホームページを見た個人客が最初に確かめるのは、内容の良し悪しより先に、この会社が実在するかどうかです。所在地、代表者名、連絡先の3つが揃っているかを、無意識に見ています。

連絡先がフォームだけの場合、この確認が済みません。とりわけ、自宅に人が来る仕事、前払いが発生する仕事、高額な商品では、この確認を厳しくされます。

法人客は与信の材料として見ている

法人の担当者は、取引の前に相手先を調べます。ホームページの会社概要は、その最初の材料です。固定回線の番号があるかどうかは、実際に確認項目に入っていることがあります。

携帯番号だけが載っている場合、事業として継続性があるかを疑われることがあります。これは事実として不公平な見られ方ですが、そう見る担当者がいるのは現実です。

検索エンジンからの見え方もある

会社の情報が一貫しているかどうかは、検索での見え方にも関わります。ホームページ、地図の情報、各種の登録先で、社名と所在地と番号が揃っていることが望ましいとされています。

特に地域で商売をしている場合、地図の情報と番号が違っていると、そこで迷った人が離れます。この点検はSearch Consoleでは分からないため、自分で見比べる必要があります。

見る側の立場 いま起きていること 次にすること
個人客が実在性を確かめている 連絡先の不足で判断が保留になっている 所在地と代表者名と連絡先を揃える
法人客が与信を確かめている 固定回線の記載がなく評価が下がっている 会社概要に固定回線の番号を記載する
紹介で来た人が確認している 紹介者の話と情報が食い違い不安が残る 社名と屋号の表記を全ページで揃える
地図の情報から来た人がいる 地図の番号とホームページの番号が違う 登録先の情報を見比べて統一する
採用の応募者が見ている 連絡先の不足で応募を見送られている 採用ページにも連絡先を記載する

決めた後に測るもの

置き方を決めたら、効果を確かめます。感覚で判断すると、営業電話の記憶ばかりが残り、実際の効果を見誤ります。

電話の内訳を1か月だけ記録する

最も価値のある記録です。かかってきた電話を、見込み客、既存客、営業、その他の4つに分けて、正の字で数えるだけで足ります。1か月続ければ、判断に必要な材料が揃います。

この記録がないまま「営業電話が多い」と感じている会社は多くあります。実際に数えると、見込み客からの電話のほうが多かったという結果になることもあります。

発信リンクが押された回数を測る

GA4を導入していれば、番号がタップされた回数を計測できます。設定の名称は変わることがあるため、いま使っている画面で「リンクのクリック」に相当する項目を探してください。

この数字と、実際にかかってきた本数を比べると、取りこぼしの量が見えます。タップされた回数のほうがはるかに多いなら、つながらなかった電話が相当数あることになります。

問い合わせページの離脱を見る

問い合わせページまで来て、何もせずに離れた人の割合です。この数字が高い場合、そのページで何かが足りていません。連絡手段の選択肢か、受付時間の記載か、入力項目の多さのどれかです。

検索からの流入と問い合わせを突き合わせる

Search Consoleで、どの検索語からホームページに来ているかを見ます。緊急性を示す語で来ている人が多いなら、電話の重要度は高いという判断材料になります。

測る対象 いま起きていること 次にすること
電話の内訳 感覚で営業電話が多いと判断している 4分類で1か月だけ正の字で数える
発信リンクの押された回数 取りこぼしの量が見えていない GA4で計測して実際の着信数と比べる
問い合わせページの離脱 ページまで来た人が何もせず離れている 連絡手段と受付時間の記載を見直す
検索語の傾向 顧客の緊急性を推測で判断している Search Consoleで流入している語を確かめる
成約までの日数 電話とフォームの効率を比べられていない 経路別に初回接触から成約までを記録する

よくある質問

携帯番号を載せても大丈夫ですか

個人客が中心の仕事なら問題ありません。実際、現場に出ている職種では携帯のほうが早くつながります。法人取引が中心で、与信の確認がある場合は、固定回線を用意したほうが有利になります。

個人の端末をそのまま使う場合は、時間外の通知をどう扱うかを先に決めてください。休日にかかってきた電話に毎回出ていると、それが標準の対応だと思われます。

載せた後に取り下げても問題ありませんか

問題ありません。ただし、取り下げる前に、代わりの連絡手段を用意してください。番号を消しただけで代わりを置かないと、問い合わせが目に見えて減ります。

また、一度公開した番号は、外部の名簿に残ります。取り下げても営業電話がすぐには止まらないことは想定しておいてください。

通話料無料の番号にする価値はありますか

個人客が中心で、問い合わせ件数を最大化したい場合には効果があります。かける側の心理的な負担が下がるためです。法人客が中心の場合、効果は限定的です。

導入する場合、どの広告や記事から電話が来たかを分けて計測できる形にすると、判断材料が増えます。

営業電話の断り方を教えてください

用件を聞く前に判定するのが基本です。相手が会社名を名乗った時点で心当たりがなければ、「営業のお電話でしたらお断りしております」と伝えて通話を終えます。

丁寧に対応しようとして最後まで聞くと、1本あたりの時間が伸びます。この対応を全員で統一しておくことが、負担を減らす最も確実な方法です。

フォームと電話のどちらを目立たせるべきですか

自社が処理しやすいほうを目立たせてください。受電の体制が整っていて、通話で決まる商材なら電話を上に置きます。少人数で集中が必要な仕事なら、フォームや日程調整を上に置きます。

両方を同じ大きさで並べると、迷った人がどちらも選ばずに離れることがあります。主役を1つ決めて、もう片方は補助として置いてください。

まとめ

ホームページに電話番号を載せるべきかという問いには、業種と体制の2つで答えが変わります。顧客が急いでいる仕事で、受電できる人がいるなら、目立つ位置に置いてください。顧客が比較検討をしていて、少人数で集中が必要な仕事なら、会社概要と問い合わせページに置くだけで足ります。

営業電話は、載せれば必ず増えます。断り書きには一定の効果があり、限界もあります。実効性が高いのは、受けた後の判定を10秒で終える手順を全員で共有することです。

そして、載せないと決めた場合も、連絡先の欄を空にしないでください。日程調整のページ、フォーム、チャットのどれかを1つ用意すれば、信頼の減点と取りこぼしの両方を抑えられます。

判断に迷ったら、会社概要と問い合わせページの2か所に番号と受付時間を置く形から始めてください。3か月後に、電話の内訳を数えて調整します。

今日できる点検

最後に、この記事を読み終えたその日にできることを表にまとめます。上から順に、1つだけ選んで実行してください。

点検する場所 確かめること その場でやること
会社概要のページ 所在地と代表者名と連絡先が揃っているか 欠けている項目を追記する
問い合わせページ 受付時間と時間外の案内があるか 受付時間と代替手段を1行で追記する
スマートフォンでの表示 番号をタップして発信できるか できなければ制作担当に依頼を出す
全ページの番号 古い番号や表記の違いが残っていないか 検索して1つの表記に統一する
問い合わせフォーム 必須項目が4つ以上になっていないか 名前と連絡先と用件以外を任意に変える
地図の登録情報 ホームページと番号が一致しているか 食い違っていれば登録側を修正する

この6行のうち、自社で今日直せるものが必ず1つはあるはずです。電話番号を載せるかどうかという大きな判断を先に決めようとすると手が止まります。表の上から順に見て、欠けているところを1つ埋めることから始めてください。

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