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外注した記事に生成AIは使われている?発注側がやるべき著作権の確認と検収手順

2026 8/20
外注記事の著作権と検収を表す盾のピクトグラム

「外注して納品された記事に、生成AIが使われているかどうか、確認していますか」

この質問を打ち合わせでお聞きすると、多くの経営者やWeb担当者の方が一度黙り込まれます。そして「聞いたことはありません」「確認しようがないので……」と続きます。

無理もありません。納品されるのはWordファイルかGoogleドキュメントで、そこに書かれているのは日本語の文章だけです。どのツールを使ったのか、どんな指示を出したのか、既存の記事を下敷きにしていないか。受け取った側から見えるものは、ほとんどありません。

ただ、2026年の日本では、その「見えないまま公開する」ことのリスクが、以前とは比べものにならないほど大きくなっています。

理由は1つです。法的な責任の所在が、AIを開発した会社から、生成物を世に出した会社へ移ったからです。

2025年前半まで、生成AIと著作権の議論の中心は「AIが学習に使ったデータは適法か」でした。訴えられるのはAI開発企業であり、一般の事業会社にとっては遠い話でした。ところがいまは違います。日本国内で、AI生成物を商用利用したエンドユーザー自身への刑事摘発が起き、報道機関がAI検索サービスを直接提訴しています。

差止請求や損害賠償請求の矢面に立つのは、その生成物を自社サイトに載せた法人です。AIを作った会社ではありません。外注であっても、公開したのが自社サイトである以上、この構図は変わりません。

この記事では、法律の解説そのものより一歩先、発注する側が実務として何をすればよいかに絞ってお伝えします。契約書に書く項目、外注先に渡すルール、納品物の検収手順、そして公開後に残しておくべき記録まで、そのまま社内に持ち帰れる形で整理しました。

なお、この記事は法律の専門家による助言ではありません。個別の案件については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。ここでお伝えするのは、Webサイトの運用を預かる立場として、公開までの工程をどう組むかという実務の話です。

目次

2026年、何が変わったのか

まず、ここ1年で何が動いたのかを押さえます。ここを飛ばすと、後半の実務が「念のための作業」に見えてしまい、社内で優先順位が上がりません。

議論の重心が「学習段階」から「利用段階」へ移った

日本の著作権法では、2018年の改正で新設された第30条の4が、生成AIの学習を支える条文になっています。著作物に表現された思想や感情を自ら享受せず、他人にも享受させることを目的としない場合、つまり情報解析などの用途であれば、原則として著作権者の許諾なく著作物を利用できると定められています。

この条文があるため、日本ではAIの学習は広く適法だという認識が先行していました。そして議論も、その学習が本当に適法かという一点に集まっていました。

2026年8月現在、その重心は完全に移動しています。争点は「生成・利用段階」、つまり出てきたものを使ったことの責任です。

論点 2025年前半までの状況 2026年8月時点の状況 発注側への影響
主たる法的論点 著作権法30条の4にもとづく学習段階の解釈が中心 生成・利用段階における類似性と依拠性の立証へ移行 意図しない侵害でも、差止や損害賠償を問われる
紛争・摘発の実態 権利者からAI開発ベンダーへの集団訴訟が中心 国内で、生成物を商用利用したユーザー自身への刑事摘発や直接訴訟が発生 ツールの利用者である企業や従業員が、直接の対象になる
ツール選定の基準 画質・処理速度・費用対効果が中心 IP補償の有無と学習データの透明性が最優先の審査基準に 補償規定のない安価なツールや個人プランは商用利用不可とする社内ルールが標準化
生成物の著作物性 著作権が発生するかは曖昧なまま議論されていた プロンプト入力のみの自動生成物は原則として著作物性なし。人間の創作的寄与があれば認められ得る 自社の資産として権利を守るなら、そのまま公開せず加筆修正と記録が要る

この表の一番右の列が、発注者にとっての現実です。AIの法的リスクは、技術を開発した企業から、それを使って情報を発信した企業へ転嫁されました。

「未管理著作物裁定制度」が2026年4月から動いている

もう1つ、実務に効く制度が始まっています。2023年の著作権法改正で創設され、2026年4月1日から運用が始まった「未管理著作物裁定制度」(著作権法第67条の3)です。

権利者の意思が確認できない著作物、たとえば連絡先の分からないWebコンテンツや古い資料について、文化庁長官の裁定を受け、指定された補償金管理機関に通常の使用料相当額を支払うことで、最長3年間、適法に利用できる枠組みです。

従来の裁定制度は申請から利用開始まで約2か月を要していましたが、新制度では目安として約8営業日にまで短縮されています。権利者への連絡要件も、判明した国内の連絡先へ連絡を試み、14日間応答がなければ要件を満たすとされました。

自社で過去のアーカイブ資料を社内AIの学習基盤に組み込むといった場面では、この制度が有力な選択肢になります。記事の外注そのものとは直接つながりませんが、社内でAI活用を進める際には知っておいて損はありません。

侵害が成立する2つの条件と、「知らなかった」が通じなくなった理由

ここが、この記事で最も重要な部分です。

AI生成物であっても、著作権法上の特別扱いは一切ありません。通常の著作権法がそのまま適用されます。既存の著作物の権利侵害と判断されるには、人間が創作した場合と同じく、2つの要件を同時に満たす必要があります。

1つ目:類似性

生成されたコンテンツが、既存の著作物の表現と同一、または表現上の本質的な特徴を直接感じ取れるほど似ていることを指します。

ここで押さえておきたいのは、保護されるのは「表現」であって「アイデア」ではないという点です。単なる着想や抽象的な作風、ありふれた構成が似ているだけでは、著作権法上の保護対象になりません。具体的な表現が似ているかどうかが、厳格に問われます。

記事に置き換えると、「同じテーマを扱っている」「同じ切り口で書いている」だけでは侵害になりません。文章そのものが、既存記事の表現をなぞっているかどうかが判断の分かれ目です。

2つ目:依拠性

既存の著作物に接し、それを元にして作成したという因果関係を指します。そして、発注者が最も注意すべきなのがここです。

文化庁の考え方では、実務に直結する「依拠性の推認」という概念が示されています。仮にAIの利用者が既存の著作物をまったく知らなかったとしても、AIの学習データにその著作物が含まれていた場合には、客観的なアクセスがあったと見なされ、依拠性が推認され得ると考えられています。

この解釈が意味するところは重大です。「担当者がAIの出力をそのまま使っただけで、元の作品は知らなかった」という弁明が、法的に通用しにくくなりました。

類似性が認められた場合、企業側は「これは偶然の一致であり、使用したAIの学習データにも含まれていない」という、極めて困難な反証を行わなければなりません。事実上、立証責任が転換されたに近い状態です。

要件 問われること 発注側が備えられること
類似性 既存の著作物の表現と、同一または本質的な特徴を直接感じ取れるほど似ているか 公開前に、既存コンテンツとの照合を工程に入れる
依拠性 既存の著作物に接し、それを元に作成したか。学習データに含まれていれば推認され得る 特定の作家名・ブランド名を指示に入れさせない。指示の記録を残す

この2つの列を見比べると、発注側にできることの性質が見えてきます。侵害が起きてから証明するのは困難です。できるのは、起きにくくすることと、起きたときに説明できる材料を先に用意しておくことだけです。

実際に起きた事例が、発注側に教えていること

抽象的な法解釈だけでは、社内で優先順位は上がりません。ここでは、2025年から2026年にかけて実際に起きた事案を取り上げ、それぞれが発注側にとって何を意味するのかを整理します。

AI生成画像の無断使用で、全国初の書類送検

2025年11月、千葉県警は、他人が画像生成AIを用いて作成したデジタルアートを無断で複製し、自身が販売する電子書籍の表紙に使用した男性を、著作権法違反(複製権侵害)の疑いで書類送検しました。AI生成物の著作権侵害を刑事事件として摘発した、全国初の事案とされています。

この事案の焦点は、AIが生成した画像に対して著作権(著作物性)が認められた点にあります。

被害を受けたクリエイターは、2万回以上に及ぶプロンプトの修正と緻密な取捨選択を繰り返していました。捜査当局は、この反復的な創作プロセスを人間の「創作的寄与」として重く評価し、著作物性を肯定したと考えられています。

発注側にとっての示唆は2つあります。

1つ目は、「AIが生成した画像は誰の著作物でもないから自由に使える」という判断が危険だということです。インターネット上で見つけたAI生成物を自社サイトや広告に転用した場合、それが創作的寄与の認められる著作物であれば、刑事罰の対象になり得ます。法人の場合、罰金は最大3億円です。

2つ目は、この判断基準が自社にも同じように働くということです。反復的な指示と取捨選択を経た生成物には著作物性が認められ得る。つまり、自社が発注した記事を「自社の資産」として守れるかどうかも、同じ基準で決まります。この点は後述します。

報道機関がAI検索サービスを提訴

2025年8月、読売新聞グループは、AI検索サービスを提供する企業を相手取り、記事の無断利用による著作権侵害と不正競争防止法違反を理由に、約21億6,800万円の損害賠償と利用差止めを求めて東京地裁に提訴しました。続いて朝日新聞社と日本経済新聞社も計44億円の賠償を求めて共同提訴し、2026年5月には第1回口頭弁論が開かれています。

争点は、AIがユーザーの質問に対してニュース記事を詳細に要約・抽出して提示することで、ユーザーが元のサイトを訪れる必要がなくなる現象が、報道機関の収益基盤を毀損し、「著作権者の利益を不当に害する」かどうかです。

一見すると自社には関係のない訴訟に見えます。ただ、社内でRAG(検索拡張生成)を組んでいる企業には、直接の教訓があります。外部の有償ニュースや専門記事をAIに無断で収集させ、詳細な要約を社内で定常的に共有する運用は、権利者の市場を代替する行為として、グレーゾーンに踏み込むおそれがあります。

声の無断模倣をめぐる訴訟

2025年11月、人気声優が、自身の声を生成AIで無断模倣したナレーション付き動画180本以上をSNSに投稿されたとして、運営会社を提訴しました。

日本の現行法上、「声」そのものを直接保護する著作権の規定は存在しません。そのためこの訴訟では、不正競争防止法違反やパブリシティ権侵害が主な法的根拠として争われています。

ここから読み取れるのは、著作権法だけを見ていても足りないということです。プロモーション動画やウェビナーを制作する際、費用を抑える目的で既存の著名人や声優に意図的に似せた声をAIで生成する行為は、著作権法以外の枠組みで訴えられるおそれがあります。

海外の動きが示すもの

海外の判例も、実務の方向を示しています。

2025年11月、英国の高等法院は、画像ストックサービス運営会社が画像生成AI企業を訴えた事案について判決を下しました。裁判所は、AIの学習モデル内に著作権のある作品がそのまま保存・複製されているわけではないとして、学習モデル自体による著作権侵害の主張を退けています。

ただし一方で、AIが元サービスの透かし(ウォーターマーク)を再現して出力した点については、商標権侵害を認めました。生成物に残った権利侵害の痕跡が、法的責任を問う根拠になると示された形です。

また、2025年9月には、あるAI企業が海賊版書籍データベースを用いた学習に対する訴訟で、約2,200億円の和解金を支払うことで合意しています。学習データの取得経路の適法性が、極めて厳しく問われる結果となりました。

事案 争われたこと 発注側が読み取るべきこと
AI生成画像の無断使用による書類送検(2025年11月・国内) AI生成物に著作物性が認められるか ネット上のAI生成物を自由素材として扱わない。自社の生成物も同じ基準で資産になる
報道機関によるAI検索サービス提訴(2025年8月〜・国内) 詳細な要約提示が権利者の利益を不当に害するか 外部記事をAIに収集・要約させて社内共有する運用を見直す
声の無断模倣訴訟(2025年11月・国内) 不正競争防止法違反、パブリシティ権侵害 著作権法以外の権利にも触れる。著名人に似せた音声を作らせない
画像ストック企業対AI企業(2025年11月・英国) 学習モデル自体の侵害と、透かしの再現 生成物に残る痕跡が責任追及の根拠になる
海賊版データベース学習をめぐる和解(2025年9月・米国) 学習データの取得経路の適法性 使うツールの学習データの出所を、選定基準に入れる

AIが書いた記事に、著作権は発生するのか

ここまでは「他人の権利を侵さないために」という守りの話でした。ここからは、逆の視点です。

外注して納品された記事は、自社の資産になるのでしょうか。

結論から申し上げると、プロンプトを入力しただけで自動生成された文章には、原則として著作物性が認められません。フリー素材と同じ扱いです。

これが何を意味するか、具体的に考えてみます。

費用をかけて外注した記事が、そのままAIの出力だったとします。その記事に著作物性がなければ、他社がコピーして自社サイトに掲載しても、著作権侵害を主張できません。競合が同じ文章を使っていても、止める根拠がないのです。

一方で、反復的な指示や試行錯誤といった人間の「創作的寄与」があれば、著作物性が認められ得ることが、先ほどの刑事事件の捜査実務で確認されています。2万回以上のプロンプト修正が評価された、あの事案です。

制作の実態 著作物性 起きること
プロンプトを入れて出てきた文章を、ほぼそのまま納品 原則として認められない 他社に複製されても止められない。費用をかけた分が資産にならない
構成・取材・加筆修正など、人間の判断が繰り返し入っている 認められ得る 自社の著作物として保護を主張できる
試行錯誤の記録(指示内容・修正履歴)が残っている 創作的寄与を示す材料になる 侵害を指摘されたときの反証にも、権利主張の裏づけにも使える

つまり、「AIを使ったかどうか」ではなく「人間の判断がどれだけ入り、それが記録されているか」が、資産になるかどうかを分けます。

ここは発注する側の設計で決まります。「AIは使わないでください」と言うだけでは、この論点は解けません。使ったうえで、どこに人間の判断を入れ、それをどう残すか。それを発注時に決めておく必要があります。

発注前:契約書に書いておく5項目

ここからが実務です。まず、発注の時点で決めておくことから始めます。

記事制作の外注では、見積書と発注メールだけで進むことが少なくありません。金額と本数と納期は書いてあるが、権利と工程については何も書いていない。この状態で納品を受けると、後から確認する手立てがなくなります。

以下の5項目は、発注書か業務委託契約書のどちらかに必ず入れてください。

1. 著作権の帰属と、移転の時期

納品物の著作権が発注者に移転すること、そしていつ移転するのかを明記します。「検収完了時」または「代金支払い時」が一般的です。

あわせて、著作者人格権を行使しない旨の合意も入れておきます。著作者人格権は譲渡できない権利のため、移転する形をとれません。不行使の合意という形になります。これがないと、記事を後から編集したり、別の媒体へ転載したりする際に、外注先の同意が要る事態になり得ます。

2. 生成AIの利用の可否と、申告の義務

禁止するのか、条件つきで認めるのか、はっきり決めます。

私たちがおすすめしているのは、禁止ではなく申告制です。禁止しても、外注先が使ったかどうかを確かめる方法がありません。確かめられないルールは、守られているかどうかを判断できないため、実質的にルールとして働きません。

申告制にする場合は、使用したツール名、使用した工程(構成案の作成/初稿の執筆/校正など)、そして最終原稿における人間の関与の度合いを、納品時に報告してもらう形にします。

3. 第三者の権利を侵害していないことの表明と保証

納品物が第三者の著作権その他の権利を侵害していないことを、外注先が表明し保証する条項です。

ここで注意していただきたいのは、この条項があっても、権利者からの請求を受けるのは発注者である自社だという点です。差止請求は、故意や過失を問わず認められます。自社サイトに掲載している以上、まず矢面に立つのは自社です。

この条項が守るのは、その後の求償です。損害を被ったときに外注先へ請求する根拠になります。前段の防波堤としてではなく、後段の精算のための条項だとご理解ください。

4. 制作記録の提出義務

これが、多くの発注書に抜けている項目です。

使用したツール、入力した主な指示の内容、参照した一次情報の一覧を、納品時にあわせて提出してもらいます。全プロンプトの提出まで求めると外注先の負担が大きくなるため、主要な指示と参照元に絞るのが現実的です。

この記録が、後に権利侵害を指摘されたときの反証材料になります。「当社の指示内容には既存作品への依拠はない」と説明できる材料が、記録がなければ存在しません。

5. 二次利用の範囲

納品された記事を、自社サイト以外でどこまで使えるのかを決めます。メールマガジン、営業資料、SNS、書籍化。想定しうる範囲を先に書いておくと、後から使いたくなったときに交渉が要りません。

項目 書いていないと起きること 盛り込む内容
著作権の帰属と移転時期 編集や転載のたびに外注先の同意が要る 検収完了時に移転。著作者人格権を行使しない旨の合意
生成AI利用の可否と申告 使われたかどうか確認する手立てがない 申告制。ツール名・使用工程・人間の関与度を納品時に報告
権利非侵害の表明と保証 損害が出ても外注先へ請求する根拠がない 第三者の権利を侵害していないことの表明と保証
制作記録の提出義務 侵害を指摘されたときに反証材料がない 使用ツール、主要な指示内容、参照した一次情報の一覧
二次利用の範囲 別媒体で使うたびに交渉が発生する 自社サイト以外の利用範囲を明記

発注中:外注先へ渡すルール

契約が整ったら、次は制作中のルールです。ここは、依拠性を生まないための予防にあたります。

指示に入れさせない言葉

最も重要なのがこれです。

特定のアーティスト名、作家名、ブランド名を含んだ指示を禁止します。「〇〇風のタッチで」「〇〇社のような書き方で」といった指示です。

この指示を出すと、出力物に既存作品との類似性が生じたとき、意図的な依拠性の動かぬ証拠になります。故意の著作権侵害と認定されるリスクが高まるだけでなく、後述するツール側の補償も無効になるおそれがあります。

記事制作の現場では、「競合のあの記事のような構成で」という指示が自然に出てしまいがちです。構成やアイデアの参考にすること自体は侵害になりませんが、指示の記録として残る言葉としては危険です。参考にしたい要素は、要素そのものの言葉に置き換えて伝えてください。「見出しごとに結論を先に置く構成で」といった形です。

入れてよい情報と、入れてはいけない情報

外注先がAIツールに入力する情報についても、線を引いておきます。

自社が渡した未公開の資料、顧客の個人情報、取材で得た未公開の発言。これらを外部のAIツールに入力されると、秘密保持の観点で問題が生じます。無料プランや個人アカウントでは、入力内容が学習に使われる設定になっている場合があります。

渡す資料には「AIツールへの入力可否」を明示しておくのが確実です。

実在の人物を生成させない

記事に添える画像をAIで生成する場合、実在の人物の氏名を入力させないでください。パブリシティ権の侵害や、ディープフェイクに抵触するおそれがあります。

禁止すること なぜ危険か 代わりの伝え方
作家名・ブランド名を含む指示 意図的な依拠性の証拠になり、ツール側の補償も無効になり得る 参考にしたい要素を、要素の言葉で伝える
未公開資料・個人情報の入力 入力内容が学習に使われ、秘密保持義務に反するおそれ 渡す資料に「AI入力可否」を明示する
実在の人物名での画像生成 パブリシティ権侵害、ディープフェイクに抵触 人物が要る場合は、権利処理済みの素材を使う
他社から預かった素材の追加学習 秘密保持契約違反を招く 追加学習に使ってよい素材を明示的に限定する

納品時:発注側の検収手順

ここが、この記事の中心です。

検収というと、誤字脱字と事実関係の確認で終わっている企業がほとんどです。権利の観点からの検収工程を持っている会社を、私たちはあまり見たことがありません。

以下の6つを、納品ごとの手順として固定してください。1本あたり15分から20分ほどで回せます。

手順1:申告内容と本文の整合を見る

契約に入れた申告制が働いているかを確認します。「AIは使っていない」という申告なのに、文体が明らかに機械的である。あるいは「校正のみに使用」という申告なのに、全体が同じリズムで書かれている。こうした食い違いがあれば、その場で確認します。

判断の目安になるのは、次のような特徴です。

  • 「〜ではなく〜」という否定と肯定を並べる型が、1本の記事で10回以上出てくる
  • どの段落も同じ長さで、文の切り方に緩急がない
  • 3つ並べる列挙が、章のたびに繰り返される
  • 太字が数十か所に散っていて、どれが重要か判断できない
  • 具体的な固有名詞、日付、数字がほとんど出てこない

これらは、それ自体が権利侵害の証拠ではありません。ただし、人間の手がどれだけ入っているかを推し量る材料にはなります。

手順2:既存コンテンツとの照合をかける

本文から、特徴のある一文を3か所から5か所抜き出し、検索にかけます。完全一致で既存記事が出てくる場合は、その場で差し戻します。

画像を納品してもらった場合は、画像検索で類似のものが出ないかを確認します。

専用のコピー判定ツールを使う方法もありますが、まずは手作業で構いません。大事なのは、確認したという記録が残ることです。後に指摘を受けたとき、「公開前に照合した」という事実そのものが、対応の姿勢を示す材料になります。

手順3:数字と固有名詞の出所を確かめる

これは権利の話であると同時に、記事の信頼性そのものの話です。

本文に出てくる統計値、調査結果、企業名、制度名を洗い出し、それぞれの出所を確認します。AIは、実在しない調査結果をもっともらしい形式で出力することがあります。「〇〇社の調査によると過半数が……」という一文が、どこにも存在しない調査を指していることは、実際に起こります。

出所が確認できない数字は、記事から外してください。ここを妥協すると、公開後に指摘を受けたときに撤回するしかなくなり、サイト全体の信頼を損ないます。

手順4:制作記録を受け取り、保管する

契約に入れた制作記録を受け取り、記事と紐づけて保管します。保管期間は最低1年から2年を目安にしてください。

保管する項目は次のとおりです。

  • 使用したツール名とプラン(無料か有償か、法人契約かどうか)
  • 使用した工程
  • 主要な指示の内容
  • 参照した一次情報の一覧
  • 検収で照合した結果

この記録が、他社から著作権侵害の指摘を受けた際、「当社の指示内容には既存作品への依拠はなく、使用したツールの学習データにも含まれていない」と主張するための材料になります。記録がなければ、この主張自体ができません。

手順5:人間の判断を、記事に入れる

ここが、資産にするかどうかの分かれ目です。

納品された原稿に、自社の判断を加えてから公開します。加えるものは、次のようなものです。

  • 自社が実際に経験した事例
  • クライアント様とのやり取りで分かったこと
  • 業界の中にいるからこそ言える判断
  • 記事の主張に対する、自社としての立場

目安として、テキストであれば3割以上の書き換えを行うことが、実務上の基準として語られています。ただし、割合そのものより「自社にしか書けない部分がどれだけ入ったか」のほうが重要です。

この工程は、既存作品への類似性を下げるという守りの意味と、自社のコンテンツとしての著作物性を得るという攻めの意味を、同時に持ちます。

手順6:公開前の最終確認

公開の直前に、次を確認します。

  • 他社サイトへのリンクが不用意に入っていないか
  • 他社の社名やサービス名が、必要のない場面で出ていないか
  • 画像の権利処理が済んでいるか
  • 引用の要件(出所の明示、主従関係、引用部分の明確化)を満たしているか
手順 確認すること 基準
1. 申告内容との整合 申告されたAI利用の範囲と、本文の実態が合っているか 食い違いがあればその場で確認する
2. 既存コンテンツとの照合 特徴的な一文が既存記事と一致しないか 3〜5か所を抜き出して検索。完全一致は差し戻す
3. 数字と固有名詞の出所 統計値・調査結果・制度名の裏づけがあるか 出所が確認できないものは記事から外す
4. 制作記録の受領と保管 ツール名・工程・主要な指示・参照元が揃っているか 記事と紐づけて1〜2年保管
5. 人間の判断の追加 自社にしか書けない内容が入っているか 目安として3割以上を書き換える
6. 公開前の最終確認 外部リンク、他社名、画像の権利、引用要件 1つでも欠ければ公開しない

公開後:記録と、指摘を受けたときの初動

公開して終わりではありません。最後に、公開後の備えです。

指摘を受けたときの初動を、先に決めておく

外部から著作権侵害の指摘を受けた際の対応フローを、あらかじめ定めておきます。決めておくべきは次の3点です。

1つ目は、該当コンテンツの公開停止までの時間です。24時間以内を目安に、誰の判断で止められるのかを決めておきます。担当者が休暇中で止められない、という事態を避けるためです。

2つ目は、報告先です。社内の法務担当、顧問弁護士、制作を担当した外注先。誰に、どの順番で連絡するかを決めます。

3つ目は、事実確認の担当です。制作記録を確認し、指摘内容と照らし合わせる作業を誰がやるのか。ここが決まっていないと、初動が数日遅れます。

四半期に1回、ルールを見直す

AI技術の進化と法解釈の変遷は、極めて速く進んでいます。この記事に書いた内容も、半年後には前提が変わっている可能性があります。

少なくとも四半期に1回、社内ルールの運用状況と内容を見直す機会を、あらかじめ予定に組み込んでおいてください。

ツールを選ぶときの基準

自社でもAIツールを使う場合、あるいは外注先に使ってよいツールを指定する場合の基準です。

2026年の法務審査で最優先になっているのは、IP補償(知的財産権侵害に対する補償)の有無です。万一の著作権訴訟に備えて、ツール提供側が法的費用を補償する仕組みがあるかどうかを確認します。

確認する項目 見るべきところ 判断
IP補償の有無 利用規約に、著作権訴訟の法的費用を補償する規定があるか 補償がないツールは、商用公開用の最終素材には使わない
補償の適用範囲 無料プラン・個人プランが対象に含まれるか 多くの場合、法人向けの有償プランのみが対象
学習データの出所 権利処理済みの素材に限定されているか 限定されているものほど、構造的に安全
免責事項 どんな場合に補償が外れるか 特定のキャラクター名等を意図的に入力した場合は対象外が一般的
入力内容の扱い 入力したデータが学習に使われる設定か 使われる設定なら、機密情報は入力しない

ここで押さえておきたいのは、ツール側の補償は最終的な保険であって、前提ではないということです。

補償プログラムがあるツールでも、利用者が特定の既存キャラクター名などを意図的に入力して侵害を誘発した場合は、補償の対象外になるのが一般的だとされています。社内の利用ガイドラインを守ることが大前提で、補償はその先にあります。

なお、無料プランやオープンソースを従業員が個人の判断で業務に使う状態は、シャドーAIと呼ばれ、統制の外にあります。使ってよいツールを一覧で決め、それ以外を業務で使わないルールにしておくことが、2026年の標準的な運用になっています。

社内ガイドラインに、必ず入れる5項目

外注先へのルールと並行して、自社の中にもルールが要ります。従業員が個人の判断でAIを使う状態が残っていると、外注先だけを統制しても穴が塞がりません。

行政や弁護士会が公表しているガイドラインの内容を踏まえると、盛り込むべき項目は次の5つに整理できます。

1. 使ってよいツールを一覧で決める

法人契約済みのツールを明記し、それ以外を業務で使わないと定めます。個人アカウントでの業務利用も禁止します。

あわせて、入力してよい情報を段階で分けます。未公開の財務情報や顧客の個人情報は、例外なく入力禁止。社内マニュアルなど一定の基準を満たした情報だけを入力可能とする。この線引きを文書にしておきます。

他社から預かった画像や資料をAIの追加学習に投入する行為も、秘密保持契約に反するおそれがあるため、禁止事項に含めてください。

2. 指示に入れてはいけない言葉を定める

外注先へのルールと同じ内容を、社内にも適用します。特定のアーティスト名、作家名、ブランド名を含む指示を明確に禁じます。

実在の人物の氏名を入力して肖像を生成することも、あわせて禁止します。

3. 人間の確認を工程として義務づける

AI生成物をそのまま社外へ公開・商用利用することを、全面的に禁じます。必ず人間が内容を精査し、不自然な部分を直し、構成を調整する。

この工程には2つの意味があります。既存作品との類似性を下げることと、自社のコンテンツとしての著作物性を得ること。どちらも、この一手間なしには成立しません。

あわせて、公開前の照合を工程に組み込みます。画像であれば画像検索、テキストであれば文章の照合。そして、確認した結果を記録として残すところまでを、フローに含めてください。

4. 利用ログの保管期間を決める

どのツールを使い、いつ、どのような指示を入力して、何を出力したか。この記録を最低1年から2年保管すると定めます。

この記録が必要になるのは、他社から著作権侵害の指摘を受けたときです。「当社の指示内容には既存作品への依拠はなく、使用したツールの学習データにも含まれていない」という反証は、記録がなければ主張そのものができません。

5. インシデント対応の手順を先に決める

指摘を受けてから手順を考えると、初動が遅れます。公開停止までの時間、報告先、事実確認の担当。この3つを先に決め、文書にしておきます。

項目 定めること 抜けていると起きること
使ってよいツールの一覧 法人契約済みのツールを明記。個人アカウントの業務利用を禁止 従業員が個人の判断で無料ツールを使い、統制の外で生成物が作られる
入力してよい情報の段階分け 機密情報は入力禁止。基準を満たした情報のみ可 顧客情報や未公開資料が外部サービスへ渡る
指示の禁止事項 作家名・ブランド名・実在の人物名を含む指示を禁止 意図的な依拠性の証拠が残り、ツール側の補償も外れる
人間の確認の義務化 そのままの公開を禁止。照合と記録を工程に含める 類似性が残り、自社の著作物性も得られない
ログの保管期間 使用ツール・日時・指示・出力を1〜2年保管 指摘を受けたときに反証材料がない
インシデント対応の手順 公開停止までの時間、報告先、事実確認の担当 初動が数日遅れ、被害が広がる

引用の要件を、あらためて確認する

記事の中で他社の文章やデータを使う場面は、必ず出てきます。生成AIの話とは別に、ここは基本として押さえておいてください。

適法な引用として認められるには、次の要件を満たす必要があります。

  • 公表された著作物であること
  • 引用する必然性があること
  • 自分の文章が主で、引用部分が従であること
  • 引用部分が、かぎ括弧や引用ブロックなどで明確に区別されていること
  • 出所を明示していること

実務でよく崩れるのは、3つ目と4つ目です。

他社の調査結果を紹介する記事で、引用部分が本文の大半を占めてしまう。あるいは、引用であることが分かる印がないまま、地の文に溶け込んでいる。どちらも、要件を満たしません。

AIが生成した文章には、この区別が最初から存在しません。元になった情報がどこから来たのかという情報が、出力の時点で失われているからです。だからこそ、検収の段階で、数字と固有名詞の出所を人間が確かめ直す工程が要ります。

検収を仕組みにする:担当者の頑張りに依存させない

ここまで読んで、「やることが多い」と感じられたかもしれません。実際、1本あたりの工程は増えます。

ただ、私たちが多くの企業のサイト運用を見てきて感じるのは、この種の工程は「丁寧にやりましょう」と呼びかけても定着しないということです。定着するのは、やらないと次に進めない形になっているときだけです。

チェックリストではなく、進行の条件にする

検収項目をチェックリストにして共有する。よくある進め方ですが、これはほとんど機能しません。忙しい時期に飛ばされ、飛ばしても誰も気づかないからです。

代わりに、公開の手前に条件を置きます。制作記録が提出されていない記事は、公開待ちのフォルダに入れない。出所不明の数字が残っている記事は、公開日を確定しない。この形にすると、工程を飛ばした時点で先に進まなくなります。

1人に集約しない

検収を1人の担当者に任せると、その人が異動したり退職したりした時点で、工程ごと消えます。

実際に起きるのは、後任が「なぜこの作業をしているのか分からない」まま引き継ぎ、数か月で自然消滅する、という経過です。工程の目的と、飛ばしたときに何が起きるかを、文書として残しておいてください。

外注先を変えても続く形にする

制作記録の提出も、AI利用の申告も、外注先を変えた瞬間にリセットされます。次の外注先には、また一から説明することになります。

ここは、発注書のひな形を1つ作っておくのが最も確実です。誰が発注しても同じ条件になり、外注先が変わっても条件は変わりません。

やり方 起きること 代わりの形
チェックリストを共有する 忙しい時期に飛ばされ、飛ばしても気づかれない 公開手前に条件を置き、満たさない記事は次に進めない
検収を担当者1人に任せる その人がいなくなると工程ごと消える 目的と、飛ばしたときに起きることを文書に残す
外注先ごとに条件を口頭で伝える 外注先が変わるたびにリセットされる 発注書のひな形を1つ作り、条件を固定する
年に1回まとめて見直す 法解釈の変化に追いつけない 四半期に1回、運用状況とルールを見直す

権利をクリアした記事が、それでも成果を生まない理由

最後に、この記事の本題から少しだけ視野を広げさせてください。

ここまでの工程をすべて回すと、権利の面では安全な記事が、自社の資産として積み上がっていきます。これは大きな前進です。

ただ、私たちがご相談をお受けする中で、その次の段階で止まっている企業が非常に多いのも事実です。

記事は増えた。検索順位も少しずつ上がってきた。アクセスも伸びている。それなのに、問い合わせが増えない。

この状態でご相談に来られた場合、私たちがまず拝見するのは、その記事を読み終えた人が次に見るページです。

集める前に、受け皿があるか

記事に費用と工程をかけている一方で、トップページやサービスページが何年も前のまま、という企業は少なくありません。

記事を読んで興味を持った人が、社名で検索してトップページを開く。そこで目にするのは、自社の歴史、理念、受賞歴、そして並んだサービスメニュー。「この会社は何をしてくれるのか」「自分が頼んでよい相手なのか」が分からないまま、その人は静かに離れていきます。

記事は、人を連れてくるところまでしかできません。連れてきた人を受け止めるのは、サイトの側です。

足す発想から、引く発想へ

この状態への対処として、多くの会社が「もっと情報を載せる」方向へ進みます。実績を増やし、サービスを増やし、訴求を増やす。

ところが、増やすほど問い合わせは減っていきます。読む側から見ると、情報が増えるほど「自分に関係のある部分」を探す手間が増えるからです。

私たちが「売れるサイトはみな謙虚」という考え方でお伝えしているのは、この逆です。自社が言いたいことを減らし、相手が知りたいことだけを残す。強みを1つに絞り、対象を明示し、頼んだ後に何が起きるかを先に示す。

謙虚とは、遠慮することではありません。相手の判断に必要なものだけを、迷いなく差し出すことです。自社の話を並べるのは、実は相手に判断を委ねているようでいて、判断の材料を渡していない状態です。

記事の工程と、サイトの工程は別のもの

ここまで書いてきた検収の工程は、記事を安全に、そして資産として積むための仕組みです。それは確実に必要です。

ただ、その記事が売上につながるかどうかは、また別の設計で決まります。どちらか一方だけを整えても、成果は出ません。

よくあるご質問

外注先に「AIは使わないでください」と伝えれば済むのではないですか

確認する方法がないため、実質的なルールとして働きません。文体から推測することはできますが、断定はできず、指摘しても水掛け論になります。禁止するより、使ったことを申告してもらい、どの工程で使ったかを把握するほうが、実務としては確実です。

契約書に「権利侵害がないことを保証する」と書いてあれば安心ですか

安心はできません。権利者からの差止請求や損害賠償請求を最初に受けるのは、そのコンテンツを公開している自社です。差止請求は、故意や過失を問わず認められます。契約の条項が働くのは、その後に外注先へ求償する場面です。前段の防波堤ではなく、後段の精算のための条項だとお考えください。

AIが書いた文章をそのまま公開すると、著作権侵害になりますか

そのまま公開したこと自体が侵害になるわけではありません。侵害が成立するには、既存の著作物との類似性と依拠性の2つが必要です。ただし、依拠性については、利用者が既存の著作物を知らなくても、AIの学習データに含まれていた場合には推認され得るとされています。「知らなかった」という説明が通りにくくなっている点に、注意が必要です。

AIで作った記事は、自社の著作物になりますか

プロンプトを入力しただけで自動生成された文章には、原則として著作物性が認められません。人間の創作的寄与、たとえば反復的な指示や試行錯誤があれば、認められ得るとされています。自社の資産として権利を主張したい場合は、そのまま公開せず、加筆修正を行い、その過程を記録として残してください。

制作記録は、どこまで細かく残す必要がありますか

全プロンプトの提出まで求めると、外注先の負担が大きく、続きません。使用したツール名とプラン、使用した工程、主要な指示の内容、参照した一次情報の一覧。この4つが揃っていれば、実務上の反証材料として機能します。

過去に公開した記事は、いま何をすればよいですか

すべてを遡って点検するのは現実的ではありません。優先順位をつけてください。優先度が高いのは、アクセスが多い記事、外部から引用されている記事、そして数字や固有名詞を多く含む記事です。この3つに絞って、出所の確認と既存コンテンツとの照合を行ってください。

画像もAIで作っていますが、記事と同じ扱いでよいですか

基本的な考え方は同じですが、画像のほうが類似性の判断が視覚的に分かりやすく、指摘を受けやすい面があります。特に、実在の人物や既存のキャラクターに似た画像は避けてください。使用するツールのIP補償の有無も、画像のほうがより重要になります。

小さな会社でも、ここまでやる必要がありますか

規模によって法的な責任が軽くなることはありません。ただ、一度に全部を始める必要もありません。まず着手していただきたいのは、発注書に権利の帰属とAI利用の申告を書き加えること、そして納品時に数字の出所を確認することの2つです。この2つだけでも、リスクの大部分は下がります。

まとめ

2026年、生成AIをめぐる法的リスクは、AIを開発する企業から、生成物を世に出す企業へ移りました。外注した記事であっても、自社サイトに掲載している以上、責任を負うのは自社です。

そのうえで、発注する側にできることは、はっきりしています。

発注そのものの進め方については、記事外注の注意点|外注しても発注側に残る4つの工程と、納品物の確認手順にまとめています。あわせてご覧ください。

発注の時点で、著作権の帰属、AI利用の申告、権利非侵害の保証、制作記録の提出、二次利用の範囲を書面に残す。制作中は、作家名やブランド名を含む指示を禁じ、入力してよい情報の線を引く。納品時には、申告との整合、既存コンテンツとの照合、数字の出所、制作記録の受領、人間の判断の追加、公開前の最終確認という6つの手順を回す。公開後は、指摘を受けたときの初動を決めておき、四半期に1回ルールを見直す。

そして、これらを担当者の頑張りに任せず、進行の条件として仕組みに組み込む。ここまでやって、はじめて記事が安全な資産になります。

ただし、安全な記事が積み上がることと、その記事が問い合わせを生むことは、別の話です。集める工程と、受け止める工程。両方が揃ってはじめて、Webサイトは成果を出します。

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